今月の一言



『LISTEN  −知性豊かで創造力がある人になれる− 』 ケイト・マーフィ著 篠田真貴子 監訳 日経 BP 



代表・高橋の一言

北京冬季オリンピック最終日となる2月20日、カーリングの女子決勝で日本代表のロコ・ソラーレが日本カーリング界初の銀メダルを獲得しました。カーリングは、高度な戦略とテクニックが必要なことから「氷上のチェス」と言われるそうですが、チェスと違うのはチームワークであることから高度なコミュニケーションが必要となります。平昌大会に次いで出場した今回も、訛りに特徴がある屈託のない会話が持ち味の、このチームのコミュニケーションの力が話題になりました。

試合を観ていると、ストーンの配置状況、氷の状況などを把握し、相手チームの戦略を読み、その攻略法を描き、考えられる戦術の代替案をあげ切り、瞬時に最適案を選択しています。決めたあとはその作戦に集中し、成功するようにチーム全員が集中し協力をします。たった一エンドの一投のプロセスのだけでも、チームメンバーがどれだけの情報を交換しているかわかりました。もちろん、意思決定や技術に関わる問題だけでなく、投げ手が緊張する場面ではリラックスするように声をかけ、いい仕事をしてくれた仲間には感謝の言葉をかけています。そこにはチームワークの素晴らしいお手本がありました。

今月の一言は、『LISTEN』の著者ケイト・マーフィーが紹介しているお話です。2012年Googleは、「何がすばらしいチームをつくるのか」を探るための調査に着手。3年にわたり社内180チームのデータ収集を続けたのちに、このプロジェクトの研究者らはようやく、団結力があり、効果的に物事を進めるチームに、共通して備わる要素を見つけました。

私たちがプロジェクトチームを成功に導きたいと思った時、ロコ・ソラーレの爽やかなコミュニケーションとともに、チームの優れた意思決定プロセスを思い出したいものです。


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いつも、「今月の一言」は前月中に準備して、翌月月初にワッツコンサルティングのHPにアップしています。この2月の北京五輪の最中に、ロシアによるウクライナの軍事侵攻が準備されていたのかと思うと本当に残念であり、怒りを覚えます。

「ロシアが戦闘を止めれば戦争は終わる。ウクライナが戦うのをやめれば、ウクライナはなくなる。目の前にある単純な現実だ。」(デンマーク国連大使 2月28日国連緊急特別会合)

力による現状変更も、市民への武力攻撃も、核による威嚇も、どんな言い分があっても許されることではありません。一刻も早い停戦が実現することを祈るばかりです。