正朝通信

2006年02月

eda495d5.jpg　落語協会ホームページhttp://www.rakugo-kyokai.or.jp/は、この面々が制作・管理しています。不肖私は、委員長を仰せつかっております、エヘン（プチ自慢）

　今日は毎月一度定例の委員会でした。画面右奥でノートパソコンに向かっているのが、委員長であり議長の私です（分かるって？）。使っているマシーンはＩＢＭ−Ｒ５０ｅです。
　メンバーを紹介しましょう。 あたしから時計回りにいくと、つまりあたしの左隣、画面手前に写っているのが、落語協会理事であり、委員会の重鎮、五街道雲助師匠です。雲助師匠は、自宅 ではデスクトップのマシーンを使用していまして、ノートは持っていません。従っていつも手ぶらで来ます。
　その隣の背中が、柳家小袁治師匠です。ご自身のホームページは、ほぼ毎日と言っていいくらい、マメに更新しています。頭が下がります。
　画面手前、カメラに一番近い所にて一人だけこちらを向いているのが、柳家初花（しょっぱな・花緑さんの弟子で二つ目）さんです。一番最近ホームページ委員会に参入してくれた新人です。パソコンは、まだまだ初心者の域を出ませんが、意欲は素晴らしいです。期待しています。
　その隣の人は、後姿しか見えません。これが誰だか分かった人は相当の落語通か、金馬ファミリーかのどちらかです（笑）。三遊亭金也師匠です。強情にマックユーザーです。委員会の時にマシーンを開いていながら、ナニをやってるか分からないという男です。
　左端でしっかりカメラ目線になっているのは、金原亭小駒（伯楽門下・二つ目）さんです。今日の委員会で、ホームページ委員会の会計係に任命され、就任しました（笑）。頑張ってね、小駒さん。
　その奥、私と対面に位置しているのが柳家一琴師匠（左）と林家彦いち師匠（右）です。二人とも今注目の若手真打です。委員としては、あまりアクティブとは言えませんが、出来る範囲で充分に協力してくれる嬉しい存在です。
　壁際の三人は噺家（芸人）ではありません。左から、野崎さん、市川さん、高瀬さんです。野崎は我が落語協会事務局の事務員、英語で言うとマネージャーです。こう見えてＫＯ大学出身らしいです。人は見かけによりません。　
　市川さんと高瀬さんは、ホームページの技術的なサポートをしてもらっている会社の人です。パソコンの専門家です。我々委員は、日々このお二人から色んなことを教わっています。私のパソコンの先生であり、師匠であり、サポートデスクです（笑）。
　
　そしてこの写真を撮ったの は、三遊亭金翔（きんしょう・金時門下の二つ目）さんです。金翔さんは、いずれ改めてご紹介しますが、噺家になる前に某テレビ局のホームページの、ウェブ デザイナーをやっていたという、パソコン専門家です。すごい人です。我が委員会では貴重な戦力です。
　今日は欠席していて、この場にいない委員も大勢います。これから徐々に取り上げていこうと考えています。私達が一生懸命作っている落語協会ホームページを、どうぞよろしくお願いします。今日はホームページ委員会でした。

9bb28d73.jpg　今日のパーティーの引き出物（おみやげ）は、色々ありましたが、メインはこのバスタオルです。少し笑いました。オマケにご披露します。とくとご覧あれ。
　好漢、琴欧州に幸あれと応援します。

ce4320e5.jpg　それにしても琴欧州は、いい男です。バカなマスコミは「角界のベッカム」なんて言ってますが、とんでもないです。ベッカムよりはるかにいい男です。アタシが保証します。

28c5db33.jpg　同じテーブルにいたのが元幕の内、現在は歌手の大至伸行（だいし・のぶゆき）さんです。大至さんは押尾川部屋（元大関大麒麟の部屋）のお相撲さんでした。蛇足ながら「大至」というのは、相撲取り時代の「四股名」です。本名ではありませんので、念のため（笑）
　私は権太楼兄さんに連れられて、年３回の東京場所の千秋楽には、20年来、押尾川部屋に遊びに行ってました。その関係で大至さんがまだ新弟子の頃からよ く知っています。
　その押尾川部屋が尾車部屋に統合されて、無くなっちゃったので、あたしゃ最近は佐渡ヶ嶽部屋に遊びに行っている、というワケです。

