皆様こんにちは。久々に登場の小谷です。
今回のメルマガは、私にとって3年ぶり3回目になるコスタリカ訪問の報告をさせていただきます。
11/12~11/28の期間で訪問したのですが、今回のコスタリカ訪問の目的は大きく2つありました。
1つは昨年行われた米日若手障害者交流セミナー「TOMODACHI ADA25 LEAD ON! TOUR」(以下ADA25ツアー)(2015年9月のメルマガvol.250、vol252参照)から続く日米のCIL交流の一環で、来年アメリカで開催予定の国際ILサミットの打ち合わせや日本が支援しているアジアや中南米等のCILの状況をアメリカのCILのメンバーにも見てもらって日本の海外支援の現状を知ってもらおうという企画を実施するためです。
アメリカのCILやNCIL(アメリカのJILのような全国組織)をはじめ、日本のJILやDPI等から総勢21名がコスタリカに訪問し、コスタリカの自立生活センターMORPHOの視察や国際ILセミナーの開催、ミーティング等を行いました。
もう1つは現在実施中のJICA草の根技術支援「コスタリカ自立生活推進プロジェクト」に続いて、第2フェーズとして同じJICAの草の根技術支援「障害者の社会支援システム構築プロジェクト」を応募していたのですが先日無事採択され、さらに5年間プロジェクトを継続することが決定したのを受けて、さらに5年間のプロジェクトをどのように実施していくかを話し合うためです。
最初の1週間は日米のCILメンバーと一緒に行動です。
まずはいつもの高速バスでペレスセレドンに移動し、MORPHOの事務所にて日米コスタリカのCILメンバー間でのそれぞれの活動の経験共有やILサミットについての意見交換を行いました。
そして首都サンホセに戻って、ボリビア、グァテマラ、コロンビアの中南米各国のメンバーも合流して国際ILセミナーを実施しました。
今回のコスタリカ訪問ツアーにアメリカから参加されていたマーカさん(シカゴの自立生活センターアクセスリビングの代表)とジュリーさん(テキサスの自立生活センターリーチの代表)は、日本の海外支援の様子を目の当たりにして、「世界中でこんなにILの輪が広がってるなんて知らなかった!ぜひ私達も海外支援の活動をしたい。」とおっしゃっていました。
また日本のメンバーにも、MORPHOの活動を見てもらえたことも今回の訪問の成果の一つかな、と思います。0から出発したMORPHOがこれだけの活動ができていることを実感してもらえたことは、お互いの刺激になると思うし、これからCILのネットワークを作って一緒に活動していこうという機運を高めるきっかけになったんじゃないかな、と思いました。
そして、日米のメンバーがコスタリカを発った後は、またペレスセレドンに戻って現行プロジェクトの反省会と新プロジェクトについてのミーティングです。
新プロジェクトが採用されたのは、紛れもなく現行プロジェクトでの自立法が成立したことも含めてMORPHOの頑張りが認められたからに他ならないのは事実ですが、その一方当初は現行プロジェクト期間中に介助制度が出来て自立運営が可能になっていれば、新プロジェクトを実施する必要もなかった部分も忘れてはいけないことであり、新たなプロジェクトでの計画と現時点での反省点を話し合う大事な機会になると考えていました。
そうしてミーティングが始まったのですが、日本側からは新プロジェクトについて活動計画や予算、コンセプト、そしてこの5年間が終了したら、もうこれ以上JICAのプロジェクトを実施することは不可能なのでこれが最後という意気込みで活動してほしいことなどを話しました。あとは、新プロジェクト実施に関しての細部の調整、確認をMORPHO側と日本側で話し合うことになるかと考えていたのですが、代表のルイスが「今度のプロジェクトが最後ということは重々分かっています。でも大事だからこそ自分達で時間をかけて、活動計画や予算、実施体制のことをじっくりと話し合いたい。話し合って決まったことを後日報告する形でもいいでしょうか?」という言葉がありました。このミーティングはいい話だけじゃなくて良くない話もしないといけないし、長くなりそうだなぁ、となんとなく話していた日本側は、MORPHOの組織としての成長に非常にたくましく思いつつ、あっさり終わってちょっと拍子抜けしたような不思議な気持ちを持ちつつ、本年度の活動報告を聞いて今回のミーティングを終えました。
私がコスタリカに来たのは、5年前の現行プロジェクトが始まる前の事前調査、3年前の行政機関からの補助がストップしてどうしようかというミーティングをした時でした。5年前は組織どころか右も左も分からず、ルイスが悩みながらもプロジェクトのメンバーとしてやっていくことがようやく決まったような状態、3年前も組織としては成長をしつつも先行きの見えない不安、メンバー間や他組織との問題などを抱え、非常に難しい時期でした。
そう思うと、現在のMORPHOの組織や活動の素晴らしさは本当に感慨深く、訪問するたびに成長(こういうのもおこがましい感じがしますが)を遂げる彼らを尊敬してやみません。願わくば、新プロジェクトでコスタリカ全土の障害者の生活基盤や介助制度が整備され、コスタリカの障害者がより住みやすい国になってくれること、MORPHOがその中心となりプロジェクト終了後も活動を続けていけるようになってほしいと思っています。
もう私たちが教えるようなこともほとんどなく、コスタリカを訪問することは少なくなりますが、日本での研修やプロジェクトマネージャーを通じて活動の報告は出来るかと思いますので、皆様ももう5年、彼らの頑張りを見守っていただければ幸いです。どうぞ応援の程宜しくお願い致します!
以上、小谷がお送りさせていただきました。尚、もう少し詳しい状況や今回の国際ILセミナーに参加されたメンバーの紹介をメインストリーム協会のブログ「海外支援日記」(ホームページから入れます)に掲載させていただいております。興味のある方はそちらも是非!
