正朝通信

2008年10月

deb8ba1b.jpg昨日までの雨がカラッと上がった土曜日の昼下がり。ところは武蔵村山市。デェダラまつりというイベント。

久しぶりにサッカー関連の仕事をしました。トークショーの司会です。
出演は、木村和司・前園真聖・佐々木則夫(北京五輪なでしこジャパン監督)という豪華な顔ぶれ。

トークショーのコンセプトは、2016年東京オリンピックを誘致しようというもので、タイトルは
アトランタ五輪から北京五輪へ“マイアミの奇跡”と“なでしこ”を語る」というものです。
                                   
佐々木則夫さんとは、以前にカズシのゴルフコンペでお会いしたことがあるという程度で、言葉を交わした記憶はありません。ほとんど初対面です。
今回初めて、たっぷりお話をしました。実にいいキャラクターの持ち主です。
オリンピックという大舞台で、なでしこジャパンを見事ベスト4に導いた「名監督」と言っていいでしょう。
少なくとも男子より「いいサッカー」をしていたことは、間違いありません。
ノルウェーを5対1で完膚なきまでに叩きのめし、準々決勝では完全アウェーの中国を2対0で沈黙させました。
準決勝のアメリカ、3位決定戦のドイツに敗れはしたものの、ベスト4は、賞賛に値する結果です。
メダルにはあと一歩届きませんでしたが、トークの中で
「なでしこ色のメダルをもらいました」という名言を吐きました。たぶん、色んな所で使っているんでしょうけどね(笑)
素敵な人です。いっぺんでファンになりました。

そしてお次は、ご存知前園真聖さん。ゾノです。こちらは正真正銘の初対面。
実は、最初不安でした。
「偉そうで、生意気で、スター気取りの若造だったら、イヤだな」と心配していたのです。そんなイメージがありました。
が、しか〜〜〜〜し! それは完全な私の思い違いでした。
前園君は好青年です。実に礼儀正しいし、なにより真剣に話をしてくれました。嬉しかったです。

中でも「マイアミの奇跡」と呼ばれるブラジル戦の裏話は、最高に楽しかったです。聞いているだけでワクワクしました。
巷間伝えられていた「西野監督との確執」も、よくよく聞いてみたら、ホントは「いい話」でした。
こういう「言い合い」があるからサッカーは楽しいのだと、改めて思いました。

マスコミなどを通じて、こっちが感じ取る「勝手なイメージ」がいかにいい加減なものかということをつくづく感じました。
「ゾノ、今まで誤解していて、ごめんね。君のこと、好きになったよ(笑)」

そして、親友・カズシはあい変らずいい味を出してくれました。ボケ具合も、上手くなりました(笑)
木村和司は私にとって永遠のアイドルです。一日も早く現場に戻ってきて「Jの監督」をやってもらいたいと、強く思いました。

大勢集まってくれたお客様の中には、お年寄りやおばちゃんも多くて、ちゃんと聞いてくれるか、少し心配でしたが、皆さん思いのほかシャープな反応を示してくれました。

久しぶりに充実した楽しい仕事でした。

df066d22.jpg 自分で書くのは気恥ずかしいですが
 「本格本寸法 ビクター落語会 春風亭正朝 其の弐」が発売されることが決まりました。
 前回の「其の壱」に続く第二弾というわけです。

  演題は「井戸の茶碗」「薮入り」の二席です。
 「井戸の茶碗」は2007年8月26日、「薮入り」は2008年3月29日に、いずれも港区三田の仏教伝道センターで公開録画したものです。
  発売はちょいと先になりますが、11月19日の予定です。
料金は3500円。

  ビクターさんからジャケット(って言うんですかね、やっぱり)のデザインを送ってきました。 これがすごい顔なんです。 思いっきりしわくちゃ。
 昔のくしゃおじさんみたいな顔(分からない人も大勢いるんだろうな・・・)です。

                       

でもまあ、考えようによっては、ある意味でインパクト充分です。
 皆様、お買い上げください。

09f43cea.jpg今年もやってまいりました鈴本演芸場での秋の独演会。

 今回の私の演題ははてなの茶碗
王子の狐の二席です。

助演は、五明楼玉の輔と春風亭一之輔。そして漫才のロケット団の皆さんです。

日時:11月20日(木)午後5時半開場 午後6時開演
場所:鈴本演芸場

木戸:当日2800円
       前売り2500円
(正朝後援会々員2000円)全席自由席です。

                      

