正朝通信

カテゴリ： あすかの旅

90381336.JPG満艦飾の旗をなびかせているあすかをバックに「ただいま！」 10泊11日の「北海道一周・サハリンクルーズ」は無事終了した。船旅で仕事をするのは初めてではないけれど、このような豪華客船の旅は初体験だった。 何から何まで珍しいことばかりで、貴重な体験もさせてもらった。落語でしくじったのも、終わってみれば楽しい思い出の一つである（？） 結果として、旅日記を書く事に追われるような部分もあった。本文中にも書いたが、観光を楽しむという観点からしたら「本末転倒」になったかもしれない。 しかし、それはそれでまた「思い出」でもある。 この次、またあすかに乗せてもらえるかどうかは、分からない。仮に“裏が返ったら”喜んで乗りたいとは思うが、今回のようにデジカメ日記を書く事はしないだろう(^^ゞ わずか10日ばかりの旅で、日記を書くというのが、本当に大変だったもの。 ただし、読者の皆さんから「どうしてもまた見たい」という要望が強ければ、考えない事もない（笑）だって、本当はこういうの大好きなんだもの（*^_^*） それでは、拙文にお付き合いくださいました皆様、本当にありがとうございます。以上をもちまして 「豪華客船あすかの旅日記」終了とさせていただきます。短いようで長いような、楽しいようで苦しいような、嬉しいような寂しいような「旅日記」これにて読みきりでございます。

61733fcd.JPGついに横浜新港ふとうに入港した。湾内で船首と船尾の向きを変える「方向転換」をしたあと、おもむろに船尾からバックで接岸した。車の縦列駐車みたいで興味深かった。 写真は、最後尾の8階リド･デッキ（プールサイド）から撮影したもの。このままゆっくり突き当りまでバックしていく。 写真を最大にすると、岸壁の正面右にかすかに青いものが点在しているのが分かる。今夜の花火大会の「場所取り」のビニールシートだと聞いて、びっくり！ あすかは今夜、また新しいお客様を乗せて、この花火を横浜港から見物したあと、神津島へ二泊三日の旅に出る。働き者のあすかである（笑）

629852b3.JPG食事をすませた後、10階ビスタラウンジに行くと、堀内さん、池田さんを始めとして、たくさんの人が集まっていた。皆さん、自然にここに足が向くらしい（笑） なんと、タミーも現れた。大急ぎでツーショットをお願いして撮ってもらう。タミーも「師匠ーっ！」と言って、快く承諾してくれた。本当に気さくで感じのいい女性である。

795836e9.JPG旗が上がった。いよいよ港に入る合図である。きれいだ。

e395bae4.JPGトップデッキに上がって前を見ると、横浜ベイブリッジがはっきり見えてきた。都会の匂いを感じる。

9a375e37.JPG起きてすぐ窓の外を見ると、そこに陸地がある。手を伸ばすと届きそうな距離である。テレビの航路図では、房総半島を示している。 あ〜あ、とうとう帰ってきちゃった。 正直なところ、無事東京に帰ってきた嬉しさと、もっと船旅を続けていたい寂しさがないまぜになっている。

34caadf4.JPG最後の食事が終わって、四人で7階のマリナーズ・クラブに行き、祝杯をあげる。名残惜しいとは、まさにこの事だった。 最初は「11日間も船に乗ってて、一人で耐えられるかな」と不安もあったが、今はあっという間の航海だった。もっともっと乗っていたいと思う。 たくさんの人と逢って、お話をして、お酒を飲んで、本当に楽しかった。仕事では若干ミスもあったが（笑） それも今となっては、どうでもいい事のように感じる。 10時15分から、6階のグランドホールで最後のショーを観る。昨日のタミーのショーが最後かと思っていたら、今日もあった(^_^;) 有名なミュージカルのメドレーだった。そこそこ楽しめた(^^ゞ 11時過ぎにすべてのプログラムが終わると、さすがに疲れた。今夜は、帰りの支度もしなくてはならない。皆さんとお別れして部屋に戻る。 黒紋付羽織袴を脱いで、一挙にリラックスする(^_^;)フーッ、疲れた･･･と声にだしてつぶやく。戸棚に仕舞い込んでいたスーツケースを引っ張り出して、荷物の整理をする。 適当なところで、残りは明日にする。いつものように12時過ぎに、最後のグランド・スパに入る。明日は、横浜だ。

