正朝通信

鈴本末廣亭と続いてきた真打昇進襲名披露興行も、三軒目になりました。
今席は浅草演芸ホールに参りました。
1朝からあいにくの雨模様です。これでは寄席幟が出せません。竿だけが虚しく揺れています。
なんとこれで柳枝の披露は五日のうち四日雨に降られています(笑)
演芸ホール看板
2正面入り口の看板
3高座に上がる前の姿。
8撮影は朝之助さんです。
出囃子が流れる中、手の平に扇子で人と書いて飲み込みます。三遍繰り返します。食べ過ぎです(笑)
9仲入り後、口上の直前
柳枝はかなり余裕が出た感じです。
11間もなく幕が上がります。
15万雷の拍手
17何度やっても口上は慣れません。
柳枝のネタは『佐々木政談』
19私が指摘している欠点が治りません。当人にその気がないと絶対に治らないものかもしれません。
終演後、緞帳の降りた高座で三本締め
24本日のネタ帖
26

私と柳枝の次の出演は17日(土)です。
皆様のご来場をお待ちしています。

四月下席8日目。千穐楽は10日ですが、柳枝と私にとっては今日が楽日(らくび)です。
末廣亭の正面に掲げられた看板
1夜の部の主任(トリ)に柳枝の名前が光っています。
今日もたくさんのお客様が来てくださいました。
2高座は小八さん。後ろ幕はさだまさしさんからいただいたものです。
口上の支度
5黒紋付に袴をつけます。よく見てください。楽屋の全員がマスクをしています。感染症対策は万全です。
口上が始まる前
6口上前今日の司会は彦いちさんです。その隣からさん喬師匠、柳枝、正朝、市馬会長です。
幕が上がりました
7なぜか柳枝だけ、お尻が持ち上がっています(笑)
8彦いちさんの司会。かなりシドロモドロになっていました。まだ慣れていないようです。その分、面白かったです(笑)
上の写真の左下に手描きの団扇が!柳枝ギャルズでしょうか?
お隣にもう一人、同じような手書きのウチワを持った女性が並んでいました。
親衛隊が二人?
口上が終わったら、自分の高座の支度をします。
9改着物を着替えます。黒紋付で落語一席はちょっとね・・・。やっぱり普通の着物に羽織が一番やりやすいです。
主任(トリ)は『妾馬』をかけました
11今日は動画の収録を行ないました。鈴本の初日も撮影しましたので、二度目の収録です。
13『口上』と、私の『啞の釣』と柳枝の『妾馬』を撮りました。
12具体的にこの素材をどうするかは、なにも決まっていません。
柳枝に言わせると、地方にお住まいで東京の寄席に行くつもりだったのが、このコロナ禍でどうしても行けなくなった、という人が大勢いらっしゃるそうです。
そんな人たちにも、なんとかして見ていただきたいと言うのです。
15インターネットで配信するか、するとしたら有料か無料か、DVDにするか、そういった具体的なことは何も決まっていません。
披露目の興行が終わったあとで、良い方法を考えてもらいましょう。
17改終演しました。
本日のネタ帖
18今や恒例となった感のある緞帳が降りた高座で三本締めを行いました。ここまで動画で撮っています。
20いずれ公開できることと思います。どうぞお楽しみに。

中席(なかせき)は浅草演芸ホールに移ります。
私は交互出演で、14(水)、17(土)、18(日)、19(月)、20(火)いずれも14時30分に上がります。
柳枝の口上と出演は14(水)と17(土)の二日だけです。