 前売り券のご予約は、正朝公式ホームページ Le Matin の「千客万来」からお申し込みください。
 なお、前売り券はお席の確保をお約束するものではありません。全席自由席となっておりますので、ご了承ください。
 皆様のご来場を心からお待ちしております。

今日は早朝IMA寄席

練馬区光が丘のIMAホールで、毎月一回、基本的に土・日・祝日の午前中にやっている落語会です。 番組は、前座と若手と私の三本だけ。
木戸銭は100円。 通称「百円寄席」とも呼ばれています。
第一回は、私が光が丘に引っ越して間もない平成元年12月17日でした。以来、足掛け20年になります。
途中、改修工事などで、何度かお休みした月もありましたが、ほぼ毎月一回開催しています。今日が第225回。

今年2月、江東区住吉に引っ越して、光が丘とは遠く離れましたが、この寄席だけは続けていこうと思っています。
幸い主催者であるIMAホールさんも「続けて欲しい」と言ってくださるし、お客様からも「やめないでください」という声を多く聞いています。
言わば私の「ライフワーク」です(そんなカッコイイもんじゃありませんが)。


今日、開演した後で、普段はそんなことをしないのですが、(今日に限ってちょっとした用事があって)ロビーに行きました。
なんと、何人かのお客様がロビーのベンチに座って、モニターテレビをご覧になっていました。

「どうしたんですか?」と尋ねると、
「満員で入れないんです」という答えが返ってきました


ビックリ!です。

これはいけません。

近所の人たちが気軽にサンダル履きで、フラッと聴きにくるのが「IMA寄席」だと思っています。
だから木戸銭も100円なのです。

断っておきますが、この売り上げは、私がもらっているわけではありません。
主催者が勝手に「全額」を練馬区に寄付しているとのことです。

あたしはギャラとして、もらう分はちゃんともらっているのです(笑)
誤解しないでください。

くどいようですが、お客様から集めた100円玉をどこにどう寄付しようと
「あたしの知ったこっちゃない」のです

それが、何年か前に練馬区から「感謝状をあげる」と言われて、おおいに困りました。
あたしゃ、なんにもいいことをしているつもりはありません。
普通の「お仕事」なのに・・・ 。
断るのも角(カド)が立つと思ったので、もらいましたけどね、
なんだか世間様を騙しているようで、非常に心苦しかったのを覚えています。

ま、それはいいでしょう。

「地元で気軽に楽しめる寄席」というつもりで始めたのに、
人気が出るのは嬉しいですが、客席に入れないようでは、困ってしまいます。
なにか善後策を考えなくてはならないかもしれません。


本日、客席に入れず、ロビーでモニターをご覧になったお客様、
ほんとうに申し訳ございませんでした。
これに懲りずに、またご来場ください。どうぞよろしくお願いいたします。

【付録】
ちなみに今日のネタ帖はこちら
・子ほめ 正太郎
・三十石  一琴
・景清    正朝

4b789bbb.jpg 池袋の昼トリを終えて、出番もないのに末廣亭にかけつけました。一門の春風亭百栄(ももえ)の真打披露興行に顔を出すためです。
 新真打の百栄は、前座時分には、のり太と言いました。二つ目で栄助と改名。今回真打昇進を機に、百栄となりました。

【トップ写真】下手から、一朝(司会)、歌司(協会理事)、本人、栄枝(師匠)、文楽(協会理事)、馬風(会長)

 彼は、少々変わった経歴の持ち主です。そもそもはロサンゼンルスの寿司屋で働いていました。そこにたまたま仕事で渡米していた栄枝師匠が来店したのだそうです。
           (のぼり)
  「どうしてもこの人の弟子になって、噺家になりたい」と思った百栄は、帰国して栄枝師匠の元に入門しました。
  従って年齢的には、やや遅い入門でした。  芸風も一風変わっています。古典と新作の両方をやりますが、どことなくつかみどころがない「なんだかよく分からない」落語です(笑)
  それもこれも「百栄のフラ」ということになります。  「フラ」の説明も難しいですが・・・(苦笑)、
                 (楽屋で緊張ぎみの百栄)
 私達が仲間内で使う「符牒」です。簡単に言えば「その人の持っている独特の個性」ということです。一般的に「フラ」は、好意的にというか、褒めるというのか、肯定的な意味で使うことが多いです。
 「あいつはいい『フラ』をしている」とか「芸はマズいけど『フラ』は面白い」という具合です。
  百栄の場合は、もちろん、フラだけではありません。感覚が鋭いです。技術もしっかりしています。一風変わった新真打春風亭百栄の落語にご注目ください。