90b89290.JPG写真では分かりにくいが、右手に乗せているアイスクリームの上にささっているモノと、左手に持っているのは、両方とも、火のついた花火である。 料理のタイトルは「飛鳥の思い出、炎のアイスクリーム“ベークドアラスカ”」となっている。ボーイが次から次へと、この格好で踊りながら行進してくる(^_^;) ありがちな演出ではあるが、あすかの船上で見ると、それなりの高揚感はある。音楽に合わせて手拍子を打って盛り上げる。 アイスクリームの周りをメレンゲで覆ってバーナーであぶってある。これが“ベークドアラスカ”らしい(^^ゞ それを切り分けてもらうのだが、味は間違いない。上等である。ペロッと平らげてしまった。

1552cee8.JPGメインは、またチョイスだ。 １．長崎産牛フィレ肉のステーキ ２．鹿ロース薄切り肉の網焼きグリーンペッパーソース ３．イサキのソテー　プロヴァンス風 長崎産フィレ肉は先日食べたし、そうでなくても、この中からだったら「鹿ロース」だろう！私の好奇心と探究心をくすぐる一品だ（笑） 迷う事なくノータイムで「２番お願いします」と、フィリピン人のボーイに宣言した。しかし・・・ 続きを読む

67d7cf12.JPGメインの前の口直しが、ミントのシャーベットだった。余談だが、フランス料理のフルコースでは、魚料理と肉料理の間に、大概このシャーベットがお口直しという形で出る。 ちなみにシャーベットは、フランス語ではソルべという（*^_^*） 誰の真打ち披露パーティーだったかは忘れたが、主賓席に座っていた小さん師匠が、魚料理の後にこの口直しのシャーベットが出てきて、いきなり 「もうデザートか！肉は出ねえのか？！」と、本気で怒った事がある。当然その後ステーキが出てきて、顔を真っ赤にしてバツが悪そうにして食べていたのを思い出す。愛すべき小さん師匠である。 このミントのシャーベットが絶妙だった。器も涼しげだし、香りがなんとも上品で、本当の意味で口の中がスッキリした。 どうかするとやたらに甘ったるいシャーベットが出る時があるが、これこそがホンモノの口直しだと実感した。

a0ad1dda.JPG次のスープもやはり3種類の中から１．スッポンのコンソメスープをチョイスした。他は、 ２．人参のポタージュ ３．冷たい南瓜のクリームスープだった。 そのあとの魚料理は、チョイスではなくて一種類だけ。表題の「タラバ蟹と雲丹とホタテのパイ包み焼き」（写真） 私はこの「パイ包み焼き」という料理が大好きである。「子供みたい」と言われるかもしれないが、まず見た目がいい。オシャレだと思う。 それに中身が見えないところがいい。何が出てくるんだろうという期待感が好きだ。 写真はピンボケだが、蟹とウニとホタテが、たっぷり入ってて、美味しかった。幸せなひと時だ。

e997f75d.JPG今夜のドレスコードは、フォーマルである。二度目のフォーマルナイトだ。またまた黒紋付羽織袴の正装で出かけた。お客さんが皆さん華やかなドレス、タキシード、着物姿で、船の中が一層華やいだ雰囲気になる。 これぞ豪華客船だと、嬉しくなる。7時から6階グランドホールでキャプテンズパーティーがあって、歌とダンスを楽しんだ。私はもちろん見てるだけだが（笑） しかし、皆さんダンスを楽しんでいる。またあすかに乗る機会があったなら、ダンスを踊れるようにならなきゃな･･･と、一瞬思った。 ようやく45分になって、メインダイニングに移動する。堀内さんご夫妻、池田さんと同席させていただいた。最後までお世話になる。有り難い。 最後のディナーなので、詳しく記録しておこう。前菜は3種類の中からチョイスできる。 １．フォアグラのテリーヌ ２．伊勢海老のスフレ ３．チキンパテと魚介類のアスピック この中から迷わずフォアグラを指定する。通風持ちの私には危険食品（？）なのだが、大好きなのでこれにした。濃厚な食感で大満足。池田さんからも、一切れもらってしまった(>_<)

3088f044.JPG気がつけば、お昼を食べていなかった。昼の公演のためにランチタイムを逃してしまったのだ。猛烈に腹がへってきた。今夜のディナーは7時45分からだ。とてもガマンできない。 10階のビスタ・ラウンジに行けば何かしら軽食があるはずだ。とりあえずなんか食いたい。10階に上がったら竹村嘉寿子嬢と遭遇した。 彼女は、テレビ東京系「テレビチャンピオン」の「大食い大会」で準優勝した事があるという、ある種の有名人だ(^^ゞ 一昨日、小樽を出港したところで初めて親しく口をきいた。若いのにあすかの魅力に魅せられて、一生懸命貯金をしては乗っているのだそうだ。 今度は二年後に乗ると、早くも計画を立てていた。お金持ちのお年寄りばかりでなく、こういう若い人も頑張って乗るんだと、感心した。 コーヒーとウィンナソーセージとピザ饅を食す。ほんの少し、お腹が落ち着く。そこに堀内さんも登場。しばし話をして、部屋へ戻る。

