「なぁ、この身体で俺を口説く気にはないのか?」

喜美津科学五年に一度のビックイベント、慰安旅行の幹事を任された弘(ひろし)だが、工場排水の水質悪化というアクシデントに見舞われ、その対応で寝る間もないほどの忙しさに追われることに。さらには将来のために大学の通信課程を受けるよう前原(まえはら)を説得して欲しいと、会社から頼まれごとまでされてしまう。しかし、前原が漏らしたとある一言がきっかけで、弘は「君とはもう寝ない」と宣言し、絶縁状態に!? 地方の化学薬品工場を舞台に、四大卒のポープ、品証の弘と製造部の若頭、前原が繰り広げる、濃密&おとぼけワーキングデイズ。
ボリュームたっぷりの書き下ろしつき、好評シリーズ第二弾!


製造部若頭×品証主任で同い年同士で「許可証」シリーズ2冊目になります。
このシリーズの最大の特徴といえば、必ず冒頭で受・弘が窮地に立たされてるシーンから始まることでしょうか?(笑) しかもトラブルはひとつに留まらず、方向性の違う問題が雪だるま式に増えてゆき、いつもギリギリの選択を迫られるハメに。まあ、お約束といってはナンですが、その問題のいくつかは攻・前原絡みで持ち上がっていて、当然ながら私共に散々振り回される結果に……。
いや、精神的には弘も散々前原のことを振り回してるんですけれど、なにしろ本人にはまったく自覚ナシの天然ボケが入ってますので、振り回してることにすら気づいていないんですよ(笑)。そう。表面上では、前原が弘に隙あれば迫っていますから俺様に見えますが、前原は弘にベタ惚れで溺れまくってるので、重要ポイントになると結局は弘の意志を尊重して折れてるんですよね〜。おまけに弘が絡むと、普段はクールに構えてる前原が、仕事に恋愛にと妙に燃えるのもお約束です。
しかし、ホントに弘は発言といい行動といい、基本は真面目で優秀な会社のホープだけど、たまに素でぼけをかますから、そのぼけが綺麗に伏線へと繋がってて読んでるとたまらないんですよね……笑いのツボを突かれてしまって。1冊目でもぼけまくってましたが、2冊目ではトラブルのイライラ解消のために、弘がプライベートで書きなぐっていたメモ。詳細は思いっきり省きますが、散々書きなぐって真っ黒になったソレが、思いもかけない手順で旅立ってしまって……。(弘が内心で「きゃあ」「うわぁ」と叫びつつオロオロしてるのが、可愛いやらマヌケやら)
あとは、水質悪化と同時進行で慰安旅行の一件もあり、加えて本社新人営業にも妙に懐かれるし、嫉妬深い前原には「もっと俺を構え」とイジワルされるし、上司の木崎をはじめとするオジサンたちにもいろんな意味でかき回されるし……それらが全部スライドしながら混乱と解決が入り乱れ、ストーリーも、前原×弘の恋愛模様も濃度がかなり高めです(笑)。それに、前原視点の書き下ろしになると、弘視点の展開よりもますます濃度が高くなり、態度や言葉の駆け引きが仕事でも恋愛でも非常におもしろいです。特に私は、ラストの前原が、弘を前にして呟く一言にはクラクラしましたよ。そしてつくづく、前原と弘は互いに恋愛しながらも、見ている場所がちょっとずつ違うんだなぁと感じました。いや、それぞれに相手の良い部分に刺激されて、高みに登ろうとしているのは同じなんだけど、前原には自覚がある上で弘を追いつめてるところがあって、弘は無意識のうちに前原を煽ってるところが印象的。
仕事に、恋にと足掻いてる部分できっちり心理描写が入ってるおかげで、1冊読み終わる頃にはぐったりしますけど……1度読んでいて、流れは知ってるはずなのに、それでもワクワクして読めちゃう。今は雑誌も廃刊になってしまい、シリーズが続くには唯一、書き下ろしで発行しかないけれど、どんなにブランクが空いたとしても、きっと新刊が出れば迷わず購入すると思います。

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