マレーシアでは日本と同様、原則的に収入がないと銀行のクレジットカードが作れません。ただし、例外があって、お金を定期預金に預けて審査を受ければその定期預金額のある割合を利用額上限とするクレジットカードが作れる銀行もあるようです。 私はMM2Hビザ保有者でマレーシアでは収入がないのでこの方法を取ることになりました。
(※今回も長文です)
 追記2017/7/6 一部支店名を匿名に変更しました。
 追記2017/7/11 デビットカードの引き落とし口座(5.5節)とクレジットカード作成時の費用(5.8節)について追記しました

0.概要

  • MM2Hビザ保有者なら、口座開設時に作ることが多いだろうクレジットカードを今更ながら作ることにした
    • 理由は、急な入院・手術で、即時的な預り金(deposit)を要求されたときのための対策の一つとしてである。
    • 支払い上限額としては、RM100,000(260万円)を希望。背景は脳の手術ではRM80,000(210万円)を要求されることがあるという情報を得たこと。
  • MM2H条件維持の定期預金口座のあるCIMBを第一候補として、いくつかの銀行窓口・関係者に条件を聞いた
    1. 「MM2Hビザ保有者でもクレジットカードを作れる」と答えたどこの銀行も、同額の定期預金口座をつくり、維持することが必要
    2. CIMBは(およそ)預金額の0.5%がかかる。RM100,000上限額のカード作成の場合はRM500(13,000円)が必要
    3. bの余分な費用を勘案すると、定期預金を積んでクレジットカードを作る場合には、一般的にはCIMB以外でクレジットカードを作ったほうがよい
  • CIMBの作成費用は突出して高かったが、CIMBが利息のキャンペーン中であること、預金を分散したくないこと、自宅から行きやすいことを総合的に勘案して、最終的にCIMBのK支店でクレジットカードを作ることにした
  • 最終的に定期預金口座開設とクレジットカード申し込みをした日に、支店長が対応してくれ、Preferred(優遇)扱いにしてくれたので、申し出のあった優遇金利の当座預金口座の作成も含めて1時間余りで手続きが終了した
  • 今回初めてPreferred待遇を体験して「フツー」とPreferredの扱いの違いに愕然とした。つまり、Preferredは「多額(RM250,000、現在約650万円)の定期預金を積むことで、時間と手間とよりよいサービスを買っている」ということを実感した
  • CIMBでは定期預金を複数支店に分散することができ、その合算でpreferred資格が得られることがわかった。

1.はじめに クレカを作ろうと思ったわけ

1.1 「クレカは盗まれると厄介」「デビットで十分」と思っていた

 MM2Hビザでこちらに住んでいる方々のほとんどがクレジットカードを作っておられる中、私はデビットカードで十分だと考えていました。それほど高額の買い物をすることがなかったからです。デビットカードの支払い上限額はRM5,000(13万円)にしてありますが、それで十分でした。

 クレジットカードの扱いが日本と違って、カードを盗まれたときに、そのことを届けるまで、不正利用分は自己負担となっていることが多いことも作るのに二の足を踏む大きな理由の一つでした。

 ただし、あとでわかったのですが、クレジットカードの中には、RM250(6,500円)までを利用者の責任として、それ以上を免責にすることがあるカードもあります。また、日本人会でつくるイオンカードは日本と同様な保険がついているようです(持っていないので、詳細はわかりませんが)。

1.2 マレーシアでは、手術のときにかなり高額の預り金を要求される

 ところが、最近あるSNSで手術を受けた方の話がありました。手術のときや入院時に預り金が必要であることは知っていましたが、手術の時、預り金を支払うまで手術を始めてもらえなかったと記されていました。朝一番で銀行へ行ってお金をおろして病院へ行くと、まだ手術が始まっておらず、おカネを支払って初めて手術が始まったということです。これは世界標準なのでしょうが、日本人には驚きのことでしょう。

 日本では手術のときにお金を預けないとしてくれないということはなく、あとで払えばいいですし、キチンと保険料を払っていれば保険も効きますし、高額の場合は払い戻しが受けられたりします(高額療養費)。いい国です。いい国過ぎて、外国からの旅行者が入院した時、退院前におカネを払わずに逃げて病院が困る事態になっているとも聞きます。


 話を元に戻すと、その書き込みによると、預り金の最高額はRM80,000(210万円)にもなるそうです。脳の手術の場合だそうですが。

 私は現在駐在者用の保険に入っているので、脳疾患の場合はたぶん保険が効きますが、慢性疾患では保険が効かないのでその関連で手術となると、当然自腹で工面しないといけません。一刻を争うときに、1億円とかはともかく200万程度のおカネがすぐに用意できないことで、手遅れになったとしたら泣くに泣けません