2021,4,5,末廣亭14月上席(かみせき)五日目にして、正太郎の真打昇進九代目柳枝襲名披露の初日を迎えました。
2021,4,5,末廣亭2昨夜からの雨が昼には上がる予報でしたが、意外にしぶとく夕方になってようやくやみました。ほとほと雨男です。誰が?(笑)
5改JPG寄席幟の写真を撮った後、客席の様子を見ておこうと中に入ったら、二楽さんの高座でした。
どうやらお客様の注文で「九代目柳枝」と出たようです。出来上がったところで、楽屋にいた私服の柳枝を高座に呼び出しました。
9二楽さんが拵えた紙切(かみきり)は座布団に座った柳枝ですが、顔がカピバラ。
これ、絶対に予想して事前に稽古して来たな(笑)
11この写真は注文を出したご本人がツイッターに上げたものを拝借しました。了解済みです。柳枝の御贔屓のお客様でした。
ま、当然ですね(笑)
この紙切りを二楽さんから受け取る時の写真です。
10改
金魚姉ちゃんの頭飾り
13改金魚姉ちゃんに誘われてスリーショット
17司会の玉の輔と、五代目柳朝一門でスリーショット
20いよいよ末廣亭で最初の口上が始まります。撮影は朝之助くんです。
22高座の袖から。撮影は㐂いちくん。
23口上の幕が開きました。
24九代目柳枝の誕生を祝して三本締めを行ないました。
主任(トリ)のネタは私が教えた『明烏』でした。
直すところはたくさんありましたが、とりあえずは若さと勢いのある『明烏』でした。
29改袖から心配そうに覗く私。撮影は一花さん。撮られていたなんて全く知りませんでした(笑)
本日のネタ帖
DSC_2486改来場いただいたすべてのお客様に心からお礼を申し上げます。
次の末廣亭の出演は8日(木)です。
動画を撮影する予定です。後日の配信などを楽しみにしてください。
皆様のご来場をお待ちしています。

上野鈴本演芸場の披露興行九日目。柳枝二度目の出演日になりました。
今席のプログラム
2021,3,21,鈴本プロ
表紙の絵は浮世絵鳥居派九代目家元鳥居清光さんの「椿」

十日間の興行ですから五人の新真打が二日間ずつ勤めます。
柳枝は初日に続いて今日登場しました。
2021,3,21,鈴本プロ中身改
今席も客席を約半分に制限しています。おかげ様で、今日も前売りは完売しました。
たくさんのお客様に「ごめんなさい。売り切れになりました」と、お詫びしなければなりませんでした。
本当に申し訳ございませんが、このご時世では仕方ありません。
1改
口上の直前。柳枝も少し余裕が出てきたようです。
2
緞帳が上がりました。客席からは万雷の拍手。
3
今日は副会長の正蔵さんが出てくれて、総勢6人という豪華版になりました。
4
玉の輔の司会によって口上は、正蔵副会長、権太楼師匠、市馬会長と続き、最後が私です。
締めの決まり文句は
「この九代目柳枝が末には立派な一枚看板になりますよう、ご贔屓お引き立てのほどを偏にお願い申し上げる次第でございます」
二度目の主任(トリ)は『愛宕山』をかけました。
5
本日のネタ帖
6
鈴本の興行は30日に無事千穐楽を終えました。
次の4月上席(かみせき)は新宿末廣亭夜の部です。
私の出番は2日(金)、4日(日)、5日(月)、6日(火)、8日(木)の五日間で、この内柳枝が出るのは5日(月)8日(木)です。
末廣亭の前売り券は、日にち指定のない十日間(4月1日〜10日)通用のチケットだそうです。
入場制限が少し緩和されるそうです。当日券も発売されるので、まだ前売り券をお持ちでないお客様は、末廣亭に問い合わせてみてください。

