週刊メインストリーム通信Vol.321 江富AJU講演(鍛治)

皆さんこんにちは。一段と寒い毎日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?メインストリーム協会の鍛治です。今週のメルマガは生活介護利用者の江富靖浩さんが先日名古屋の「AJU自立の家」で行った講演デビュー戦についてお伝えします。(笑)

皆さん江富靖浩さんのことはご存知ですか?ここでごくごく簡単に江富靖浩さんについて紹介しておきたいと思います。
江富靖浩54歳。大阪府出身。脳性まひ。小学校4年生の時から普通校の特殊学級で学ぶ。(小学校入学が4年生になるまで遅れてしまった背景には時代的に就学免除の影響がある。就学免除の説明をすると、免除とは名ばかりで、実際は障害児が学ぶ機会を奪われていた時代があった。しかし熱心な親御さんの運動が実り小学校4年生からではあるが入学に至る。)
中学校卒業後、完全な在宅生活になってしまう。しかし障害児キャンプなどでキリスト教の牧師と出会い大きな影響を受ける。その影響から毎日簡単な詩を書いたりする。(この当時は多少身体が動いたので執筆活動などにも勤しむ)そんななか自立したいという気持ちが段々芽生え始め、紆余曲折を経て2004年5月に自立生活を開始する。
現在は毎週木曜日のお昼に生活介護の中で「喫茶トミー」を企画し、マスターとして活躍中であります。(本来ならもっと詳しく書きたいことが沢山あるのですが文字数の関係で割愛させて頂きます(笑)
さて、どうして江富さんが講演することになり私がメルマガを書いているかというと、私は5年ほど前から「江富さんの生活」を一緒に作らさせていただいております。堅い言い方で表現すると、「生活支援」で携わらせていただいているということになるでしょう(笑)

自立生活センターという場所は「どんなに重い障害があっても地域で暮らす」であるとか「その人らしい生活をする」という基本理念があります。江富さんの場合は上記でも述べたように、就学免除などの影響で、学ぶ機会を奪われていたこともあり、数字などに弱かったりするところがあります。その影響からか金銭管理が難しい面が見受けられます。
そんなこともあり自立生活に影響が出始め私がサポート役として5年前から色濃く関わらせて頂いております(笑)
最初に述べておきますが私は江富さんのことが大好きで尊敬しています。もちろん生活を一緒に作らせてもらっていただいている中でお互いに感情の行き違いや嘘をつかれたりして腹のたつことも多々あります。しかしこのようなことは人間関係の中で、もっと言えばこの仕事をしていく中で切っても切れないことでしょう。何より江富さんの良いところは、何だかんだ言っても江富さんの周りにはいつも沢山の人がいるところだと私は思います。
支えてくれる人も沢山います。そんな彼だから今回の講演の話もAJUから舞い込んできたのでしょう。
AJUはメインストリームと古くから付き合いがあります、阪神大震災の時も多大な支援をして頂き、私鍛治もよく仕事又はプライベート問わず関わらせてもらっています。そんなこともあり私が親しくさせてもらっているAJUの健常者スタッフの方からこんな相談があったのです。「江富さんと鍛治君にAJUに来てもらって話をしてくれないか?というのもAJUで自立を目指している江富さんと同い年の53歳の女性の脳性マヒのTさんという方がいるのだけど、自分と同じような当事者の人と話したことがないことから自信を失っていて、是非ピアにあたる江富さんにエンパワメントしてもらえないだろうか?」という相談でした。

私と江富さんはその人の力になれるのなら喜んでと即答で引き受けました。
話をさせて頂く中でまず江富さんと名古屋に同行する介助者の武智君と構成を考えました。その中で江富さんの一番の魅力は「何事においても飾らず日々笑顔で自立生活を満喫している」という事実を前面に押し出して伝えていこうということで3人とも一致しました。(笑)「趣味のスキューバダイビングの話、お酒での失敗談、介助者との関係性」すべてさらけ出しました(笑)とても一言では書ききれません。江富さんは当日講演の中で「とにかく笑顔で生活していけば人は幸せになれる!そうすれば周りの人たちも力になってくれる」とTさんに話していました。