1.3 デビットカードでは1日上限額が少なすぎる

 普通預金口座におカネを200万円程度置いておいてデビットカードで払うという方策も考えたのですが、デビットカードの一日の支払額はCIMBで(最高額に引き上げても)RM10,000(26万円)ですから、全く足りません。他の銀行でも同様でしょう。

 以上から、いざという時に高額のお金をすぐ払えるしくみを整えておいたほうがいいというのがクレジットカードを作ろうとした理由です。

1.4 居住者でないので、日本のカードを今から作るのは難しい

 マレーシアのクレジットカードでなくても、日本のカードで支払限度額の大きいカードを持っていれば問題はないですが、残念ながら私たちは今回の目安となる200万円程度を限度額とするような、いいカードは持っていません。

 今から日本の高額限度額カードを作るという手もありうるとは思いますが、私たちの場合、住民票も抜いてきているので、今から日本のカードを作るのは全くできないということはないにしろかなり難しいと考えています。

2.支払限度額RM100,000のクレカが作れるか聞いてみた

 Mid Valleyで目についた支店とキャンペーンに来ていた関係者(※行員でないかもしれないので、関係者と書いています)に聞いた結果です。

 マレーシアの場合、残念ながら聞く人によって返事が異なることが多い(※このあとでもわかります)ので、あくまで参考程度にしてください。
 ざっくりまとめると、

  1. MM2Hビザ保有者でもクレジットカードを作れると答えたのは、CIMB, Maybank, RHB, Citibank。
  2. 作れる銀行でも、私たちが働いていない(働けない)ので、クレジットカードを作るのは支払限度額RM100,000と同額の定期預金を作成する必要がある。
  3. ただし、支払限度額はRM100,000となるとは限らない。審査結果に依る(場合によっては、支払限度額より多めに預金する必要があるだろうということ)
  4. CIMBは印紙税(Stamp duty)のほかに、預金額の0.5%かかる(FD Pledge chargeとか印紙税という説明だった)
  5. 年会費はカードの種類に依る(無料のものもある)
  b.の条件ですが、マレーシア中央銀行Bank Negara Malaysiaの規制のようです(こちらのブログ)。MM2Hだけでなく、一般に収入の条件を満たせない人は定期預金を作ってそれを担保にしてクレジットカードがつくれるということのようです。
 MM2Hで収入がないことを申し出たときの各銀行のクレジットカードの発行の可否を下の表にまとめておきます。
表1 MM2Hであることを申し出たときの各銀行のクレジットカード発行の可否、費用
  クレカ 費用(RM)
CIMB 510
Maybank 10
RHB 10
Citibank 不明
Hong Leong × N.A.
HSBC 不明 N.A.
Standard Chartered (×) N.A.
※マレーシアでは担当者により発言内容が異なることがしばしばです。情報のご利用はあくまでも参考程度にお願いします。また、実態と異なるという情報をお持ちであれば、コメント欄でご指摘いただければ幸いです

 この表のもととなった、各銀行での問い合わせの結果をいかに記しておきます。

2.1 CIMB

 相手方はこちらの条件に基づいて回答すると思うので、私の口座の開設状況を最初に示しました。また、回答者がどんな肩書かということも信頼性の高低に関わると思うので、そのことを2番めに記しています。他行での聞き取りについても同様です。

  • 前提条件 MM2Hの預金(RM150,000)を置いている。さらに、RM200,000を予め口座に送金しておいた
  • 回答者 M支店 Preferred Service Manager
  • クレジットカードは作れる。
  • MM2Hの場合、支払限度額と同額の定期預金を組む必要がある
  • 定期預金の0.5%、RM500(13,000円)(FD pledged charge)と印紙税(stamp duty)RM10と(そのGST)が必要。(FD Pledge chargeという名称は翌日電話で確認)
  • カードは2枚同時に作れる
  • (口座の状況を知っているからか、上限額が預金額になるという前提で話が進んでいた)
  • 年会費はカードの種類に依る(問い合わせでなく、ウェブページの記載より)

 FD pledged charge(定期預金担保手数料)についてはCIMBのクレジットカードの手数料・費用のページ(Fee & Charges)に記載がありません。このときもM支店の支店長に電話して確認しようと支店長にも電話しましたが応答なく、前日の担当者に確認しました。Fee & Chargesのページにないということも指摘しましたが、とにかくそういう費用があるのだという回答でした。CIMBはきちんと手数料・費用のページがしっかりしている印象があるので、担当者の回答に疑問を感じました。