今回のメルマガは、私にとって3年ぶり3回目になるコスタリカ訪問の報告をさせていただきます。
11/12~11/28の期間で訪問したのですが、今回のコスタリカ訪問の目的は大きく2つありました。
1つは昨年行われた米日若手障害者交流セミナー「TOMODACHI ADA25 LEAD ON! TOUR」(以下ADA25ツアー)(2015年9月のメルマガvol.250、vol252参照)から続く日米のCIL交流の一環で、来年アメリカで開催予定の国際ILサミットの打ち合わせや日本が支援しているアジアや中南米等のCILの状況をアメリカのCILのメンバーにも見てもらって日本の海外支援の現状を知ってもらおうという企画を実施するためです。
アメリカのCILやNCIL(アメリカのJILのような全国組織)をはじめ、日本のJILやDPI等から総勢21名がコスタリカに訪問し、コスタリカの自立生活センターMORPHOの視察や国際ILセミナーの開催、ミーティング等を行いました。
もう1つは現在実施中のJICA草の根技術支援「コスタリカ自立生活推進プロジェクト」に続いて、第2フェーズとして同じJICAの草の根技術支援「障害者の社会支援システム構築プロジェクト」を応募していたのですが先日無事採択され、さらに5年間プロジェクトを継続することが決定したのを受けて、さらに5年間のプロジェクトをどのように実施していくかを話し合うためです。
最初の1週間は日米のCILメンバーと一緒に行動です。
まずはいつもの高速バスでペレスセレドンに移動し、MORPHOの事務所にて日米コスタリカのCILメンバー間でのそれぞれの活動の経験共有やILサミットについての意見交換を行いました。
そして首都サンホセに戻って、ボリビア、グァテマラ、コロンビアの中南米各国のメンバーも合流して国際ILセミナーを実施しました。
今回のコスタリカ訪問ツアーにアメリカから参加されていたマーカさん(シカゴの自立生活センターアクセスリビングの代表)とジュリーさん(テキサスの自立生活センターリーチの代表)は、日本の海外支援の様子を目の当たりにして、「世界中でこんなにILの輪が広がってるなんて知らなかった!ぜひ私達も海外支援の活動をしたい。」とおっしゃっていました。
また日本のメンバーにも、MORPHOの活動を見てもらえたことも今回の訪問の成果の一つかな、と思います。0から出発したMORPHOがこれだけの活動ができていることを実感してもらえたことは、お互いの刺激になると思うし、これからCILのネットワークを作って一緒に活動していこうという機運を高めるきっかけになったんじゃないかな、と思いました。
そして、日米のメンバーがコスタリカを発った後は、またペレスセレドンに戻って現行プロジェクトの反省会と新プロジェクトについてのミーティングです。
新プロジェクトが採用されたのは、紛れもなく現行プロジェクトでの自立法が成立したことも含めてMORPHOの頑張りが認められたからに他ならないのは事実ですが、その一方当初は現行プロジェクト期間中に介助制度が出来て自立運営が可能になっていれば、新プロジェクトを実施する必要もなかった部分も忘れてはいけないことであり、新たなプロジェクトでの計画と現時点での反省点を話し合う大事な機会になると考えていました。
そうしてミーティングが始まったのですが、日本側からは新プロジェクトについて活動計画や予算、コンセプト、そしてこの5年間が終了したら、もうこれ以上JICAのプロジェクトを実施することは不可能なのでこれが最後という意気込みで活動してほしいことなどを話しました。あとは、新プロジェクト実施に関しての細部の調整、確認をMORPHO側と日本側で話し合うことになるかと考えていたのですが、代表のルイスが「今度のプロジェクトが最後ということは重々分かっています。でも大事だからこそ自分達で時間をかけて、活動計画や予算、実施体制のことをじっくりと話し合いたい。話し合って決まったことを後日報告する形でもいいでしょうか?」という言葉がありました。このミーティングはいい話だけじゃなくて良くない話もしないといけないし、長くなりそうだなぁ、となんとなく話していた日本側は、MORPHOの組織としての成長に非常にたくましく思いつつ、あっさり終わってちょっと拍子抜けしたような不思議な気持ちを持ちつつ、本年度の活動報告を聞いて今回のミーティングを終えました。
私がコスタリカに来たのは、5年前の現行プロジェクトが始まる前の事前調査、3年前の行政機関からの補助がストップしてどうしようかというミーティングをした時でした。5年前は組織どころか右も左も分からず、ルイスが悩みながらもプロジェクトのメンバーとしてやっていくことがようやく決まったような状態、3年前も組織としては成長をしつつも先行きの見えない不安、メンバー間や他組織との問題などを抱え、非常に難しい時期でした。
そう思うと、現在のMORPHOの組織や活動の素晴らしさは本当に感慨深く、訪問するたびに成長(こういうのもおこがましい感じがしますが)を遂げる彼らを尊敬してやみません。願わくば、新プロジェクトでコスタリカ全土の障害者の生活基盤や介助制度が整備され、コスタリカの障害者がより住みやすい国になってくれること、MORPHOがその中心となりプロジェクト終了後も活動を続けていけるようになってほしいと思っています。
もう私たちが教えるようなこともほとんどなく、コスタリカを訪問することは少なくなりますが、日本での研修やプロジェクトマネージャーを通じて活動の報告は出来るかと思いますので、皆様ももう5年、彼らの頑張りを見守っていただければ幸いです。どうぞ応援の程宜しくお願い致します!
以上、小谷がお送りさせていただきました。尚、もう少し詳しい状況や今回の国際ILセミナーに参加されたメンバーの紹介をメインストリーム協会のブログ「海外支援日記」(ホームページから入れます)に掲載させていただいております。興味のある方はそちらも是非!