Tさんも、みるみるうちに江富さんの世界に引き込まれているのを、そばにいた私たちも感じました。やはり、同じような仲間が語る大切さを改めて痛感しました。今回の講演では、すべての時間ではないですが、現在コーディネーターを務める古川もきていました。ここで、古川の感想も紹介したいと思います。

こんにちは、古川です。私は11月から江富さんの担当コーディネーターをさせてもらっています。私と江富さんは一度飲んだことがあるくらいで、それほど関わりがなくどういう人なのかも正直あまり知りませんでした。また、上記のように鍛冶や茂上が江富さんの生活を一緒につくってくれているので、担当の私がすることはほとんどありません。そして、担当になって初めてしたことといえば、喧嘩でした。
そんな折、江富さんが講演をすると聞いて興味が湧き、同行させてもらうことになりました。AJUでの話を聞いていて思ったことは、江富さんが地域で自立生活をしていく上で苦手なことも多少なりともあるのかもしれませんが、そこをつつみ隠さず周りに頼りながら、まずは自分の人生を精一杯楽しもうとする人なんだなということです。そんなプラス思考がTさんにも伝わり、Tさん自身も自立へ向けて前向きになったことがこちらにも伝わってきました。当事者どうしがもたらす力の大きさを感じました。

みなさんは今回、このメルマガを読んでどう思われましたか?私鍛治はメインストリーム協会にやってきて7年目を迎えますが、今回のAJUでの講演は自立生活センターで活動するうえで最も大切なことを教えられた時間でした。これを一言で言い表すと、江富さんにとって住みやすい社会は、障害があるなしに関わらずきっと誰にとっても住みやすい社会になるということを。今まで以上により強く思いました。このことを常に胸に刻みながら、これからも活動していきたいと思います。

週刊メインストリーム通信Vol.320 藤原勝也情勢レポート

皆さんインフルエンザが猛威を振るっていますが、元気でしょうか?
今週のメルマガは藤原勝也が障害者政策の今後の動向やメインストリーム協会が今取り組んでいる活動を皆さんにお伝えします。
1.全国
①バリアフリー法改正を求めて
 現在、国において改正するという動きはありません。しかし私達は現行法ではアクセシビリティを十分広めることが出来ないと考えています。確かに2000年代初頭にできたバリアフリー法によって鉄道駅でのエレベーター設置が広まったという成果もありましたが。

なぜ改正が必要かといいますと、そもそもバリアフリー法は障害の定義が「高齢者又は障害者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるものその他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者をいう」(第2条)とされ、また、知的、精神、発達、難病など明記がなく、「医療モデル」となっています。そのため、障害者が地域で自立した生活をするうえで、建物や交通機関の利用およびサービス等で不利益を被ったり、様々な不当な扱いを受けるなどの問題が未だに続いています。

ところが国連の障害者の権利条約では「他の者との平等を基礎として」考え方を下に、障害のある人もない人と同じく利用できるという平等なサービス利用が求められています。いわゆる基本的人権としての移動が定められています。
また条約では障害のある人もない人も共に生きるインクルーシブな社会を求めています。バリアフリー整備においてもこの視点は重要です。実際生活において駅等で障害者だけ別のルート、遠回り、長時間待たされることがありますし、劇場等で車椅子メンバー同士で横並びでチケットを取ることが出来ない(甲子園球場)、劇場やスタジアムで車椅子席の場所が一か所しかなく、様々な場所から見ることが出来ないといった整備が日本では目立ちます。障害のない人であれば上記のような経験をすることは日本ではほとんどありえないことでしょう。インクルーシブな視点に立って、障害のある人とない人を分けることなく、同じ体験や経験が出来る社会を作ることが大切です。イギリスではアクセスを考える上で機会の平等という概念が確立しています。