 　大至さんは歌が上手くて、現役時代から「相撲甚句」の名手として有名でした。なにしろ子供の頃の夢が
「大きくなったらお相撲さんか、歌手になりたい」というモノだったそうです。
　で、ホントに相撲取りになり、幕の内の関取りになり、引退したあと今度は歌手になり、次々に夢を実現している人です。大したもんです（*^_^*）
　現在の芸名も、現役時代の四股名をそのまま使って「大至」です。ＣＤも何枚も出してますし、今は、いずみたくプロデュースのミュージカルによく出ています。

　新佐渡ヶ嶽親方（琴の若）とは、年齢が近いこともあり、仲良しです。親方のこんなお茶目な顔は珍しいです。

5409a362.jpg　招待客の中には、有名芸能人もたくさんいました。私と同じテーブルにいらっしゃったのがチータこと水前寺清子さんです。初対面でしたが、気さくな方でツーショットをお願いしたら気持ちよく撮ってくださいました。
　近くで見ると肌もきれいで、美しくて、とても私より年上には見えませんでした（笑）
　いえいえ、褒めているんですよ。当然ながら、この写真をブログに掲載することは了解を得ています。

  それどころか、たくさん写真を撮ったので
「私のところに送ってちょうだいね」
なんて言って自宅の住所まで教えてもらいまいした。これから何枚かプリントしてお送りしようと思います（笑）

　さらには、携帯のアドレスを交換したら、帰りに早速メールがきました！もう、ビックリです。もしかしたら、アタシに惚れたかな？
　なんてね、冗談ですよ、アハハハ


きっかけは〜〜〜〜、
　　　　　　琴欧州

1ac324d6.jpg　中央の舞台の左隣（下手側）には、たくさんの化粧回しが飾ってありました。テレビでお馴染みの「ブルガリアヨーグルト」も見えます。
　ここだけの話ですが・・・（笑）
「土俵入り」の時に使うこの化粧回しは、どう安く見積もっても、１本１００万円以上はするそうです。高価なモノになるとウンビャク万円だそうです。お相撲さんも大変です。
　琴欧州のような「人気力士」になるとタニマチも、大手の企業や大金持ちのお客様がつくので安心です。おめでとうございます。
　そこへいくと、噺家は・・・、よしましょう、悲しくなるから（苦笑）

d9507ccc.jpg　ご存知佐渡ヶ嶽部屋の新大関・琴欧州の「大関昇進披露パーティー」がありまして、お馴染みになったホテルイースト２１に行ってまいりました。さすがは、今人気ナンバーワンの琴欧州のことです。お客様は約７００人だそうです。ものすごい人数でした。
　あい変らずのピンボケ写真で申し訳ありませんが、舞台で挨拶をする北の湖理事長、佐渡ヶ嶽親方（元琴の若）、琴欧州の３人です。まだ断髪式が終わっていないので頭に髷が乗っかっている新佐渡ヶ嶽親方が初々しいです。親方の断髪式は５月の「夏場所」の後です。

7cd23bf4.jpg　 大入りのお客様も満足してお帰りになった終演後は、なんとご馳走が用意してあって、広いダイニングで打ち上げです。ちょうど正蔵さんも仕事先から帰ってき ました。聞けば雲助兄さんと私を接待するために、ワザワザ急いで帰ってきたのだそうです。正蔵さん気配りの人です（笑）
　テーブルにはお母さんの海老 名香葉子さんもご一緒です。雲助兄さんは「夜は食べない主義」とかなんとか言って、打ち上げには出ずに帰ってしまいましたが、三平一門のお弟子さんも含め て大勢で、楽しい食事をしました。一門の中に私一人だけが部外者で、最初のうちは居心地が悪かったですが、食べるほどに酔うほどに、徐々にリラックスしま した。なんとも能天気な男です、はい（笑）

