正朝通信

2016年05月

お客様からご招待していただいて両国国技館の維持員席で観戦しました。
1月、5月、9月と年に三回開かれる東京場所では、その都度一日だけこの特等席をいただいています。
噺家冥利につきるとはこのことです。本当にありがたいことです。
テレビ自宅

















さて、今日は四日目です。
東幕内力士の土俵入り。
東幕内土俵入り













後姿は最後に土俵に上がる大関稀勢の里。
土俵の上でこちらを向いているのが、右から千代大龍、遠藤、臥牙丸です。
東幕内土俵入り
右端に見えるのが、ご贔屓の琴奨菊。頼むよ!

土俵入りが終わって降りてくるところ。
東幕内土俵入り








人気者の遠藤を撮ろうと思ったのですが、あせってシャッターを早く切り過ぎました。先頭を歩くのは千代大龍です。

同じ町内にある尾車部屋所属ということで贔屓にしている嘉風
東幕内土俵入り









この二人の応援に来ていると言っても過言ではありません。佐渡ヶ嶽部屋の新関脇・琴勇輝と大関・琴奨菊
東幕内土俵入り














東横綱・白鵬土俵入り
白鵬土俵入り














西横綱・鶴竜土俵入り
鶴竜土俵入り









東横綱・日馬富士土俵入り
日馬富士土俵入り












仲入り後、いよいよ幕の内の取り組みが始まりました。
人気者の遠藤。相変わらずの大声援です。
遠藤













釣り屋根、下から見上げるとこうなります。正面側にマイクが3本下がっています。行事さんの声を拾うためです。
釣り屋根









ちょっと見えにくいですが、西側(白い小さな房が下がっている)の屋根にも小さなマイクが1本あります。これは呼び出しさんの声を拾います。
写真には写っていませんが東側(緑の小さな房)にも同じものが1本あります。

お待ちかね、嘉風の登場
嘉風



























見事寄り切りで勝って、星を2勝2敗の五分に戻しました。

いよいよ琴勇輝の登場です。ちょっと珍しい同部屋の大関・琴奨菊から水をつけてもらうの図。
琴勇輝


























これは「力水(ちからみず)」と言いますが、前の取り組みで勝った力士が残ってするものです。
負けた力士はしません。すごすごと支度部屋に帰ります(笑)
前の力士が負けた時は、まだ取り組み前の(次に戦う)力士が水をつけます。
琴勇輝の前の東方(ひがしかた)玉鷲が負けたため、次の琴奨菊が後輩に水をつける形となりました。

制限時間いっぱい。西方・勢も気合いが入っています。
琴勇輝


























琴勇輝と言えば、立ち合い前に「ホオッ!」と大きな声を出して気合いを入れるのがルーティンとなり、それが人気にもなっていました。
琴勇輝



























ところが今場所からそれが禁じられたようです。
新聞によりますと、場所前の力士会で「あれはやめるように」という批判が出たのですが、それを琴勇輝は敢然と「やめません」と言って拒否した、とありました。そこまでは知っていました。
当然、今場所も続けるもんだと思っていたのですが、初日からまったくやらなくなりました。

これは私の推測ですが、おそらく力士会、また親方衆から「やめなさい」と強く説得されたのではないかと思います。

そのせいか、琴勇輝は初日から三連敗を喫して、まだ白星がありません。
がんばれ琴勇輝!

素晴らしい攻防で手に汗握る大相撲になりましたが、最後まで突き押しを貫き通した琴勇輝が見事に勢を押し出しで破り初白星。1勝目を挙げました。
琴奨菊に水をつける琴勇輝

























勝ち残ったので、先ほど水をつけてくれた部屋の大関琴奨菊に恩返しの水をつけます。

琴奨菊に水をつける琴勇輝


























懐紙を渡して、呼び出しから懸賞金を受け取って花道を下がります。場内から一段と大きい拍手をもらっていました。

さあ、お目当ての大関琴奨菊。是非とも優勝して横綱への道を進んでほしいです。今場所は今日まで3連勝と無難な滑り出し。
時間いっぱいで、出た!琴バウアー!
琴バウアー



























気合いを入れて立ち会ったとたん、宝富士が右に飛んではたきこみ。琴奨菊はバッタリ両手をついてしまいました。
あっけなく、一瞬で勝負はつきました。

あ〜〜〜あ、場内に流れるなんとも言えない不満の声。
思わず「宝富士、逃げるなよ。ちゃんと当たれや」と言いたくなりますが、いえいえ、これも相撲です。
相手の変化にも対応できなければいけないのが大関です。今日は残念でした。

余談ながら
前回、初場所も同じ席で見物させていただきました。
この場所は琴奨菊が14勝1敗で涙の初優勝を飾ったのですが、唯一黒星を喫した豊ノ島戦が、たまたま私が観戦した日(12日目)でした(笑)