 あとで触れますが、翌日別のK支店では、このRM500について印紙税(Stamp duty)と言われました。例によって、みんなで違うことを言うのはマレーシアらしいですが、金額はほぼ一致しているので、名目はどうであれ、CIMBでは定期預金額の0.5%が課金されることは確かのようです。

 今回、CIMBが最有力候補でした。

 1ヶ月ほど前、オンラインバンキングのCIMB Clicksのログイン後のメッセージで問い合わせたら、ほどなく

「M支店の支店長がご案内します」

という内容のSMSが来ており、固定電話の電話番号も記されていました。

 それでまずはそこに電話したのですが、誰も出ません。(実は、このあと3-4度は電話したのですが、一度も誰も出ませんでした。単に支店長がHari Raya Puasa(ラマダン明けの祝日)の休暇を長めに取っていたのかもしれないですが)

 しかたないから直接M支店を訪問したというのが、この2節の調査の発端です。

 受付でSMSの拡大コピーを見せると、CIMB Preferred(※定期預金を一定額預けることでさまざまな優遇が受けられる)の区画に案内されて担当者が出てきましたが、特に名乗らず、あとでわかったが担当者はPreferred Service Managerという肩書でした。「今日は支店長不在でして、...」という話はありませんでした。こちらもマレーシアのことなのでそんなところだろうと思って支店長がいるかどうか聞きもしませんでしたが。

2.2 RHB

  • 前提条件 口座なし
  • 回答者 MidValley支店 受付の女性行員
  • クレジットカードを作れる。
  • MM2Hの場合、支払限度額と同額の定期預金を組む必要がある。
  • 印紙税(stamp duty)RM10と(そのGST)が必要。
  • 上限額がRM100,000となるとは限らない。審査(approval)の結果に依る。ただ、初めてカードを作るのならたぶん大丈夫だろう。多くのカードを持っている場合は上限額いっぱいにはならない。(これから推測できるのは、当然ながらマレーシアにもカード協会があって、個人のクレジットカードの利用情報が蓄積されていて、クレジットカード発行元は参照できるということでしょう)
  • 年会費はカードの種類に依る

2.3 Maybank

  • 前提条件 普通預金口座あり
  • 回答者 MidValley支店 Personal Financial Advisor
  • クレジットカードを作れる。
  • MM2Hの場合、支払限度額と同じ定期預金を組む必要がある。
  • 印紙税(stamp duty)RM10と(そのGST)が必要。
  • まずMain Cardの承認を受けてから、妻のSupplemental cardを申請する(2段階)。一度に両方は難しい。
  • 上限額が預金額のRM100,000となるとは限らない。審査(approval)の結果に依る

2.4 Citibank

  • 前提条件 個人口座あり(先日、共同名義口座を作る時に質問)
  • 回答者 Jalan Ampang支店 Citigold Acquisition Manager
  • クレジットカードを作れる。
  • MM2Hの場合、支払限度額と同じ定期預金を組む必要がある。
  • 定期預金額がRM100,000だからと言って、上限額がRM100,000となるとは保証できない。審査(approval)の結果に依る
  • 必要な費用についてはこちらから聞いていないので、印紙税のこともFD pledge Chargeのことも聞いていないので不明

2.5 Hong Leong Bank

  • 前提条件 口座なし(カードを作れるなら口座を開くと伝える)
  • 回答者 カウンターの行員が対応(番号札をもらって順番を待った)
  • IncomeかFD Pledeという条件の書いてあるカードを見せながら(自分で見ながら?)も、「収入がないので難しい。たぶんHSBCのほうが可能性がある」
    (見せてもらったカードには"or"とあったので、「字面上は定期預金を積めば作れるはずでは」と少し言いかけたのですが、そのまえに「収入がないと"hard", "difficult"」という早口かつ力強いお返事でしたので、それ以上突っ込めず退散しました)

2.6 Standard Chartard

  • 前提条件 口座なし
  • 回答者 キャンペーンで来ていた女性
  • MM2Hビザ保有者と伝えると、働いていないとダメだという返事。(※MM2Hも知らなかったようなので、支店へ行って確認したほうが良さそう)

2.7 HSCB

  • 前提条件 口座なし
  • 回答者 カードのキャンペーンで来ていた男性
  • MM2Hビザ保有者と伝えると、ここではわからないので支店へ行って聞いてほしいという返事(支店へ入っていないので、詳細は不明)