たくさんのお客様のご来場をお待ちしています。

令和3年3月21日(日)私の弟子正太郎が真打ちに昇進し、九代目春風亭柳枝を襲名しました。大名跡春風亭柳枝は62年ぶりの復活です。
朝から生憎の雨、というよりも春の嵐でした。
11時30分に鈴本に着くと、もうかなりのお客様が並んでいました。聞くところによると、先頭は9時半頃にいらしたそうです。有り難いことです。
寄席幟(のぼり)
01「春風亭柳枝師匠江」と鮮やかに染め抜かれた幟。本当ならパーティーの席で皆様にご披露しているものなのですが、残念ながらパーティーは8月に延期になりました。私も今日、初めて見ました。
ロビーにはお祝いの生花がたくさん届いていました。
5.花全部で十数本来ていましたが、とりあえずゆにおん食堂さんと一番太鼓さんの花をご紹介しておきます(笑)
楽屋で働いてくれる二ツ目さんたち。
10.二ツ目さん決して「反〇〇的勢力」ではありません。おめでたい席ですから二ツ目は基本的にスーツにネクタイです。それに新真打がご贔屓から頂戴した半纏を羽織ります。
もちろん濃厚接触は避けて(ムリか?)マスク着用です。
そんな二ツ目の中で、責任者は「番頭」と呼ばれ、興行を円滑に行うために楽屋内を仕切ります。
柳枝の番頭は小朝師匠のお弟子さんのぴっかり☆さんです。
11.ぴっかり床(ゆか)に座り込んで、椅子を机代わりにして、なにやら難しい顔をしています。そう言えば本名は高橋由佳(ゆか)でした。
演芸が始まりました。私も高座を終え、客席に回って一枚パシャリ
舞台の背後には後ろ幕が掛けられています。
4.市馬改これは、福岡の落語愛好グループから連名で贈られたものです。
内浜落語会、てつかる寄席、ひなたの会の皆様ありがとうございます。柳枝は幸せなやつです。
仲入りの後、いよいよ真打昇進並びに襲名披露口上です。
後ろ幕は変わって明治学院大学落語研究会OB会からの物になりました。
12明学三人衆で記念撮影。満面の笑みです。
全員が席について、さあいよいよ始まります。その前に記念に一枚。
14権太楼師匠のお茶目なポーズ。玉の輔!気取るな
緞帳が上がりました。
15改万雷の拍手です。
下手より、司会の五明楼玉の輔、落語協会相談役柳家権太楼師匠、九代目春風亭柳枝、師匠の私、落語協会会長柳亭市馬さん。
16口上は権太楼師匠、市馬さんと続いて、最後に私がごあいさつを申し上げました。
権太楼師匠の口上には、ジーンと来ました。
「柳枝を襲名した正太郎はこれからも正太郎らしい落語をやっていけば良いというものではありません。柳枝という名跡には、過去に何人もの先人たちが作り上げてきた物があります。『九代目の柳枝は素晴らしいね』と言われる柳枝にならなくてはいけないのです。その義務があります」素晴らしい口上でした。
客席では目頭を押さえて、明らかに涙を流している人がたくさん見られました。
最後に恒例の三本締め
17素晴らしい門出の手締めでした。

後半の番組も順調に進んで、いよいよ主任(トリ)の出番になりました。
私はこの時まで全然知らなかったのですが、柳枝は出囃子を変えたようです。
今まで二ツ目のうちは「お若いの」という曲でしたが、なんと「都囃子」が鳴っています。
19.柳枝真打昇進最初の高座は『子別れ(子は鎹)』でした。
デキについては、ここでは論評は避けておきましょう。伸びしろは大きいとだけ言っておきます。もっと良くなる、はずです(笑)
終演後すぐに、緞帳が降りた高座に全員が集まって、これまた恒例の三本締めです。
21.手締めまだ、客席に残っているお客様も幕内の手締めが聞こえてきて、自分達も一緒に手を叩くというのが、寄席の披露目の恒例です。
最後に本日のネタ帖を
23.手締め鈴本の柳枝の次の出演は29日(月)です。
その後、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、5月中席の国立演芸場まで、長丁場になります。
なんとか無事に終わりますように。
私も健康に注意して、頑張ります。

