2016年07月

2016年07月31日

ポケモンGo、村上春樹は蚊に刺されやすい生命体?

「風の歌を聴け」から

―完璧な文章などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。―
村上春樹の比喩は独特だ。例えが難しい。というか、
よく理解できないまま納得させてしまうようなテクニックが、
この人の文には多分に潜んでいる。
彼が小説家で良かった。でなけりゃ詐欺師だ。








やたら蚊に刺される

キャンプに行くと真っ先に蚊にやられます。
いつも一番です。ポリポリやって気が散ってしょうがない。
蚊に刺されやすい人って体温が高い、呼気の二酸化炭素が多い、
乳酸の分泌量が多い等、諸説あるようですが、
特に最近言われているのが、O型の血液特殊糖存在説。
これが蚊を引き寄せるらしい。
私はO型ですが、特殊糖っていうのがどうも引っかかるなぁ。








若さとは

工学博士の竹内建さんがBLOGOSに書いていましたが、
若さとは将来に期待すること、自分がまだ成長できる、
何かをなす事ができると信じられること。だそうです。
これには考えさせられました。というのも、
やる気はそこそこあるのですが、自分のやることを
信じられるかと自問自答しましたが、いまひとつ確信がない。
というか最近では心配事ばかりが増えているようで、
そういう自分に懐疑的。年喰ったなぁ。
このあたり、「胆力」が左右するのでしょうかね?








ポケモンGo

最近、みんな表に出てやたらウロウロしていますね。
世の中こんなに人がいっぱいいたんだと改めて驚きました。
しかし、ポケモンGoで遊んでいる姿ってちょっと異様。
先日行った、あんなに眺めの良い丘でさえ、みんなうつむいている。
ほらっそこの君、雄大な景色、キラキラしているおひさま、流れる雲…
なんで見ない、興味ないかね? 野暮な年寄りの感想か?








生命体がいそうな惑星が4つも

地球から40光年という距離感がそもそも分からないのだが、
どうもいきものがいそうな星が、チリの天文台で発見されたらしい。
これって凄いこと。我々と同じような奴?がいるのかね?
いや、アンモナイトのレベルか、はたまた恐竜レベルなのか?
となると、あのUFOってどこから飛来してくるのかを考えてしまう。
案外、至近の月の裏側とかに隠れているのかも知れない。
いずれ、ロマンか驚異か、どう処理して良いのかが分からない話。






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sigeru10161 at 00:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)日記 | メディア

2016年07月26日

ビリー・ジョエル…誠実ということ


ボクは暇さえあればオネスティを聴いている。

この曲はビリー・ジョエルが1978年にヒットさせたものだが、

なんと言っても詩が良いですね?

オネスティは直訳すると誠実さとでも訳すのでしょう。

古い言葉です。


誠実であることはかなり難しい。

誠実であろうとしても、結果的に相手に誤解されることもあれば、

反感、非難を浴びることもある。


だから人は、ちょこちょこと、

そしてアレコレと誤魔化すのですが、

この歌は違う。


直球で相手に誠実さを求める。


まあ、そう言うからには

当の本人も愚直で真面目である訳だし、

そこにはかなり窮屈な人間関係が求められる。


この歌詞に、作者であるビリー・ジョエルは、

一体何を込めたのだろう。


彼は現在も現役で、以前は日本公演もやっているが、

「桜」とか「上を向いて歩こう」とか日本の歌も披露してくれる。

真面目であるしサービスにも富んでいる。


彼は大都会ニューヨークでヘラヘラになりながらも、

ヒットを連発していたのだろうし、

前述の講演のことでも分かるように、

彼は相手のことを一番に思うから、

期待に応えているうちに苦しくなる。


そして繊細な彼の神経が徐々に崩壊していった。


別のヒット曲「プレッシャー」を聴いていると、

彼の哲学的な歌詞とその思考の行方に、

かなり窮屈ではあるが、

人生に対する真摯な姿勢とでも言おうか、

ある種の狂気を感じてしまう。


過去、彼は神経衰弱で精神病院に入院したり、

アルコール依存症、鬱を患ったりしている。


しかし、彼は立ち直る。

繊細、だけど復活する力も持ち合わせていた。


最近流行りの言葉でいうところの「レジリエンス」、

復元力が強いのだろう。


彼はいま、ニューヨークから離れ、

海辺の田舎町に住んでいるらしい。


そこで誠実に暮らしている、のだろうか。


ああ、

誠実に生きるって難しいんだなぁと、

つくづく思う訳です。




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sigeru10161 at 22:03|PermalinkComments(0)エッセイ | 人生