私は琴奨菊関にとって「厄病神」なのでしょうか・・・トホホ

(昨日のつづき)
今回の部屋は、離れの「十一番」のお部屋でした。
余談ですが、亡くなった十八代目勘三郎丈は勘九郎時代から、亀の井別荘が大のお気に入りで、暇ができると突然やって来たということです。
その時に必ず泊まった部屋が十八番に決まっていたそうです。
9の倍数ということで、なにやら因縁めいたものを感じます。

さて、朝ごはんはお部屋でいただきました。
21


















私たち夫婦には多すぎるくらいです。美味しゅうございました。
食後は私が亀の井別荘の中で一番気に入ってる談話室に行きました。
07,2,11,湯布院亀の井別荘 窓に映る由布岳タテ


















屋根の下の窓ガラスに映っているのは、由布岳です。この景色が一つの「売り」です。

23













「談話室」の中にはゆっくりとしたクラシックが低い音量で、静かに流れています。
オーディオは古いレコードです。それだけで癒されます。
正面の階段下に見えるスピーカーとその上に乗っかってるのがプレーヤーです。
左に見えるラッパ型の蓄音機は使っていません。飾りだけのようです。
セルフサービスでコーヒー、紅茶が飲み放題です。
本当は暖炉の薪の燃える炎をボンヤリと見ているのが好きなのですが、この季節もう火は焚きません。網がかけられてしまいまいた。
24











昔を思い出して、2012年2月12日の写真がこちらです。
2012,2,12,6,談話室暖炉1













「鍵屋」でお土産を買ったりして、チェックアウトの11時までノンビリしました。
空港行きのバスは湯布院駅を15時10分発です。
さあそれまで、ゆっくり由布院散策と思っていたのですが、天気予報が当たり朝から雨が降り出し、おまけに風まで出てきました。

まずはOさんの車で、Tさんのお宅を訪ねました。
このTさんは、毎年シイタケやカボスを送ってくださる噺家ごひいきのお客様です。
金馬師匠や権太楼師匠といった重鎮から、市馬さん、歌奴さんなど地元大分出身の噺家など、もちろん私も含めてたくさんの噺家を贔屓にしてくださっています。

落語会関連の知り合いの中では、このTさんの家が一番被害が大きかったそうです。
Tさんは案外元気そうでしたが、屋根瓦が落ち、ブルーシートがかけられていました。16日の本震の後には悲惨な状況だったそうです。三日くらいは靴を履いて家の中の片づけをしたそうです。
今はようやく少しは落ち着きましたが、それでもまだまだかなりの部分が傷んでいます。
屋根もすぐにでも瓦を入れたいのですが、ほとんどが熊本に行くため、大分は後回しになってるようです。

突然私が訪ねて行ったものですから、驚いていました。
そして、喜んでくださいました。私も、なんとなくほっとしました。

Oさんに由布院駅まで送っていただいて、お別れしました。
「Oさん、本当にありがとうございました」

さて、3時まで時間があります。どうしましょう。
まずはお昼を食べましょう。いろいろおススメはあったのですが、カミさんと意見が一致したので、うどん屋さんに行きました。
ガイドブックにも載っている「うどん麺一」さん
25













カミさんと好みが一致して二人とも「鶏天と温泉玉子のうどん」を注文しました。
27



















本当は二人で違う物を頼んで、少しずつシェアする方が良いのですが、今回は二人とも譲らず同じ物を頼んでしまいまいた。美味しかったです。

さあ、あと二時間余り、どこに行きましょうか。
外は雨が降っています。

とりあえず、メインストリート「湯の坪街道」を歩きますか。
普段だと人が溢れかえっていて、歩くのも大変なこの道が閑散としています。最近多くなったという外国の人もほとんどいません。みんなキャンセルだそうです。
歩いているのは日本人ばかりでした。
お土産を買おうかとお店に入ってはみたものの、あまり購買欲をそそるものはありません。
雨と風で結構濡れました。

私の希望は「亀の井別荘」「無量塔(むらた)」と並んで「由布院の御三家」と呼ばれる「玉の湯」さんに行って、CWニコルさん由来の「ニコルズバー」でアイスクリームを食べたかった、というよりもカミさんを連れて行きたかったのです。
雨に濡れながらダラダラ歩いて、玉の湯に到着。無事、ニコルズバーに入りました。私はアイスクリーム、カミさんはシャーベットを注文。ようやく落ち着きました。
29


















玉の湯で、まったり。こちらのお庭も緑がいっぱいで、癒されます。
30














そうそう時間をつないでもいられません。少し早めに由布院駅に着きました。駅前の土産物屋さんで、また少し買い物。
バスは、来た時と同様に少々送れましたが、無事に大分空港に着きました。
飛行機の出発まで、かなり時間があります。
東京に帰ってからでは遅くなりますので、少し早めですが夕食をとることにしました。
空港3階の「宙寿司」さん。「そらずし」と読ませるそうです。空港だからというのでこの名前にしたそうです。「空寿司」でもいいんですけど、これだと「からずし」とも読めるので、縁起が悪いから「宙」の字にしたとか。なかなかしゃべりの面白い大将でした。
軽く握ってもらいました。
32














