minshu1031mae1新外相・前原誠司から「危険なかおり」を抜くことは無理である。彼の表情と根底にある薄笑いは何度も肉薄するたびに不気味さすら感じた。
これが記事外の個人的体験である。

もちろん答えは丁寧だし礼儀もただしく、男前の上、湯気が上がっているような若さで溌剌としている。しかしそれでも不気味である。なぜならチャンと答えてはいるが、常に目が虚ろでほかの事を考えているようにみえる。たぶん巨大なマシンが破壊されていく幻想に欲情しているんだろうと想像する。一般的な人生はそれなりに処理しているから、だれも彼の「狂気」に気がつかないが、政治家としてはとても危険だと感じる。根拠はない。しかし危険だとおもう。

何を狂気とするかは意見の分かれるところだが、前原の顔を見ていると、ふと彼を主役に2・26事件を映画に撮りたいという誘惑に駆られる。前原とインタビューするあいだ、僕は僕で質問とは関係ないことをぼんやり思い、前原も視線もあらぬ方向を向けている。インタビューは仕事として淡々と進み、一方で僕は細野剛志を反乱軍青年将校・西田少尉役に据えて前原誠司は主役・北一輝がぴったりだなーと勝手に想像を巡らせていたというだけの話しである。だから科学的根拠はない。

今尖閣列島で、日本と中国が一触即発の事態となっており、丁度前原は国土交通相として現地に乗り込み、過熱し出したら外務大臣になった。アメリカのネオコンはもともと多極主義者であり、アメリカの一国支配をやめてアジアはアジア内で軍事力のバランスをとるべきと考えている。つまりイデオロギーに関係のない、台湾プラス中国vs日本という構図の「魚釣島」領土問題には関与しないのがアメリカの方針であろう。そこでネオコンとの深い関係の前原外務大臣の決断が注目されるのだ。

表面的には単なる偶発的事故として対応するとしているが、前原は当然国際的軍事的駆け引きの加熱を知っており、アメリカに頼れないことも熟知している筈だ。そこで底流に流れる前原流ナショナリズム、巨大な鉄のメカが動き出す感動への誘惑が頭をもたげ、押さえていた「狂気」が彼の心を乱すことが想像に難くない。

彼は単純な兵器オタクや鉄道ファンではない。でもそれが鉄、蒸気、爆発に対する歪んだ欲情ではないことを祈るばかりだ。

なお今回の記事のテーマは「前原論異説」であり尖閣領土問題ではない。興味があれば田中宇のエントリーhttp://www.tanakanews.com/100917senkaku.htm
を参照されたい。