正朝通信

2009年09月

突然、寄席を休んでしまい、皆様にはご迷惑とご心配をおかけしました。
ごめんなさい。

持病の発作で入院してました。
今は、自宅で療養しています。

だいぶ元気になりました。
今席は、千秋楽まで休ませていただきます。

住吉亭は、なんとかできると思い、日々稽古に励んでいます。
どうぞよろしくお願いいたします。

97695ce7.jpg成美堂出版から「親子で楽しむ落語の時間」というCD付き本が発売になりました。
CDには「穴子でからぬけ」「牛ほめ」「時そば」「目黒の秋刀魚」「たらちね」の5席が収録されています。
すべて私の口演です!

本文には、シナリオ(台本)として落語をまるごと一字一句すべて掲載しました。
つまり、耳で聴きながら目でテキストを読むことができるのです。
画期的な本になりました。

その他、音はありませんがシナリオだけ「桃太郎」「狸札」「転失気」「粗忽の釘」「抜け雀」の5席を収録しました。
これもすべて私の口演を、テキストに起こしたものです。
            
この本のコンセプトは、タイトルにもあるとおり「親子で落語を楽しむ」というものです。
お父さんお母さんと、小さな(そうですね、小学生くらいですかね)お子さんが、親子で一緒に落語を聴いて、読んで、そして覚えて、
実際に落語にチャレンジしてみよう!というネライです。
あっ、もちろんオトナの人も充分楽しめる内容です。
この本一冊で、落語を十席覚えることができます(笑)
                                  
製作秘話1
CDにする五席のネタをスタジオで録音しました。
後世に残るものですから緊張しました(笑)
一言一句間違いがあってはいけないと思いまして。

普段の高座は、その場その場で消え去る言葉たちですから、間違えたってしょうがありません。
「あっ、間違えちゃった」ですみます。
ホントはすませちゃいけないんですけど・・・アハハ

しかし、CDとなるとそうはいきません。
なにしろ間違えたら、やり直しです。サゲ間際までいってても、最初から録り直しということになります。
本当に緊張しました。

制作秘話2
写真がふんだんに掲載してあります。切り抜いてピンナップにしてください(笑)ウソです。
この写真撮影を、落語の録音とは別に、日を改めて行いました。
これが案外大変でした。
落語を丸々一席しゃべるわけではありませんが、写真が必要な仕種を一つ一つ思い出して撮影しました。
撮り残しがあってはいけませんから、慎重に思い出しながら確認しつつ撮影しました。
ポーズをつけるのも、また一苦労でした。

そんな苦労の賜物の本です。
皆様、どうぞお買い上げください。
心からお願い申し上げます。

df23c19e.jpg都内某スタジオにて、寄席囃子の録音を行いました。

この度、落語協会では所属芸人全員の「出囃子」を収録することになりました。

もちろん、一日ですべてできる仕事ではありませんから、何回かに分けて行うのですが、
今日はそのテストを兼ねた第一回目の収録というわけです。

三味線:田中ふゆ、金山はる
笛と総合指揮:春風亭一朝
鳴り物:春風亭一之輔、柳亭こみち
お手伝い:春風亭正朝
       
という豪華メンバーでした(笑)

完成したら、当面は落語協会が主催あるいは関係する落語会の時に現場で使用するのですが、
ゆくゆくはCD全集として一般販売したり、さらにはネットで配信する計画もあります。

過去に色んなレコード会社が「寄席囃子集」というものを発売していますが、
いよいよ本家本元の社団法人落語協会が、本気で「寄席囃子」のCDを作ります。
これはホンモノです。
なにしろ所属芸人(真打、二つ目、色物)全員の「出囃子」を網羅します。
さらに、一番太鼓、二番太鼓(着到)、仲入り、追い出し、地囃子、効果音(幽霊三重など)も録ります。

今回はあくまでもテストです。
本式に録音するのは、来年度からということになりますが、
今から完成するのが楽しみです。
ワクワクしています。

c8a4fc6d.jpg山口県が出している県外向けの広報誌「ひとごこち山口」という冊子があります。
その「2009年秋冬号」に私が巻頭特集で出ることになり、一泊二日で萩に行ってきました。

本の内容は「吉田松陰の足跡と萩往還を訪ねる」というものです。
いろんな人にインタビューをして(というか講義を聴く感じで)、吉田松陰を学んできました。

個人的には、一時期「竜馬がゆく」から始まって、司馬遼太郎を読み漁っていた時がありました。
吉田松陰の伝記的小説である「世に棲む日日」も当然読みましたが、かなりな部分、忘れていました。
松陰については、漠然とした印象しか持っていませんでした。

今回の取材旅行で、三人の研究者の方からお話をうかがって、完全にイメージが変わりました。

以前は、私の中で吉田松陰という人は、一言で言うと「怜悧なインテリ」という人物像でした。
抜群に頭が良くて、松下村塾【写真】で多くの維新の志士を育てた人。
その教えた内容は儒教、いわゆる哲学的(観念的?)なもの。つまり「人の生きる道とは」ということを教えた人だと思っていたのです。
ところが、ペリーの黒船に「乗せてくれ」なんて叫びながら、弟子と二人で突撃するような、いわば蛮勇的行動に出てしまう。
その辺のギャップが、どうも私の頭の中でシンクロしなかったのです。

しかし、今回松陰の全体像を教わったことで、よーくわかりました。
松陰は実は「行動の人」でした。そして教えた内容も「倫理的なもの」ばかりではなくて「実学」だったのです。

脱藩して東北地方を旅し、また九州にも行き、多くの土地で多くの人と話をし、情報を収集しています。
日本の国力(幕府と長州藩の軍事力)、列強の軍備と文化など多くのことを知り、その上で尊王であり攘夷であり開国でありという戦略を身につけたのです。
それらを、若者に教えました。
さらに若者たちが尊敬してやまない「人間的魅力」に溢れた人だったのです。

だからこそ、「松下村塾」で教えたのはわずか一年一ヶ月、自身は三十歳で刑死するという短い時間に、あれだけの人物を輩出することができたのです。
その辺の人物像が、ようやく理解できました。

出版のネライ(大勢の人に萩に来ていただきたいという目的)とは、若干ずれたかも知れませんが、
私にとっては、非常に意義深い今回の取材旅行になりました。

この本をお読みになりたいという方は、ご一報ください。
なんとかして、お手元にお届けできるようにしたいと思います。

これから「世に棲む日日」を、もう一度読み直します。

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