勝間和代さんの言い分はすべて正しい。和代の本は売れている。不況の出版会はおじさんアイドルの発掘に躍起だ。美人のアラフォーにいじめられたい歪んだ願望の若者や、颯爽たる「断る力」をもったキャリアウーマンのバイブルにもなっている。たしかにずばり前向きな成功談は、いかなる理由であれ、脳内アドレナリンを分泌し、人気がある。別にそれは仕事人としては、結構なことで彼女を非難するつもりはない。ただ自分と正反対の時代なんだなーという感慨を持つだけのことである。
つまり平安時代にあった「文学」が喪失し、ドライな時代が、もてはやされる時代を嘆いている孤独な老人の愚痴にすぎないのだが、そもそも「源氏物語」の「更級」の冒頭にある「おとしみそねみたもう」ひとこそ原日本人的な人間であって、ひねくれて嫉妬して愚痴をいうことこそ文学の原点であるとおもうのである。このじっとりとした風土に、紫式部自体が日本文学の原点にふさわしいのであって、勝間さんのように(たぶんマスメディアに踊らされているだけで彼女に罪はないのだが)ドライで効率的で無駄なことはしないビジネス(日本語でなりわいとか仕事という)は、確かに著作物ではあっても、「文学」とくに「日本文学」どは程遠い。出版社がいくら不況だといっても「文学」をすてビジネスなるものに心血を注ぐとは、いかがなものか。すくなくとも「読み物」ではないとおもう。反吐がでる。暇だから反吐ばかり勝手にだせばいいんじゃない、と彼女の叱正が聞こえる。
そういう割り切り方が、浅薄な受け狙いであって、実は彼女の本質は鬱で誘惑に弱い、陰隠滅滅としただらしない人間で、太宰治に代表される戦後無頼派こそが、抑制のきいた人間だったような気がしてならない。
ともあれ、すくなくとも島尾俊夫の「死の棘」のような、だらしない多湿な、しかし上質の日本独特の「文学」の時代は終わった。勝間本に惑わされてはいけない。保守のにおいは死臭である!
保守
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