March 13, 2005

メテオス インプレッション

メテオス意外、と言ってはナンだけど、思ったよりかなりゴージャスな作りだわ。携帯ハードらしからぬ派手なムービー。音楽の懲りようも凄まじい。
内容の方も期待に違わない仕上がりで面白い。面白いんだけど盛り込まれてる要素の多さやペンタッチ操作のシビアさや己のヘタレさもあって端的に「ぅ面白ぇーー!(ズドドドドーッ!)」っと勢い良く打ち上がらず、「お、面白い…(ゴゴゴゴゴ…)」っと静かに重く浮き上がってる感じ。
これが「駄目だぁー、俺には無理だ」と燃えカスになって失速を開始する前に、早く次のコツを掴んで第二次点火をしたいところ(でもムズい)。

ブロック(メテオ)を上下にずらし、縦横3つ以上同じものを揃えればそこから上が打ち上がって消える。ずらしはパネポンのように隣接する同士を入れ替えるだけではなく、同一ライン上であれば自由にクリック&ドラッグが可能。
ブロックは普通の落ちゲーのように操作して任意の場所に落とせる訳ではなく、こちらの都合おかまいなしに容赦なく、そりゃもう容赦なくガンガンと降って来る。狙ったように色補充出来ない、且つ上下にしかズラせない不自由さもあり、思うように揃えられないもどかしさ・難しさもある。が、ブロックをまとめて消すための手順は普通の落ちゲーより格段に簡潔なので、その辺りでバランスは取れている。

ゲームとしての楽しさのコアは、多くのアクションパズルと同じ、「一度に沢山消す」ということ。テトリスであればテト棒ぶっ込み、ぷよぷよであれば連鎖。本作では打ち上げという方法でこれを形にしているが、これの面白い点は「過程の省略」にあると思う。
テトリスもぷよぷよもその「一度に沢山消す」ための仕掛け作りの過程に面白味がありパズルたる所以もあるのだが、如何せん、カタルシスを得るまでの行程が長い。行程自体も慣れてしまえば作業化し、単なる反射神経テストと化して来る。気持ち良さの周期が間延びする。
もっと簡潔な操作でもっと早くもっと沢山消すことが出来たら、もっと気持ち良い。もっと気持ち良さを沢山味わえるハズ。打ち上げはそれを実現出来る逆転の発想だ。
揃えたブロックから上がロケットのように打ち上がる。揃える必要があるのはロケットの推進装置となる部分のみ。揃えてないブロックは消せないという常識も、まとめて全部気持ち良く打ち上がる。大量に打ち上げて消した時の本作ならではの気持ち良さには、花火やロケットなどを打ち上げるという行為自体が持つ高揚感に加え、ブロックを丁寧に並べ上げないといけないという過程をスッ飛ばした気持ち良さも含まれているのかも。

簡潔に沢山消せるということは、見た目は爽快でもパズルとしてはパズル性の希薄化に繋がる。しかしそこも上手く考えてあって、打ち上げようとするブロックの塊が多過ぎる(重過ぎる)と一気には打ち上がらず、途中で失速して落ちて来る。そうなる前に打ち上がった塊内で二次点火を図るか、落ちて来たところを再度着火してステップジャンプとか、打ち上がってるうちに更に別の塊を打ち上げて合体とか、色々なテクがあって奥深い。
消える状況がオンになってから(打ち上がってから)追加で追い討ち出来るのは、パネポンのアクティブ連鎖に近い醍醐味がある。消える状況がオンになるの自体も早いので、ゲーム全体が常にアクティブな状態。テトリスやぷよぷよのように仕掛けを準備するターン・溜めの時間が無い。いきなりクライマックス。常にフィーバーモード。常時大量消しの気持ち良さが味わえる反面、かなり忙しいゲームでもある。