どうぞ皆様、
九代目柳枝を末永くご贔屓お引き立てくださいますよう、お願い申し上げます。

雨の日曜日になりました。
予報では今日一日春の嵐に見舞われるそうですが、この雨が上がったら一気に桜が満開になるとのことです。
本日、私の弟子正太郎が真打に昇進いたします。
名前も九代目春風亭柳枝を襲名します。今日から上野鈴本演芸場を皮切りに都内の寄席を順次披露して参ります。
2021,3,29,鈴本改今日私は前方(まえかた)で一席勤めたあと、仲入り後の「披露口上」に並んで、一言ごあいさつを申し上げます。
口上には柳亭市馬落語協会会長、同窓の先輩である権太楼師匠が介添えしてくださいます。司会は一門の玉の輔です。
2021,3,21,鈴本本日改柳枝は、今日初めて寄席の主任(トリ)を勤めます。番組の最後に登場して一席申し上げます。まさに人生最大の晴れ舞台です。
どうぞ皆様でお祝いしていただきたいと存じます。

今後、定席の披露興行で私と柳枝が出演する日は以下です。
上野鈴本演芸場 21日(日),29日(月)
新宿末廣亭 4月5日(月),8日(木)
浅草演芸ホール 14日(水),17日(土)
池袋演芸場 22日(木),30日(金)
国立演芸場 5月14日(金),19日(水)

ご都合がつきましたら、どうぞお出かけください。
芸はまだまだ未熟で海の物とも山の物ともつきませんが、無限の可能性を秘めた未来が待っていることだけは間違いありません。

どうか皆様で九代目春風亭柳枝がこれから先、立派な一枚看板になりますよう、ご贔屓お引き立てのほどを隅から隅までずずずいーっと、御願い申し上げる次第にござりまする。

今年最初の『住吉亭』のご案内です。
2021,3,6,9住吉亭チラシ3月下席(21日〜30日)真打昇進披露興行真っ只中の27日土曜日、
正太郎改め九代目春風亭柳枝のご披露います。
私の演題は長講で『百年目』です。
そして、たった二人だけの『口上』を行います。
トリは新真打柳枝に任せます。演題は未定です。どんなネタをぶつけてくるか、楽しみです。


第40回住吉亭
 〜春風亭正太郎真打昇進並びに9代目柳枝襲名披露公演
【会場】ティアラこうとう小ホール 江東区住吉2-28-36
【日時】3月27日(土)18時30分開場 19時開演
【番組】正朝『百年目』『披露口上』
    柳枝『演題未定』
    前座:いっ休
【木戸】一般2,000円 正朝後援会1,500円 
    年間通し券 一般5,000円 正朝後援会4,000円
【アクセス】半蔵門線、都営新宿戸線「住吉」A4出口より徒歩4分
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感染症防止のため、マスクの着用をお願いします。入場前に検温させていただきます。37,5℃以上の方は入場をお断りする場合もございます。
今回に限り今年3回分の通し券を販売します。一般5000円、後援会員4000円です。
お問合せご予約はこちらのコメントか、私にメールか、お電話にてお願いします。
皆様のご来駕をお待ちしています。

いよいよ正太郎の真打昇進が動き始めました。
今日は、本来ならば5人の新真打の合同のパーティーでした。
上野精養軒 で華やかな宴が開催されているはずでした。
ところがこのコロナ禍です。落語協会では、パーティーは早々に中止を決めました。
やめちゃったんです!
「ならば」というワケではありませんが、
今日都内各寄席の「あいさつ回り」を行いました。
「あいさつ回り」というのは真打昇進の一連の行事の中でも、重要なイベントの一つです。
師弟全員のスケジュールを調整してパーティーの日取りを決めたので、中止になったこの日に「では、あいさつ回りをしましょう」となったワケです。

新真打5人とそれぞれの師匠、それに落語協会事務局のスタッフが都内の寄席を回ります。
最後に上野精養軒で、マスコミ向けの共同記者会見を行います。一日仕事です。

今回の新真打を列記します。
香盤順(要は入門した「古い順」です)に、
三遊亭粋歌改メ弁財亭和泉(べんざいてい・いずみ/歌る多門下)、柳亭市江改メ燕三(えんざ/市馬門下)、柳家小太郎改メ 㐂三郎(きさぶろう/さん喬門下)、春風亭正太郎改メ九代目柳枝(りゅうし/私の弟子です)、三遊亭めぐろ改メれん生(れんしょう/円丈門下)の5人です。