3.CIMBの他の支店で聞いてみる B支店

 CIMBだけがRM500という法外の手数料(?)を取るということでしたが、MM2Hの預金がCIMBに置いてあるのであまり分散したくないところです。

 翌日、ダメ元で他支店の話を聞いてみることにしました。パスポートとApproval Letter(仮承認書)を持って妻も一緒に行きました。いざ申し込みするとなれば、申し込みができる態勢です。

 Ampang Park駅近くのB支店に13:00頃到着しました。もう顔なじみの受付のマレー人男性に聞くと、「あなたたちは外国人ですよね。日本人ですか、韓国人ですか」と聞きながら説明してくれました。

  • クレジットカードはここでも作れる。
  • 手数料(charge)はかからない。
  • まず定期預金(FD)が必要。(「MM2Hビザ保有者なので働いていない」と伝えたので)
  • カード作成に1ヶ月かかる

 手数料の話が前日のM支店のPreferredの担当者ということが違います。その点をしつこく聞くと、クレジットカードセンターで聞けと言われました。近くではK支店にあるということなので、早速そこへ行くことにしました。

4.クレカセンターのあるCIMB K支店で聞いてみる

4.1 「費用はかからない。印紙税はかかる」

 Seria KLCCのモール内の奥の方にあるCIMBのK支店には13:30頃だったかに到着しました。

 受付で月次報告書を見せながら「私はPreferredなのだ」と言ったり、口座内容のプリントも見せてRM100,000の定期を作りたいと言ったりしたのですが、Preferredの扱いにはなりませんでした。それで、ここではPreferredの扱いはないのかもと思いました。

 あとで店内を見回すと、Preferredと書いてある区画があるのに気づいたのですが、中は暗いように見え、ここでは使われていないのかなと思いました。(※翌日、入ることができましたので、Preferredの扱いはK支店でもあるということになります)



 受付で案内されたのは入口付近右側の場所です。クレジットカードの受付はインド人女性でした。

「手数料(charge)があるか」

と聞くと、「ない」という返事。

「M支店でFD Pledged chargeというのがかかると聞いたが」とさらに聞いても、そんなのないという返事です。

 でも、さらに

「印紙税(Stamp duty)はかかるだろう」

と聞くと、「そうだ」との返事。stamp dutyは国庫に納めるもので、自分のところへの手数料ではないからということなのでしょうが、相変わらず不親切極まりないです。あるいは、わざとそう答えるように教育されているのかもしれません。(※あとでこのstamp dutyが大きな意味を持ちます)

 まず定期預金(FD)口座を作る必要があるからFD口座を作れと言われました。

4.2 FD口座用書類作成

 再び受付に戻り、クレジットカードを作るために共同名義の定期預金口座を作りたいと伝えました。ここでも手数料がかかるのかと聞くと「ない」という返事です。二回は聞きましたがやはりないという返事でした。

 13:40頃、書類をもらって支店を出て、フードコートでコーラを飲みながら妻と一緒に書類を作成しはじめました。こういうときは喉が渇き、炭酸飲料がほしくなります。

 書類は

  • 定期預金設定・修正指示申込書
  • 口座開設申込書2通(私の分と妻の分)
  • 共同名義口座権限書(mandate)(口座に関する種々の権限行使を2人のうち1人でできるか定めるもの)
  • 顧客情報更新書式
  • 口座開設の追加書式(第三者への情報開示とFATCA)

 書類を書いて支店へ戻ると、受付がやっと番号札をくれました。先に番号札をくれたら早く済ませられるのにと思いますが、まあ、書類を書くのにどれだけかかるかわからないから仕方ないですかね。

 もらったのは1117番で現在対応中が1098番。19人待ちでした。カードに印字されていた時刻は14:45でした。口座開設は店の一番奥のカウンターが担当のようです。

4.3 印紙税の額に驚愕 Σ(゚Д゚)

 待っている間にクレジットカードの書類を書こうということになり、クレジットカードの担当の場所に行って書類をもらいました。

 ついでに印紙税がいくら掛かるか一応聞いておこうと思い、訊いてみました。

「印紙税はいくらですか。RM10ときいているのですが」

 ところが。

 受付インド系女性はクレジットカード担当ブースの男性に聞いて、しばらくして、担当ブースの中華系男性が電卓を叩いてこちらに金額を見せました。

 500

と表示されていました。

 えっ。

 印紙税はRM10と思い込んでいた私は絶句しました。

 印紙税という説明が正しいとすると、費用はかからないという先ほどの話はCIMBの立場からしたら正しいのかもしれません。しかし、客の立場からしたら費用がかからないという話は大嘘でした。

