お義母さんが亡くなった。
調子を崩したのが半年近く前。
入院してからは、元気のない姿を見られたくないからという事で面会にも行けなかった。
危篤だと知らせを受けて会いに行ったのが亡くなる二日前。
その時にはほぼ意識がなく、声をかけても手を握っても反応が無かった。
自分もそうだけど、奥さんも早くにお父さんを亡くしていたので、愛情の深さを思うとその辛さを思うだけで胸が苦しくなった。
あれだけ朗らかで明るい人だったのに、あっけない程の最後だった。
悲しみより、ぽっかり心に穴が空いたような虚無感に襲われた。
子供のことを赤ん坊の頃からとても大事にしてくれていたので、子供達も辛かったことだろう。
僕にも歌を教えてって言ってくれたり、お義母さんと言うより友達のような感じで接してくれていた。
ほんとに大好きな人だった。
子供達に話す手前、千代ばあちゃんって呼んでたのが染み付いて、僕自身も日頃から千代ばあちゃんって呼んでたけど、たまには二人でゆっくり話そうと思って会いに行ったある時、「僕もちゃんとお義母さんって呼ばないといけないなって思ってるんです」って言ったら「照れくさいから普段通りでいいよ」って言ってもらって、結局そのまま千代ばあちゃんって呼んでたなぁ。
動かない姿を見ても、焼かれて骨になったのを見ても、まだどこかでふっと現れて、ニコニコしながら呼びかけてくれそうな気がしている。
もしそんな時が訪れてもやっぱり、千代ばあちゃんって呼んでしまうだろうけど。
ね、お義母さん。
天国で心安らかに過ごしていることを心から願ってる。
またそっちで会ったら、いっぱい美味しいもの食べて、歌も歌って、楽しい話をたくさんしよう。
最高の奥さんと結ばせてくれてほんとにありがとう。