田村哲太郎のインドネシア経済・株ブログ

データの記載には人並みの注意を払っているつもりですが、一人で書いておりますし、人間のすることですから、間違いが全くないというわけはないと思います。間違いにお気づきになられた方は、 tamuratetsutaro@gmail.com にご一報いただければ幸甚に存じます。 なお、投資は自己責任でお願いします。当方では、当ブログの記載に基づくいかなる責任も負うことができません。

2014年02月

224日のジャカルタ・グローブ紙によると、インドネシア最大のセメント・メーカーであるセメン・インドネシアの2013年決算は、売上が対前年比25%増加の24.5兆ルピア(約2100億円)、純益が同11増加の5.4兆ルピア(約460億円)となったとのことです。

 

インド・プレミア証券のアナリストは、同社の2014年の利益は、対前年比11%増加して6兆ルピア(約510億円)に達するだろうと予想しています。

 

同アナリストによりますと、「セメン・インドネシアのセメント販売量は、2014年には6%程度しか増えないかもしれないが、販売価格を5%ないし6%引き上げることにより、利益率を向上させることが見込まれる」ようです。

 

同社のセメント生産能力は、2014年には年産3180万トンと見込まれますが、2017年には年産4000万トンにまで拡大する計画です。インドネシアにおける同社のシェアは、2012年は41%でしたが、2013年には44%にまで拡大しています。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/profit-growth-for-semen-indonesia-seen-in-2014-on-sales/

 

今年になって、かなり上昇してきたインドネシアの通貨ルピアですが、219日のジャカルタ・グローブ紙は、ルピアが今後更に上昇を続けるには、経常収支の壁が結構分厚いのではないかという専門家諸氏の見解を報じています。

 

三菱東京UFJシンガポールの東南アジア担当研究者は、「インドネシアの経常収支改善は、今後については、疑問が残っている。おまけに、今年は選挙という不確定要素もある。」と述べたとのことです。

 

ノムラ証券シンガポールの専門家は、「鉱産物輸出に新たな規制がかかってきているので、貿易収支の黒字は継続しないと考えている。」と述べたとのことです。

 

ゴールドマン・サックスは、ルピアのフェア・バリューが1ドル11800ルピア程度と考えているとのことです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/rupiahs-world-beating-rally-faces-trade-balance-hurdle/

215日のジャカルタ・グローブ紙は、2014年のインドネシアの経常収支の赤字幅が、GDP2.5%未満になるだろうというインドネシア中央銀行の予測を報じています。

 

2013年の経常収支赤字幅については、GDP3.3%に相当する385億ドルとなったとのことです。

 

2013年の1年間で、通貨ルピアは対米ドルで26%も値下がりしましたが、そのせいもあって、2013年第4四半期には輸出が3.8%増大し、輸入は6.6%減少しました。この結果、先週ご報告したように、第4四半期の経常収支赤字は年率ベースでGDP1.98%、額にして40億ドルにまで縮小しています。この赤字幅は、同年第2四半期の半分以下です。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/bi-optimistic-on-nations-trade/

214日付のジャカルタ・グローブ紙によると、世界の投資ファンドは、2014年になってからインドネシアの株式や債券に10億ドルを投資したとのことです。

 

昨年後半は、インドネシアから大量の資金を引き上げた海外投資ファンドが、一転、投資に積極的になったのは、インドネシアの経常収支の赤字幅が順調に減少しつつあるからです。

 

2013年第2四半期の経常収支赤字幅は、年率換算でGDP4.4%でしたが、第3四半期には、これが3.8%となり、第4四半期には1.98%と大きく減少しました。

 

インドネシアの輸出は、201312月に前年比10.3%も増加しましたが、これは201110月以来最大の伸び率です。これに対して、輸入は0.8%減少しており、この結果、12月の貿易黒字額は15億ドルに達しました。

 

しかも、今年7月に予定されている大統領選挙で、最も当選に近い位置にいるのがジャカルタ特別市の市長であるジョコ・ウイドド(通称ジョコウイ)氏であり、同氏は、脱税摘発とジャカルタの交通システム改善に積極的であるため、その改革姿勢が投資家たちに高く評価されているようです。

 

今年1月には騰勢が強かったインフレも、今年末までには4.9%程度に低下するだろうとインドネシア中央銀行は予想しているようです。

 

この結果、通貨ルピアは、新興国通貨の中では、今年に入ってから最も対ドル・レートが上昇しています。多くの専門家も、この傾向は年末まで続くと見ているようです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/rupiah-leads-emerging-currencies-as-indonesia-lures-1-billion/

211日のジャカルタ・グローブ紙によると、インドネシアの今年1月のセメントとオートバイの売上は、洪水のせいで減少したとのことです。

 

セメントは、前年同月比で0.3%減少して464万トン、オートバイは同11%減少して58万台になったとのことです。

 

1月は、洪水のせいで流通網が正常に機能しなくなり、これら商品の販売不振につながったのですが、それ以外にも、インドネシア中央銀行が基準金利を引き上げたり、住宅ローンやオートバイ・ローンに関して融資規制を強化したことが、対前年比の伸びが抑え込まれた原因になっているようです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/cement-motorbike-sales-in-indonesia-decline-in-january-due-to-floods/


CementSales

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