
木曜日のイベント「美は乱調に有り」でDJ森さんがJan Hammer Groupの「Don't You Know」をかけた。レコードコレクター誌的には黙殺されている大好きなJan Hammer Group。調べてみたら、最近この曲はスペインで12inchのロングバージョンが作られたらしい。バレアリックってヤツ?DJ目線では評価されているようで嬉しい。
何がスゴイかって、とにかくリズム隊がスイゴ。ベースのFernando Saunders 、ドラムのTony ''Thunder''Smithは、その後Lou Reedの終生のバックメンバーとして活動した。
ボクはベーシストなんでドラムの事は全くわからないけれど、とにかくこのドラムには特別なパッションを感じる。
また、このバンドには専任のボーカリストがいなくて、Fernando Saunders かTony ''Thunder''Smithが各々の楽器をやりながら「ついで」にリードボーカルを取っている。なので楽器演奏ほど歌はキョーレツではないのだが、逆にそのヘタさ細さ加減がヒジョーにソソる。楽器はグイグイ強力に迫って来るけど、歌は「青い」のだ。そのアンバランスさがホレたひとつの理由。ここに専任ボーカルが居たらちょっとシラけるだろうな。
そしてJan hammer。Jan Hammerといえばまるでギターの様なリードシンセ。当時あまりに一世を風靡しすぎてその後はダサさの象徴みたいになっていたけれど、時が一周してその強力なミニムーグの使用が逆に新しくなっているんじゃないか。なんだかんだで彼のミニムーグの音はぶっとい。太い音はやっぱりエバーグリーンなんじゃなかろか。
特にこのアルバムは、それまでのマハヴィシュヌオーケストラなどで発揮されたJanの強力なインストゥルメンタル志向とこの後発揮される映画音楽家としてのメロディー量産能力が絶妙にブレンドされていると思う。過渡期っちゃあ過渡期だけれども、強力なリズム隊を得て短期間花開いた奇跡とは言い過ぎか。
Jan Hammerはマイアミバイスのテーマ曲やアルディメオラに客演した「Sequencer」がエレクトロ的にカッコイイので聴いてみてクダサイ。