6月25日のジャカルタ・グローブ紙によると、インドネシア産業省のアンシャリ・ブクハリ事務局長は、2020年までにインドネシア製造業の成長速度を年率10%以上に高め、それ以降も二桁の伸びを維持することを政策課題として進めていると述べたそうです。
同事務局長によると、インドネシア製造業の成長率は、2005年5.86%、2009年2.56%、2011年6.74%と変遷してきました。2013年の第1四半期は、年率換算で6.69%でした。
製造業の中を個別産業ごとに見てみると、ベース・メタル、石油化学、ゴム、機械器具のように、すでに年率10%以上の速度で成長している業種もあるそうです。
この目標を実現するために、インドネシア政府としては、税制面や企業金融の面で種々の促進措置を検討しているようですが、インドネシア商工会議所の幹部は、人材育成の重要さを指摘しています。
このような記事を読むと、政府主導の産業政策で経済が発展していくような気がしてきますが、実際には、経済発展のために政府に出来ることは、「企業の邪魔をしない」ということだけであるのは、日本の経済史を見ても明らかです。
インドネシア政府は、つい最近まで、燃料補助金制度を継続して、いわば健全な経済発展の邪魔をし続けてきました。しかし、その大きな問題も、先週、山を越えました。これは、任期満了間際のユドヨノ大統領が、祖国のために残した大きな成果だと思います。
燃料補助金削減による資源配分の適正化だけで、製造業の成長率が向上するかどうかは分かりませんが、少なくともこれまでより健全な経済環境が実現することになると思います。