日本では、黒田東彦氏の日銀総裁への就任が大方の支持を集めつつありますが、インドネシアでも2013年5月に任期の切れるインドネシア銀行(インドネシアの中央銀行)総裁の後任候補として、ユドヨノ大統領は現職の財務大臣であるアグス・マルトワルドジョ(Agus Martowardojo)氏を後継総裁に単独指名しました。
ジャカルタ・グローブ紙によると、この大統領による指名は、2014年に控えた選挙に向けて、自分の思いどおりになりそうな使い勝手のいい人材をインドネシア銀行に送り込むことが目的ではないか、という見方をする人々もいるようです。
大統領に総裁候補として指名されたからといっても、それだけでは総裁の椅子にはたどり着けません。インドネシア国会の財務委員会は、3月25日と26日に行われる同総裁職に関する適性試験(fit and proper test)を受験する権利はアグス氏に認めましたが、同氏はこの試験にパスしなければなりません。
ユドヨノ大統領は、本年2月22日に行われたアグス氏指名に際して、その指名の理由を明らかにしませんでしたし、なぜ他の候補者を排除して単独指名したのかについても理由を述べていません。
アグス氏は、オランダのアムステルダム生まれの57歳、人生の大半を銀行業界で過ごしてきた人であり、財務大臣に就任する前は、マンドリ銀行の頭取を務めた経歴があります。
適性試験を受ける前に、アグス氏は財務大臣の職を辞するべきだという声はあちこちで聞かれるようですが、同氏はその必要はないと考えているようです。このあたりは、日本の黒田氏のほうがすっきりしています。
http://www.thejakartaglobe.com/economy/finance-minister-passes-first-hurdle-to-bank-indonesia/577609
中央銀行総裁の職が、個人の適性よりも政治的状況によって決定されてしまいがちなのは、インドネシアも日本も大差ないと思います。しかし、結果さえ良ければ、政治的決定であっても良しとすべきでしょう。
白川総裁については、中央銀行総裁としての適性がなかったことが、デフレの継続とそれによる日本国民の苦しみという結果によって証明されました。人事は結果がすべてです。日本銀行の新総裁は、その適性を結果で証明してもらいたいものです。
白川総裁については、中央銀行総裁としての適性がなかったことが、デフレの継続とそれによる日本国民の苦しみという結果によって証明されました。人事は結果がすべてです。日本銀行の新総裁は、その適性を結果で証明してもらいたいものです。