a523e576.JPGそれからは、パソコンに向かって一生懸命日記を書いた。昨日までの事を思い出しながら、必死の思いでキーを打つ。ふと外を見ると、夕日がきれいだ。気分は加山雄三　♪ゆうひあか〜く･･･♪ 続いてスパイダース　♪ゆうやけー･･･海のゆうやけー･･･まああっかーな･･･別れの色だーよ〜♪ また加山雄三　♪海よ〜俺のうーみよ〜、大きなーその愛よ〜♪　次々に熱唱する。ああ、今夜は最後だからピアノラウンジでフィリピンバンドをバックにまた歌いたいな、などと思ってしまう（笑） 水平線に沈んでゆく太陽を何枚も撮影した。いいのだけを残して5枚に絞り込んだ。その中から悩みに悩んだ末に選んだのがこの一枚である。 芸術的作品を鑑賞していただきたい。

09568e86.JPG結構満足感にひたりながら、部屋へもどる。心地よい疲れだ。あすかは三陸沿岸を航行している。このクルーズで初めて、自分の部屋から陸地を見ながらの航海だ。 不思議なもので、陸地が見えているというだけで、なんとなく安心感を覚える。もちろん何かあった時に、泳いでたどりつく距離ではないと思うが、ただなんとなく落ち着くものである。 柔らかい西日が射している。ちょっと暑いけど、いいシャッターチャンスなので、ベランダに出てセルフポートレートを撮る。カメラをセルフタイマーにしてテーブルの上にセットして、はいポーズ！

69b211c1.JPG終演後、お客様と写真撮影タイムを行った。お客様が次々と写真を撮りにやってくる。なんだかスターになった気分だ（笑） 寄席文字のメクリをはさんで、記念写真をパチリ。お客様は、このめくりの右側に立つわけである。 この「撮影会」は、コルサコフのローカルショーの後にやっていたのを見て思いついた「俺もやろう！」って（笑） お客様はショーの出演者と喜々として写真を撮っていた。旅の思い出になれば嬉しいし、私の事を覚えていただければ一石二鳥というものだ。 狙いは当たった(^_^;)

74aef57d.JPG前回の「悋気の火の玉」の失点を挽回する意味も込めて、一生懸命お喋りした（*^_^*） ほぼ満足のいく反応だった。正直なところ、ホッとする。30分のつもりが5分オーバーしてしまった。あわてて後ろの高座に上がって、改めて落語にとりかかる（笑） 今回のお客様は、一回公演なので補助椅子を出す盛況だ。また、小樽から乗り込んできたお客様もたくさんいる。ネタは間違いないところで「浮世床」にした。 狙いどおり、バカうけだった。最後の最後にようやく思ったような反応が返ってきた。これで、とりあえず落語に関しては、満足して船を下りられる（*^_^*） 写真は7階（ホールで言うと二階席）から、エンターテインメントチームの尾上さんに撮ってもらった。

06887b77.JPG午後1時から、いよいよ最後の仕事「講演と落語」だ。会場はいつもと同じ6階グランドホール。 「落語界裏話・噺家修業物語」と題して、落語とは一味違う講演のようなものを、30分間喋る。その後、15分程度の落語を一席演る。 これは出発前から決まっていた仕事である。夜の独演会が二回と、昼の講演を一回という事になっていた、その最後の仕事なのだ。 「落語界裏話・噺家修業物語」は実は、方々でやっている私の講演会のネタである。たっぷりやれば、90分から120分の講演になる。今回はダイジェストで30分にまとめた。 ワイヤレスマイクを片手に「立ち」でお話をする。随所にギャグをちりばめて、満員のお客様は大受けだった。

8401bef5.JPG前方には操縦桿があった。「自動操縦」なので触っても大丈夫。操縦桿を握って「面舵いっぱーい！ヨーソロー」完全なミーハーだ(^_^;)

c5ac5646.JPG9時から特別に、9階の先頭にあるブリッジ（操舵室）を公開してくれた。こんなチャンスは滅多にない。9時過ぎに行くともういっぱいの人だった。船長が色々と説明をしている。 興味深い船のウンチクを聞いた。ためになる話ばかりだ。噺のマクラに使えそうなネタをいっぱい聞いたが、残念ながらメモしてないので、ほとんど忘れた（苦笑） 服部君がいたので、写真を撮ってもらった。船長の後ろに回りこんでパチリ！

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