  なお、11月9日(日)国立演芸場での真打披露には、私も出ます。落語一席と、口上の司会をやります。
  正直に白状すると、今日はその勉強のために行ったのでした。
  いやあ、一朝兄さんの司会は見事でした。ガンバロっと


15b03afe.jpg今さらながらに、テレビの威力はすごいです。 昨日あたりから、デアゴスティーニ「落語百選」のテレビCMが始まりました。
試験的に先行発売されていた地方では、発売当初バンバン流して宣伝していたそうです。 全国発売が決まり、ようやく全国ネットでのCMも流し始めたということなのでしょう (もしかしたら首都圏だけかもしれませんが・・・)。

 知り合いからメールやメッセージ等で「テレビCM見たよ」という連絡がたくさん入ってきました(笑)

 都内で一人暮らしをしている三女からも「デアゴスティーニのCMにYOUちら映りしてたよー!今見たー!」 というふざけたメールが届きました(笑)

 まだご覧になってない方は、 公式ホームページで見ることができます。 右上の画面をクリックしてください。 私、ほんの一瞬だけ映っています(笑)

 公式ホームページ「最新号・バックナンバー」を見ると私が出るのは、
 第3号 正朝「代りめ」、さん喬「長短」【2008年11月4日発売】通常価格:1490円 (税込) と書いてあります。

 写真は(私の)第二弾です。手元に届いた資料によると
 第8号 圓太郎「真田小僧」、正朝「粗忽の釘」【2009年1月27日発売】
だそうです。 皆様よかったら(無理をなさらず)、お買い上げください。

ちなみに【6】という数字は、先行発売の時に第6号として販売されたものらしいです。正式な全国発売では、第8号ということです。

       

ab06dfe8.jpg「鶴の恩返し」の民話は日本全国にあるそうです。木下順二の名作戯曲「夕鶴」は、この民話を元にして書かれたものです。そして 團伊玖磨の手によりオペラにもなりました。
その大元(おおもと)、つまり元祖はどこか?となると諸説あるようですが、
今日、私が行った山形県南陽市赤湯がどうやら本家本元のようです。
国立公文書館というお堅いお役所が、そう認定しているのだそうです。
初めて知りました。

日本全国でストーリーや、落ち(とは言わないかな?結末ですね)なども、色々と微妙に違っている「鶴の恩返し」ですが、どうもここ赤湯がそのルーツらしいです。

というわけで、この町では昔話を物語る「語り部」の活動が盛んです。小学生からお年寄りまで、皆さん色々と楽しんでいるようです。
その「民話まつり」に呼ばれました。
                   
囲炉裏を形どった民話館で皆さんが「昔話」を披露したあと、ゲストとして私が落語をやりました。
ネタは「からぬけ」と「天狗裁き」の二席。

今年の夏にネタ下ろしした「天狗裁き」ですが、今日の趣旨にぴったりの噺でした。
皆さん喜んでいただいたようで、私も嬉しいです。


また来年も呼んでください。
今日は日帰りだったのが、返す返すも残念です(笑)

今度来る時は「瀧波」さんにでも泊めていただいて、ゆっくりしたいものです。

c98fc658.jpg FA−CLUB(日本のサッカー文化を育てる会)の例会に出席しました。今日のゲストスピーカーは木村元彦(ゆきひこ)さんでした。サッカーファンならご存知だと思いますが、ベストセラーとなった「オシムの言葉」の著者です。

 木村元彦さんは単なるサッカーの記者ではありません。その肩書きは、ノンフィクションライター、ビデオジャーナリストです。
 サッカー記者というよりもむしろ、アジア・東欧の民族問題を中心に取材、執筆活動をしている政治問題のジャーナリストでもあります。
 特に、旧ユーゴスラビアの崩壊の時には、現地に何度も足を運んで実際にビデオを撮って、現地の人と直接話しをして、取材活動をしました。

