sigoto_design_labのブログ

ワッツコンサルティング株式会社代表高橋寛美による、いい仕事をしたい人へのメッセージ。経営コンサルティング、マーケティングのフィールドで培ってきた方法論や仕事の進め方に関わる指針、脳力開発の指針などについてとりあげて行きたいと思います。 Copyright © 2011 Wat's Consulting Inc. All rights reserved.

V字回復を牽引したカリスマ経営者の変節に思う


ゴーン会長逮捕の報道は、世界に衝撃を走らせました。

 

日産自動車のカルロス・ゴーン会長が11月19日、金融商品取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。同容疑のほか、5年間で50億円と見られる報酬隠しと、会社経費の20億円超の私的な流用をした疑いもあります。その報道以来、逮捕に至る経緯、会長解任、アライアンス3社の今後など、毎日様々な報道が続いています。かつて自分も籍をおいた会社であることから、複雑な思いで推移を見守っています。

 

ゴーン氏は1999年にルノーから日産にやって来て、企業再生のための改革を牽引し日産をV 字回復に導きました。当時、私は通信事業会社に出向していましたが、ゴーン改革を機に日産を離れ独立しました。その後縁あって、ある私立大学の非常勤講師を頼まれ、「企業再生」の授業を担当。奇しくもそのなかでゴーン改革もとりあげることになりました。

 

そのような経緯から、あの当時受講した学生達が、今回の一連の報道をどのように捉えているのだろうかと思わずにはいられません。学生たちは、今や立派な社会人になっていますが、あの頃、日産のケースを取り上げて、朝から夕方まで議論を戦わせ、たくさんのことを学びました。そこには、素晴らしいリーダーシップを発揮したゴーン氏がいたはずです。学生たちが今のゴーン氏をどのように結びつけているのだろうかと考えてしまいます。そう考えるのは、私の気持ちの中に、学生たちが自ら学んだことを反故にしないで欲しいと思う気持ちが働いているからだと思います。また、今回の事件を見守り、自らどのように仕事をして行けば良いのか、どう生きて行けば良いのか考える糧にしてもらいたいと思う次第です。

 

当時、学生たちはゴーン氏が日産に導入した経営手法を学びました。そこにはこれから実現したいビジョンをかかげ、短期的には毎年度の成果目標によって、自己管理する経営や組織がありました。ビジョンや事業計画の策定に当たっては多くの若い幹部を参画させました。クロスファンクショナルチームは学生たちにも新鮮に映ったようでした。成果目標の達成にあたって自ら約束することを示すコミットメントという言葉が一世を風靡しました。そこには、経営参加型で、組織の責任者はそれぞれの成果達成責任を負うリーダーシップ経営がありました。その先頭に立ってリーダーシップを発揮し、日産を再生に導いたのがゴーン氏でした。

 

その賞賛の頂点にあったゴーン氏は、今や容疑者として獄舎につながれています。何という人生かと思います。世間の評価も一転しました。余りにも極端な変わり様です。

 

しかし、変わり果てたとは言え、当時の企業再生の立て役者であったことは事実です。そして当時のビジョンづくりに参画し、あるいは再生計画を信じて、日産の復活のために必死で働いた大勢の人たちがいたことも事実です。そして、今の堕ちた姿も事実です。その間に、氏が変わったのだと思います。

 

取りざたされているような罪を犯すことができるのは、権力の座になければできなかったことでしょう。ゴーン氏がリーダーシップのモデルのような経営者から絶対権力者に変わってしまったのです。その権力によって自らを滅ぼしたとも言えるのではないでしょうか。

 

人は権力に弱いものだと思います。環境によって変わってしまうところがあります。だから、ガバナンス(企業統治)が甘かったことが問題にされることもあります。決まりを強化して、外部から経営者の権力を縛ることも必要かも知れませんが、根本的な問題として、経営者が自らを律する生き方や哲学が問われているように思います。

 

もう一つ思うのですが、当時、再生事業計画のなかでは、経営が揺らぐほどの値下げ要請を受けたサプライヤーや、リストラの対象になった企業も多くあったはずです。共に繁栄する未来のために、この難局を乗り切る我慢をしてくれという協力依頼もあったはずです。それだけに、ゴーン氏が突出した報酬をもらってもなお、陰で私腹を肥やすような振る舞いがあったとすれば本当に残念でなりません。再生のための協力者の気持ちを踏みにじる結果になったといわれても仕方ありません。

 

「他人の不幸の上に、自分の幸福を築いてはならない」との名言の深みをしみじみ感じる次第です。

 

2018年11月 臆病さをしりぞける勇気

今月の一言



『青春の詩』サムエル・ウルマン(アメリカの詩人)



代表・高橋の一言


10日ほど前、わたしが20代のとき、一緒に仕事をした仲間が集まりました。3時間ほどのパーティでしたが、懐かしい仲間と本当に楽しい時間を過ごすことができました。

最後に、幹事の計らいで当時の写真を映してもらいました。紙焼きの写真をスキャンしたものです。一瞬にして当時のことが蘇りました。そこの写っている自分たちの映像と今を見比べると違いは余りにも明らかです。
そこには、荒削りで、何をしでかしてもおかしくない自信に満ちた、そして失敗しても懲りなかった、昔の自分たちがありました。皆が元気をもらって散会となりました。

そのようなことで、今月の一言には、サムエル・ウルマン(1840〜1924)の「青春の詩」の一節を引用しました。この詩は、戦後日本の産業人達からたいへんに愛されて有名になりました。

