正朝通信

2009年02月

413852ce.jpg昨年12月9日・浅草東洋館で、ごく限られたお客様の前で、ひっそりと行われた落語会がありました。その日記はこちら に書いてあります。

なぜひっそりと行われたかと言いますと、
小学館から「ＤＶＤつき書籍」として販売することを目的として開催された公開録画だったからです。
「それがなんで『ひっそりと』になるの？」と思うでしょう。
そこなんですよ（笑）

どうやら出版業界というのは、企画を他社に知られるのを極端に嫌がるようです。
落語会としてお客様を集めるんだから、普通に宣伝して、普通に前売りをして、派手に集客をすればいいと思うのですが、
そうではないようです。
「ＤＶＤ付きの落語の本を出版する」ということは、極力ヒミツにしたいらしいんですね。
それで、客席には出演者の身内のような人だけを集めて、ごくごく「小じんまり」と開かれたというワケです。

この辺は、先行するデアゴスティーニと似ています。
あの時も「くれぐれも、正式発表があるまでよそで喋らないでください」と釘を刺されました（笑）

ま、それはいいでしょう。
その落語のＤＶＤがついに完成し、発売になりました。
やっと世間様に向かって声を大にして宣伝してよいことになりました。

その名は
小学館 ＤＶＤ ＢＯＯＫ「落語のいき」〜江戸古典落語の真髄〜全４巻です。
　　　　　
第１巻【お店噺編】２月１２日発売
「二番煎じ」金時、「悋気の独楽」正朝、「茶の湯」金馬

第２巻【食と旅噺編】３月１２日ごろ発売予定
「富士詣り」南喬、「祇園祭」一朝、「時そば」文楽

第３巻【廓話編】４月１３日ごろ発売予定
「幾代餅」ひな太郎、「三枚起請」権太楼、「坊主の遊び」圓歌

第４巻【長屋噺編】５月１１日ごろ発売予定
「雛鍔」圓太郎、「締め込み」さん喬、「らくだ」圓蔵

各巻　2625円（税込み）
DVD　　一枚（約120分）
Book　Ａ５　６４ページ

各巻、三席の落語のほかに、出演者の座談が入っています。これが結構面白くできているようです。
それぞれ三人の出演者が、楽屋の裏話のような雰囲気で適当なことをくっちゃべっています。
ファンにとってはたまらない魅力です。

しつこいようですが「ＤＶＤのついた本」です。
本屋さんで売っています。
お買い求めの際は、ＣＤ・ＤＶＤショップではなく、本屋さんにお出かけください。

あっ、いや、お買い上げいただければ嬉しいですが、
どうぞ無理しないでください。
無理矢理押し売りするようなつもりはありませんので・・・

d2e4f4b0.jpg春風亭正朝後援会で、このような催しを企画しました。
所は根岸の里、江戸時代から続く老舗・豆腐料理の専門店笹乃雪さんです。
ＪＲ山手線・京浜東北線「鶯谷（うぐいすだに）」徒歩3分

３月２８日（土）お昼から、
私の落語を一席聴いていただいて、その後美味しいお酒とお料理を楽しんでいただこうと云うものです。

正朝後援会会員の皆様が対象ですが、一般の方もご参加いただけます。
料金は会員６０００円、一般７０００円と、少しお高めですが、お料理とお飲み物と私の落語がついてこの値段ですので、ご損はないと思います。

正直に言いますと、
会員さんのお申し込みが、今ひとつです（苦笑）

まだまだお席がございますので、是非ともお申し込みください。
電話はこちらまで
春風亭正朝後援会
アーバントリー法律事務所内　中川・今井
０３−３２６１−５８６０

大勢の皆様のお申し込みをお待ちしております。
お願いします。
助けると思って、ご参加ください（笑）

32ebf73a.jpg昨日の落語会と歌謡ショーの仕事は、無事終了しました。
お客様も、クライアントさんも、ホテルさんも、皆さん満足していただいた・・・・・、はずです。
そう信じています

朝ご飯を食べて、8時過ぎにホテルを出発しました。釧路空港には、来た時とほぼ同じ一時間ほどで着きました。
飛行機は10時15分の便です。羽田には12時ちょうどに着きます。
私も歌る多さんも、昼席の自分の出番には間に合います。
二人とも寄席を二日も休んでしまったので、今日はなんとしても勤めなくてはなりません。
それは市馬さんも同じですが、彼の出番は夜（鈴本はトリ）なので、時間的には我々以上に充分余裕があります。

