やさいのいぶき〜有機農園 けのひの日常〜

脱サラ夫婦が神奈川県愛川町で新しく農業をはじめた日常を綴る。畑と食卓、畑と街、畑と社会を繋いでいきます。

2011年12月

「年末は売れるぞー」と言われてはいたものの、あまりピンとこないまま迎えた年末。

うちの野菜はどうせあまり売れないだろうと思いなんの準備もしていませんでした。
そしたらまんまと激流に飲み込まれ…。

自由な自営業のはずの農民が忙しいという場合、どんな状況に陥っているのか。

色々なケースがありますが、今回の場合は出荷したものが売り場からなくなり、需要に対して供給が圧倒的に追いつかなくなる、今までそんなに注文が入らなかった売り先から予想を上回る注文が入る、出荷する品目が増えて調整作業に難航するという状況でした。

12月23日以降は周りの農家さん、仕入れ野菜の価格も軒並み上昇し、普段自分がつけているチョイ高値と同等かそれ以上の価格になっていきました。

私の場合は相場を勘案せずに一年を通して再生産可能な価格でお願いするという修行時代の教えを踏襲し、お値段据え置きで提供させていただきました。

そのせいもあってか普段はそんなに動かないのに、この時期は多くの皆さんに手に取っていただき、毎日収穫→調整→袋詰めを夜遅くまで行うこととなりました(主夫なのに家族に大迷惑!?)。特に日が短いこの時期はヘッドランプをつけ、6枚着込み、夜間収穫なども行いました。寒いのなんの。特に寒い日はスティックブロッコリーは一日中凍ったままだったし、夜になると大根は凍ってしまい抜いたはずみでぽっきり折れるということもありました。掘っておいたサトイモは寒さにあたって腐ってしまったり。

調整作業は夜間がメインになるため、午前様だったり、家に持ち帰って朝方まで作業したりとおかげさまで身体をおかしくするほど多忙な年末でした(苦笑)。まさに想定外のうれしい悲鳴です。
それでも小松菜やほうれん草がうまく育たず、出荷できなかったので作業量は少ない方だったのかもしれませんが。

しかし冷静に考えてみれば、年末は年始の準備があるため、どの家庭でも野菜は買いだめする時期ですよね。しかも値段にかかわらず絶対にはずせない野菜たち(大根・にんじん・サトイモ・葉物類など)というのもあります。

ここいら辺を踏まえ、次は早々から準備して多忙でも健やかな年末にしなくてはと反省しています。

IMG_5605大豆の選別がてら、研修で2年間お世話になったグリーンポート・アグリにお邪魔しました。

今いる八王子も米軍基地がほど近いところにあるため戦闘機や旅客機と思われるものなど、結構近いところを飛んでいるのですが、ここはさすが成田空港のお隣。飛行機の大きさ、音のデカさはとてもかないませんでした。この音そのものが懐かしい。

初心に帰って農作業に参戦するつもりが、大豆選別に時間がかかり、夕暮れどきになってしまったため畑見学くらいしかできませんでした。しかし2年間を過ごした懐かしい空気・風景に再び出会え、とてもうれしい気持ちになりました。

IMG_5598畑はというと自分の畑とは違い、作付られたほぼ全ての作物が順調に育ち、収穫を待つとても美味しそうな野菜がそこいら中にありました。畝立ても整然となされ、今の研修生たちはすごいな、というのが率直な感想です。
自分がリーダーをしているときは性格上、かなり適当だったのでこんなに綺麗にはできてなかったのです。その上、独立した今はその適当な自分しかいないため、畑のデザインもチグハグでなかなかダサいものがあります。

今いる6人の研修生たちが一人前になったときにどこで開墾するかはわかりませんが、同じ学び舎をでた、同じ師匠を持つ仲間として、情報交換や種・技術の交流など共にやっていければいいなと思います。

非農家出身の農民仲間というのは全国的にみてもあまりおらず、農家出身にはない問題に多く直面します。近くにいないと直接の手助けにはならない場合もありますが、同じスタートラインから歩みだす仲間はどこにいても絆で結ばれていると感じています。一筋縄ではいかない職業ですが、共に切磋琢磨して、明るい未来を築いていきましょう。

また行きます。

先日、昨年の春までいた千葉県の芝山町まで、大豆の選別に行ってきました。

大豆は収穫までで作業の半分、というくらいこのあとの作業に手間がかかります。

今年栽培した大豆は3種類。それらが混ざらないように乾燥、ごみ取り(トウミかけ)、選別をしていきます。

乾燥はブルーシート、または穴の開いていない容器で天日干し。

ごみ取りは借りてきた唐箕という昔ながらの人力機械で二回ずつ。

IMG_5587この時点で大きなごみ、クズ豆は多少は排除できていますが、まだまだ出荷できるような状態ではありません。木の枝も残っているし、虫も混じっているし、なにより豆も大小さまざま。腐り豆も混じっています。これを手で選別することもできますが、今回は3品種約120kgあったのでコストはかかりますが、選別機のある芝山町まで行きました。


IMG_5594自分の背丈より大きいくらいのヤンマー製のその機械は、大豆選別機というだけあって、年末年始の少しの間しか使われていない模様。そのため去年のものと思われる、虫に喰われ、糞と共に塊と化した豆がたくさん詰まり、落ちていました。

それらを除去して作業開始。

IMG_5588まず、豆をタンクのようなところに入れます。それから少しずつ機械に豆を供給してい
きます。

すると円筒状のパイプに吸い込まれて、上部にある選別ベルトに排球されていきます(二、三枚目の写真)。


IMG_5592この部分がこの機械の生命線で、豆がうまい具合に転がるように手前に向けて絶妙な角度がついています。この部分が手前から奥に向けてベルトコンベアのように動き、ちゃんとした丸い形をした大豆は重力に従って、手前に落ち、次なる選別エリアに運ばれていきます。虫食いで凸凹していたり、腐って形が変わったものなどはベルトにひっかかり、上部に運ばれごみ排出エリアへと連れて行かれます。

IMG_5591
ここをクリアすると中で大中小、クズの4段階に選別され、まるでパチンコでフ
ィーバーしたときのようにダバダバと落ちてきます。




前回この作業をやったのが研修生だったちょうど一年前。
慣れないどころか記憶もあいまいだったため、機械作業にも時間がかかり、準備、片付けも含めて120kgやるのに4時間近くかかってしまいました(移動は片道2時間)。

ただ、機械そのものは豆30kgにつき100円と格安のレンタル料金。

とりあえず大きな山を越えました。

このあと最後の手選別が待っています。

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