やさいのいぶき〜有機農園 けのひの日常〜

脱サラ夫婦が神奈川県愛川町で新しく農業をはじめた日常を綴る。畑と食卓、畑と街、畑と社会を繋いでいきます。

2020年02月

IMG_6107有機農家だし、肥料くらい自分で作れるようにならないと、と思って去年から始めたぼかしづくり。今年もやってみました。

去年は2回作って、1回目は基本の米ぬかぼかし、2回目はいたずらにその辺にあるものを何でもぼかして肥料にしてみた。米ぬかは一次発酵が始まるとデンプンが糖に変わっていくために甘い香りが漂いはじめ、その後二次発酵でアミノ酸になっていく過程で醤油とか味噌みたいな香ばしい匂いに変わっていった。

意外と簡単にできたので2回目は米ぬかに菜種油粕とひまわり油粕と大豆かすとかカニガラとかモロモロをとにかく混ぜて肥料にしたのだけど、これが強烈だった。まず色が真っ黒。そして見たことないカビが発生してとにかくなにやら発酵している!という風になり、見るからにタダモノではない気配が漂っていた。

そして二次発酵まで終えて畑に散布。

するとその夜は発熱して寝込んだ。
もしやと思ったけど、回復してからまた散布するとその夜もまた発熱して寝込んだ。
3回撒いて3回とも発熱してしまった。

きっと見知らぬ微生物なのか、微生物の量が多すぎるのか、とにかく身体の免疫系が反応しているようだった。それくらい強烈な肥料だった。この肥料を使った作物はとてもよく育ったのだけど、もう正直撒きたくない…。

今回はおとなしいやつを仕込んでいます。
10日くらい経ってただいま45℃。甘い匂いが漂っています。

数年前に同じ神奈川県の三浦半島へ視察に行ったのだが、そのときにはたと目にとまる畑があった。

そこには大根とキャベツが交互にみっちりと植わっていた。この2種の野菜の収穫を時差で行うことで生育スペースを有効活用しているという。2つの作物を共生させて絶妙なタイミングで収穫をしてスペースを確保していくというのは簡単なようでそう単純にはいかない気がした。播種時期、品種選び、そして何より生育の揃い。一歩間違えると共生どころかお互いの生育に悪影響が出てしまうからその仕掛けは圧巻だった。ちなみにその時に見た大根とキャベツの畑は微妙にスペースの幅が違う場所があり、そこは大根を収穫した後にスイカと冬瓜を植え、キャベツが収穫される頃にそのスペースまで伸びてきて全体が埋まるんだそう。これらの作物で一年間を無駄なくカバーするという。まるで3Dパズルのようなこの組み合わせ、考えた人は凄い。

そして自分の畑。やはりスペースの有効活用にと似たように行っているのが紅菜苔などの早春収穫の菜花類と赤カブの組み合わせ。

秋のお彼岸頃に赤カブと紅菜苔を直に交互に播いていく。すると12月頃になると赤カブはいい大きさになり、それがとり終わる頃には紅菜苔が大きくなるという仕組み。三浦のパズルには足元にも及ばないけど、これがうちの定番の組み合わせの一つ。ちなみにお彼岸頃に播くというのがミソで、これより早いと当地では虫害が出てしまうので、防虫を全くしないという時期を狙うとするとやはり秋のお彼岸というのが一つの目安になると思われる。ちなみにもう一つ、この組み合わせはなぜかヒヨドリも見向きもしないため、鳥よけもしなくて大丈夫というおまけつき。

IMG_562711月中旬の様子。

右から赤カブ、紅菜苔、赤カブ、紅菜苔、赤カブ…

もはやパッと見てもどれがどれだかわからない








IMG_61012月初旬の様子。

赤カブがなくなって紅菜苔だけになった畑。

暖冬の影響もあって豊作。

たまたまということもあるかもしれないけれど、とりあえず2回目(2年目)の成功事例。

これは紅菜苔だけでなく、他の菜花、例えばのらぼう菜などにも応用可能。





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