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 12月11日、『はじめての海外文学フェア Vol.2』に行ってきた。僕はビギナー編で、サリー・ガードナーの『火打箱』(山田順子訳 東京創元社)を紹介。「これしかないだろう」と思って行ったのだけど、登壇された他の訳者の方々の話を聞いていると、読みたい本がどんどん増えて困ってしまった。

 会場はとても盛り上がり、訳者のひとりとしては非常に勇気づけられたが、「でもここにいない人たちに翻訳書の魅力をアピールしていくことができないといけないんだよな」と、気持ちを引き締めながら過ごした。とにかく具体的に考え、行動していくしかないな。ともあれ、他の訳者さんたちの熱気に当てられて、自分の仕事に気合が入ったのでよかった。がんばろう。ちょっとここのところ仕事で忙しくしすぎていたので反省。こういう外向けの活動も、やっぱ大事だ。来年は機会を増やしていかなくては。

 僕は父親が英米文学の翻訳家だったこともあり、「翻訳」とか「文学」とかそういう言葉にはアレルギーに近い苦手意識がある。「翻訳文学」と聞くだけで「うわ、読みたくねえ!」と、条件反射で心が動いてしまう。自分の仕事を人に伝えるときにも、そういう言葉はほとんど使わない。だから自分が翻訳家になって仕事をしているという事実は心の片隅にずっと引っかかり続けており、ともすれば大きな苦しみになったりすることもあるのだけど、当日に登壇された訳者の方々の発する雰囲気や空気には、深く救われたような気持ちになった。来年は重い腰を上げて、自分が抱えたジレンマに折り合いを付けていく年なのかな。そう思えるくらいには、ようやくなってきた実感がある。

 このフェアの実現とイベントの開催に関わられたすべての人びとに、感謝と敬意を捧げます。