 前日はRM510と言われましたので、ほぼ同じ金額です。

 待っている妻のところに戻り、まだ待ち時間があるのでちょっとMaybankに聞いてくると言って支店を出ました。Maybankの支店もSeria KLCCのモール内にあります。

 Maybankではすぐに誰かに質問はできず、番号札をもらって待つことになりました。残念ながら順番が来ないうちに、妻から「もう順番が近い」という連絡が来ました。

 とりあえずCIMBの支店に戻りましたが、戻りがてら今日は口座開設はやめようと思いました。あまりに混乱していたからです。

 妻に「申し訳ないが今日は口座開設はしないで明日出直す」と伝えました。

4.4 「他行は自分のところで印紙税分を負担している」???

 そして、もう一度クレジットカードの担当場所へ行き、印紙税の金額が他行と違うがなぜなのかを聞きました。

 さきほど電卓で500の数字を見せた男性行員の返事は

「印紙税が銀行ごとに違う」

ということでした。

 しかし、印紙税は一種の税金で、銀行ごとに違うはずがないです。その点はどうしてかとさらに聞くと、

「他行は自分のところで負担している(absorb it)」

と言っていました。

 質問の仕方で返答が違うので、この説明も本当かどうかわからないと私は思っています。RM500もの金額を負担することがありうるのでしょうか。

 また、前日のM支店での説明では、RM500がFD pledge charge, RM10が印紙税という説明で、印紙税とは別のものとの説明でしたから、その説明とも整合性がないです。

 マレーシアお馴染みの、芥川龍之介「藪の中」の世界です。聞く人によって答が違うのです。

 もうこれ以上追求してもわからないでしょうから、たぶん追求しませんが、ともかくCIMBはクレジットカードの預金額の0.5%(またはそれプラスRM10)の費用がかかるということは間違いないようです。

 結局、口座開設をしないまま、16:00頃CIMBのK支店を出ました。最初にB支店を訪ねてから約3時間が経過していました。

5.やはりCIMBでクレカを作ることにする

 その日6/29は帰ってきてから、やはり冷静になると、他銀行につくるよりはなお得だという結論になりました。なぜなら、預金額の0.5%の手数料だか印紙税がかかるにしろ、CIMBは現在金利キャンペーン中で4.1%なので、0.5%とられても3.6%です。一方、他銀行は3.1%程度です。

 他の判断も含めてまとめると、

  1. CIMBが利息のキャンペーン中であり、0.5%の費用がかかっても実質的な利息は他銀行を上回る
  2. 預金をなるべく一つの銀行に集中したい(Preferredなどの待遇を得やすくする)
  3. K支店は自宅から行きやすい
ことを総合的に勘案したということです。

 その日の夜、支店でもらってきたクレジットカードの申込書類を記入しました。クレジットカードの申込書はきれいなpdfの出力でした。前日書いた定期預金口座開設の申込書はコピーにコピーを重ねた感じの書類であまり見やすくなかったので、好対照でした。

 キャンペーン金利は翌日6/30までなので、まずは定期預金口座開設を行うことを当日の目標として、できたらクレジットカードの申込もするという方針で臨みました。

5.1 K支店へ再び朝早く行く

 6月30日、K支店に到着したのは9:30頃。受付の列に並んでいると、最初の番号札の人が呼ばれていました。「あれ、ここは30分遅れで始まるの?」と思いましたが、そうではなく9:30開始でした。つまり、9:30からきちんと窓口が対応を始めていたということです。すばらしい、日本みたいです。
 少し前にCitibankへ行ったときは9:30始まりなのは番号札の受取だけで、実質カウンターが稼働したのは9:45だったので、マレーシアはそんなものかと思っていました。


 前には3-4人並んでいましたが、前日に比べたら空いているので幸先のよいスタートでした。

 受付で「クレジットカードを作りたいので、定期預金口座(FD account)を開きたい」というと、対応してくれたマレー人女性(※あとで、支店長と判明したので、以下、支店長と記します)は番号札を取ってくれと言ったが、故障なのか出てきません。

 で、ソファーのところで待てと言われました。近くのブースにいた女性行員に定期預金口座を作りたいのだと妻が話しかけると、「定期預金口座を作るのは初めてですか」と聞かれたので、「CIMBには2つ開いているが、M支店にあって、ここで開くのは初めてです」と返事したりしていた。