 そんな活動の中から生まれたのが、イビツァ・オシム(旧ユーゴスラビア代表監督、JEF千葉監督、日本代表監督などを歴任。ボスニア出身)や、ドラガン・ストイコビッチ(セルビア出身。現セルビアサッカー協会会長。名古屋グランパス監督)との交流であり、様々なルポルタージュをものした人なのです。
 私も前述の「オシムの言葉」はもちろんのこと、「悪者見参~ユーゴスラビアサッカー戦記~」は読みました。

 今回のテーマは「オシムが目指した日本のサッカーと文化」というタイトルで、オシムが実践したサッカーを通して、日本のサッカー文化を考えるというものでした。
 結論から言うと、大変為(ため)になりました。よかったです。ここで簡単に書ける話ではありませんが、少しだけ書き留めておきます。

 旧ユーゴスラビアは、複雑な国です。有名な「数え歌」があります。
一つの国家
二つの文字(ラテン文字、キリル文字)
三つの宗教(カトリック、東方正教、イスラム)
四つの言語(スロベニア、セルビア、クロアチア、マケドニア)
五つの民族(スロベニア、セルビア、クロアチア、マケドニア、モンテネグロ)
六つの共和国(スロベニア、セルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、マケドニア)
七つの隣国(イタリア、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ギリシア、アルバニア)

 それが90年代以降、分離独立が始まります。そこには「民族浄化」というおぞましい行為があり、虐殺があり、虐げられていた被支配民族が逆にかつていじめていた民族をいじめ返すという現実もありました。
 そんな中でも、サッカーは続いていたのです。

 ユーゴはサッカー強国でした。「東欧のブラジル」とも呼ばれ、素晴らしいプレーヤーを輩出しました。
 有名な選手は、ストイコビッチ、サビチェビッチ、アサノビッチ、ユーゴビッチ、ミヤトビッチ、ボバン、シュケル、あたりでしょうか。
 クラブレベルでも、1991年のトヨタカップ(クラブ世界一決定戦)で、ヨーロッパチャンピオンになったレッドスター・ベオグラードが、南米のコロコロを下して世界一に輝いています。

 分離独立した代表チームでは、クロアチアがいきなりフランスW杯で3位になり、世界の強豪の仲間入りをしました。
 日本がワールドカップ初出場したこの時(当然クロアチアも初出場)は、ナントで戦い、シュケルが強烈な一発をお見舞いしました。日本はもろくも「W杯の壁」に、こっぱ微塵に砕け散りました(笑)
私、この試合を現地で、見ています。
 昨年のドイツW杯でまた、ニュルンベルグで相対しました。なんだか日本とクロアチアの間に不思議な縁を感じます。

 クロアチアの全人口は、わずか400万人だそうです。1億3000万人の日本の三十分の一以下です。

 そんな話を色々と聞いて、木村元彦さんを益々尊敬するようになりました。楽しい時間を過ごしました。

 あっ、そうだ。この講演を聴くために、今日は池袋を早上がりしたのでした・・・
 本日いらしたお客様、ゴメンナサイ
 謝っておきます


~ここだけの話~
オシムをリスペクトする人にとっては、ちょっと嬉しい話です。
オシム前日本代表監督は、脳梗塞から驚異的な回復をしているそうです。
そしていまだにサッカーに対して変わらぬ情熱と意欲を持ち続けているようです。
現在オーストリアで療養中ですが、11月か12月には来日するかも知れません。
もしかしたら、本当にもしかしたら、の話ですが、また日本代表に関わってくれるかも知れません。
いえ、あくまでもここだけの話ですよ(笑)

6ef1c669.jpg 無事終了しました。ご来場いただきましたお客様に厚くお礼を申し上げます。

 「中村仲蔵」は、難しい噺です。古い落語ファンは「圓生が良かった」「いや正蔵のが良かった」と、必ず口にします。
私も両師匠のをじかに聴いています。正直に言って、若い頃はお二人の「良さ」あるいは「佳さ」とでもいうのでしょうか、がよく分かりませんでした。
今になって、聞きなおしてみると、とてつもない「大きさ」であることがよく分かります。

本当に難しい作品です。
でも、やりたいんです。

ぶつかっては跳ね返され、打ちひしがれております(笑)
でも、またやります。

懲りずにお付き合いください。












今回の独白・・・
ビクター落語会の時より、いくらか修整できました

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