田村哲太郎のインドネシア経済・株ブログ

データの記載には人並みの注意を払っているつもりですが、一人で書いておりますし、人間のすることですから、間違いが全くないというわけはないと思います。間違いにお気づきになられた方は、 tamuratetsutaro@gmail.com にご一報いただければ幸甚に存じます。 なお、投資は自己責任でお願いします。当方では、当ブログの記載に基づくいかなる責任も負うことができません。

タグ:GDP

59日のジャカルタ・グローブ紙によると、インドネシアの今年第1四半期の国際収支は、2013年第4四半期の国際収支の黒字幅44億ドルに比較すれば、21億ドルと半減したものの、前四半期に引き続き、黒字を記録しました。

 

この第1四半期、海外投資家は、126億ドルをインドネシアに投資しました。インドネシアの株価は、今年に入ってから16%値上がりしていますが、海外投資家の取引高は、株式市場の39%を占めており、インドネシア経済の将来に対する海外投資家の強気の見方を示しています。

 

インドネシアの経常収支赤字幅は、この第1四半期、42億ドルと、GDP2%に縮小しています。

 

他方で、インドネシアのGDP成長率は、この第1四半期は5.2%と、鉱産物輸出の低迷により、インドネシアとしては低い水準にとどまっています。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/current-account-gap-narrows-1st-quarter/

 

11月11日のジャカルタ・グローブ紙は、インドネシアのGDP成長率に関する複数の見方を報じています。

 

まず、世界銀行は、最新の四半期レポートにおいて、インドネシアのGDP成長率について、2013年は5.6%2014年は5.3%と予想しています。

 

これに対して、インドネシア中央銀行は、2013年は5.7%とやや楽観的に予想しています。

 

他方、バークレイ・キャピトルのエコノミストは、2013年の数字を5.4%とやや低く予想しています。その理由として、同エコノミストは、インドネシア中央銀行による金利引き上げが経済の足を引っ張ると考えているとのことです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/indonesias-growth-prospects-undisputed-chaves/

 

6月に行われた燃料補助金の削減により、同国で広く使用されているロー・オクタン価ガソリンの価格は44%も一挙に引き上げられました。これと5月末のバーナンキ発言以降の外資流出が重なって、インドネシア経済の成長が大きく阻害されたのですから、5%台の成長を維持しているだけで相当に頑張っていると見てあげるべきでしょう。

 

長期的に見れば、燃料補助金の削減は、インドネシア経済を浮揚させる効果を持つはずですから、インドネシア国民にとっても、インドネシア株に投資している投資家にとっても、ここは辛抱のしどころではないかと思います。

 

116日のジャカルタ・グローブ紙によると、インドネシアの2013年第3四半期のGDPは、前年同期比5.62%の増加となったそうです。

 

今年第2四半期のGDPは、前年同期比5.8%増でした。

 

5.62%という数字は、過去4年間で最悪の数字ですが、専門家の予想とはほぼ一致しています。インドネシア中央銀行も2013年全体のGDP成長率を5.5%から5.9%と予想しています。

 

成長率が振るわないのは、輸出と消費の動きが弱いからです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/indonesias-economy-expands-5-62-in-q3-in-line-with-forecast/

 

昨日のこのブログの記事にあったように、インドネシアの消費者が本当に世界一楽観的であるのなら、輸出はともかく、消費のほうはそろそろ力強さを回復してくるはずですから、第4四半期はもう少し良い数字が出てくる可能性があります。

 

1028日のジャカルタ・グローブ紙によると、インドネシアの10月の対前月比インフレ率は、0.4%以下の見通しであるとチャティブ財務相が述べたとのことです。

 

9月のインフレ率は、対前月比でマイナス0.35%でした。

 

同財務相は、また、2014年のGDP成長率について、5.5%から6%との見通しを示しました。この見通しは、インドネシア中央銀行の目標である5.8%から6.2%を下回るものです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/indonesia-financial-minister-sees-october-inflation-at-less-than-0-4/

102日のジャカルタ・グローブ紙によると、ADBは、2013年におけるインドネシアのGDP成長率の見通しを、6%から5.7%に引き下げたとのことです。2014年の数字については、6.6%から6%に引き下げました。

 

引き下げの根拠について、ADBは、燃料価格の高騰によるインフレ圧力と、これに関連する消費の鈍化をあげています。

 

2014年には、前回の予測より低いとはいえ、ADBが成長の持ち直しを予測している理由は、2014年にはインフレ圧力が低下すると見込まれることや、この年が選挙の年であるので、選挙関連の消費が見込まれるから、とのことです。

 

http://www.thejakartaglobe.com/business/indonesian-growth-slowdown-highlights-need-for-reform-adb/

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