 そうこうしているうちに、支店長がやってきて、「あなたはPreferredの状態となっているが、あなたの妻はPreferredになっていない。今回、妻のPreferredの当座預金口座(current account)を作る」と言います。
 Preferred accountだと、利息が最高3%までとなって普通預金口座よりよく、共同名義口座にもできるとのことなので、まあ、利息はあんまり変わらないだろうと思いましたが、せっかくのお申し出なので作ってもらうことにしました。利息は後述しますが、こちら

 支店長は定期預金を作った残りの金額は全部(金利のいい)Preferred口座に移せばいいと言い残していきました。

5.2 Preferred区画へ案内される

 支店長は「このあとは、Preferred区画で手続きしますから」と、Preferredの区画へ案内されました。

 前日は使われていないと思っていたPreferred区画ですが、稼働していたということがわかりました。前日もPreferredと印刷されている月次報告書を見せたりしたのだがなぁと思いましたが、考えてみると、前日来たときには支店長はいなかったことに気づきました。支店長がいてよかったです。


 支店長に「次回からはこちらへ来てください」と言われ、Preferredの番号札をくれました。このとき9:40でした。

 M支店のPreferredの区画と同様、ソファがあって中でコーヒー、紅茶が飲めるようになっていました。

 あまり待つことなく呼ばれました。

5.3 定期預金口座開設手続き

 まずは若いマレー人女性が対応してくれて、FD口座開設の手続き。FDの利子を普通預金口座に払い込む指定をしていましたが、クレジットカードの担保の口座の場合はそれはできず、元本へ組み込むということだったので、了解して訂正してもらいました。

 途中、ATMカードの暗証番号入力の手続きがあったが、ATMカードのIC部分の表面が汚れていたのかうまく機能せず、担当者が消しゴムで擦っていました(笑)。その後、うまく機能しました。

 再度、支店長がやってきて「現在の普通預金口座(savings account)から定期預金口座へRM100,000を移動し、残りはこれから新しく作る高利息のcurrent accountへ移す」ということを説明しに来ました。私たちがあまり英語が聞き取れないだろうと思って再度念を押しに来たのかもしれません。

5.4 クレジットカードの手続き

 FDの手続きの後、クレジットカードの手続きをするので、右隣の席に移るように言われました。少し年配のマレー人女性が対応してくれました。

 ここで、新しい担当者に「記入した書類は一般用で、Preferred用ではない」と言われました。

 「また、一から書き直しか」と思いましたが、結局そういうことはなく、担当者が別のインド人男性行員を呼んでチェックしてもらって(実際には、私たちの提出した書類に基いて、新たにPreferred用の書類に記入していたようです)、その間に担当者自身はパソコンで情報を入力していました。

 最終的に、提出したFDの書類とクレジットカード申込書にサインし、私と妻のパスポートのコピー、それぞれに黒インクで拇印を押させられた。

 カードは1ヶ月後に郵送とのことで、到着したらPINコードを変更せよとのことでした。なお、カードは郵送でなく支店受取にすることもできるとのことでしたが、送ってもらうことにしました。郵送で心配な場合は支店受取にするといいでしょう。

 当初申込んだのは、CIMB Visa Infiniteでしたが、Preferred扱いになったので、希望通りであればCIMB Preferred Visa Infiniteになると思います(下の図1)。

Preferred Visa Infinite
図1 CIMB Preferred Visa Infiniteカード
出典 CIMB Credit Cards

5.5 Preferred当座預金口座開設

 Preferred当座預金口座の開設も引き続き、年配マレー人女性が担当してくれました。

 パスポートを変換してもらったあと、Preferred当座預金にいくら移動するか聞いてきました。

 私は「マネージャー(支店長)は全部移すと言っていたが」と返事しましたが、全部移動するとデメリットがあることを丁寧に説明してくれた。

  • 現在のデビットカードは新しいPreferred口座に紐付け(link)する手続きをするが、その手続に3営業日かかる(だから、全部資金を移動すると、その間デビットカードが使えなくなってしまう)。
  • 口座を資金ゼロのまま置いておくと、手数料が生じる。
  • 現在の普通口座を閉じてしまうこともできるが、そうなると、他の銀行口座からの送金先になっていると困る。(まずは送金先情報を新口座へすべて更新してから口座を閉じたほうがいい)

ということでした。痒いところに手が届く、日本のような説明でたいへん感心しました。



 ということで、大きなお金を移動するだけで、当面少し現在の口座に残しておくことにしました。今後、他の銀行にある送金先情報を新しいPreferred当座預金口座を追加した後、この普通口座への送金先情報を削除して、その後この普通口座を閉じることになると思います。