　打ち上げのお料理は「豚しゃ ぶ」でした。ところがこれがただの豚肉ではありません。今話題の「東京エックス」というブランド肉です。石原東京都知事認定の「東京特産品」に選ばれたと いう、まだまだ量が少なくてなかなか手に入らないチョー貴重な豚肉です。あたしゃ、今夜初めて食べました。
　これを鍋奉行と化した正蔵くんが、シャブシャブしてみんなの取り皿に配ってくれるのです。恐縮なような、嬉しいような、くすぐったいような、ヘンな感じでしたが、この「豚しゃぶ」が、バカバカしいくらいに美味しかったです。恐るべし「東京エックス」です（笑）

　そのうちに、美味しい麦焼酎のお湯割りをガンガン飲んだせいで、かなり酔っ払ってしまいました(>_<)
　私の悪いクセで、いつしか「芸論」になってしまいました。正蔵くんを前にして、私の落語観、落語論をとうとうと展開してしまったのです。お隣には海老名香葉子さんもいらっしゃいました。今考えると恥ずかしい限りです。
「あー、よしゃあ良かった」と反省しております。
　人間反省しなくてはなりません。日に三度反省して立派に成功したのが三省堂の社長さん！という三平師匠のネタが懐かしいです（自爆）

「三平堂落語会」また出していただきたいです。
正蔵さーん、ありがとうございました。また、お願いしますね〜。

81052f24.jpg　林家こぶ平改め九代目林家正蔵さんが住んでいる家は、お父さんの三平師匠の時代からのお住まいです。根岸というＪＲ鶯谷駅からほど近い閑静な住宅街・・・と言いたいところですが、今はラブホテルが林立したいかがわしい場所にあります（笑）
　このお家を数年前に全面的に改築した時に、三平師匠を偲ぶ「三平堂」という記念館を作りました。一般のお客様が見学ができる個人的なミュージアムです。詳しい内容は、公式ホームページをご参照ください。
http://www.sanpeido.com/

　ここで、毎月第三土曜日に「三平堂落語会」を開催しています。私は今までに何度か出演依頼を受けたのですが、タイミングが合わずに出られませんでした。今回、初めて出演できました。今日のプログラムは、

「ぼやき酒屋」種　平
「抜け雀」 　　のん平
　　　仲入り
「薮入り」　 　正　朝
「二番煎じ」　雲　助

　でした。顔ぶれが良いので（笑）
超満員の「大入り」でした。夜６時半開演なのに、一番乗りのお客様は３時半にいらしたそうです。有り難いことです。

　私の落語は「薮入り」でした。去年の暮れから集中的にかけています。おかげでだいぶ「余裕」みたいなものが出てきて、少しずつ良くなっています。ところが、今日はちょっとしくじりました。
　この噺は、マクラで仕込むことが多いです。昔の教育制度から始まって、奉公の意味、薮入りの説明、ねずみの懸賞、などを丁寧にふらなくてはなりません。そうしないと、今のお客様には理解できないことが多いのです。
　さらに私はこれに、もう一つ工夫を加えました。それは「当時の日本人の倫理観は『君に忠、親に孝』という教えだった」というネタです。「これ即ち、中高一貫教育」という軽いサゲをつけます。
　そうすると、最後のサゲが分かりやすくなるのです。と言うよりも「忠＝ご主人様に対する忠義、忠誠心」という言葉をきちんと印象づけておかないと、サゲが非常に分かりづらいです。

　今までに誰もやっていない私のオリジナルの「工夫」と思って、心の中で密かにガッツポーズをとっていたのですが、肝心のその「忠孝の教え」の件りを、今夜はそっくり言い忘れてしまいまいした。
　大したことないと言えば大したことはないです、確かに。
　でもサゲ際にきて初めて「いけねっ、仕込むのを忘れてたっ！」と気がついた瞬間、軽いパニックに陥りました。
「どうしよう、どうしよう」と、考えながら喋ってるうちに、サゲになってしまい、なんだかグズグズ・・・・と終わってしまいました。完全な「着地失敗」です（笑）
　それまでが、自分でもなかなかいい調子で進んでいただけに、ちょっと悔しい結果になってしまいました。