さらに条約では都市部と農村(地方)を分けることなくバリアフリーを推進することが求められています。現実日本では地域間格差が激しいです。障害者差別解消法では第5条で「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備」を行政機関と事業者に求めています。合理的配慮が進むようバリアフリー法にも規定を作ることが求められます。

バリアフリー法自体は制定当時素晴らしいものだったと思いますが、年月がたって老朽化し、気が付けば時代遅れとなっています。諸課題に対応して行くため障害者の権利条約や障害者差別解消法の理念を取り込みバージョンアップしていかなければなりません。(DPIバリアフリー部会資料より)
②総合支援法関係
・2018年からの報酬改定と、それに付随して議論される改正総合支援法の具体的運用(入院中の重度訪問介護利用、自立生活援助、共生型サービスなど)の議論と動向。
→今のところ入院時は支援区分6に限定されていて、重訪の時間数はそのまま使える見込みですが、実際にどう運用されるかはわかりません。区分4と5でも使えるように要望していきます。国は制限を作らなくても地方都市が勝手に制限を作ることも考えられます。
また65歳になった障害者が介護保険にスムーズに移行できるように(事業所を変えなくてもよい、介助者が変わらない)国で議論されていますが、どんな仕組みができて、僕たちの生活にどう影響するか注視する必要があります。

・次の見直しに影響を及ぼすであろう、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部及び3つのワーキンググループ(地域力強化WG、公的サービス改革WG、専門人材WG)の議論と動向。
→単純に介護保険と障害福祉サービスをくっつけて、予算の引き下げにつながらないようにしなければなりません。超高齢化や少子化、過疎化を考えた場合避けては通れない問題でもあります。

・社会保障審議会(社保審)の障害者部会と介護保険部会の議論と動向
→統合によって単なるサービスの切り下げにつながらないように動向をチェックすることが大事です。

2018年4月に向け重点的に取り組む必要のある課題です。国の問題ですが、運用は地方なので変な方向に行かないように市役所交渉も必要になります。

2、西宮
①条例
今年の2月から西宮市での差別解消条例制定に向けて市議会議員に対して学習会を始めました。3月議会で請願を提出します。後は市内の障害者団体と連携していくだけです。2019年の解消法改正が素晴らしいものになるように現行法より優れた条例を作ることが不可欠です。
②バリアフリー
今年中心に取り組むのが西宮市中央体育館の建て替えです。オリンピックの基準を参考に日本で誇れる素晴らしい施設になるように取り組みます。ちなみに体育館はBリーグ2部西宮ストークスの本拠地です。1部に行くには5000人規模の施設が必要です。今2部で上位にいるので近いうちに1部に昇格しそうな勢いです。
今年度中に設計案がでてくるので、西宮市と交渉の準備をしています。

③阪神電鉄
昨年に引き続き、阪神甲子園駅駅前広場、阪神武庫川線無人駅問題、伝法駅、福駅、梅田駅の建て替え等の課題に向けて活動します。阪神電鉄だけではなく、市役所の道路や街づくりの部署との話し合いも必要です。

私は現在メインの仕事のほかにJIL政策委員会、DPIバリアフリー部会、尊厳生部会等で活動しています。障害者を取り巻く環境が大きく変わってきてる昨今、精力的に取り組む課題は山積してます。今年度はメルマガで情勢等についてしっかりと報告していきますのでご期待ください。いつでも質問受け付けます。宜しくお願いします。

週刊メインストリーム通信Vol.319 甲子園球場交渉

皆さん、寒い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか?風邪など引いていませんか?メインストリーム協会の鍛治です。

今週のメルマガは昨年12月に行った阪神タイガース球団との交渉についてお伝えします。メインストリーム協会はこれまで長年に渡って阪神タイガース球団と交渉してきました。その過程において阪神甲子園球場におけるバリアフリー化につなげてきたという経緯があります。阪神甲子園球場はこのバリアフリー化により全席エリアに車椅子座席が設置されるという運びになりました。2009年のことです。(因みにプロ野球12球団においてフランチャイズ球場における全エリアによるバリアフリー化は阪神甲子園球場と広島マツダスタジアムの2球場しかありません)一見阪神甲子園球場は完全バリアフリー化となり全ての問題がクリアになったように思いますがそうではありません。大きく分けて課題は3つあります。