非常にレベルの高いシステムを持つ本作だが、そのレベルの高さを全身で満喫するために越えなくてはならないハードルもまた高い。
まず根本的なところだが、ペンタッチ操作が割とシビア。ブロック自体が小さいのとタッチ面がツルツルと滑るので、狙ったブロックを直感的に動かすことが難しい。ブロックが少なく落ち着いて操作出来るうちは良いのだが、ガンガン降って来て積み上がり出すともうヤバい。一つの誤操作が即、死に繋がる。
一人プレイのバランスも厳しい。“むずかしさ”と“CPレベル”を最低にしても、3分も経てば雨アラレ。全力で殺しに掛かって来る。ゲーセンじゃないんだからそんなにムキにならんでも…
と思いつつ慣れれば何とかイケるかもという予感もある。実際、微量ではあるが少しずつプレイ時間が延びるようになって来た。ペン操作にもう少し慣れれば…あと何か新しいコツを掴んだら、一気に次のステップに進めそうな気がする。
ストIIダッシュターボだって最初は「何この速さ、こんなの出来るかよ」って思ったけど、そのうちそれが普通になった。その後で元の無印とかダッシュを見たらまるでスローモーションのように見えた。人間の“慣れ”って奴ぁ、予想以上に凄いのさ。

そんな風にポジティブに捉えられるのも、本作がやる気になれる完成度とやる気にさせる要素を備えてるからだ。
プレイのモチベーションを上げる数々のモード、細かく記録されるプレイカウント、センスの良いグラフィック、音楽、そして何と言ってもエフェクトの気持ち良さ。今までのパズルゲームに足りなかったのはまさにこれ。
残念なのは一部判別し辛いブロックがあること。これはルミネスの時にも感じた不満点。凝るのは良いけど遊び辛くなるのはマイナス(ステージによって特性が違うのは面白い)。


ゲームにも「手触り」という表現がある。それは単純にコントローラ等の直接手に触れる部分から感じられるものに留まらず、ゲーム上の様々な要素が複合して「手触り」という感覚となりプレイヤーへと伝わる。ソフトウェアという形の無いものにも関わらず、確かに手触りとして感じられる。
感触の薄いペンタッチというインターフェイスを持つDSでも、十二分に手触りを感じられるゲームが作れる。そのことが分かったのは収穫だった。これからのDSのゲームに期待が持てそう。
俺のDSに対するネガティブシンキングよ、飛べ!飛んでいってしまえ!

DSはメテオスによって第二次点火を完了した。のろのろと、しかし着実に上りつつあった塊は、今勢いを上げて打ち上がった。
打ち上げた塊は思いのほか、巨大なものだったかも知れない。星と星の戦いを決するほどの。

メテオス公式サイト

蛇足:公式サイトはまめにチェックした方が良さげ。特にテクニックのコーナー。マニュアルに書いてないテクがある。
(「シュート」ぐらいマニュアルに載っけといた方が良いのでは)

この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
発売前から圧倒的な人気を獲得していたnintendoDS用ゲーム メテオス! メテオスはどんなゲームか簡単に説明するとするなら、  入れ替え系パズルゲーム に該当すると思います。(自分で命名しました) 一般にパズルゲームというと、テトリスやぷよぷよやドク
メテオス攻略-1stインプレッション-【[Z]ZAPAブロ〜グ】at March 14, 2005 01:05
この記事へのコメント
DSも持ってないし。
当然メテオスも雑誌で見たくらいの知識しかないんですが。
面白そうですね。

発売記念Tシャツがカラフルで好みのデザインなので。
まずはそっちを買おうかと計画中であります。
ttp://www.the-king-of-games.com/spot_item/meteos.html
Posted by rockanddance at March 13, 2005 09:09
>rockanddanceさん
DS込みで買って良いぐらいのソフトです。てかこれ専用機と化しそうな勢い。難しいですが。
難しいけどその難しさが悔しくて逆にバネになってやり続けたくなるタイプですね。

Tシャツ結構良い感じですね。公式でもお便り出すとTシャツプレゼントとかやってます。欲しい。
Posted by しば at March 13, 2005 18:38