　その分、雲助師匠の「二番煎じ」が素晴らしいデキで、お客様も大ウケでした。きっと皆さん喜んでお帰りになったと思います。
　この写真は、ソデからしゅう平くんが撮影してくれました。

8afd1d44.jpg　才賀師匠の踊り「浪曲子守唄」で、子供役は左談次師匠と決まっていると書きましたが、この二人が揃うことは、実は滅多にないことです。今日は「年に何度か」というゴールデンコンビの顔合わせになりました。
　楽屋雀の間では「鈴本の１６日に、才賀・左談次のコンビが『浪曲子守唄』を踊るそうだ」という情報が、またたくうちに駆け巡りました（笑）

さあ、「これは、なんとしても見なくちゃならない」というので、出番のない人まで
「この踊りを一目見よう」と、こんなに大勢の芸人が、楽屋に集まりました。

　この楽屋のお歴々は皆「才賀・左談次の浪曲子守唄を見たい」ということで、わざわざこの時間に、集まった人たちです。
　何度も言いますが、出番の無い人も含まれています（笑）。いかにこの「踊り」が仲間内にも人気があるか、また素晴らしい芸か、ということの証明です。
　
　左から、ゆめじ（漫才）、松旭斎美智（奇術）、小菊（俗曲）、勢朝、歌る多、うたじ（漫才）、正朝、左談次、才賀、です。ここには写っていませんが、カメラの側に一朝、歌武蔵、ぼたん等々、まだまだたーくさんの芸人が、楽屋にうごめいています。

　ちなみにこの一連の写真を撮影してくれたのは、太神楽の鏡味仙一くんです。
仙一くん、ありがとう。感謝します。

5a1f486e.jpg　ごらんの通りの激しいフリがあります。鈴本演芸場の高座の後ろの「杉戸」に激しくぶつかり、ドーンという大きな音がしました。壊れはしないかと気が気ではありません！

　左談次兄さんの恐怖におののく表情（もちろん芝居ですよ）が、最高におかしいです。

dd3041d1.jpg　今席、私が出演している鈴本演芸場・昼の部の主任（トリ）は、桂才賀師匠です。今回の「売り」は、落語を一席申し上げた後に「大喜利」でやる踊りです。
　才賀師匠は、自称「舞踊　篠原流・家元」ということですが、自分で勝手に踊っているだけみたいです（笑）

　初日から連日、北島三郎の「函館の女」に合わせて、「踊りのような」「冗談のような」「コントのような」・・・、早い話が「アテ振り」を踊っています。
　これがメチャメチャ面白いんです。連日、バカウケが続いています。

　そして今日は、篠原流の最高傑作である「浪曲子守唄」を踊りました。ご存知一節太郎さんの名曲で
逃〜げ〜た女房にゃ、未練はな〜い〜が、
　お乳〜、欲し〜が〜るこの子が可愛いい
というお馴染みの歌詞です。

　この踊りで一番大変なのは、実は負ぶわれる子供役です。これは立川左談次兄さんと決まっています。体重が軽くて才賀兄さんが踊りやすいというのが一番の理由ですが、微妙な動きや表情（顔の演技）が、左談次兄さんは抜群に面白いんです。
　何回か左談次兄さん以外の他の人でやったこともありましたが、やっぱりダメでした。

255971b1.jpg　 ジャンルカとの想い出で、一番印象に残っているのは、９８年ワールドカップ・フランス大会です。ナントの「日本対クロアチア」のハーフタイムに、スタジア ムの裏の通路でバッタリ出っくわしました。彼はプレス席で、私はカテゴリー２の席でしたから、鉄の柵があって自由に行き来はできません。この鉄の柵を挟んで話をしました。まるで刑務所の面会みたい （笑）

