5月24日のこのブログでは、世界最大のインスタント麺メーカーであるインドネシアのインドフード社(Indofood、ティッカーはINDF)がカザフスタンに進出を計画しているという記事をご紹介しましたが、5月29日のジャカルタ・グローブ紙は、「インドフードは世界戦略を進める」と題して、そのアントニ・サリム社長の勇ましい言葉を引用しています。
いわく、
「今こそ競争に備えよ。体制を強化し、新たな市場を切り開け。」
「インドネシアは確かに成長している。しかし、我々は、国内市場に力を注ぐだけでなく、海外にも眼を向けなければならない。さもなくば、我々はタイやマレーシアのライバルに打ち負かされてしまうであろう。」
まさに、進軍ラッパともいうべき号令です。
この号令のもと、インドフードは、中国のミンジョン・フード(China Minzhong Food Corporation)に出資したほか、子会社を通じて日本の月島食品工業と油脂製品製造に関するジョイントベンチャーに乗り出し、同じく日本のアサヒ・グループ・ホールディングとは飲料工場建設に関するジョイントベンチャーを開始しているそうです。
同社は、また、ブラジルの砂糖事業にも手を出していますが、これはブラジルで砂糖を生産してインドネシア等に供給するというだけでなく、砂糖の副産物としてのバイオ燃料の生産までも視野に入れているとのことです。
http://www.thejakartaglobe.com/business/indofood-looks-toward-global-strategies-2/
以上のような野心的な経営戦略に関する記事を読んだ後で、インドフードの財務データに眼を向けますと、2011年との比較で、2012年の数字は、売り上げが45兆ルピアから50兆ルピアへと11%増、純利益が3.07兆ルピアから3.26兆ルピアへと6%増と、パッとしない数字です。
かつて3月19日にこのブログでインドフードを取り上げた際、私は乳製品(粉ミルクや特にアイスクリーム)を製品に取り込んでいるこの会社の将来性に大きなものを感じると書きましたが、それだからこそ、余計にこの数字には物足りないものを感じます。
同社のサリム社長も物足りないと思っているのではないでしょうか。ジャカルタ・グローブの伝える勇ましい社長の号令は、真剣な危機感の現われと見ることができると思います。
企業が成長できない国の経営者も大変ですが、企業が成長して当たり前の国の経営者も別の意味で結構大変ですね。