やさいのいぶき〜有機農園 けのひの日常〜

脱サラ夫婦が神奈川県愛川町で新しく農業をはじめた日常を綴る。畑と食卓、畑と街、畑と社会を繋いでいきます。

2014年03月

画像5引越しが完了したと言っても愛川の畑にはまだ何もなく、収穫物は全て八王子の畑にあります。引越しのドタバタで畑と向き合えて無かったので今日は八王子の畑へ様子見を兼ねて行ってきました。

到着するやいなや飛び込んできたのは花盛りの紅菜苔。菜花類はトウが伸びてきて、花が咲く前に収穫しないと固くて美味しくなくなってしまうのです。なので菜花は伸びたらすぐ取る、春も真っ盛りになれば毎日取るが鉄則となります。

それがサボっていたばっかりに‥。

とりあえず午後には愛川の方で機械の納入もあるので急いで取ってブーランジェリーサルドゥバンさんの店頭に置かせてもらって直帰。

ドタバタの八王子滞在となりました。

そういえば昨日は愛川でクワを使おうとしたら八王子にあることを思い出し、今日八王子で移植ゴテを使おうとしたら愛川にあることに気がつくというポカをやってしまいました。

研修先のボスがいたら間違いなく「クワは常に持ち歩け!そんなもん忘れるなんて話になんねーぞ!!」と怒鳴られますね。怒られて反省した気分になってます。

今までもそうだったけど、これからはもっと段取りが重要になってくるな。天気予報も二つみないとね。

画像3人間の引越しが終わった後、今度は苗も引越しです。苗はそれこそ人間の赤ちゃんと同じで水管理や温度管理、光の当たり具合など色々と面倒を見てあげないとよい苗になりません。「苗半作」という言葉があるくらい、苗の出来はその後の生育を左右します。極端な話、苗の出来が悪ければよいものは収穫できないといっても過言ではありません。

そんなわけで苗を目の届くところに置いておくべく、運搬しました。軽トラの荷台に木で枠を作って全42枚。一度で運び切りました。途中風に煽られて傷んでしまった苗も、ありますが、ほぼ無事に引っ越し完了。

八王子のときは自宅から車で5〜10分の距離にある畑で育苗していたので畑にいないときでも必ず朝夕の二回はハウスの開け閉めに行っていました。天気が急変したりすると開け閉めの調整が難しかったのですが、今度は自宅の敷地内なのでそれこそ朝晩パジャマでも様子をみに行けちゃいます。

う〜ん、段々農家っぽくなってきたぞ。

八王子にきて丸三年が経ちました。すでに何度かお知らせしたように、この春、私たちは新たな拠点づくりのために神奈川県愛川町に移転します。

思い返せば研修先の成田から八王子に引っ越してきたときは特に知り合いという知り合いもおらず、農家さんに挨拶しても不審がられ…若干寂しいスタートでした。畑で汗を流すうちにたくさん声をかけてもらえるようになり、アドバイスをもらったり、おやつをもらったり、非常に居心地のよい場所になっていきました。

野菜も荒地からスタートした最初こそうまく育たないということがたびたびありましたが、今ではしっかり手をかければきちんと育ってくれるまでになりました。

そして何より八王子ではたくさんの人に出会いました。

農家さん、売り先さんだけでなく、自分の商売の範疇を越え、農業・畑を通じて街の人たちとのつながりを強く感じることができました。よく東京で農業をすることのメリットは畑と人が近いことと言われますが、これは鮮度よくお届けすることができるということにとどまらず、畑という空間が持つ雰囲気や意義を感じてもらいやすかったような気がします。

また、SOY for CACAOプロジェクトなどの畑での自主企画イベントや、街中や飲食店さんでのイベントに沢山参加させてもらいました。その都度楽しい・嬉しい出会いもあり、少しずつ街と繋がり、輪のひろがりを感じることができました。

これら全てのことは家族や仲間たちの支えや助けがあったからこそできたのだと改めて実感しています。

また、子どもたちを通して出会うことができた共励保育園のお友達や先生たちもいつも近くで応援してくれていたこと、大変感謝しています。


思い返せば、子どももまだ小さく、今まで生きてきた中で一番慌ただしい三年間でしたが、その分とても充実した時代でもありました。八王子を去りますが、これからも繋がっていられればなと思っています。 そして有機農園けのひの第二幕をお楽しみに!

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