ローマ市内から車で南に約一時間、アルデーアという町で有機農業を営むBONGIROLAMIさんを訪ねた。この農場は元々銀行員だったご主人のレンツォさんが30年前に脱サラしてゼロから始めた農場。総面積は7haとイタリアとしてはかなり小規模だそう。先日訪れたフィウミチーノのBIO CARAMADREさんが32haだったことを考えると、経営規模もまるで違う。それでも今回の視察の目的に自分たちと同規模、または等身大の農家を訪ねるということがあったので彼らのような農家の生きた方もぜひ見ておきたいという希望があった。今回、イタリア在住のリサーチャーの方に無理を言ってお願いしたので、アポイントメントを取る段階から相手はとても驚いていたそう。一体なぜ私たちのような農場に日本人が!?と。
約束の時間に伺うと、レンツォさんとお母さん、娘さんで現在の経営者であるエマヌエラさんが歓待してくれた。そしてもう何でも聞いてくれと言わんばかりに様々なことを話してくれた。自身の就農の経緯、方法論のこだわり、農業への思いなどなど。そして畑へ。
冬のこの時期は私たちのいる南関東と同じでローマでも一番モノがない時期にあたるという。そのため、なんでこんなときにきたんだ〜!6月に来てくれれば!と何度も悔しがっていた。
レンツォさんは元々何もない農地を購入し、家を建て、鶏やロバや蜂を飼い、野菜や果樹を育てて暮らしている。見晴らしのいいいくつもの丘がその舞台で、それはさながら北海道の美瑛のよう。ただ美瑛と違うのはその丘の一つ一つがパッチワークになるのではなく、多品目の野菜で覆われていることだった。何もないといいつつも、やはりここにもアーティチョーク、ラディッキョ、カーボロネロ、ロマネスコ、カーボロカップッチョ、チコリあたりはふんだんにあった。
次の予定もあったため、3時間しか滞在できないと告げたのだけれど、ぜひお昼も食べて行きなさいと食卓を用意して待ってくれていた。初めて入ったイタリア農民の台所。そこは一つの憧れの場所でもある。まさかこの旅で入れるとは思っていなかったので、もうそれだけでとても嬉しかった。
昼食のメニューはローマ名物のカルボナーラ、ローストしたラディッキョ、アーティチョークのオムレツ、バレリアーナのサラダ。「カルボナーラは卵を楽しむためのパスタよ」とはお母さんの談。畑で採れた野菜や果物を食べて育った平飼いの鶏の、しかも採れたての卵を使っているのだからこれ以上贅沢なものはない。
レンツォさんは日本でも有名な福岡正信氏の『わら一本の革命』に感銘を受けたらしく、私たちもその本を読み、大切にしている旨を伝えるととても驚いていた。そして、今回のお互いの様々な話を通し、「BIOは国とかコンセプトを越えて通じるものがあるんだね」としみじみ喜んでくれた。たった3時間前に出逢った仲なのに、互いの仕事を通じ、様々な価値観をすでに共有しているというのはとても不思議でいて、何か絆のようなものすら感じることができた。
レンツォさん一家は見ず知らずの私たちの来訪を楽しみに待ってくれており、そして歓待してくれ、別れを惜しんでくれた。短い滞在だったけれど、私たちにとってはイタリア農民の暮らしを肌で感じることができた貴重な時間となった。
今度は一週間泊まって行きなさいと涙を浮かべてキス&ハグでのお別れ。お土産には赤ワインと自家製のトマトソースを持たせてくれた。
彼らの温かさに触れたこの時間は、私たちにとって経験を越えて財産のようになっていくんだろうと、離れていく車内で思っていた。
約束の時間に伺うと、レンツォさんとお母さん、娘さんで現在の経営者であるエマヌエラさんが歓待してくれた。そしてもう何でも聞いてくれと言わんばかりに様々なことを話してくれた。自身の就農の経緯、方法論のこだわり、農業への思いなどなど。そして畑へ。
冬のこの時期は私たちのいる南関東と同じでローマでも一番モノがない時期にあたるという。そのため、なんでこんなときにきたんだ〜!6月に来てくれれば!と何度も悔しがっていた。
レンツォさんは元々何もない農地を購入し、家を建て、鶏やロバや蜂を飼い、野菜や果樹を育てて暮らしている。見晴らしのいいいくつもの丘がその舞台で、それはさながら北海道の美瑛のよう。ただ美瑛と違うのはその丘の一つ一つがパッチワークになるのではなく、多品目の野菜で覆われていることだった。何もないといいつつも、やはりここにもアーティチョーク、ラディッキョ、カーボロネロ、ロマネスコ、カーボロカップッチョ、チコリあたりはふんだんにあった。
次の予定もあったため、3時間しか滞在できないと告げたのだけれど、ぜひお昼も食べて行きなさいと食卓を用意して待ってくれていた。初めて入ったイタリア農民の台所。そこは一つの憧れの場所でもある。まさかこの旅で入れるとは思っていなかったので、もうそれだけでとても嬉しかった。
昼食のメニューはローマ名物のカルボナーラ、ローストしたラディッキョ、アーティチョークのオムレツ、バレリアーナのサラダ。「カルボナーラは卵を楽しむためのパスタよ」とはお母さんの談。畑で採れた野菜や果物を食べて育った平飼いの鶏の、しかも採れたての卵を使っているのだからこれ以上贅沢なものはない。
レンツォさんは日本でも有名な福岡正信氏の『わら一本の革命』に感銘を受けたらしく、私たちもその本を読み、大切にしている旨を伝えるととても驚いていた。そして、今回のお互いの様々な話を通し、「BIOは国とかコンセプトを越えて通じるものがあるんだね」としみじみ喜んでくれた。たった3時間前に出逢った仲なのに、互いの仕事を通じ、様々な価値観をすでに共有しているというのはとても不思議でいて、何か絆のようなものすら感じることができた。
レンツォさん一家は見ず知らずの私たちの来訪を楽しみに待ってくれており、そして歓待してくれ、別れを惜しんでくれた。短い滞在だったけれど、私たちにとってはイタリア農民の暮らしを肌で感じることができた貴重な時間となった。
今度は一週間泊まって行きなさいと涙を浮かべてキス&ハグでのお別れ。お土産には赤ワインと自家製のトマトソースを持たせてくれた。
彼らの温かさに触れたこの時間は、私たちにとって経験を越えて財産のようになっていくんだろうと、離れていく車内で思っていた。
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