2007年11月14日

高気密住宅とインフルエンザ

ブログ人気ランキングに参加しています
 今年は例年よりもインフルエンザの流行が早いようで、学級閉鎖になるところも出てきているようです。インフルエンザの予防は手洗いとうがいがよく言われますが、忘れてはいけないのが「湿度の管理」です。

そもそもインフルエンザがこの時期に流行するのは、インフルエンザウイルスが繁殖するのに好条件が揃うからです。湿度の低下が一番の原因なのです。気温20℃湿度20%というのはインフルエンザウイルスが繁殖するのに絶好の条件となります。

この時期外気温6℃で湿度60%の空気を取り込み、室内温度をそのまま20℃まで上げると、湿度は25%にまで下がってしまいます。空気に含まれる水蒸気の量が一定とした場合の計算ですが、実際には人が呼吸する時に水蒸気が発散されますのでもっと湿度は上がります。

最近増えてきている「オール電化住宅」で高気密にした住宅などは水蒸気の発生源が一切なく、室内の湿度は下がる一方でインフルエンザウイルスが繁殖するのに絶好の条件が整うことになります。

IHヒーターコンロではなくガスコンロの場合はCO2も発生しますが、ガスの燃焼によって水蒸気も多く発生します。また蓄熱式の電気ヒーター暖房機も一切水蒸気の発生がありません。石油温風ヒーターの場合はCO2とともに大量の水蒸気を発生します。湿気防止のフィルムが張られているので外から水蒸気が入り込む事もありません。

高気密・オール電化の住宅というのはインフルエンザウイルスが好む住宅ともいえるのです。洗濯物を室内に干したり、浴室の戸を開けて室内側に湿気を取り込んだり、加湿器を使うなどして「湿度の管理」を行う事が一番のインフルエンザ予防法ともいえます。

2007年11月13日

断熱材の話-2

ブログ人気ランキングに参加しています
 値段は少し高いですが、有機自然材系の羊毛ウールやセルロース断熱材を内断熱で使用し、ビニールシートなどの防湿フィルムは使わないのが木造の建物の場合一番理想的といえます。

もちろん内部の仕上げはビニールのクロスなどではなく、紙のクロスを貼るか珪藻土や漆喰を塗るのが理想的です。紙や珪藻土や漆喰も湿度を調節する働きがありますし、なによりシックハウスの元となる有害化学物質を発生しないばかりか、これを吸着分解する効果もある程度あります。

これを人が衣類を着た状態にたとえますと、肌着やシャツを着た上にウールのセーターを着て一番上に裏地が透湿性のゴアテックスなどを使用したコートをまとうというような状態です。

これが高気密仕様の住宅ですとウールのセーターを着る前に薄手のビニール製の雨合羽を羽織っているようなことになるのです。

木造住宅の場合、予算的に有機自然材系の羊毛ウールやセルロース断熱材を使えない場合でも、高気密としなければ柱やその他の木部の吸放湿性能が期待できます。

木の柱一本分には一升瓶2本分くらいの水分を含む事ができます。ウールなどと同じように木も湿度の高い時には吸湿し、湿度が下がると放湿する性質があるのです。

2007年11月11日

断熱材の話

ブログ人気ランキングに参加しています
 建物に使われる断熱材にはいろんな種類があります。材料の特質からするとそれらは化学製品系と有機自然材系とに分けられます。また形状から分けると板状のものと繊維形状のもの、さらに吹きつけ施工のものがあります。どれが一番いいかというのはむずかしく、それぞれの特徴を理解して選定することになります。

同じ性能で値段での比較からするとグラスウールやロックウールが一番安く発泡ウレタンやスチレンはその1.7倍くらいで発泡ポリエチレンは2.6倍くらいになります。有機自然材系のものですと羊毛ウールや新聞紙等を溶解・吹き付けするセルロース断熱材などは6〜7倍くらいします。