今日のスケジュール
no title円丈師匠が体調不良ということで、あいさつ回りは自重しました。夕方からの記者会見には出るそうです。
朝10時半にマイクロバスに乗って、落語協会を出発しました。
基本的に新真打は黒紋付羽織袴の正装です。それぞれの師匠は同じく黒紋付かスーツにネクタイと決まっています。私はスーツにしました。この日のために三越で新調したスーツです(笑)
2バスの最後尾に陣取った正太郎とめぐろさんを入れ込んで自撮りしました。

定時に国立劇場に着きました。さすがは国立劇場です。立派な建物の中の応接室でうやうやしくご挨拶をしました。すぐにそそくさと移動。
池袋演芸場に向かいました。
ここで意外な渋滞に遭い、約10分の遅れが出ました。
なんと池袋演芸場では、路上でごあいさつです。 
マイクロバスを降りた所に支配人がお出迎えをしてくれました。
演芸場のチケット売場の前でごあいさつをしました(笑)
すぐにマイクロバスに飛び乗って、西新宿の芸術協会に向かいました。
私は芸協の事務所には行ったことがありません。廃校になった小学校を利用しているというのは知っていましたが、伺うのは今日が初めてです。
それが、山手通りが渋滞していて、大幅に遅れてしまいました。芸術協会さん、ゴメンナサイ。
芸能花伝舎の事務所でご挨拶をすませて、新宿末廣亭に行きました。
落語ファンにはお馴染み、新真打の末廣亭前での記念撮影。
3今日、末廣亭さんのツイッターに上がった写真を拝借しました。
念のためお断りしますが、写真撮影の時のみマスクを外しました。声は発していません。ご了解ください。天候にも恵まれ、良い写真が撮れました。
ついでにこっそり正太郎とツーショット(笑)
4さあ、ここから浅草に向かいました。浅草に着いたらお昼休憩です。
スケジュール表を見ると浅草ビューホテルでランチのようです。これは楽しみ(笑)
なんと27階の中華唐紅花(からくれない)でした。
新真打の皆さん、そんなに気を使わなくてもいいんですよ(笑)
ちなみに私が35年前に真打になった時の「あいさつ回り」のランチは池之端の伊豆栄でした。ま、そんなことはどうでもいいですけどね(笑)
浅草ビューホテル27階からの景色
7改空も晴れて、素晴らしい景色が見られました。このお部屋、個室ですけどおススメです(笑)
ランチメニュー
10味もボリュームも大満足でした。
中でも久しぶりに食べた北京ダックが美味しかったです
11自分で包んで、こうなりました
12満腹になったところで、またマイクロバスに乗って浅草演芸ホールに行きました。
二階事務所で社長にご挨拶しました。
正太郎とツーショット
13今席は芸術協会の興行で桂宮治さんの真打披露興行でした。
芸協久しぶりの「抜てき真打」ということで、大変な人気だそうです。私たちも負けてはいられません。

