シンプル税理士の単純明快ブログ

税金・経営・会計の専門家税理士の読んだ本の紹介を中心としたブログ。“多読乱読”読書家の日常読書に興味ある方はどうぞ。

国際税務

国税庁長官新年挨拶

今日は「週刊税務通信」という税理士用の雑誌に掲載されていた国税庁長官石井道遠氏の新年挨拶を読んでいました。

内容の最後に国際税務に関して「移転価格税制の情報提供を進める」という旨のお話が書かれていました。

移転価格税制は国際税務の中で一番問題が多く税務調査も多いものです。

しかし、その複雑さ故に情報が少ないのも問題とされています。

情報が少ないとシークレット・コンパラブルという問題があって国際社会からの投資を呼べず、日本経済の停滞を招く自体ともなります。

国税庁の側でも情報提供を進め英語でAPAレポートを発表するなど国際的にアピールしてくれています。

企業側も情報を交換し適正な運用をしていってもらいたいです。
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移転価格コンサルティング

昨日の「国際税務基礎」の講師の丹菊氏が言っていたが今は「移転価格コンサルティング」の業務が増えているそうです。

「移転価格コンサルティング」とは国と国をまたいで関連した企業が輸出入をする場合その値段をいくらが適正かを決めるコンサルティング業務を言います。

たとえば、米国の部品メーカーが日本に子会社を作った場合。日本の子会社が資金難だから部品を本来100円のところ非常に安い1円で子会社に売れば日本の子会社はそれを転売すればとても儲かります。

これをされると日本では子会社に法人税を課して税金が取れるからいいけど、米国の親会社は1円で売っているので損ばかり出て米国で税金が減ってしまうことになります。

これを移転する価格の問題ということで、移転価格といい。各国の税務当局が目を光らせて不正な価格で物やサービスを売ってないか見張っているのです。

そもそもどの企業も子会社に資金移転などを考えず適正な価格で売ればよいのですが、そうではなく多国籍企業ならば税金の安い国で利益を出し、高い国では利益を出さないように調整したくなることも多いようです。

これは各国で問題になっており、「この価格をどうしたら税務当局に証明できるか?」、「どの程度なら問題にならないか?」、「証明するためどのような書類が必要か?」を調査し説明することがコンサルティングとしての仕事となっていると私は思っています。

私は大学、大学院と移転価格について論文を書いて研究していたが、これは非常に深い内容で今後も研究していきたいものの一つになっています。

丹菊博仁「国際税務基礎」講義を聴く

今日名古屋税理士会館で行われた丹菊博仁氏の「国際税務基礎」講座を聞いてきました。

私は大学・大学院で国際税務を専攻している教授に指導を受けたので一般的な国際税務は理解していますが、丹菊氏の講義は実務を視野に入れた内容なので実践的で役に立つないようでした。

国際税務は日本の税法・租税条約・相手国の税法の3つの法律が基礎となってできています。

日本の税法は、会社であれば法人税法、個人であれば所得税・相続税などが関連します。

租税条約は例えば日米租税条約、日英租税条約、日印租税条約といったように様々な国々と日本とが結んでいる税金に関する条約を指します。この租税条約の元となっているのがOECDモデル条約であり国連モデル条約です。

最後に相手国の税法は米国に進出した企業などなら米国の税金の法律が、中国に進出した企業なら中国の税金の法律を考慮に入れる必要があります。

昔先輩で今国士舘大学で講師をされている方に

「日本の税法があり、相手国の税法がある。そして租税条約はその架け橋。」

と習いました。

今日の講義でも「OECDモデル条約を学ぶとコンメンタリーという詳細を書いた書物が出ているので相手との合意をする際に理解がしやすい」という内容の話がありました。学んだことが再確認できてよかったと思います。
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森 広忠

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