先週土曜、天気もいいので剱岳の展望台、赤谷山に久々に行ってきました。
 5時ちょうど、相変わらず締め切られた白萩ゲートから、山歩き開始。
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 5時30分、最終堰堤。
 ここも工事が進み、来るたびに形を変えています。
 この時点で、残雪がけっこうありました。
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 ブナクラ谷は、大小いくつもの沢を徒渉していきます。
 雪解けの今の時季は水量も多く、うまく弱点を見つけて渡っていきます。
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 人の手が入っていない、原始の森。
 新緑が眩しすぎて、眼に沁みます。
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 春から夏へ、ブナクラ谷の季節はワンテンポ遅く進んでいます。
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 濃いピンクに視線が集まる、コイワカガミ。
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 控えめながら芯の通った、シラネアオイ。
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 朝露で半分シースルーになった、サンカヨウ。
 このスケスケが見られると、ちょっと得した気分になります。
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 標高を上げていくと、だんだん雪も増えてきます。
 そして怪しげなスノーブリッジも、数多く登場。
 さあ、どこを渡る?
 センスが問われます。
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 雪原の向こうに、戸倉大滝が轟音を響かせて流れ落ちていた。
 あそこに滝があるということは、ここはたぶん沢の上。
 今は大丈夫だけど、もうすぐ、恐怖の踏み抜きワールドになるだろう...
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 ブナクラ峠が見えてからが、これまた長く、なかなか近づきません。
 そしてひっきりなしに、コロコロと落ちてくる小さな岩。
 で、ちょっと離れた場所に、バスケットボール大の岩がすごいスピードで転がっていった。
 集中力と判断力、ヘルメットの着用が必須です。
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 この岩ゴロゴロ地帯まで来れば、あともう一息です。
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 7時30分、ブナクラ峠。
 穏やかなお地蔵様が、やさしく見守る場所です。
 ここから右に進むと赤谷山、左に進むと猫又山です。
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 ブナクラ峠から、先週登った大日岳を俯瞰。
 ちょっとスイスを連想させる、アルプスの少女ハイジが懐かしくなるような眺めです。
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 ブナクラ峠名物の、ゴリラ岩も健在。
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 後立山連峰の名峰たちがズラリ。
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 さあここから、ドーンと大きくキレイな山容の、赤谷山を目指します。
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 小さく可憐なミツバオウレン。
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 山肌に映えるムラサキヤシオ。
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 尾根の北側には雪がベッタリと着き、斜度も急になってきたので、ここらでアイゼン・ピッケルを着用。
 後立山連峰の峰々を眺めながら、快適に高度を稼ぎます。
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 と思ったら、尾根では雪が切れて、激しいヤブヤブ攻撃。
 アイゼンがヤブにひっかかって、歩きにくいことこの上なし。
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 そして本日の核心部、雪壁登り。
 しっかり、確実にステップを刻みます。
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 この角度で恐怖心を感じたら、すぐ下山する勇気を。
 登りはなんとか行けたとしても、帰りに足がすくんで下りられなくなるか、滑落する可能性が。
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 四つん這いになってヒーヒー言いながら壁を登りきって、尾根に出る。
 振り返ると、大迫力の猫又山が目の前に迫ってきました。
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 と思ったら、少し進んでまたヤブヤブ。
 ヤブと雪の繰り返し、なかなか病みつきになりそうです。
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 荒々しい赤谷尾根を眺めながら、高度を稼ぐ。
 GW頃までは、あちらの尾根が残雪期の基本ルートとなるようです。
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 山頂手前の細尾根は、崩壊が進んでいて注意。
 アイゼンを木や根っこに引っかけないよう...
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 そして9時10分、赤谷山山頂(2,260m)。
 山頂の広々した雪原に、突然ドーンとキング剱が現れるのは、この時季ならではの喜び。
 ああ、生きててよかった。
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 赤谷山の山頂で、先週に引き続きそのナイスバディを惜しげもなくさらしてくれたキングに、感謝感激の愛を叫ぶ。
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 赤谷山からの剱岳は、北から南を見下ろすかっこうになるので、慣れ親しんだ形とは違う、どっしりとした軍艦のような、重厚な存在感で見る者を圧倒します。
 今日の早月尾根も、気持ちよさそうだなあ。
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 本日のキング。
 あまりの距離の近さに、山頂の登山者も捕捉できるほどですが、今日はまだ誰も居ないようです。
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 尾根の中腹をズームアップすると、巨大な奥大日岳に見守られるように建つ、赤い屋根の早月小屋が見えます。
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 そしてこちら側は、上級者のみに許される北方稜線。
 赤ハゲ、白ハゲ、大窓、池平山、小窓、小窓ノ王、三ノ窓を経て本峰へと至る、ハードで魅力的な稜線です。
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 先週登った大日岳と、奥大日岳。
 相変わらず、豊富な雪の量です。
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 そして後立山連峰のイケメンたち。