1.阪神タイガース球団の二軍の主戦球場である鳴尾浜球場の老朽化に伴うバリアフリー化への課題、
2.阪神甲子園球場における車椅子席のチケットの予約問題、
3.阪神甲子園球場における野球以外でのイベント時においての対応について
という3つです。
今回の交渉は2012年の12月以来、約4年ぶりとなりました。上記に述べた3つの課題を具体的に説明すると、1の鳴尾浜球場では座席にいくまで階段のみで車椅子にとってはバリアが多い球場です。2軍球場といえども広島球団、オリックス球団、ソフトバンク球団の2軍球場などはバリアフリー化が進んでいます。2の車椅子席チケットの予約問題とは、例えば車椅子同士の数人で観戦することがよくあります。チケットを予約するのですが、並んで取ることができません。
例えば車椅子二人で観戦に行く時に、どの席種でも別々の離れた車椅子席になってしまって仲間同士で一緒に野球観戦する時に一緒の座席で観戦できないということが多くあります。せっかく仲間同士で行っても離ればなれになり一緒に行く意味がありません。(なにも私たちは空いていない席を隣同士で観戦させてほしいというわがままを言っているわけではなく、チケットを予約する際に隣の席が空いているかということを教えてほしいと言うことを要望したのです)これを実現するために座席における番号制を提案させて頂きました。実際に東京ヤクルト球団における神宮球場においては座席の番号制を導入しています。3の阪神甲子園球場における野球以外でのイベント時における貸し出しの際には部署間の責任の所在が曖昧となってしまっています。これら3つの事は2012年の交渉時から残念ながら大きな進展はありませんでした。よって今回交渉する運びとなったのです。

いずれの3つの問題に対して阪神タイガース球団の回答としては1の鳴尾浜球場の問題については「問題は認識しているものの、建て替えれるような土地が見当たらない」2のチケット問題に対しては私鍛治が東京ヤクルトスワローズのファンということで、よく神宮球場を訪れるということもあり座席の番号の件を提案させて頂きました。座席の番号制の事は存知られなかったようで東京ヤクルトスワローズ球団に確認するとおっしゃっていました。是非前向きに検討してほしいものですし、東京ヤクルトスワローズ球団にできて阪神タイガース球団にできないというのは私はおかしいかなと思います。皆さんはどう思われますか?
3の野球以外のイベントの件については持ち帰って検討するという事でした。交渉の席で私たちは「阪神タイガース球団の金本知憲監督は2016年度のキャッチフレーズにおいて超変革というテーマを掲げておられますがチームの本体だけでなく阪神タイガース球団全体に波及して超変革を遂げてほしい」また「阪神甲子園球場は日本で最も古いプロ野球のフランチャイズ球場であり、世界に誇れる球場だと思っていますが、そんな球場が友人同士、隣同士で観戦できない事実が多く存在すること、また阪神球団に交渉に来られてた方がもし骨折などをして車椅子生活に一時的にでもなりその際に、家族や友人などと隣同士で観戦できない場合どのように思いますか?」と尋ねました。これらに対し、阪神タイガース球団の方々は時折苦笑いを浮かべながら回答に困られているような印象を受けました。次回交渉は2017年プロ野球シーズンオフに再度交渉の場を設けるいう事で今回の交渉は幕を閉じました。

次回の交渉の際に今回挙げた課題はたまた要望が少しでも改善されることを願っていますし、後数か月すれば、2017年プロ野球シーズンが開幕しますが私は阪神タイガース球団のファンではありませんが今年も一試合でも多く阪神甲子園球場に足を運びたいと思います。観戦に行かれたことがない方も一度足を運んでみてはいかがでしょうか?それでは今週のメルマガはこのへんで。

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