歌い手さんとMIX師さんの依頼所

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歌ってみたをやりたいけどまず何をやったらいいのかわからないという人のために、基本的なワークフローを紹介します。

  1. 機材を揃える
    いろいろな機材が必要になります。
    記事【歌ってみたをやりたい初心者な人の為の必要なものを紹介してみる】 
    記事【歌ってみた初心者向けに格安機材をまとめてみた】

  2. 機材が揃ったら選曲と録音
    自分が歌いたい曲が決まったらカラオケ音源を準備します。カラオケの準備ができたら録音していきます。

  3. ボーカル録音をしたらMIX
    カラオケと録音したボーカルのバランスを取り聞きやすくします。

  4. MIXしたファイルを動画に合成
    動画投稿サイトにアップするためには動画形式にしないと投稿できないので、音声を合成して動画形式にします。

  5. お気に入りのサイトに投稿。
    投稿したら完了ですが、TwitterなどのSNSで宣伝をしてみんなに聞いてもらえるようにしましょう。

基本的にはこの流れで歌ってみたが完成します。

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MIX師に依頼するのめんどくさいっていう人やMIX師になってみたいという向けの必要な物を紹介してみます。

  1. パソコン
    スペックは可能な限り高性能なものを用意します。MIXはCPUの負荷が大きいエフェクトをたくさん使うことになるので、その負荷に耐えられるパソコンのスペックでないと何かと不便です。具体的には再生しても音飛びしてまともに曲が聞けない状態でMIXしないといけなくなります。

  2. DAW
    有名なDAWで付属のプラグインエフェクトが多めのソフトがオススメです。だいたいの場合はそのDAWの最上位のバージョンがいいと思います。もちろん安いものでもいいのですが、最低限VSTエフェクトが使えるDAWは必須と思ってください。

  3. オーディオインターフェース
    必須です。再生時のノイズが乗りにくく、CPUの負荷を緩和させるために必要。入力数は多くなくてかまいません。ただしASIOという規格に対応しているオーディオインターフェースにしましょう。

  4. モニターヘッドホン
    必須です。ヘッドホンは音のバランス取りに役に立ちます。集中して曲を聞くためにもヘッドホンを使ってのMIXをおすすめします。

  5. モニタースピーカー
    こちらはあると便利。本当はあったほうがいいと思いますが、ヘッドホンだけでMIXしてる人もたくさんいます。ヘッドホンと同じくバランス取りに使いますが、ヘッドホンと違い音の広がりを確認できます。

  6. プラグインエフェクト
    DAW付属のプラグインでも構いませんが、自分の考えてる音に近づけたり時間の短縮をするために個別のプラグインエフェクトを購入します。

  7. 根気
    ガチでめんどくさい作業の連続です。それでいてMIX師はチヤホヤされません。それでもMIXするのは需要があるからということと、やり遂げた感が半端ではないからです。歌い手さんにも感謝されます。

  8. 予算
    MIXは初期投資が結構かかります。もちろん格安のシステムが作れないわけではありませんが、かなりの制限をもったままMIXをしなくてはいけなくなります。予算があるならある程度楽にMIXできる環境を作りたいです。そのほうがモチベーションを保つことができます。
個人的には予算とかの都合さえ付けば、MIXは誰でもできると思ってます。ただ、敷居が高く何をしていいかわからないというのが現実です。中の人はできるだけ自分の持ってる情報やノウハウを伝えられればいいなと思ってます。歌い手さんもどういうことをMIX師がやってるかがわかると、依頼する時に具体的にやってほしいことを言える様になるのでMIXの勉強してもらえたらいいなと思います。

歌い手さんが初めて買うならこれがいいというものをあげています。まず前提として、そこそこ安くてSkypeなどのPCマイクで録音するより高音質になりそうなものを集めてみました。PCは歌ってみたの場合高性能である必要はないので今使ってるもので問題ありません。

オーディオインターフェース
BEHRINGER ( ベリンガー ) >UM2
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/186277/

謎のサウンドハウス価格でアホみたいに安い3300円。ファンタム電源とダイレクトモニター付き。当分はこれでいいんじゃないかなと思う。DAWもついてるけどTraction 4っていうちょっと癖の強いDAWなので、使うDAWは別のものがいいかも。
※2016年9月時点の価格ですので購入時は価格を見なおしてください。

ダイナミックマイク&ケーブル
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) >CM5S ダイナミックマイク
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/24939/

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) >MIX050
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/25561/

マイクとケーブルあわせて2000円未満。Skypeマイクも2000円ぐらいする物もあるので、オーディオインターフェースを買うと決めてる人はこっちのほうが断然いいと思います。

DAW
PreSonus | Studio One Prime
http://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/prime/

アカウント登録だけでマルチトラック録音ができるDAWです。無料。ドラッグアンドドロップでファイルの読み込みが簡単にできることや日本語に対応してる点で他の無料DAWよりは使いやすいです。

マイクスタンド
ULTIMATE ( アルティメイト ) >JS-DMS50
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/205120/

1700円。手に持って録音をするとノイズが入りやすいので買っておいた方が便利。自分の机との兼ね合いで購入するものをかえるといいかも。

ポップガード(ウィンドスクリーン)
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) >MWS-B
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/173061/ 

