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鳥越俊太郎(敬称略)が画面に出てくると僕はどうしても他人とは思えない上に、なぜか「どえらい失敗」をしないかと先輩であるにもかかわらずまるでわが子を見ているようなハラハラドキドキ感を禁じ得ないのだ。

というのは

なにも彼が僕の仲人であったと言うだけもなく、同じ職場、同じ仕事で全国(全世界)を走り回ったからという「ばかり」でもない。

なぜなら

彼がすでに「この業界」にやってきておよそ四半世紀以上になるというのに、まだ素人っぽさが抜けきれず、またかっての強い九州なまりもいまだ完全には抜け切れておらないからである。

それにくわえて

彼の子供のような我儘さだとか、今まで僕が仕事で付き合ってきた、あるいみテレビを知り尽くした久米宏とか古館伊知郎とかとは全く違う類型のアンカー(テレビキャスター)ぶりが今でも強烈な印象を残したままであるからだ。

つまり

鳥越俊太郎という男はアナウンサーとしての訓練どころかテレビの常識(カメラ目線とかけつかっちんとか)や用語(八百屋とか雪舟とか倍フリとか)を殆ど知らぬままに、いきなり画面に登場し独特の素直さ(馬鹿正直さ)で歯に衣着せぬ物言いをして、かつ平然としかも陽気に番組が終わると僕たちと毎回飲みに行っていた不思議な人物なのである。

とくに

彼の合い方が田丸美寿々の時代には彼女をいつもイライラさせ、時には彼女から激しい叱声を浴びたにもかかわらず、「そうか」と素直に自分の失敗を認めつつもマイペースを崩さずいつも堂々と笑い飛ばしていたことが思い出されてならない。

そして

それが今も「基本的には」ほとんど変わっていないことに「さらに」驚いてしまうのだ。

それを

一言で言えば決して上から目線でないけれど、ぜったい視聴者に媚びない、、、というよりテレビを必要以上に恐れないということである。

したがって

忖度するとか自主規制するとか言うことは彼の辞書にはなく、そのため局の上層部から疎んじられることもしばしばであるが何とも言えぬ彼の「味」はテレビ業界にとって極めて特殊で捨てがたいのである。

だから

誰とは言わぬが「有能な」現場のプロデューサーは彼を重用し、使い続けたという経緯があるのだ。

しかし

だからといって僕とは喧嘩こそすれ意見がすべて合うわけではないが、「報道」の神髄はすべて彼に教わったと言っても過言ではない。

とりわけ

彼がかの西山記者の例をだしたとえ法に触れる恐れがあっても「我ら大衆にとっての”大義”があればとことん突き進め」と教えられたときは目から鱗であった。

日常的には

彼にテレビのイロハから教えるしかなかったのに、こと取材については特に検証取材の大切さについてはすべて鳥越俊太郎「大先生」から教わったことに今でも感謝している。

その

鳥越俊太郎がなんと遂に都知事に立候補を表明したのである。

もとより

蓮舫から拒否された民進党幹部がいままで北野大とか渡辺健とか古賀茂明とか某有名人とかに交じり鳥越俊太郎の名を挙げていたのは聞いてはいたが、今までの付き合いの中で最も彼にふさわしくないであろう思われる「政治家」に彼自身がなりたいと言うのには「僕ですら」びっくりした。

それゆえ

知らないことは知らないと言い間違えたらすぐ修正すると言う彼の馬鹿正直さや、決して誤魔化そうとしないヒトの良さが誤解されて裏目にでないか心配で仕方がない。

なんといっても

僕としてはドジで間抜けな「あの」鳥越先輩が心配でたまらない。