遅ればせながら、ようやく春の種まきが本格スタートしました。
今年は雪こそ積もりませんでしたが、雨がよく降るし、霜もよく降りるしでなかなか畑が乾かず、毎度のことながら播種のタイミングが難しいです。
今日は春人参の種を播きましたが、畑が湿っているときは播種機の鎮圧ローラーに土がへばりつき、キチンと鎮圧ができません。
畝も立ててあるし、明日が雨なので今日中に絶対播きたい!
でも今日中に畑が乾く見込みもなく、クリーンシーダーを転がせない!
一列播いてはローラーの土を落として乾かし、また播いては乾かし、遅々として進まない焦り…。
農家さんならたいていみんなこんな経験があるかと思います。
で、もうダメだー!とあきらめかけた時に以前、千葉県の有機農家である三つ豆ファームさんが提唱していたやり方をふと思い出しました。やったことないけど、本当にうまくいくのだろうか。でもローラーを乾かしている間にも日はどんどん沈んでいくし、迷わず一旦帰宅。ガムテープを持って畑に戻りました。
そしてローラーをガムテープでグルグルグル。
ただそれだけのことでなんとまあ、まったく土を持ってこず、ノーストレスで播種完了。
畑の乾き具合を何度も確認していたいままでの4年間はなんだったのだろうか。。
まさに神業。
これからの段取りが大きく変わります。
三つ豆ファームさんに感謝。
2015年02月
もみ殻くん炭
地元の友人にもみ殻を譲ってもらえたので、くん炭を作ることにした。研修時代に作ったきりなので6年ぶり2回目の挑戦。もみ殻を焼くだけなので挑戦というほどでもないでしょうと安易に始めてみる。
ちょうど平日のど真ん中の祝日で子どもたちが暇していたので、焼き芋大会ということでサツマイモを20本ほど突っ込んで気分を盛り上げる。
以下、くん炭の作り方
1、煙突の下に着火材として燃えるものを入れる。今回はワラを一束くらい
2、火がついたら煙突をかぶせ、周りをもみ殻で囲む。今回は90ℓの袋に軽く入っていたもみ殻を4袋分
3、初めのうちは煙突の上の方だけ黒く焦げてきて、うっかりすると炎がでるので、下からもみ殻を被せて落ち着かせる
4、それを繰り返しているうちに全体がよく燃えてくる。あまりかき回すと火が消える恐れがあるので、ここまでくれば大丈夫かなというくらいまであまりガチャガチャ混ぜすぎない
5、よく火がついている気がしてきたら燃えていない生の部分を燃えているところにかけていく
6、3時間もすると全体が黒くなって完成。広げて水をかけ、火を消す
サツマイモは濡れ新聞で包んでからアルミホイルで包む。もみ殻をかき混ぜるときに一緒に動くのでアルミホイルはしっかり巻いておかないと中ではずれてしまうので要注意。
お楽しみの焼き芋。熟成させたサツマイモにじっくり火を通したせいか、まるでキャラメルのようにトロッとしていて甘すぎるほど甘い!これは芋かお菓子か蜜そのものかというくらいのウマさで大満足。2月11日に毎年やろう!ということに。
ウマすぎるサツマイモにうつつを抜かしていると何やら変なニオイが…。
中途半端に水をかけたくん炭が再発火し、一部灰になっているではないか!!
炭はなかなか火が消えません。火事にも注意しましょう。
たっぷり水をかけて、翌日袋に詰めて回収。去年までの踏み床温床をふるった土に混ぜて、苗を育てる床土に使用します。
冨澤ファーム訪問
脱サラして農業を始める前、東京都三鷹市の農家さんを訪ね、営農するってどういうことかと色々とお話を伺いました。そのとき印象に残った言葉が「農家の仕事は野菜を作ること、ではなく、野菜を売ることなんだ」というものでした。勤めを辞めて農家になろうかという私たちに、ただ野菜を育てることがしたいのであれば農家になんてならずに家庭菜園を愉しんだ方がいい、農家になるというのならば、育てたものをしっかりと販売し、生計をなりたたせるということを念頭に置くべきだ、というアドバイスをくれたのでした。
これは一見当たり前のようでありながらも、「農業がやりたい!」と希望を語る人にありがちな落とし穴で、ただ田舎暮らしがしたい、野菜の栽培が好き、というだけの人はおそらく長続きしない職業なんだと思います。その辺を一度シリアスに諭してくれたのは農業を始めるときのモチベーションに大きく影響したように感じています。
就農した後、八王子にいたときは同じ東京の都市農業ということで勉強会などで顔を合わせたり、たまたま同じ業者さんに野菜を卸していたりと近からずも遠からずという具合でつながっていたのでした。
そして今回、迷える有機農園けのひは再び三鷹市の冨澤ファームを訪れました。
6年ぶりに訪れた冨澤ファームさんは見るものすべてが新鮮でトンネルのかけ方や育苗の仕方、珍しい野菜の栽培などあれこれ質問させてもらいました。6年前に訪れた時はドシロウトもいいところだったので畑の質問なんかは皆無だったかと思います。むしろ仕事としての農業とか概念的なことに終始していたような。
今回久しぶりに会って話しをさせてもらって改めて新鮮な思いで冨澤ファームを見学できたのと、技術的にいくつか持って帰れたのが大きな成果となりました。
相談できる農家さんがそう遠くないところにいてくれることが、大きな励みになる、そんな訪問となりました。
晴れた日のゴールデンタイムにどうもありがとうございました!