週間メインストリーム通信Vol.346 インクルネット西宮

 みなさん、こんにちは。もうすぐ暑い夏がやってきますがいかがお過ごしでしょうか。
メインストリーム協会の鍛治です。今週のメルマガはインクルネット西宮についてお届けします。正式名称としては、「インクルーシブ教育を進めるネット西宮」です。

そもそもみなさんインクルーシブ教育とはご存知ですか?
インクルーシブ教育とは障害があるなしに関わらずどの子ものびのびと個性を発しつつお互いを認め合いながら共に育ち合う教育のことを指します。ご存知の方もおられるかも知れませんが、私鍛治は大阪府豊中市出身です。豊中市は1960年代から共に生きる教育を実践し、どんなに重い障害があっても中学校卒業までは普通校で学ぶことが保障されています。わかりやすい例でいうと、呼吸器をつけて生活していたとしても吸引などの医療的ケアは豊中市が派遣する看護士によって何不自由なく学校生活が保障されているわけです。当然親の付き添いなども必要ありません。

私は、そんな環境の中で育ってきました。当然、7年前にメインストリーム協会にやってきた時はこの西宮市もそういうものなんだろうと漠然と考えていました。しかし、西宮で活動していくにつれそうではない現実を知っていきました。例えば、私くらいの障害レベルであったとしても何の疑問も持たずに支援学校に行く流れができている現実があるのです。

私は、学校という場所は社会の縮図であり、私自身が周りの先生や友達によって大きく私自身への可能性を広げてもらったと考えています。このように考えているからこそ、障害があるからといって支援学校という流れは残念だと思い続けて来ました。このことは、私たちメインストリーム協会の活動の基本となる部分、どんなに重い障害があってもその人らしく地域で暮らすという活動理念につながっているものだと思います。このことをより繋げて活動していきたいと思い続けている7年間でありました。

これらのことを繋げられるチャンスが訪れました。
それがインクルネット西宮との出会いでした。そもそも西宮では障害があった時点で、選択肢が与えられず当然のように特別支援学校や支援学級に行くことがで当たり前のようになっています。たとえ普通校にいけたとしても医療的ケアが介助が必要な時点で学校協力員の手を借りないと学校生活を送れないのです。学校協力員制度とは、普通学校に通う障害児のトイレや移動などの介助をする人をいいます。名前だけみると良い制度だと思う人がいるかも知れませんが、実際は課題だらけで、とくに待遇や募集の仕組みは有償ボランティアの位置付けで時給1時間700円、一日あたりの支給上限が4時間分2800円でそれ以上介助をしても報酬は出ません。募集や登録は学校単位でしているが、教員が多忙で学校によっては保護者が友人に頼むなどして確保しているのが現状です。ちなみに大阪府などでは制度が確立しておりこのようなことはありません。自治体により待遇に違いがあり過ぎるのです。

このような現状でも、障害がある我が子を普通校の中で育てていきたいと闘っている親御さんたちがいます。その人たちこそがインクルネット西宮の方々です。今までの活動の一例を紹介しますと、現在西宮市内の小学校に通っているかんなちゃんという女の子がいます。かんなちゃんはCFC症候群という先天性の難病で発達はゆっくり口から食事が取りにくいため、胃に直接栄養を送って食事をしています。西宮私立の小学校でこうして医療的ケアを保護者以外が行う場合医師や看護士の配置が必要になり、そこで入学の2年前からお母さんから市の教育委員会に相談に行っていました。小学校の普通学級を希望し続けました。しかし教育委員会の回答としては前例がない、安全面と教育面を考慮し特別支援学校もしくは、特別支援学級を提案しました。親御さんは、他の子供たちと理解を深めるには同じ場所でいっしょに過ごしてほしいと願い、自ら看護士に依頼し協力してもらうことにしました。最終的に教育委員会はこの看護士をかんなちゃんのいる小学校に配置し、かんなちゃんの学校生活を看護士と学校の協力員が支えています。これらの働きかけを支えたのがインクルネット西宮ということになります。
現在では、他の数名の小学生の親御さんとともに活動しています。

 そもそも私がインクルネット西宮の携わるきっかけは、私の講演の内容をインクルネットのメンバーの方が目にしてくれたのがきっかけでした。現状インクルネットは当事者性としては薄いと言わざるを得ません。この当事者性という部分を私自身が担っていければと思っています。先にも触れましたが私たちが目指している社会地域とは、どんなに重い障害があってもその人らしく暮らせるというものです。西宮市は私が西宮にやってくる前から声を上げる運動を展開しある意味その恩恵を受けて、私が今生活できているという事実があります。これからは、このメインストリーム協会が培ったものを教育というものに繋げていきたいと思います。

お知らせ

毎週金曜日にメールで送信している「週間メインストリーム通信」ですが、メールソフトの不良の為メールでの送信ができなくなりました。現在原因を究明中です。しばらくの間HP上での公開のみにさせて頂きます。
HP部 茂上 