さて、天気予報では、今日の北海道は低気圧が通過して大荒れになるということでした。
しかし、幸いなことに雪も降ってないし、風もほとんど吹いてません。うす曇りという感じです。
ところが・・・・・、
最近の天気予報は、よく当たるのです。この後、悲劇が待っていました

搭乗手続きをすませ、スーツケースを預けました。まだ時間もあるので、三人で三階のレストランでコーヒーを飲みました。窓際の席からは、滑走路が目の前に見えます。
しかし、羽田から来るはずの、我々が乗る飛行機が、なかなか着きません。
少しだけ心配していると、そこに
「強風のため着陸ができません。しばらくお待ちください」という放送が流れました。

「ウソだろう」と思いました。風が吹いているようには見えないのです。
しかも、ついさっき、東京発のＡＮＡが無事に着陸しています。そんなバカな。
15分後、二度目の放送「着陸を試みましたが、強風のためできませんでした。そのままでしばらくお待ちください」とのことです。
さらに15分経過、三度目の放送が入りました。
またまた「着陸を試みましたが、できませんでした。そのまましばらくお待ちください」と同じ内容です。
でもこの辺までは、正直言って、まだタカをくくっていました。
「なんだかんだ言っても、きっと降りるよ」と思っていたのです。

そしてとうとう四度目の放送が入りました。
「お客様にお知らせとお詫びを申し上げます。飛行機は強風のため着陸できませんでしたので、羽田空港に戻りました」
ガーン
どうすりゃいいんだよ

すかさず歌る多が三人分のチケットを握り締めて一階のカウンターに走りました。
とりあえず、次の午後３時の便に切り替えなくてなりません。
私たちの航空券は経費節減のため、他社便に変更できない格安チケットなのです。Ｊ〇〇しか乗れません

少し経って、私もカウンターに行ってみたら、早くも長蛇の列ができていました。
そりゃそうです。みんなが一斉に並ぶんだもの。
歌る多さんは、先頭に近い場所にいました。えらいぞ、歌る多
すぐに歌る多さんの番になりました。
が、しかーし、その直前に、３時の便は「満席」になっていました。ガビ〜〜〜〜ン

次は８時しかありません。夜の８時です。今は、午前11時です。
私も歌る多と並んで、どうしようと途方にくれていたらカウンターの姉ちゃんが
「12時50分の千歳行きに乗って、千歳から14時半の羽田行きに乗り換えていただければ、16時05分に羽田に着きます。追加料金はかかりません」と、夢のようなアドバイスをくれました。
もちろんそうします。こんなところに夜８時までいられるワケがありません。
それに、これなら私と歌る多さんはアウトですが、市馬さんは寄席の出番に間に合うのです。

なんとか、夕方には東京に帰れることになりました。

すぐに落語協会に電話して事情を説明しました。
「私の鈴本と、歌る多の浅草は、お休みさせてください」と言うと、事務局もこれには納得するしかありません。
なにしろ不可抗力です。自然災害というやつです。
ま、しょうがないや。事務員のＴも電話口で笑っています。笑うしかありません。

そして、乗った千歳行きというのが、超ビックリ。ななななんとプロペラ機でした。
座席も、Ａが一人がけ。すぐ横が通路になっていて、Ｂ・Ｃの二人がけ。
つまり、横一列にシートが三つという珍しい形です。狭い！
　　　　　　　
この飛行機は定刻に釧路を離陸しました。
小一時間で札幌に到着です。レストランでお昼でも食べようかと思っていたのですが、意外に時間がタイトでした。
しょうがない、三人分の弁当を買いました。なんだか慌ただしく14時30発の522便に飛び乗りました。

ようようのことで、16時過ぎに羽田に着きました。
フーッ、なんだか最後はジェットコースターのような旅になってしまいました。

どうやら風邪も、本格化しそうな勢いです。鼻水とセキが、止まらなくなりました。
今日、寄席にいらしたお客様、特に私にバレンタインのチョコレートを持参してくださった女性の皆様（そんな人はいないって）、
本当に申し訳ございません。
そういう事情ですので、どうぞお許しください。