 誰もが一度は縦走したいと思わせる、白馬三山、唐松岳、五龍岳、鹿島槍ヶ岳のたまらん稜線。
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 絶景甘納豆、気圧の影響でパンパンです。
 気分は孤高の人、加藤文太郎...!
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 風もなく、ポカポカとあまりの気持ちの良さに、しばらく大の字になって寝入ってしまいました。
 9時50分、絶景を網膜に焼きつけ、下山開始。
 また、来ますね!
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 愛する毛勝三山も、眺める角度で異なる表情を見せます。
 こんな絶景を見ながら下山できるなんて、サイコー!
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 と、ばかりも言ってられません。
 核心部の下りは、登り以上に集中力を持って、慎重に歩を進める必要があります。
 ここで滑落したら、黒部側までノンストップです。
 行きはよいよい、帰りはコワい…
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 そして核心部をなんとかクリアし、ホッとして赤谷山を振り返る。
 どっしりとした、なんともいい山ですね。
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 10時55分、再びブナクラ峠。
 早くも稜線にガスが湧き始めました。
 これからの山は、ホント朝が勝負です。
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 ゴリラ岩さんにあいさつしながら、ゴロゴロ帯を下っていきます。
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 峠の下部では、ひっきりなしにカラカラと岩が転がってきます。
 気温が上がるとどんどん増えてくるので、危険地帯はタイミングをみて急いで通過します。
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 ニリンソウの群生は、いつ見ても心が癒されます。
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 戸倉大滝も、順光になってその迫力ある流れがバッチリ確認できます。
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 相変わらず、いろんなトラップが仕掛けられているので、ルーファイは慎重に。
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 そんな中、登りでは蕾だったカタクリが花を開かせ、見事な群生を見せてくれました。
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 太陽の光を十分に浴びて、ブナクラ谷の遅い春を懸命に生きています。
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 限りなく透明に近いグリーン。
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 春から夏へ、季節は移り変わる。
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 みんな、けなげにその命を燃やしています。
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 沢の雪解け水はとても冷たく、のどを潤し、顔を洗ってリフレッシュ。
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 生きてるって、素晴らしい。
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 そして12時10分に堰堤に戻り、12時30分、ゲートへ。
 ああ、今日も無事に帰ってくることができました。
 山の神様、本当にありがとうございました。
 残雪期の赤谷山、ルーファイ、徒渉、ヤブ漕ぎ、雪壁登り下りと、一粒で4度おいしい、バリエーションに富んだお買い得な山歩きでした。
 さあ、家に帰ろう。
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 翌日午前中は、庭のグリーンカーテンづくり。
 いつもはゴーヤやキュウリが多かったけど、今年は次女のリクエストで朝顔に。
 確かに、ここ数年野菜ばかりだったので、ちょっと新鮮かも。
 どうか、綺麗な花を咲かせておくれ。
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 ランチは、近所の呉羽山公園へ。
 早くも、アジサイが咲いていました。
 もうすぐ、梅雨なのね。
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 手作りサンドイッチをいただきながら、ハイ、チーズ。
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 新緑の中での静かなランチタイム、小さくても確かな幸せのひとときです。
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 午後から、中学校の市民体育大会の応援へ。
 五福の陸上競技場は、小学校以来30年ぶりなのか、初めてなのか、記憶が定かでない。
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 長女にとっては初めての大会。
 リレーと1,500mに出場したけど、本職はどうやら中・長距離のほうらしい。
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 初めての大会は、ほろにがい結果になったけど、いい経験になったと思う。
 頑張るあなたの姿は、輝いていました。
 涙の数だけ、強くなれる
 本当に、お疲れさま。
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 そしてなんとも暑い休日の夕方は、明るいうちからビール。
 頑張ったあと(応援ですが...)のビールは、格別にウマい。
 こうして山に家族にパワーをもらって、平和な週末は過ぎていきました。
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 陸上の大会を初めて客席から間近に見て、ひとつ印象的な光景に出合った。
 ほとんどの選手が、競技のためにスタート位置に向かう前に、トラックに向かって深々と頭を下げていたのである。
 そして、競技が終わってトラックから出るときにも、振り返って一礼。
 どんな結果であっても、凛とした眼差しで、闘いの場への敬意を表するその姿勢は、見ていて本当に清々しく、爽やかで、気持ちのいいものだった。
 自分も小中高とサッカーをやっていたが、試合前や試合後にピッチに向かって礼をした記憶はない(だから弱かったのか...)。
 敬意をもって競技に臨む人間に対し、スポーツの神様は、そう意地悪なことはしないだろう。

 敬意をもつ。
 それはスポーツだけではなく、仕事においても、人間関係においても、生きてゆくあらゆる局面において、とても大切な姿勢だと思う。
 敬意を払うことを知らない人間が、まわりから敬意を受けることはない。
 敬意をもつということは、「すごいな」「さすがだな」「かなわないな」という、その対象や相手の美点や特長を見出して認める、非常に前向きな行為である。
 敬意をもつことを心がけることで、日々の生活を、より豊かに過ごせるような気がします。

 次回の山歩きから、登る前に登山口で一礼し、下山後も振り返って一礼して、自然への敬意を示そうと思う。
 今流行りの忖度ではないけれど、山の神様も、きっと悪い気はしないだろう。

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