「なんて熱くて柔らかな舌なんだ……誘っているのか?」

偶然出会ったNYの個人投資家・ウィリアムに気に入られた大学生の靖史(やすふみ)は、1日1回のキスと滞在中の接待を条件に、豪邸をプレゼントされることに。目も眩むような豪奢な屋敷で、蕩けそうにセクシーなウィリアムに迫られた靖史は、唇とともに体を奪われてしまって……!?
ウィリアムの饗する極上で甘い生活、そして無償の愛に、天涯孤独の靖史は次第に溺れていくが、そんな折、彼の婚約者という女性がNYからやってきて……!?
奇跡のロマンスが舞い降りるゴージャス・ラブ!


個人投資家×苦学の大学生です。
さて、攻・ウィリアムは、受・靖史に1日1回のキスと滞在中の接待を条件に豪邸をプレゼントしますが、そのきっかけになったのは赤いクリップ。そう……ちょっと前に「現代の藁しべ長者」と日本でも報道された、カナダの物々交換のアレです。もっともカナダの場合、家を手に入れるまでには約1年ほどかかりましたが、こちらはクリップ→豪邸で、間をすっ飛ばしてます(笑)。で、そのダイレクトさには理由がありまして……。
ここで告白するならば……私、失礼ながらも最初、ウィリアムのことを「真性のゲイ」だと思っていました(笑)。というのも、ウィリアムが靖史に提示してきた「1日1回キスをする。日本滞在中は優先的に接待する」なんて条件は、初対面の、しかも男相手に対しては完璧にセクハラですよね? ただ、その条件を提示してきたのが、個人投資家でモデルばりのハンサムか、ごく普通の男かの違いで、受け止められ方が大きく違ってくるっていうのに苦笑い。(いいなぁ……外側の皮一枚が違うだけで。BLじゃ禁句ですけどね!)クリップ→豪邸で、いくら住むところに困っていたからとはいえ、ノリと勢いとはいえあっさりと受け入れてしまう靖史も軽いなぁと(笑)。
ストーリーとしては、スタンダード。偶然出会った攻と受が、互いに相手のことを気に入って、そして次第に恋に堕ちてラストはハッピーエンド。軽くラブラブな話で、いいと思います。
でも……なんというのか…………細かい部分で「ん?」と私にはうなってしまうところがあり、それらが積もり積もって、素直に「二人とも幸せになってよかったね〜」という感想に繋がらないのです。私から見て、おおまかな形はあるんだけれど、何故か細かいところが崩れてて、という感じです。
あと、ちょっと気になったのは、キャラとして脇に登場しながらも、ストーリーが展開するにしたがってまったくでてこなくなったり、逆に中盤から突如としてストーリーの流れにかかわってくるようなキャラが出てきたりして、バランスが悪いなぁと。そんなに重要なキャラじゃなければ名前なんてフルネームで出す必要もないし、逆もまた然り。(これに該当するのは靖史の友人・坂本壱くんと、ウィリアムの秘書・ショーンですね)まさかと思いますが……坂本くんを主役にしてスピンオフ作品……なんて考えてるとか? いや、ルビーですからね……ありえなくもない話です。
……んで、もっと突っ込んでみるなら、父親に死なれてから孤独で貧乏だった靖史が、同じく幼いころ苦労していたというウィリアムに惹かれていく気持ちもわからなくはないんですが……ウィリアムに強引に押し倒されてからというもの、意識するにしても愛情というには唐突だなと感じました。愛情に繋がっていくにしても、もうワンステップほしかった気がするのです。それに、もっと障害になるかと思われた秘書のショーン、婚約者・ニア、米国の実家の人間などが名前だけの肩透かしで、ただそこに出てきただけに感じられるのも残念でした。
ただ……まあ、さらりと読めて、ラストはハッピーエンドのラブラブ。途中もさほど深刻な波乱の展開もなく、二人は幸せになりました……なので、安心していられます。でもたしか私は、この方のデビュー作も読んだハズだけど、どういうわけか記憶にもない……です。なので、良い表現をすれば「素直な作風」で、悪い表現をすれば「アクのない、薄めの作風」なのかもしれません。
もっとも、それが世間的に良いか悪いかは別ですが……。

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