 　第一戦のアルゼンチン戦で、全く良いところなく敗れ去った日本でしたが、第２戦のこの試合は、前半強豪クロアチア（結果的にこの大会で３位になった）を相手に、互角以上の戦いをしていました。
　「日本いいよね。クロアチアは暑さでバテバテだよ。コンディションは日本の方がいいもん。後半、点とって、日本、勝てるよね」という意見で、二人の見解は一致しました。
　残念ながら、後半ダボル・シュケルに一発を決められ、日本は０−１で敗れてしまいましたけどね。希望的な予想は見事に外れました
　異国の地で、ハーフタイムに、スタンド下の通路の、しかも鉄柵を挟んだ状況で、バッタリ出逢ったことが、強く印象に残っています。そう言えばこの時も、ジャンルカはニコニコ笑っていました。

　今年のドイツワールドカップで日本は、第２戦でまたまたこのクロアチアと対戦することになりました。幸せなことに私は、この試合を現地で観戦します。ジャンルカの分まで、しっかり念を送ろうと思っています。(Photo by Norio Rokukawa)

　追記
　２月７日は、我が師匠柳朝の命日です。師匠が亡くなったのは平成３年でした。今年もこの日、寄席に行く前に鷺宮のお寺にお墓参りに行きました。
　ジャンルカが同じ日に亡くなるなんて、偶然にしては出来すぎです。前記のクロアチア戦といい、命日といい、なんとなく運命的なものを感じてしまいます。

021d38ec.jpg　 今でこそサッカーは日本でも人気のスポーツになりました。“サッカージャーナリズム”というジャンルも確立しています。しかし、ジャンルカがフリーの ジャーナリストになった頃は、サッカーだけではとうてい食べてはいけない時代でした。なにしろ多くの日本人がサッカーなんて知らなかったのですから。
　その当時から彼は、世界の サッカー事情を日本に紹介し、メディアで発言し、本を出版しました。アジアはもちろん、ヨーロッパや南米やアフリカにまで取材に出かけ、精力的にサッカー を伝えました。そういう意味でもジャンルカは「フリーのサッカーライター」の草分け、先駆者、パイオニアでした。

　お通夜には、サッカー関係の有名人がたくさん来ていました。弔辞は前述のセルジオ越後さんでしたが、素晴らしい弔辞でした。不覚にもセルジオの話を聞いているうちに、涙がこぼれてしまいました。
　他に来ていた著名人を順不同で列記します。奥寺康彦、川平慈英、早野宏史。
　スカパーの解説陣では、ミッシェル宮沢、宮内聡、川本治、田中浩司、瀬田龍彦、川勝良一の面々。アナウンサーでは、大御所の金子勝彦さんを始めとして、倉敷保雄、ＤＪジャンボ。それに通夜の司会をしていたのが八塚浩というお歴々でした。

　と、ここまで書いてきてふと思ったのですが、上記の人たちをみんな「有名人」と思っているのは、私だけでしょうか（自爆）
　サッカーをよく知らない人には、チンプンカンプンかも知れません。ゴメンナサイ<m(__)m>
　でもあえて言いますが、この人たちは実は「そうそうたる顔ぶれ」なんです。ジャンルカのお通夜にこれだけの人が集まってくれたという事実を知って欲しくて、あえて列記しました。

　写真は、祭壇の左に飾ってあったものです。下の日記の写真の、さらに左側です。最後の取材となってしまった“2006年アフリカネーションズカップ”のプレス（報道）のＩＤカードを拡大したものだそうです。

17372b36.jpg　サッカージャーナリストの富樫洋一さん、ペンネームというか芸名というかメディアでの名前は、ジャンルカ・トト・富樫さんが、亡くなりました。
　エジプトで開催されていた「アフリカネーションズカップ」の取材に出かけていたカイロのホテルで、２月７日未明、突然死したそうです。享年は５４歳。私より１歳年上の友人です。
　第一報を友人からのＥメールで知った時は、あまりにも突然の悲報に、ただただ驚くばかりでした。今日、上野寛永寺輪王殿でお通夜がありましたので、行ってきました。

　富樫さんとは、当然ながらサッカーを通じて知り合った友人です。私達がやっている草サッカーのリーグ戦「字絵リーグ」で、私は「落語協会ＦＣマンダラーズ」に所属し、富樫さんはサッカーカメラマンとジャーナリストで作っている「ピンボケズ」のメンバーでした。
　初めて知り合ったのはいつだったんだろう。今となっては、はっきりとは覚えていませんが、この字絵リーグが始まった前後の９１〜９２年頃だったはずですから、もう１４〜５年の付き合いになるんですね。

