(※シノハユ第六巻第27話「修学旅行」を読みながらこのSSを読むことをおすすめします)
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修学旅行。

久々に羽を伸ばせる。

本当にいろいろあった。

曖奈さんのこと。

杏果のこと。

祖母のこと。

母の決勝のこと。

タイムリープマシンのこと。

とりあえず終わった。

いろいろ終わった。

「まあ、たまには何もしないってのもいいよね」

広島。

厳島神社。

もうここに来たのも何回目だろうか。

数え切れないほど来た。

そして数え切れないほど

「満潮の時だけここまで近づけるってのがおもしれーな」

「満潮ってことは泳ぐのか?」

「ぉあ! 逆だ!」

「素で聞き流してたわ」

何回も聞いたこのセリフ。

毎回スルーしてたし、杏果もたぶん気づいてないかもだけど。

流石に今回ばかりはツッコませてもらった。

全く、閑無はどんな世界になっても変わらないな。

まあそれが安心できるところでもあるんだけどさ。

それにしても

「ことあるごとに集合して写真を撮るのが面倒くさい…」

写真撮るのいらないでしょ。

同じとこで同じ写真何回撮ったと思ってるんだ!

って、他の人には知る由もないわけだけど。

杏果は思わないんだろうか。

「何年あとには撮っといてよかった…って思うかも」

「無敵の日々の記録写真になるわけだ!」

その何年か後を守るために私がタイムリープしてるわけだ。

どうせいっつも写真撮ってるし、修学旅行の時くらい自由にしてくれよ。

とか思わなくもないけど。


カポーーン

「工場見学よりバスの移動が一番つらいかも」

私はどっちもつらいよ。

工場見学とかつまんないし、何回も同じとこ見たし。

「うっそ。バス楽しいだろ」

「閑無はそうだろうな」

カラオケやったり、トランプしたり、UNOやったり。

この時代の曲知らないし、別に好きじゃないし。

何回も聴いてるから覚えるだろーって思うけど、原曲知らないし。

トランプとかUNOは酔いやすくなるしさ。

そう思うと、このお風呂の時間。

快適すぎる。

はぁ~、極楽、ごくら……

ピチャン

「ひゃあっ!?」

「えっ」

「なんなの突然…」

「天井から! 水滴がっ!!」

「あぁ…」

「びっくりしたー」

びっくりしすぎて。母に抱きついてしまった。

なんだかんだで、今まで母に触れることができなかった。

怖かった。

母とはいっても、母から見れば他人。

嫌われてしまったら、と思って触れなかった。

だけど、いざこう触れてみると、暖かい。

お風呂で温まってるからかもしれないけど、人肌が恋しかったのかもしれない。

母がここにいる。

改めてそう感じることができた。

今回ばかりは、水滴ハプニングに感謝しないとな。


「遊園地キター!」

「閑無テンション高いな」

バスを降りると杏果が寄ってきた。

「慕と玲奈に相談があんだけど」

「何?」

「声が大きいよ」

「ごめん、それで何?」

「私たち4人グループで自由行動じゃん」

「そうだけど、何?」

「私と閑無のペアで行動するから、そっち二人で動いてくんない?」

「おっけー」

「ありがと」

こっちとしては願ったり叶ったりだ。

「じゃあ、私たち先行くねー」

「おう!ちょっとしたら合流なー」

何に乗ろうか。

ジェットコースター?

メリーゴーランド?

観覧車?

私の為を思って、ではないと思うけど二人っきりにしてくれた杏果に感謝しながら。

生まれて初めて、母と二人で遊園地を楽しんだ。












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あとがき
 久々の更新、そして時間も違くて、誠に申し訳ないながらも新作です。
 完全に書くの忘れてたんですけど、流石に二週連続休載はやばいなと思いまして。
 謎の使命感に駆られたわけであります。
 まあ、そんな感じで。
 明日はヤンガン発売&咲劇場版上映開始です!
 僕は土曜日の日本橋の舞台挨拶に行きたいと思います!
 ではまた次回