さあ、あいさつ回りはこれで終わりました。上野精養軒に移動して、記者会見です。
16時から始まった記者会見は約1時間で終了しました。
記者会見

披露興行まで一ヶ月を切りました。
3月21日の鈴本演芸場から五軒の寄席で50日間、大成功に終わるように頑張ります。

「森氏辞任に考える 日本社会に残る無意味な風習」

アンダーアーマーって、近年成長してきたアメリカのメーカーで、最初は「スポーツ用下着」のブランドだと思っていた。
それが「あれっ、ユニフォームも作るようになったんだ」という認識になり、あれよあれよという間に(巨人のユニフォームだったりして)一流ブランドになったと感じていた。
早くいえば「新興の商売上手なアメリカの会社」というイメージだ。あくまでも私の勝手な思い込みであるが。
この日経デジタルの記事で初めて日本人が社長ということを知った。単純な私は少し誇らしかった(笑)
という感想はさて置いて、この安田秀一という人の文章が素晴らしい。
ピーターユベロスを、私は「五輪を利権まみれにさせた悪人」だと思い込んでいたが、そうではなかった。目からウロコとはこのことか。
このユベロス氏と比べて森氏のどこが「余人に代えがたいのか」から始まって、
山崎雅弘氏の指摘する「森喜朗的な秩序」という意味が「大名行列を迎える人々」という絵としてハッキリ見えた。
そして、最後に
「スポーツ業界に身を置く僕が、なにか批判的なコメントをすることに、なぜかある種の恐怖を感じてしまいます。日本は憲法の下、法の下の平等が大原則の立憲国家です。そこには当然ながら男女差別も、年齢による上下関係もあってはなりません。大名行列は江戸時代の遺品であって、時代劇の中だけで十分です」
東京オリパラに懐疑的な思いをお持ちの方はご一読をお薦めします。

新宿末廣亭の高座を終えて、映画を観に行きました。
新宿ピカデリーで上映中の
『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』
2なんとも切なく哀しい映画です。
何年か前に観た『ペレ』もよくできたサッカー映画でしたが、あれは俳優が演じた、いわば再現ドラマでした。その分、大変な部分もあったでしょう。
しかし、この映画はドラマではなく、完全なドキュメンタリーです。
3

膨大な過去の映像や録音を収集し、見て、聞いて、編集してあります。
初公開になる秘蔵映像がたくさん出てきます。
さらには多くの関係者に当たって収録された貴重なインタビューの声。
製作には大変な時間と手間がかかっているだろうと、容易に想像できます。

サッカーを愛し、神様の寵愛を受けた天才、純粋無垢なディエゴと、
その名声ゆえ一人歩きを始めてしまった悪魔の申し子マラドーナという「二つの顔」を持ってしまったのです。
4
マラドーナの出生から始まり、ブエノスアイレスの最貧地区で育った少年期。地元のクラブで頭角を現し、スラム街から抜け出したこと。ボカ・ジュニオールズで才能が花開いたこと。
そしてバルセロナに当時史上最高の金額で移籍するも、ケガと首脳陣との確執で活躍ができなかったこと。
ついには、なんとイタリアの弱小チームであるナポリに移籍するまでが、コンパクトに紹介されます。
ここまでが導入部です。言ってみれば落語のマクラみたいなものです。
この映画は、ここから始まります。
5
ディエゴはナポリをセリエAのチャンピオンにしました。奇跡を起こしたのです。
86年ワールドカップではアルゼンチンを優勝に導きました。あの「神の手」と「5人抜き」で。
その後もUEFAカップを獲ったり、2度めのスクデッドを手中にしたり、ナポリでスーパースターとして君臨しました。
誰も彼を止められませんでした。ディエゴは間違いなく「神の子」でした。

しかし、内なる重圧に耐え得るメンタリティーに欠けていました。そして、いささか自由奔放に過ぎました。ここも、誰も彼を止められなかったのです。
愛人に子供を産ませ、認知せずにオロオロと逃げ回る姿がメディアにさらされました。そしてマフィアが彼に近づきます。禁断のコカインを与えました。悪魔の誘いに乗ったのです。
世界に轟いたマラドーナというブランドが巨大化し、彼を蝕んでいきました。
ついには滅亡しました。
6
映画を観終わった後、彼に対する見方が少し変わりました。
今までは「確かにサッカーは天才だが、人間的にはクズだな」と思っていましたが、そんな単純なものではないようです。
天才であるが故の苦悩と重圧、スーパースターに忍び寄る誘惑。イタリアマフィアの恐ろしさ。
もちろん、だからと言ってマラドーナの不行跡が許されるものではありませんが、凡人には計り知れぬ闇があるのだと思いました。

サッカー好きは観るべきです。
平日の14時の回でしたが、ガラガラでした。

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