2016年07月17日

君をのせて


隙間だらけのイカダに揺られ


ビールなんか飲みながら川下りをしていると


天空にせり出した奇岩が


こっちを脅すように見下ろして



そして雨も降り始め


川の流れが荒れてくる



この旅で幾度も幾度も


激流に飲み込まれ


沈んでときに溺れるし


木の葉のように行き先も知れず


ただ イカダだけがバラバラにならないだけ救われたのか



でも川岸がみえるとそこに上陸して


うまい魚と酒を飲んで


美しい景色とおいしい空気があれば


それだけでこの旅はなんとかなりそうだと‥




こうしてボクの旅の途中に


或るとき孤独がひたひたと訪れると


やはりボクはさみしがり屋だから


君がいてくれるとボクはとてもありがたいと


いつか想うようになって


そうしたらもう一度


このイカダを壊して


新しくつくり直すよ


もっと大きく もっとしっかりと つくるよ


ベッドも備え付けよう


今度は屋根のテントも張ってみるから


強い日射しも雨も凌げるだろう


だからボクは君にのって欲しい



このイカダでボクとの旅をしないか?


いつだって助けるし


辛いときには笑わせるから




ボクはひるまない


きっとボクは君に最もふさわしい男だ


だからあの碧い海がみえるまで


いやそうではなく


いつでも


いつまでも


精一杯 君を守るから







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sigeru10161 at 08:04|PermalinkComments(0) | 人生

2016年07月07日

なつやすみ


暗くなると

鈴の音がきこえるという

鎮守のもりも


みんなでいくぞ

蝉とるぞ



首も うでも かたも

蚊と汗でかゆいけど


カゴにあぶら蝉

にぃにぃ蝉いっぱい



こわいから早くかえろうよ

そうだかえろ



おなかがすいて

帰りのあぜ道を

よろよろ歩いていると


だれかついてくるよ

だれかがみているんだよ


ぼくがぷいっとふりかえったら


にゅうどうぐも



おおきなしろい

入道雲ついてくる







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sigeru10161 at 20:43|PermalinkComments(0) | 人生

2016年07月04日

村上作品にみるオリジナルとは何か?