ああああ、疲れました。
もう寝ます。おやすみなさい
ほろ苦い2009年バレンタインの夜でした。

1016aab7.jpg実は、昨日の飛行機の中から、なんだか寒気がしていました。
水っ洟がタラーッと垂れてきて、セキが出るようになりました。
どうやら風邪の初期症状のようです。ヤバい。ここはなんとか気力で乗り切らねば・・・。

お昼に落語会が終わった後は、夜まで自由時間でした。
観光に出かけようかとも思いましたが、部屋にこもってＰＣに向かってました。ここまでの日記を書きました。

ＪＡびほろ「年金友の会」のお客様は、５時半から食事が始まります。
お開きは７時半とのことです。
この中で、歌謡ショーは
「６時から７時過ぎまでお願いします」と言われました。
舞台ソデでスタンバイしていたところ、
５時５０分ころにいきなり「じゃ、もう始めてください」と言われました。

　　
　
仕方がない、私が司会、歌る多がアシスタントで、柳亭市馬歌謡ショーの始まりです。
　　　　
しかし、市馬さんは、凄い！本当にすごい。

「年金友の会」のお客様の心をわしづかみです。
三波、村田、春日、三橋、と昭和歌謡を立て続けに熱唱。６時半まで４０分間、一気に歌い続けました。お客様はもう、大喜びです。
ここで市馬さんは、一旦小休止。

私が出て行って、十八番の「噂の女」でコミカルにご機嫌をうかがいました。ついでに小噺をひとつ、へへへ。
続いて歌る多さんが「天城越え」。こちらは二の線で、なかなかキュートに歌い上げました。
　　　　　　　　　　　　　　　

さあ、市馬さんの後半が始まりました。
お客様からのリクエストを受け付けます。カラオケがない曲はアカペラで歌います。なんでも歌います。歌えない曲はない、というくらいです（笑）
一番盛り上がったのは、ご当地ソング「イヨマンテの夜」でした。
　　　　　　　
最後に、ＣＤデビューした自分の持ち歌「会いたいなふるさとに」を歌って、
大団円はご存知「俵星玄藩」浪曲入り、講釈入り、セリフ入りで９分弱の熱唱。
　　　　　　　　　　　　　　
もうお客様は、感動のうずです。
中には、感激して泣き出すお母さんもいました。いやあ、驚きました。
予定をややオーバーして、７時２０分ころに終演しました。

その後すぐに、持参したＣＤにサインをして即売会。これもあっという間に完売しました。
一旦部屋に戻って着替えなどをして、８時から白河さんを交えて４人で食事会です。
ここに、ＪＡびほろの女性スタッフが加わって、にぎやかな打ち上げになりました。

なんとＪＡびほろの支店長は、知的でスマートで、おまけに若い美人女性でした。これにはちょっとビックリ。
その後、全員で地下のラウンジに移動して、カラオケ大会（まだ歌うか？）（笑）

楽しく酔っ払って、バタンキューで寝ました。いやあ、濃い一日でした。

89987c28.jpg午前10時から落語会を開催しました。
お客様は「JAびほろ年金友の会」の皆さんです。
網走郡美幌町からやってきた、年金をもらっている方達の団体旅行です。その数は230名とか。

当然、皆さん昨晩から泊っていらっしゃいます。
じゃなきゃ、朝10時から落語会なんてできません（笑）

サラ口に市馬さんが上がって、軽く「相撲甚句」の美声を聞かせました。
これは夜の歌謡ショーのための前宣伝みたいなものです。ネライどおり、お客様から「ホーッ、うまい」という中手（なかで・途中で自然発生的に起こる拍手のことです）がきました。
ネタは「牛ほめ」。落語に慣れていないお客様をほどよくほぐして、明るい雰囲気を作ってくれました。贅沢な前座です。

二番目に歌る多さん。手堅く「代り目」で笑いをとった後、余興に「南京玉すだれ」をご披露しました。
これは私のリクエストです。ヒザ替りの仕事を、充分に果たしてくれました。

