みなさんは、踏切のどこに非常ボタンがあるか、よく見たことはありますか?
ろう者のいくみちゃんは、先日、非常ボタンの重要性に改めて気づいた出来事があったようです。



(簡単な内容)

手話あいらんどTVクロスカルチャー!
いえーい!!

いくみです。ろう者です。
南瑠霞です。聴者です。
よろしくお願いします!

ちょっと前、いくみが幅の広い、いくつもの線路が並ぶ踏切を渡っているときに、途中で警報機が光りだしました。
慌てて渡り切った後で遮断機が下りて、ふと振り返ったら、おじいさんが踏切の真ん中あたりでころんでしまっていました!
どうしようと思っていると、向こうから女の人がやってきて、おじいさんを引っぱって、助け起こそうとしていました。
どうしよう!とさらにパニックになり、電車が来ているのも分かったので、いくみは赤い非常ボタンを押しました。
初めての経験で、ドキドキして、震えるような思いでした。
そのあと、みんながやってきて、おじいさんは踏切の外に運ばれていき、電車も止まりました。

本当に慌てて、ボタンを自分が押してもいいのかとか、電車が止まったら賠償責任になるんじゃないかとか、いろんなことが頭の中で駆け巡ったんだけど、とにかく、目の前でおじいさんが転んでしまっていて、女の人も助けようとしていたので、「あの2人が!あの2人が!!(引かれてしまうかも!)」と思い、非常ボタンを押しました。

駅員さんがやってきたので、「私が押しました」と言いました。
電車の運転士さんも降りてきて、おじいさんの無事や、線路に誰もいないことを確認して、それでまた上下線とも電車が動き始めました。
5分ぐらいの出来事だったと思います。
電車も無事に動き始め、踏切もまた開いて、おじいさんも自分で立ち上がって帰られました。
すごくほっとしました。

そういう時に、自分が踏切の遮断機を越えて助けにいこうかな、とか迷うよね?

女の人も助けに来ているし、私も行こうかどうしようかすごく思ったんだけど、いや違う違う、今度は3人が電車にひかれてしまうかも、危ない、それはやめるべきだと思って、きょろきょろと周りを探したらボタンがあったので押しました。
本当に頭がパニックになってしまって……。

でもよく押せたよね!

ほかの人も何人かいたんだけど、みんなも「おじいさんが倒れてる!」と硬直してしまって、動けなくなってしまったような感じでした。

勇気がいるね。

あとから手が震えてきました。

夜は無事に寝られた?

すごく目が冴えちゃって、大変だった……。
次の日もドキドキしちゃってその駅や踏切のあたりには行けなくて。
今は普通に通っています。

緊急のボタンってみなさん見たことありますか?
南は今話を聞くまで、全然考えていなかった!
たとえば、今ここは手話あいらんどの事務所なんだけど、すぐ目の前を電車が行きかっています。
その緊急のボタンがどこにあるのかとか知らない…!

危ないね。

どんなものかっていうのを写真に撮ったんだよね。見てもらいましょう。どうぞ。

(非常ボタンの写真)

わかりましたでしょうか。
多分踏切の両側に1個ずつはあるんじゃないかなと思います。

見ると「強く押す」と書いてあります。
押そうと思ったら意外と固くて、どうすればいいんだろうと思いました。
ずーんというように、指が入るぐらいまで、ぐーっと押すようになっていました。
ちょっと固いんだけど、押しました。そうすると赤いランプがパッパッと光りました。
なにか音もしたのかもしれないけど、(耳が聞こえないので)いくみは、自分ではわかりません。
赤いランプが点滅し始めて……

それで電車は自動で止まるの?

運転士さんがそのランプを見て止まったという感じではなくて、たぶんそのランプとシステムがつながっていて、電車が止まるようになっているんじゃないかなと思いました。

そのあたりも調べてみようかな。
ちょっとドキドキするよね。
南も家に帰るときに、ボタンがどこにあるか、調べて見てみたいなと思いました。

もし何か起きたら、すぐに押せるといいですよね。
本当は「私が押してもいいんだろうか」って、ボタンを押すか迷ったんだけど、でも、家に帰ってJRのホームページを見たら、「もし遮断機が下りて、中で人が転んだりした場合は、助けに踏切の中に入るのではなく、赤いボタンを押してください」と書いてありました。
私の判断でよかったんだな、と思いました。

遮断機が下りて、だいたい30秒後に電車が通過するという計算になっているらしいです。
もし30秒慌ててしまって誰も動かないと、電車が通過してしまうということになります。
30秒過ぎてしまう前に、ボタンは押すべきだなと思いました。

本当に、頑張って自分で押してよかったよね。
よくやったと思う。
聞こえない人が踏切で気を付けていることはある?

いくみだけなのかちょっとわからないけど、前に聞こえていたときは、踏切を平気で渡っていたけれど、今全く聞こえない状態で怖い。音が聞こえないまま突然遮断機が下り始ることになるから、できるだけ早く踏切を通過するようにしています。
聞こえていたときは、友達と話しながら歩いていたりしたんだけど、今は、友達が何か言っても「黙って!早く渡りましょう!」と言って、黙ってどんどん歩くようにしています。笑
話は、踏切を過ぎてからするようにしています。

そうだよね。途中でカンカンカンカンと鳴っても聞こえないからね。
目で確かめるだけだもんね。

みなさんもぜひ気を付けて!
「危ない!」場面を見つけたときは、助けに行かないで、ボタンを押す、ということですね。

慌てて飛び出して、自分も転んでしまったら、より危ない状況になってしまうし、本当に気を付けたいなと思います。

みんなで気を付けましょう!

それでは、またお会いしましょう!
さようなら~~~~~!!

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提供:手話あいらんど手話教室
出演:いくみ ・ 南 瑠霞 
構成:南 瑠霞
編集:青木 孝二

南瑠霞の手話日記より