2013年の田園調布です。
「田園調布に家が建つ」というギャグで、高級住宅街として有名になった田園調布ですが、丁度そのギャグが流行ったころ、若者たちがこぞって田園調布へ出かけていたのをご存知ですか。
1970年代、ココには田園コロシアムと呼ばれる多目的スタジアムがあり、ロックやジャズのコンサートから、プロレスの試合などが行われていました。
大正時代には、慶應義塾大学野球部の専用球場として使用されていた野球場があったこの場所は、1936年(昭和11年)に田園テニスクラブのメインスタジアムとして改装され、1970年初頭まではテニスのメッカとして親しまれていました。
この場所のありようが大きく変わったのが、1970年に行われたタイガースのコンサート。
元野球場ということから、若い世代の方は『阪神タイガース』をイメージしてしまいそうですが、ココでコンサートを開いたタイガースは、沢田研二や岸辺一徳が在籍したグループサウンズのこと。
このころは、大きなコンサート会場といえば日本武道館くらいで、インパクトのある巨大イベントは、野外施設で行われていた時代。
タイガースも、西宮球場や後楽園球場などの野球場で野外コンサートを開催していましたが、よりインパクトのある会場を求めて、この田園コロシアムでコンサートを開催したようです。
以降、この田園コロシアムは、野外イベントのメッカとなって行き、1977年に開催されたジャズフェスティバル『ライブ・アンダー・ザ・スカイ』は、渡辺貞夫の人気とあいまって、野外フェスティバルの代名詞となったほど。
そして、1980年代に入りプロレスがブームとなると、この会場はプロレスのメッカとなって行きます。
1981年に行われた『アンドレ・ザ・ジャイアントVSスタン・ハンセン戦』は、今でも語り継がれる伝説の試合となり、30年以上も昔の試合なのに、しっかりとYouTubeに試合がアップされているほどです。
アンドレ・ザ・ジャイアントVSスタン・ハンセン戦 YouTube
しかし時代は流れ、老朽化やテニスの試合場としてテニス場有明コロシアムがオープンしたこともあり、1989年に閉鎖されてしまった田園コロシアム。
現在は、跡地にマンションが建設されていますが、その隣に『田コロ児童公園』という名称の小さな公園が作られており、田園コロシアムの名前が引き継がれています。
ちなみに、田園コロシアムではじめてタイガースがコンサートを開いたときのチケット代は800円でした。
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