　富樫さん、いや親しみと敬意を込めてジャンルカと呼びます。私のジャンルカの最初の印象は、良く言えば「人なつっこい」、悪く言えば「なんて図々しい人」でした（笑）
私はどちらかというと、人見知りするタイプです。いえいえ笑わないでください。本当なんです。初対面の人には、ややもすると「ぶっきらぼうで感じ悪いやつ」と思われがちです。分かっているのですが、中々直せません。
　そこへいくと、ジャンルカは 正反対の人です。いつもニコニコ笑っていて、本当に人なつっこいです。二度目に会った時は、誰でもすっかり「お友達」です。英語で言う“フレンドリー”と いうのは、こういう人のこと言うのでしょう。それに人の悪口を言わない人でした。また、怒っているのを見たことがありません。
　お通夜で弔辞を述べたセルジオ越後氏も、同様のことを言っていました。きっと皆同じことを感じていたのだと思います。

　そして、ジャンルカは落語が好きでした。知り合ったきっかけはサッカーでしたが、私が落語家だと知ると「今度聴きに行きますよ」と言ってくれました。そう言って来ない人が多いのですが　彼は本当に私の独演会に来てくれました。それも一度や二度ではありません。何度も足を運んでくれました。社交辞令ではなく、本当に落語が好きだったのです。
　ジャンルカさん、ありがとうございました

　明るく陽気で、人なつっこくて、親父ギャグ（それも激しく寒いの）を連発して、下ネタが大好きで、スケベだったジャンルカ・トト・富樫さん、どうぞ安らかに眠ってください。

cb8bf976.jpg 　「月刊日本橋」というタウン誌があります。ここから頼まれて行ってきました。お客様は、読者１００名様を抽選で無料ご招待ということでした。会場は「日本橋倶楽部」という、なんだかよく分からない倶楽部のビルがありまして（笑）、その２階でした。
たくさんのお客様がいらっしゃいまいした。

　写真でお分かりのとおり、協力が【財団法人日本立地センター】というところです。「大江戸リサイクル寄席」というタイトルが大仰ですが、要するにこの財団法人が原子力発電に関係している法人らしのです。そこで噺のマクラに「原子力発電でウランを再利用することをプルサーマルと言う」ってなことをお客様に啓蒙して欲しい、というネライです。そこから江戸時代の話にからめて「井戸の茶碗」をやって欲しい、という依頼でした。
　よく分からないけど、頂いた資料を丸覚えしてマクラでそれらしいことを言いました。覚えるのが結構大変でしたよ、マジで(>_<)

　つまりは、原子力発電 → ウランの再利用 → リサイクル → 実は江戸時代はリサイクル社会だった → 落語「井戸の茶碗」・・・というつながりで、話して欲しいという要望です。こっちは芸人ですからね、クライアントさんの依頼には全力でお答えしますよ（笑）
　とは言いながら、辛かったです

　でも落語に入ったら「井戸の茶碗」は、やり慣れたネタだし、そこそこウケました。なんとか無事終了することができました。
　しかし、こういう特殊な落語会というのは、やっぱり疲れますね。フーッ　
　おかげでブログに書こうと思ったのですが、一日遅れてしまいました。お疲れ様です。


　うーーーむ、なんだか奥歯にモノが挟まったような言い方 （の文章） になってしまいました。行間を読んでお察しください。わたしが、一体ナニを言いたいかということを。
それではおやすみなさい

a28e954b.jpg 　昨年から出版ブームが続いています・・・、って私の中で、ということですけど。また、新しい本が出ることになりました。３冊目です。ま、世の中が「落語ブーム」ということの証明でもあります。ただし、今回私は「著者」でも「監修」でもありません。ただ単なる協力者です。多少の原稿は書きますけどね