わたし自身も、いくつになっても青年の心を忘れない。そして、志高く、頑張っている青年たちを応援して行きたい・・・と思います。


成長目覚ましいチームは

お客様の会社の中に、いくつかの成長目覚ましいチームがあります。その一つのチームのお話です。

 

ずっと長いお付き合いを通して、その変遷を見て来ましたがこのチームは「本当に強くなった」、「メンバーの間の信頼は本当に強固になったなあ」と感動すら覚えます。チームのパーフォーマンスは素晴らしく上がっています。今のチームから、言い訳ともつかないような話はほとんど聞かなくなりました。決めたことや約束した仕事の納期は必ず守ります。「何のため」がわかれば、迅速に行動に移しています。メンバー間の協力も行き届いています。例えば、事情があって担当のお客様の対応ができないときには、代わってくれるメンバーが、そのお客様の「課題」まで理解して対応してくれるほどです。

 

こうして、いくつかの仕事ぶりを上げただけでも、リーダーもスタッフも、ともに成長している姿が明らかになります。

 

その陰にはリーダーの強い決意があったに違いありません。「誰かがやるだろう」と思ったら責任者の仕事はできません。もちろん、やると決意してからだって、何度も困難に直面したはずです。その度に辛い思い、悔しい思いを乗り越えて今の姿があるのだと思います。

 

チームのメンバーにとって、リーダーは自分たちが気持ちよく仕事ができるように守ってくれる存在として映っています。「いつも泥をかぶってくれるので、申し訳ない」と感謝しながら、「自分の仕事で成果を上げて恩返しがしたい」と思っていることが伝わって来ます。

 

リーダーからは、それぞれに任せて頼るべきは頼り、力をあわせて目標を達成したいとの思いが伝わってきます。一人で何でも決めて、全てを自分でやってしまおうとするタイプではありません。もともと「チームが何故あるのか」と言えば、一人ではなし得ないことをやるためにあります。一人で全て出来ればチームは不要です。このチームのリーダーの強さは、メンバーの協力を引き出す力にあると思います。

 

このチームについて、もう一つ気がついたことがあります。仲間でよくしゃべることです。「言い訳のような説明がなくなった」というと、無駄口をたたかない、業務の事柄だけを話しているチームのように思うかも知れませんが違います。普段、よく声を掛合い、よく話し合っているようです。

 

「あの時のお客様はどう対応したの?」

「そうなんだね。だからあんなに疑問をもっていたのに、わかってもらえたんだ」

「すごく満足した表情で帰ったね」

「でも、そんな譬えを思いつくなんて凄いね。」

「実は、いま、このお客様のことでどうしたものかと・・・・」「いつも理詰めで来るので、それだけではなく、もっと雰囲気を楽しんでいただければいいなと思っているのだけれど・・・」

「それなら、一つのアイデアとして、こう提案してみたらどうかしら」

「そうだね。興味を持ってもらえそう。なんか行けるような気がする」

「いつも通りやれば大丈夫だよ」

と、こんな感じでしょうか?

 

スポーツでも好調なチームほどよく声を掛け合うと言われています。こういうと今年の2月の平昌五輪、女子カーリングの日本代表チーム、「LS北見」を思い出します。接戦の末に決勝進出は逃しましたが、3位決定戦を見事に勝利して銅メダルを獲得しました。緊迫した試合中も、休憩のおやつをとる時も、本当によく声を掛け合っていました。チームを追いかけた映像をYou Tubeで探してみると、ありました。あの親しみのわく訛りの「そだねー」が耳に入って来ます。「そだねー」と仲間の言葉を肯定した上で、言うべきことをしっかり言う。そういう言葉のやり取りを改めて確認することができます。そうやって作戦行動の準備をし、あるいは、ピンチのときには励ましのメッセージを交換し、心を奮い立たせているのかと感じます。

 

言葉にはチームを結束させ、一人ひとりの力を引き出す力があります。


すべてのチームとメンバーに。明日も幸せに戦えることを祈っています。
 

 

2018年10月 「経験的な言葉」で行動力を高める

今月の一言



『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』(菅原洋平 著 文響社)



代表・高橋の一言

 今月の一言は、仕事で成果を上げる行動習慣をつくるという視点で探した書籍から引用させていただきました。クライアントの研修でいつも感じることは、「進めなければならないのに進まない」、「やらなければいけないとわかっているのに、手がつかない」という悩みを抱えた人が多いことです。何とか自分の気づきで解決できるようになって欲しいと思います。

 この本の著者は作業療法士の先生です。脳が損傷して体が動かなくなった方の治療の現場で「経験的な言葉」が役立つことを紹介しています。この「経験的な言葉」の発見は、リハビリテーションの常識を変えるほどのものであったとも。

 例えば、手の不自由な患者さんに「右手を挙げてみてください」と言い、「どんな感じだったか」を詳しく尋ねます。そうすると患者さんはまず、「力が入らない」、「動かない」といいます。更にその体がどのような様子なのかに焦点を当てて会話をして行くと、「鎧を着ているみたい」などと、主観的な言葉でも、客観的な言葉でもない、「経験的な言葉」に変わって行きます。そこで「鎧を着たまま動くようにできますか?」と投げかけてみると、さっきまで動かなかった腕が動きそうな様相を見せ始めるのだと言うのです。

 現実に起きていることを「経験的な言葉」で表現すると、脳内の仮想現実に合った動作が準備されるということですが、この理論を、私たちの仕事の悩みの解決に応用するとどうなるか・・・、ここしばらくの課題にしたいと思います。
 

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