 このあと、ATMカードを新しいPreferred当座預金口座に紐付ける書類に私と妻が記入しました。

 なお、Preferred預金口座の利息は以下のようです。

InterestRates20170704

図2 Preferred当座預金口座の金利(2017/7/4) 
出典CIMB Preferred Accont

 補足1に今まで使っていた通常普通預金口座(通帳あり)の現時点(2017/7/4)の金利を載せておきましたが、そちらは最高で0.5%なので、確かに金利はいいですが、たぶん証券会社に置いておく(株を買わないで待機させておく)ほうが有利なのではないかと思います。

 2017/7/11追記
 (後日談)手続きから7営業日たった本日、デビットカードで支払いをしたら元の普通預金口座から引き落とされていました。3営業日後から、新規のPreferred当座預金口座から引き落とされるという説明だったのですが。
 やはり、CIMB侮れません(苦笑)。
 たぶん、もう一度引き落とし口座の変更手続きをしないといけないと思われます。

5.6 時間と手間と行き届いたサービスを「預金で買う」ということ

 以上、全て終わって10:45で、入店から75分でした。支店を出る時、CIMBの支店で見かけるスタッフの顔写真の掲示してある受付付近の柱を見ると、Preferred区画に案内してくれたマレー人女性の写真が一番上に掲げられており、彼女が支店長であることが確認できました。ああ、今日は有能支店長がいてくれて本当によかったです。帰りに支店長を見つけてお礼をいうと、日本語で「ありがとうございました」と応じてくれました。

 前日の大変さを体験していると、まるで別世界でした。

 そして、前日とのあまりの落差に、日本ではあまり味わえない「地獄の沙汰も金次第」を実感しました。

 身も蓋もなく言ってしまうと、CIMBのPreferred(優遇)待遇とは「時間と手間とよりよいサービスをかなりの額の預金を積んで『買う』」ということです。MaybankのPremierやCitibankのCitigoldも同様なものだと思われます。

5.7 K支店のPreferredではRM500の話は出なかったが

 Preferred区画での手続きでは、手数料・費用の話は出ませんでした。M支店の対応者はPreferredの担当者だったので、私は当然K支店のPreferred扱いでも当然RM500(+RM10)がかかるのだろうと思っていたので確認を怠ってしまいました。

 帰宅後、口座内容を確認した限りでは、口座間の送金、クレジットカードの申込み、新しい当座預金口座の解説に関して、何の手数料・費用も差し引かれていないようでした。

 

5.8 やっぱりRM500はかかる 「印紙税」という説明

 後日7/3、K支店Preferred区画を再訪して聞きました。

「クレジットカードを先日申し込んだが、費用(charge)はかかるのか」

と聞くと、そのときの担当者は、預金、クレジットカードの手続きをしてくれたのとは別の担当者でしたが、

「費用はかからない」

という答えでした。これは支店の一般扱いのクレジットカードの担当者に聞いたときと同じでした。

 そこで

「M支店ではFD pledged chargeがかかると聞いたのだが」

と言ってみると、他のPreferredの担当者と話した後

「印紙税がかかる」

とやはり、一般扱いのクレジットカードの担当者と同様に答えました。

「RM1,000に対してRM5です。一度だけです。でも、CIMBの費用ではないです」

「それは政府のですね」

と聞くと、

「政府でもないです」

という。印紙税は政府が取るでしょ、と思いましたが、もうそれはいいやと思って

「口座を確認すると、引き落とされいなかったけれど」

と言うと、

「支払いは、クレジットカードが来てからです」

との答でした。

 Preferredでも、「費用はかからない」と言い、こちらから具体的に問いたださないと印紙税のことを言わないのはかなりがっかりしました。

 つまりは、M支店で予め聞いておらず、K支店でPreferredで手続きを初めからしていたら、「費用はかからない」と言われていたのに、ある日急にRM500もの結構大金を口座から引かれてびっくりして聞きに行って「それは印紙税だ。うちの費用でない」と言われることになったということです。

 Preferredでは書類を処理は手早く丁寧にやってくれましたが、CIMBが受け取るのでないにしろ利用者に課される費用のことをきちんと説明しないのは大きな欠陥だと思います。

 追記2017/7/11
 CIMB Clicksログイン後のメッセージでもクレジットカード作成時の費用について問い合わせていましたが、
「支店で聞くか、コールセンターに電話せよ」
というたらい回しの返事でした。
 ここで、まとめておくと、RM500またはRM510の費用の説明は

  1. RM500がFD Pledge charge(定期預金担保費用)、RM10が印紙税(M支店のPreferred担当者の説明)
  2. RM500が印紙税 (K支店での説明)
ということになります。現時点ではどちらが正しいかわかりません。