断熱材関係のことを書き始めると一冊の本ができるくらいの話になりますが、今回は化学製品系と有機自然材系の特徴を比べます。

化学製品系のグラスウールは細いガラス繊維をふとんのようにマット状にしたもので、吸湿性能はありません。ロックウールは石や鉄鋼スラグなどを繊維状にしたもので同じく吸湿性能はありません。ウレタンやスチレンやポリエチレンは湿気を含まず通しません。

有機自然材系の羊毛ウールやセルロース断熱材の大きな特徴は吸湿・放湿性があるということです。室内の湿度が高い時には吸湿して湿度を下げ、反対に冬場など湿度が低い時には含んでいた水蒸気を吐き出す作用があります。それでグラスウール断熱材には湿度を入れないような施工が必要になりますし、有機自然材系の断熱材の場合はむしろ吸湿・放湿性を生かし、室内気候を調節する事ができるような使い方をする事が大事です。

2007年11月10日

外断熱と内断熱-2

ブログ人気ランキングに参加しています
 コンクリートの建物が外断熱に有効だというのは次のような理由によります。

コンクリートはいうまでもなく熱容量が大変大きいです。熱せられた石を水の中に入れてもなかなか冷めないのと同じ原理です。コンクリートの建物はなかなか温まりにくいですが、一旦温まると簡単には冷えません。有効に外断熱された建物の場合、冬場など急に気温が下がったとして部屋の中は簡単には温度が下がりません。コンクリートに蓄積された熱容量が大きいからです。

これが内断熱されたコンクリートの建物ですと、熱容量の大きさは生かす事ができないばかりか、夏場など高い外気温で暖められたコンクリートが夜になってもなかなか冷めず、内断熱の厚さなどが足りない場合はコンクリートから発せられる熱で寝苦しい夜を過ごすことになります。

またコンクリートの構造体自体も気温の上下の影響を受けて伸び縮みし、ひび割れができたりして構造体の寿命にも影響します。このような理由でコンクリートの建物は外断熱にする事が有効なのですが、技術的には少し難しいところもあります。

単純な四角い形状の建物は比較的簡単に外断熱にする事ができますが、バルコニーが付いていたりひさしが付いていたりするとこれらの部分をぐるっと断熱するのはそうとう大変です。かといってこれらの部分の断熱を省くと、そこから本体のコンクリートへ熱が伝わっていって本来の外断熱の性能が生かされないことになります。

マンションなどで内断熱とする場合外壁から最低60センチメートルくらいは床や壁のコンクリートの断熱をしています。そのくらいの範囲は熱が伝わるのです。

2007年11月09日

外断熱と内断熱

ブログ人気ランキングに参加しています
 よく「内断熱と外断熱とどちらがいいのか」ということが問題になります。内断熱とは壁の厚みの中やその内側に断熱材を設ける一般的な方法で、それに対し外断熱とは壁や柱の外側の、普通外壁が貼られる部分にいったん硬質の断熱材を張り、その上に外壁材を張るというものです。

費用的には間違いなく外断熱が高くつきます。それで外断熱が必ず優れているのかというとそうは限りません。構造が大きく関係します。鉄やコンクリートは熱を伝えやすい材料です。木は熱を伝えにくい断熱性能のある材料です。手で触った時にひやりとするものは断熱性のないものです。

鉄骨造のプレファブ住宅などですと下地が鉄ですので熱を伝えやすく、柱や壁の内側か外側に断熱材を入れないと、鉄骨の部分で冬場など温度差のために結露してしまいます。内側に断熱材を入れるとその分部屋の面積が狭くなります。

木造の場合は下地が断熱性のある木ですから柱の間の壁の中に断熱材をきちんと入れれば、柱や壁で結露することはありません。

コンクリートの建物の場合はコンクリートの柱や壁の内側か外側に断熱材を入れないと、冬場などやはりコンクリートの部分で結露します。つまりコンクリートや鉄骨の建物の場合、外断熱が有効となるのです。木造の建物の場合は外断熱はほとんどメリットというものがありません。外断熱でいちばんメリットがあるのはコンクリートの建物の場合なのですが、その話は次回に。