週間メインストリーム通信Vol.345 トライやるウィーク報告

こんにちは。数矢です。

今回のメルマガは、5月22日~26日で行われた地域の中学生を対象としたトライやるウィークのことを報告します。

 

「言語障害がある人と、まともに喋れることがわかりました!」

 

トライやるウィークは中学生が職業体験をするためのイベントであり、兵庫県内で実施されています。約13年前、僕自身もこのトライやるウィークで地域のコープに職業体験にいきました。コープに行って、品出しをしたり値段のラベル貼りをしたり、接客をしました。最初は緊張をしていましたがだんだん仕事もわかってきて、普段買い物に行くだけではわからない小売業の基本やコープの地域での関わり等を学べた記憶があります。このようなこともあり、西宮の地域の中学生たちにもメインストリーム協会を知ってもらい、障害者のこと、自立生活のことを学んでほしいと思い、僕は昨年度からトライやるウィーク企画チームに入っています。

今年でトライやるウィークを受け入れて3年目です。今年は、平木中学校から2名、大社中学校から2名の計4名の中学生を受け入れました。平木中学校の生徒さんは男女1名ずつで2人とも文化部に入っていて大人しい印象でした。対して、大社中学校の生徒さんは、2人とも体育会系の運動部で活発な印象を受けました。4人とも最初の事前あいさつの時は緊張し過ぎて差し出したお茶も飲めないような状態で、障害者がいっぱいいる、しかもホースで繋がれている人を見て、圧倒されている様子でした。

 

トライやるウィーク全体のプログラムとしては基本的に去年度と同じで、1日目にオリエンテーションとしてメインストリーム協会や自立生活の説明、自分史講演(平田)、食事や着替えの介助の演習をしました。2日目は、午前中は言語障害クイズ、午後はメインストリーム協会のトライやるウィーク恒例となっている運動会がありました。3日目は、グループディスカッション、お宅訪問。4日目は、西宮ガーデンズと関西学院大学にバリアフリーチェックを兼ねて、オリエンテーリングに行きました。そして最終日は、中学生が考えたメニューを作って、さよならパーティをしました。

 

2日目の運動会では、障害者も健常者も関係なく競技をして「みんなで楽しむ」ことを伝えました。中学生も我を忘れるくらい楽しんで、顔から緊張が完全に抜けていました。3日目のグループディスカッションでは8人の少人数で話し合えるようにして、「もし、朝起きたら障害者になっていたら?」「24時間テレビを、どう思う?」「養護学校は必要か?」等のお題を用意し、障害者、健常者スタッフも参加者となり中学生と一緒に考えました。4日目のオリエンテーリングでは中学生に実際に車椅子に乗ってもらい、西宮ガーデンズではメインストリーム協会の交渉で改善された箇所をチェックしたり、関西学院大学では障害学生支援室の方に障害をもつ学生さんの支援方法等を説明して頂きました。

 

僕が、このトライやるウィークで一番力を入れていたのが、2日目の言語障害クイズです。この言語障害クイズを行う目的は言語障害の聞き取り方を学んでもらうことですが、最終的には言語障害があっても無くてもいろんな障害者と話してほしいということもあります。内容は新人研修の言語障害クイズと同じですが、「言語障害マスターへの道」と題し初級(数矢)、中級(太田)、上級(坂出)とゲーム感覚でステップアップしていくようにしました。やはり上級の坂出さんは難しかったようで、中学生たちは坂出さんの周りに近づき一生懸命聞き取っていました。坂出さんの好きな俳優が聞き取れなくて20回30回と何回も聞き直して、聞き取れた瞬間の達成感に浸った時の中学生たちの顔は一番印象的でした。

 

最終日のさよならパーティの時に、中学生一人一人に5日間の感想を言ってもらいました。大社中学校の体育会系の男の子の一人が、「最初は言語障害がある人は知的障害もあって普通に会話できないと思っていました。でも、言語障害クイズを受けて言語障害がある人と話したらまともに喋れることがわかりました。」という感想がありました。この感想を聞いた瞬間、トライやるウィークをやって良かったと改めて思いました。

 

現在も、言語障害がある人が介助者と買い物や駅に行くと、障害者本人ではなく介助者に聞かれることが多いです。この原因として、言語障害がある人が知的障害も持っているとか意思疎通ができないというイメージが一般の人にはあります。でも、今回のトライやるウィークで「まともに会話できるんや!障害者普通やん!」ってメインストリーム協会に来てみたからこそ気づいてくれる中学生がいて、その子が家族や友人に気づいたことを伝えてくれると障害者への理解が少しずつ広まっていくと僕は思います。広まっていくことで、間違った障害者へのイメージが変わり誰もが暮らしやすい社会に変わっていきます。なので、トライやるウィークは大事なメインストリーム協会の活動であり今後も続けていきたいと思いました。加えて、今回来た中学生がメインストリーム協会の事務所に、ふらっと来てくれることを思うとトライやるウィーク終了後も期待が高まります。

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