ほぼ一ヶ月前、
爆発的な噴火をした新燃岳のふもと
宮崎県都城市(みやこのじょうし)山田町へ行ってきました。
『お祝い寄席』〜正朝市馬二人会〜です。
会場は定正寺さんというお寺の本堂。
この会は『お祝い寄席』というくらいで、その趣旨は「お祝い」です。
一般のお客様は、木戸銭 1000円ですが、
今年還暦（60歳）、古希（70歳）、傘寿（80歳）を迎える方は、
無料ご招待です。
地域の皆さんに大いに笑っていただいて、
元気になってもらおうという狙いです。
そこへ、あの噴火がきました。
町は甚大な被害を受けました。
地域の皆さんは、大変な思いをしました。
いえ、今もしています。
正直なところ
「落語どころではない」
「寄席なんかやってる場合じゃない」という声も上がったそうです。
ところが、逆に
「こんな時だからこそ、落語を聴いて笑おう」
という声も多かったそうです。
有り難いことです。
町は灰色でした。
除去したとはいうものの、あちこちに火山灰や火山礫（こぶし大のものも！）が積もっていました。
しかし、噴火はようやく治まり、
少しずつ復旧に向けて動き出した、といった様子でした。
当初は、お客様が来てくださるかと心配もしましたが、
なんと200人を越える人たちが集まってくださいました。
演題はこちら
・牛ほめ 市馬
・浮世床 正朝
仲入り
・掛取り 市馬
・へっつい幽霊 正朝
ご存知の方はご存知だと思います、
市馬さんの＜歌入り＞の『掛取り』は、あれは反則です（笑）
古典落語のフィールドをはるかに越えました。
いえいえ、褒めてますよ、
「いい意味で」ということです。
場内は手拍子、合いの手、掛け声、合唱と、とどまるところを知らない大フィーバーになりました。
そしてもちろん、大爆笑です。
この後に、トリで上がる私はもうイヤになっちゃいました（笑）
でも、逃げるワケにはいきません。
私は歌は歌えません（市馬さんのようには）。
古典落語をやるだけです。
開演前に知り合いのお客様からリクエストをいただきましたので
『へっつい幽霊』を、丁寧にみっちり45分かけてやりました。
どうやらお客様を古典の世界に導くことができたようです。
最後は盛り上がって終わることができました。
火山噴火の被害に苦しんでいる皆様が、
少しでもリフレッシュして、元気になってくだされば、
こんなに嬉しいことはありません。
終演後、大勢のお客様、スタッフの方から、感謝の言葉を頂戴しました。
間違いなく、皆さん喜んでくださいました。
「噺家になってよかった」と思う瞬間でした。
オマケ
別間で行われた反省会でも、まだまだ歌う市馬さん。ご住職も踊る
ワンチュー
打ち上げをしました。
お酒と楽しいおしゃべりで、あっという間に時間は過ぎました。