さきごろ読み終えたスティーヴン・キングの「シャイニング」は、

タイトルを直訳すれば光るとか輝くとかそんな意だが、

人の心のなかにそんなものがあったとしたら…


それが霊力とかスピリチュアルとか呼ばれるものなのかどうかは不明だが、

まず彼はそうしたものをよく書く作家ではある。


「シャイニング」は上・下巻の結構ぶ厚い長編で、

内容はいわば幽霊屋敷もの、と呼ばれているものだ。


そうしたジャンルの話だけあって、

上巻はその怖さを演出するための舞台装置が完璧に準備され、

続く後半は、ジェットコースターのような圧倒的な恐怖の連続となる。


なので取り掛かるには、それなりの覚悟が必要となる。



となると、寝る前に読むには不向きだろうと思われるが、

この小説には、何か恐怖や不安とは別に、

人が抱えるやるせなさとか悲しさみたいなものが漂っていて、

そこがスティーヴン・キングの作品と、

他のホラー小説は決定的に違っている。


という訳で、或る読者にとっては、

寝る前のひとときの適書と言えなくもない。


前述の通り、彼はこのストーリーに或る偉大な存在とでも言おうか、

Great・somethingを盛り込んでいる。


そして彼は、ホラーだけでなく

「スタンド・バイ・ミー」や「グリーン・マイル」と言った

人間味溢れる作品も巧みに描くのである。



とりわけ「グリーン・マイル」は、

ある意味とてもヒューマンな話である。

それは作者の考える、

世の中の理不尽さを表すような設定でもあるし、

悲しみややるせなさが、ことごとく滲み出ている。


そして、人の恐怖や不安だけでなく、

やはり彼はこのストーリーのなかに、

人知を超えたGreat・somethingを描く。



それが「神」なのかどうかは彼自身は語らない。

いや語る必要もないのであろう。

そうしたものを絶望に瀕したものなら誰もが、

やはり一度は信じる。

それが彼のスタンスのように思えてならないからだ。


だからというべきか、

必然的に彼はストーリーの面白さだけでなく、

人を魅力的に描くのが上手い。


それが良い人間であろうと無かろうと…




1980年代、かの村上春樹はすでに彼の虜になっていて、

世間の評価がまだ低かった彼の作品を、多いに評価していた。


その裏付けは、後の村上作品の随所に見られ、

例えば「ダンス・ダンス・ダンス」のいるかホテルの設定なども、

ある意味スティーヴン・キングを模して描いた節がある。

また、村上作品に頻繁に登場する羊男も、

「シャイニング」に登場する犬男のパロディー、

いや、オマージュとして名を冠し、

登場させたのではないかとも思える。


そして「海辺のカフカ」に登場する人物に至っては、

その誰もが魅力的なパーソナリティーをもち、

かつ超能力というべきか、

異次元の力のようなものをもつ人物が登場するのだが、

これは、スティーヴン・キングがよく描く人物像と被る、

と言えなくもない。


こうした点検を重ねる毎に、

村上春樹の世界を形づくる

或る一片の原型の出所が見え隠れする。




最近出された村上春樹の「雑文集」を読むと、

彼のスティーヴン・キングへの強い傾倒がみてとれる。


村上春樹は、それを一切隠そうとはしない。


それどころか、

すでに30年以上前に書いたスティーヴン・キングへの想いを、

今回、再編集して掲載している。


これが村上春樹の懐の広さというか、

そうした素材を更に進化させ、

自分なりの作品へと昇華してしまうところが、

彼のベストセラー作家としての自信なのだろう。


更に、私の手元に30数年前の「ユリイカ」があって、

それは「村上春樹の世界」と題された臨時増刊号である。


そのなかに、「村上春樹とスティーブン・キング」という、

風間賢二(幻想文学)さんが書いた一節が妙に頭に残る。



「前文省略…

60年代の子供たちの同時代感覚ー(絶望)を創作の糧とする

村上春樹とスティーブン・キング。

しかし、彼らの作品を読んで悲観的になったり

不快になったりすることはない。

キングの場合、むしろ勇気づけられることがある。

それは絶望的な状況をサバイバルしようとする人たちを描きながら、

ヒューマニティーを逆説的に語っているからである。

また村上春樹の場合は、読後にやさしい気分になれる。

シニカルな観察者であってもその語り口は

カインドネスに満ちているからである。

おそらくこれが、双方共にベストセラー作家たる由縁だろう」


同時代を生きる、あるいは同世代のいずれかが共鳴するとき、

そこに生まれるのは同質の世界観であり、

その根底に模倣があっても何の不思議もない。

それを意識するにせよ、意識しないにせよだ。



よって、自分だけの世界観を創り上げようとするとき、

それはどこかで影響を受けた誰かを避けて通ることは、

決してできない。


それが歴史上初のオリジナルであるハズもなく、

単に自分というフィルターを通した焼き直しには違いないのだが、

しかし、人はそれでも新たな道を拓くことに余念がないのは、

人が進化しながらとはいえ、継承するいきものだからではあるまいか。



こうしてスティーヴン・キングもまた、

その原点に誰かのオマージュがあったに違いないし、

それは本人が意識しようとしまいと、

彼の世界観、作品に必ず反映されているハズである。



オリジナルの姿とは、

結局のところ、ある意味での模倣を免れることはできないし、

また、これが現代のオリジナルと呼ばれるものの宿命、

とも言えるのではないかと思われる。





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sigeru10161 at 15:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)評論 | 論文
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