160円。正確にはウィンドスクリーンと呼ばれるもの。マイクにかぶせることでリップノイズや息を吹いた音などをある程度ガードしてくれるものです。今回ダイナミックマイクを紹介してるので、それに合わせた形でウィンドスクリーンを紹介してます。

ヘッドホン or イヤホン
手持ちのもので大丈夫です。とにかく音漏れしないものがオススメ。耳がすっぽり覆えるヘッドホンやカナル型イヤホンなど。録音中に自分の声を確認できる様にするためにあるといいのですが、録音中に音漏れが発生すると漏れた音も録音されます。MIXする側からすれば漏れた音はあまり問題にはならないのですが、極力ノイズを減らすという意味で遮音性の高いものを使ったほうがいいです。

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ここまででヘッドホンを含めないと約7000円です。歌ってみたでそこそこクオリティを出したいなら、これぐらいは持っていて損はないはずです。参考にしてはいかがでしょうか。

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具体的な数値はあえて伏せておき、手順としてどういう風に作業してるのかを書きます。あくまで中の人の手順なので他のMIX師さんや曲によってはやり方も変わりますので、例として受け取ってもらえるといいと思います。
  1. まずはDAWを立ち上げオケと録音したボーカルをそれぞれ読み込みましょう。ハモリがある場合はそれも読み込ませておきます。読み込ませたらそのままの状態で一回通して聞いてみます。この時にざっくりとMIXの方針を決めます。ボーカルが小さいからオケと音量を合わせるとか、リバーブは何を使うかとか。

  2. ボーカルの頭合わせが問題ないなら極端にずれてることはないと思いますが、歌っていくとタイミングや音程を外してしまうのが普通ですので、初期段階でタイミング補正やピッチ補正をしていきます。MIXは最初が一番大変です。何回も聞いてはタイミングを合わせていったり、音程外した場所をピッチ補正で少しずつ問題ないところに補正してみたり。ここがきっちりできてないとクオリティアップはできません。クオリティアップどころかこの後の作業にも影響しますので、ものすごく面倒ではあるんですがきっちり処理していったほうがいいです。

  3. 再生してみてボーカルとオケの音量差を確認します。音量差を確認しボーカルトラックの音量を調整していきます。具体的には無音部分はきちんと無音になるようにイベントをカットしていき、更にカットが終わったらボーカルトラックの音量を上げ下げしてバランス良く整えていき、聞かせたいところのアピールやブレスの音量調整をしていきましょう。

ここまでが序盤です。とにかく面倒な部分が詰まっていますが、クオリティを上げるならボリューム調整が重要というのを覚えてほしいです。ここを突破すればもう後は好みを入れつつ依頼の内容に沿った処理をしていきます。

ここからはMIXの中盤から後半になります。主にエフェクトを掛けてく部分です。エフェクトのかけ方は主にインサートとセンドという二種類の方法があるので、かけるエフェクトによって方法を決めていきます。リバーブならセンドエフェクト、コンプならインサートエフェクトなど。

  1.  まずはボーカルトラックにEQを使ってボーカルにはあまり必要のない低音を削っていきます。次にコンプを掛けて音量のばらつきを減らしていきます。

  2. さらにEQやコンプを必要に応じて足していきます。この時にEQが先かコンプが先かはどっちでもいいですが、エフェクトは後に掛けた方の色が多く出ます。EQが後ならEQの音が、コンプが後ならコンプの音がより強く残ります。

  3. コンプを使ってボーカルの音量がある程度揃ってきてEQでアピールしたい部分を強調できたら、次はリバーブなどの空間処理をするエフェクトを使っていきます。

  4. ボーカルに使うリバーブはプレートリバーブがおすすめですが、プレートじゃないリバーブでも問題ないです。場合によってはディレイを足したり、音を左右に広げるエフェクトを使っていきます。味付けの部分ですね。

  5. なんとなくではありますが、音がまとまってきたと思います。何度も再生調整を繰り返して形になってOKだと思ったら最終段階に進みます。

最後に行く前にハモリトラックがある場合はメインボーカルが終わった段階で調整していきます。ハモリを前に出すことはあまりないと思うので、メインが整ってからのほうが調整やエフェクトの選び方も簡単になると思います。なので中の人はここの段階で調節していきます。内容としてはメインボーカルとは違う味付けをする感じです。

最後はマスタリング。全体の音圧調整と取りまとめです。リミッターで音割れしないようにしたり、リバーブを薄くかけることでなんとなくなじませてみたり。さらに何度も聞いて大丈夫と思ったら完成。妥協ではないのですが、自分のMIXにうまく見切りをつけて完成に持っていくというのも大事です。延々やってくと本当に時間だけが過ぎて前の方が良かったなんてこともたくさんあります。調整後を戻すのは手間ではありませんが、何度も繰り返してるとモチベーションを保つことができません。自分の都合に合わせてやっていきましょう。

とまあこんな感じでMIX師はMIXをしていきます。個人的にですが、MIX師の腕が問われる部分としては、とにかくボリューム調整だと思います。音量を上げるだけならエフェクトさえあれば誰にでもできます。けど、エフェクトに頼らないボリューム調整はボーカルの自然さや盛り上げ方に直結してくるので、本当に上手い人はボリューム調整に手を抜きません。最初は大変でしょうけど、ここの部分をガッツリ練習していくといいと思います。