　大学の落語研究会の先輩で橋本金夢（はしもと・きんむ）さんという人がいます。大学では、私とは入れ替わりでした。私が１年生で入学した年に卒業した先輩です。
　この仏文科の先輩でもある金夢さんは、卒業後イラストレーターになりました。元々絵描きさんになりたかったのだそうです。落語も何度か聴きましたが、落研（おちけん）としては、かなりハイレベルで上手な落語をやっていました。怖い先輩の一人です。
　蛇足ながら付け加えますと、死んだ古今亭右朝（日大芸術学部卒・噺家としては私の方が先輩）と学生時代から仲良しだったそうです。

　この金夢さんが本を出すことになったのです。タイトルは「落語ギャラリー６０」。ギャラリーと題するくらいですから、本業のイラストをふんだんに使った落語の本です。
　執筆陣は、金夢さんと交友の 深い元落研の人たちです。青山学院大学卒のＳさんとＫさん、国学院大学卒のＵさんの三名です。お三方とも団塊の世代の人です。彼らが大学生だった昭和40 年代は、いろんな大学の落語研究会が華やかに活躍していた時代でした。少し遅れて入った私達の時代は、そろそろ各大学の落研も衰退し始めた頃でした (>_<)
　その団塊世代の落語大好きおじさん達が、力を合わせて作る本です。私は後輩ではありますが、一応プロの噺家として製作に参加しているというワケです

　で、今日は新宿末広亭の撮影を行いました。正面入り口の風景と楽屋の様子を撮りました。写真は末広亭の楽屋の名物「火鉢」を入れ込んで撮影しているところです。ちなみにカメラマンは当然ながら、プロのカメラマンです。
　真ん中で腕を組んでエラそうにしているのが金夢さんです。右端で見切れているのが編集者のＳ嬢、若くて美しい女性です。顔がよく撮れてないのが残念です。
　この撮影の模様を、今日のコーディネーターである私がデジカメで撮影しました（笑）

　ナニを隠そう（なにも隠してませんが・・・）この本の中で、私は都内４軒の定席（じょうせき）の紹介文を書いています。噺家の側から見た寄席の「紹介文」です。
　このあと、鈴本、浅草、池袋は、後日改めて撮影をします。

　本はゴールデンウィークの前には出版される予定です。出来上がりましたら、またこちらで紹介いたします。皆さん買ってくださいね。今日は、完全な宣伝でした。

　昨日2月3日は節分だった。今日4日 が立春である。昨日までが冬、今日からは春という意味だ。実際の季節の感覚とは全然違うが、なんとなく背中がピンと伸びる気がするから不思議だ。節分の 日、都内の寄席では毎年必ず豆まきをする。仲入り（休憩）のところで、高座から客席に向かって、豆を始めとして、芸人の手拭い、寄席の招待券、芸人 のサイン色紙（引換券）など、色んなモノを撒く。お客さんはそれを目指してこの日にやって来る。熱心な寄席ファンの間ではよく知られた行事なのだ。この日 は都内のどこの寄席も満員になる。私が出演した鈴本も池袋も、両席とも超満員だった。

　 豆まきと言えば、成田山新勝寺や浅草の浅草寺、高幡不動などが、テレビのニュースでも取り上げられて有名だが、そんな所にワザワザ出かけても、いいものをも らえる可能性は低い。そこへいくと、寄席はライバルが少ない。客の数に比べて撒かれる豆やその他のグッズの量が格段に多い。ゲットできる確率はぐっと高く なる。節分の日は寄席に行くべきである。来年からは是非とも寄席にお出かけ願いたい。

 　 さて、その豆まきである。節分の豆まきは、室町時代にすでに行なわれていたという。色々形を変えながら、現代に伝わってきたわけだ。日本全国どこでも「鬼 は外、福は内」という掛け声は共通である。こう書くと必ず「そうじゃない！」という反論が返ってくるものだが、一般論として言っているのであって、細かい 事は受けつけないから、その類いのコメントはよこさないでいただきたい。

　要するに言いたいのは、節分の豆まきは大昔から続いている日本全国津々浦々まで浸透した、国民的な行事だということである。この点については異論はあるまい。

 　 この国民的コンセンサスを得ている豆まきに並んで、最近「恵方巻き」なる行事がハバをきかせてきた。これが私には分からない。どうも関西の方の風俗らしい という噂は聞いたが、今年はなんだか全国的に異常に盛り上がっている。猫もシャクシも太巻きののり巻きを一本ムシャムシャと食べている。