5.9 Maybank K支店「印紙税はかからない」

 大きくがっかりしたあと、Maybankではどうか再度確認するため、帰りがてらK支店に寄り、訊いてみました。

 「費用はかからない」

とCIMB K支店と同じ回答でしたが、

「他の銀行では、印紙税がかかると聞いたのだが、Maybankではかからないのか」

と再度聞いてみましたが、

「かからない」

という返事でした。

 この返事は、MaybankのM支店で「印紙税RM10」という回答と違いますが、まあ、かからないか、かかっても大した額でないということで、まあ整合性のある回答です。


 ただ、ここはマレーシアなので、実際に作ってみてカードができた後、口座からお金が引かれてないかどうかまでは気を抜けないですが(笑)。Maybankや他の銀行でクレジットカードを作った方の経験談をお教えくだされば幸いです。


 でも、Maybankの言っていることが正しいと仮定するなら、定期預金を積んでクレジットカードを作る場合には、特別な条件がない限り(とくに、利用限度額を大きくしたいときには)CIMBでクレジットカードを作るより、Maybank(またはCIMB以外で)で作ったほうがよい、ということになるでしょう。なぜなら、余計なおカネを払わなくて済むからです。

5.10 CIMBでは定期預金口座は複数支店で開くことができ、合算でPreferred資格が得られる

 私たちの定期預金の現状を改めてみてみますと、

  1. MM2Hビザ維持のための定期預金RM150,000はM支店
  2. クレジットカードの担保のための定期預金RM100,000はK支店
  3. 合計でRM250,000の定期預金があるので、Preferred資格が得られた

ということです。これからわかると思われることは

  • CIMBでは、MM2Hビザ保有者でも、定期預金口座を複数支店に持つことができる
  • 定期預金が複数支店に分散していても、合算額がPreferredの基準であるRM250,000を満たしていれば、Preferred資格が得られる

ということだと思います。最近はマネーロンダリングなどの規制の関係で、新規口座を開きにくくなっており、もともと口座を開いている支店以外で口座を開こうとしたら断られたという話を聞いていたところですが、私たちの場合は複数支店に定期預金口座を開くことができました。

6.おわりに

 今回は「CIMBフツー」と「CIMB Preferred」を一日違いで体験し、あまりの待遇の違いにびっくりしました。

 確かにこれなら「カネがあったらPreferredになる」のがわかるなぁというのを実感しました。

 もちろん、投資家としては「いや、そんなに多額を銀行に置いておくなんてもったいない」という思いもあるのですが。



 最近、Citibankへ両替と送金に行ったのですが、30番待ちという目に遭って1時間以上待ちました。半分くらいの人は諦めて帰っていたので1時間程度で済みましたが、みんなが待っていたら2時間待ちだったところです。勘弁してほしいです。

 今回もそれを「CIMBフツー」で体験させてもらったということです。

 CitibankもCitigold(1,000万円コース)と言わずとも、CityPriority(250万円コース)くらいになったほうがいいのかもしれません(しくしく)。


 また、5.9節で書いたように、CIMB以外では、大きな額の費用はかからないという情報を得ていますが、実際にカードを作ったわけではないのでわかりません。Maybankや他の銀行でクレジットカードを作った方の経験談をお教えくだされば幸いです。


*****

補足1 普通預金口座(通帳あり)の金利

 今までの普通預金口座の金利です。「通帳あり」を使っています(Regular Savings Account Passbook)。今思うと、どうして「通帳あり」にしたのか覚えていません。日本では新生銀行やCitibankを使っていたので、「通帳なし」にも慣れていたからです。
 今回調べたら、「通帳なし」と「通帳あり」で金利が違っていて、「通帳あり」は「通帳なし」より金利が悪いです。預金額で段階的に最高でも0.5%です。「通帳なし」を選べばよかったですが、注意書きを読むと、2016/8/15から有効とあるので、それまでは同じ金利だったのかもしれません。
 まあ決済資金なので利子がつくだけありがたく思ったほうがいいのでしょうが、今回Preferred当座預金口座を開いたので、将来的には閉じる予定です。

InterestRatesRegular20170704
図A1 CIMB普通預金口座(通帳あり)の金利(2017/7/4) 
出典CIMB Regular Savings Accont

 比較のため、「通帳なし」の金利も載せておきます。こちらは最高金利は0.8%で若干高いのがわかると思います。

InterestRatesRegularNoPassbook20170704
図A2 CIMB普通預金口座(通帳なし)の金利(2017/7/4) 
出典CIMB Regular Savings Accont