トリで私が「宮戸川」をねっとりと（笑）
お客様は大喜びでした。
予定の11時半を少しオーバーして終了。

ほとんどのお客様が「生の落語」を聴く（観る）のは初めてという感じでしたが、よく笑ってくださいました。
大成功と言っていいでしょう。

これで夜の歌謡ショーもきっとうまくいくに違いありません。

43b8d28e.jpg昼の便で釧路に飛びました。市馬さんと歌る多さんと私の三人で、落語会と歌謡ショーの仕事です。
釧路空港からは、迎えの車に乗って約一時間で、阿寒湖のほとりに立つ「ホテルニュー阿寒」へ到着しました。

仕事は明日です。今夜はいわゆる「前乗り」というやつです。

いつもお世話になっている白河さんがお出迎えしてくれました。懐かしい再会です。
お昼を食べそこなったと言うと、すぐに近所のおそば屋さんに連れてってくれました。
　　　　　　　　　
このソバが綺麗な緑色をしていました。茶そばとも違う、鮮やかな色合いです。
聞いたらクロレラが練りこんであるという、珍しいソバでした。ノド越しがツルッとしていて美味しかったです。

ホテルに戻って、荷物をほどき、明日に備えます。
夜は阿寒湖に面した総ガラス張りのレストランでバイキングの夕食をいただきました。
阿寒湖は全面結氷しているそうです。氷の厚さは50cm以上あるとのこと。スケートリンクもできていました。
わかさぎ釣りもできるらしいですが、あたしゃ釣りはあまり興味ありません。

美味しい食事に舌鼓を打っていたら、8時から花火が始まりました。
阿寒湖から打ち上げるこの花火は、毎日やっているそうです。
レストランのテーブルで食事をしながら見る花火は、綺麗で楽しかったです。
　　　　　　　　　
その後、地下のラウンジで軽く飲みながら、カラオケを少々。
私、市馬、歌る多の三人で明日の歌謡ショーのためにウォームアップです（笑）
だだっぴろい店内にお客さんは、私たちの他に二組だけでした。
熟年カップルと、酔っ払いおじさんが一人だけです。
寒々とした店内に市馬さんの熱唱が響き渡ると、この見ず知らずの３人のお客様が一様に驚嘆の声を上げました。
さすがは市馬さん、たいしたものです。

11時半にはお開きにして、部屋に戻りました。
私は一人温泉大浴場に入って、寝ました。
明日は朝10時から落語会です。 

bbf55813.jpg平成３年２月７日朝早く、師匠五代目春風亭柳朝は永眠しました。
あれから１８年が経つわけです。午前中にお墓参りに行ってきました。

一周忌、三回忌、七回忌は、当然ながら法事です。
弟子や孫弟子を中心に、協会関係者、親戚の皆さんなど大勢で墓参りをして、その後に賑やかにお清めをしました。
小さん師匠（五代目）、志ん朝師匠、志ん馬師匠などが列席してくださったのも、今となってはいい思い出です。

その後は、おかみさんと一門の弟子たちだけが揃ってお参りをし、食事をしたりしました。
しかし、数年後には、あえてみんなが集まることは、しなくなりました。
おかみさんも亡くなりました。

今は、弟子・孫弟子がそれぞれ自分の都合のよい時間に、別々にお参りをしています。

朝１０時過ぎに家を出て、一人で車を運転して行きました。
道中、なんとなく師匠のことを思い出していました。

お墓に着くと、すでに綺麗に掃除がしてあり、お花が一組いけてありました。
お洒落なシャンパンの小瓶が栓を抜いて置いてありました。誰が来たんでしょう。
お線香の束は、ちょうど燃え尽きたところでした。

早速私も水をかけて墓石を洗いました。
周りはすっかりきれいになっていたので、形だけほうきで掃きました。
私の持参した花を飾り、お線香に火をつけて供えました。
 
たばこに一本火をつけて、墓石の上に置きました。


昭和５７年暮れ、脳梗塞で倒れるまで、師匠はヘビースモーカーでした。
日大病院に担ぎ込まれて一週間、集中治療室入ったままでした。
ようやく集中治療室から出てきて、意識が戻って特別室に入りました。

師匠は左半身不随になり、重度の言語障害を患っていました。

師匠のベッドを、医者、看護婦、おかみさん、弟子一同がぐるっととりかこんで、
とりあえず一命をとりとめた安堵に包まれていたその時、
突然師匠が動きました。
わずかに動く右手で、じゃんけんのチョキの形を作って、さかんに顔の前で動かすのです。
なにやら、一生懸命訴えているみたいです。