本日のおすすめは、右から水イカ、関アジ、城下カレイ。いずれも地の物だそうです。私、たぶん「関アジ」は初めていただいたと思います。
ほかにも少しつまんでお開き。美味しかったです。

そんなこんなで、あっという間の一泊二日でしたが、大好きな町湯布院への旅行。楽しかったです。
少しだけでも復興のお役に立てたら、うれしいです。

熊本地震という名前ですが、大分県も大変な被害を受けています。
かつての「阪神淡路大震災」のように、今回も「熊本大分地震」とか「九州中部地震」とした方が良いと思います。

由布院(湯布院でも、どっちでも良いみたいです)は、個人的に大変お世話になっている所です。
知り合いもたくさんいます。お友達の中には、甚大な被害を受けている人もいます。

テレビを見ていたら、観光地由布院が、今回の地震の影響で、お客様が全く来なくなったと報じています。
普段ならお客さんがいっぱいで、歩けないような道が閑散としています。
地元のお店の人たちは困っている様子です。

カミさんがボソッと言いました。
「由布院に行こうか」

我が家では、ゴールデンウィークは特に予定はありません。
どこかへ出かける気もありませんでした。
そうだ、きっと閑古鳥が鳴いていて、寂しいはずだ。
今も余震が続いていて怖いけど、お世話になった由布院の人たちに少しでも恩返しができるなら、今から行こう!
そう思ったのが、三日くらい前でした。

亀の井別荘のOさん(元・支配人で今は非常勤の嘱託)に電話したら、
「キャンセルが出て、空室があります。是非どうぞ」とのことです。
すぐにネットで航空券を探すと、ありました。
羽田空港


















5月2日(火)10時35分の飛行機に乗ります。
大分空港には予定通り12時15分に到着。ここから高速バスで湯布院に向かいます。
普段なら50分程度で着くのですが、高速道路が被害を受けていて使えないので、一般道路を行きます。そのため約30分遅れ、1時間20分かかって由布院駅に着きました。

Oさんが迎えに来てくれました。
固辞したのですが、車で案内をしてくださるとのこと。
「被災地復興のために」と思って来たのに、これではなんだか邪魔しに来たみたいです(笑)
聞けばOさんの家は、それほどひどくはないそうです。お言葉に甘えて車に乗せていただきました。

由布院ステンドグラス美術館
3























まずは、カミさんが趣味でやっているステンドグラスの美術館へ。
隣接するのは、セイント・ロバート教会。
この二つはセットで見学できます。
4



























時代別のステンドグラスが展示してあって、なかなか見応えがありました。
5










続いて、Oさんお勧めの由布高原美術館に行きました。
6-2

















ここは個人のオーナーさんが収集したガラスや陶器、絵画などの美術品が季節替わりで展示してあります。
個人で所蔵って、どんだけ金持ちなんでしょう(笑)
6-3















展示してない物を含めると2000点くらいの美術品があるそうですが、今回の地震で壊れたのは、その内わずか5点だけだそうです。
そして、その壊れた品物は、あまり高価な物では無かったとか。
作品の説明をしてくださった方によると、
「値打ちのある美術品は、作品自身が身を護るオーラを持っている」とおっしゃっていました。そういうもんかもしれません。

湯布院のシンボル、由布岳は何ごとも無かったかのように、いつもと同じ表情で迎えてくれました。
7















いよいよお宿「亀の井別荘」 に入りました。
亀の井別荘入口
8
























荷を解いて、すぐに金鱗湖を散歩しました。
10













晩ご飯は湯の岳庵
11
















季節の野菜の天ぷらとアスパラガスのサラダ
12



















正直言って、アスパラガスってあまり好きではないんですが、これは美味しかったです。
柔らかくて香りが立っていて、こんな美味しいアスパラガスは、マジで生まれて初めてでした。

そして天ぷら。手前はタケノコですが、これがまたチョー柔らかくて驚きました。
なんでしょう、噛むと自然に切れてしまう柔らかさです。タケノコ独特のえぐみが全くありません。これまたビックリでした。
メインは名物の地鶏鍋
13


















まずはゴボウから炒めます。
見てのとおり、ほぼすき焼きです。
14











卵を溶いていただきます。牛肉ではなく、由布院の地鶏を入れたすき焼きと思って間違いありません。
16これが本当に美味しいんです。

料理のお伴は言わずと知れた兼八(かねはち)ロック
17



















私が一番好きな麦焼酎兼八は、このO支配人(当時)に教えてもらいました。
今から十数年前、湯の岳庵で初めて飲ませていただきました。口に含んだ瞬間に、今まで味わったことのない強烈な麦の香りが鼻腔を突き抜けていきました。
ある人は「昔懐かしい麦チョコの香り」といい、またある人は「麦こがしの香り」とも言います。

大好きな兼八を二杯も飲んで、すっかり酔っ払い、早々におやすみしました。

このページのトップヘ