　天邪鬼（アマノジャク）の虫がムラムラと頭をもたげてきた。「そんなもの知らねえぞ。この歳になるまで聞いたこともねえやっ！」と思うワケだ。

そこで、色々と調べてみたら面白いことが判明した。「節分に恵方巻きを食べる」という風俗は、もともとは大阪の船場の商人の行事（一説には名古屋という話 もあるが）で、江戸時代の終わりから明治時代の初めころに生まれたものだった。そんなに古い話ではないのだ。ところが明治時代の中ごろには早くも廃れてし まい、誰もやらなくなってしまった。なんと、あっけなく消えちまったのだ。
　それから大正になり、 昭和になり、第二次世界大戦が終わって30年も経った昭和52年 に、大阪の海苔問屋の人たちが、海苔の販売促進の一環としてこの行事を復活させた。つまりは海苔業界の単なる「キャンペーン」だったわけだ。最初は地域的 な行事として、大阪の一部の人たちがやるだけで、大阪に住んでいてもこんな行事があることを知らない人も大勢いた。あったりめえだ、べらぼうめ！

ではなぜ今、急に全国に広がったかというと、15年くらい前に「セブンイレブン」がこの習俗に目をつけて、「のり巻き」の販売促進に使ったのがキッカケである。当初は西日本のエリアだけで販売していたのだが、平成10年頃から全国で売るようになり、テレビでＣＭも流すようになって、一気にメジャーになったのだ。つまり全国的に言えば、たった８年ほどの歴史しかないのである。

一 応は江戸時代の終わりころに生まれた恵方巻きだが、とっくの昔に自然消滅していたはずの、しかも大阪のごく狭い地域の誰も知らない「業界の仕掛け」に過ぎ ないのだ。それが、さも大昔から続いている日本古来の由緒正しい伝統行事のようになってしまった。今年の「恵方」は南南東だそうだ。チェッ！ばかばかし い。

おいおいっ、恵方巻きって、セブンイレブンの売り出しなんだよ！と声を大にして叫びたい。
「だって、よーく考えてごらん。あんただって数年前までこんなもの知らなかったでしょう！」と言いたいのである。
　どうしてこうも日本人は「乗せられやすいんだろう」と思ってしまう。

 
　ここで思い出すのがバレンタインのチョコレートだ。これも「恵方巻き」と全く同じである。昭和30年代に、とあるチョコレートメーカーが仕掛けたキャンペーンだった。

曰く「古来ヨーロッパでは、２月１４日だけは、女性が男性に恋を告白しても良い日でした。この日、女性は好きな男性にチョコレートを贈って愛を告白したのです。貴女もチョコレートを好きな男性に贈って、思い切って愛を告白しましょう」というキャンペーンを打ったのだ。
　メーカーは明治だか、グリコだか、森永だか、ロッテだか、雪印だかよく覚えてないけど、確かに私が小学生の頃、そんなテレビCMを見た記憶がある。

これがズバリと当たった。まんまと乗せられた女どもが盛んにチョコレートを買うようになった。営業としては大成功である。しかし、本家本元と言われたヨーロッパにはそんな習慣なんか全く無かったのだ。

　これに続けとばかり仕掛けたのが「マシュマロ業界」だった。３月１４日を「ホワイトデー」といって、バレンタインにチョコをもらった男性が女性にお返しする日、だってさ。このプロモーションは成功しかけたかに見えたが、数年後にはやっぱりすたれてしまった。

　ああ付和雷同の日本人よ。これがチョコレートや海苔巻きですんでいるうちは「お笑い草」ですむからいいけど、もっと大きな怖いことに突き進んで行くと、取り返しのつかないことになってしまう。

いつか来た同じ道をまた歩かなければよいのだが・・・、と思った昨日の節分だった。それにしても、大阪の風俗を江戸っ子が有り難がってマネすることないじゃないか、と思うのは私が噺家だからだろうか？？？

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