みんなそのジェスチャーの意味が理解できませんでした。
おかみさんも、兄弟子（あにでし）も、誰もわかりませんでした。
自慢するわけじゃありませんが、自慢ですが（笑）
私はすぐにピンときました。

「師匠、タバコが吸いたいんですか？」と聞くと、
大きく「うん」とうなずきました。
とたんに全員が笑いました。おかみさんも笑いました。
「なに言ってんだよ、あんた。生きるか死ぬかの瀬戸際だってえのに。たばこなんか吸えるわけないじゃないか」
この言葉に、さらにみんなが大笑いしました。
師匠はうけたものだから、かさにかかって、同じ動作を繰り返しました。
まるで「唖の釣」の七平衛さんです。
また、みんなが笑いました。

でも、私は笑えませんでした。
「たばこ、吸いたいんだろうな」と思い、ちょっと辛くなりました。
みんなを笑わせる師匠を見て、哀しくなりました。

「私にできることはなんだろう」そう考えました。
「俺には師匠を助けることはできない。苦しみや痛みを共有することもできない。だったらせめてタバコを吸えない辛さだけでも一緒に味わおう。一緒に我慢しよう」
と思ったのです。
「病気が治ったら、師匠と一緒にタバコを吸おう。それまでのガマンだ」と心に決めました。
その時は、禁煙しようなどと考えたわけではありません。
「師匠が治るまでタバコを断とう」と思っただけです。
「病気が治ったら、また一緒に吸おう」と、そう思ったのです。
おそらく半年か、長くても一年もすれば、すっかり全快して、また師匠と一緒に一服する時がくると、本気で思いました。

それから、私はタバコを断ちました。
そして師匠は、九年間寝たきりのままでした。
とうとう二度とタバコを吸うことはありませんでした。

おかげで私は、すっかりたばこ嫌いになりました。
そばで吸われるのもイヤになるくらいの嫌煙家になりました。

一周忌が過ぎてしばらく経った頃、平成４年のことです。
お客様に連れられて行ったクラブで、ふとテーブルに置いてあるタバコに目がいきました。いたずらに一本吸ってみました。
ほぼ十年ぶりでした。

それから、あっというまにスモーカーに戻ってしまいました。
丸々１０年もやめていたのに・・・・。

今では、復活して早くも１６年が経ってしまいました（笑）

今、やめようと努力しているのですが、なかなかやめられないで苦労しています。



しかし、
今日、お墓の前で師匠と一緒に一服したたばこは、本当にうまかったです。

cdc76138.jpg今日は豆まきです。
毎年、すべての寄席で豆まきを行います。
この日、我が落語協会が出演しているのは新宿・末廣亭、池袋演芸場、上野・鈴本演芸場の三軒の寄席です。
昼の部、夜の部共に、仲入りの時間を利用して豆まきを行います。

一昨年、私は末廣亭で豆まきをしました。詳細はこちらをごらんください。

今席、私の出番は末廣亭・夜の部の仲入り前です。
私が一席しゃべった後で「豆まき」に突入しました。
　　　　
前の日記とダブりますが、あえてもう一度書きます。
寄席の豆まきは「鬼は外」とは言いません。
例え鬼でもお客様です（笑）
外へ出すようなことをしてはいけません。
縁起物ですから「福は内」しか言わないのです。
　　　　

客席にまくのは、大入り袋に入った豆、そして出演者の手ぬぐいです。
大入り袋には豆の他に、末廣亭の招待券が入った物もあります。全部ではありません。
中のいくつかが、「大当たり」というわけです。

高座の一番下手にいるのが私です。
豆まきの口上を言って、音頭をとらせていただきました。
 
あとは、末廣亭の裃と袴をつけた出演者たちです。
上手（画面右）から、講談の琴調さん、生之助師匠、蔵之助さん、柳朝さんの面々。
　　　　　　　　　　　　　
最後は、お目出度く三本締めで締めました。
明日から、立春大吉、春がやってきます。

今年一年、天下泰平、国家安穏、五穀豊穣、無病息災、みんな幸せで過ごせますように
「福は〜〜〜内い〜〜〜〜」

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