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「ルドベキアの花が満開」

“Around her neck she wore a yellow ribbon

She wore it in the spring time and in the month of May

And if you asked her why the heck she wore it

She wore it for her lover who is far, far away

Far away, far away

She wore it for her lover who is far, far away”

 

1949年、ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の人情味溢れる異色西部劇「黄色いリボン」で、この詩は其の主題歌だ。

『彼女は年がら年中首に黄色いリボンを巻いて居た

 一体どうして其のリボンを巻いて居るのと訊くと

 遠くに行って居る愛しい彼の為だって』

 

黄色は抑々騎兵隊のシンボル・カラーで、19世紀には騎兵隊員は黄色のネッカ・チーフを首に巻いて居たが、其の内其れを外して妻や恋人の髪に結び、自分が無事に戻って来るまで付けといて、と頼むのが習慣と成った。曲は元々騎兵隊の行進曲で、1949Russ Morganが現在の歌詞を付けた。

 

ジャーナリストを目指して居たアメリカ人、ピート・ハミル(1935~ Pete Hamill)はやがてニューヨーク・ポストに招かれ、1971年に書いたコラム“Going Home”の中で黄色のリボンの風習を脚色して書いたものが、1973年にポップス・グループのドーンに依って“Tie A Yellow Ribbon Around The Ole Oak Tree”と言う歌になり大ヒットした。

 

その歌詞の大訳はこうだ。

『刑期を終えて今帰路に就いて居る

 君には手紙を出した

 君が未だ僕に愛想をつかして居るのでなければ

 古い樫の木に黄色のリボンを目印に結んで置いて呉れ

 もしリボンが無かったら、バスを降りずにそのまま立ち去るよ、と

 そして二人のことは忘れよう。僕が悪かったのだから‥‥

 

 運転手さん、僕の代わりに見て貰えるかな?

 とても自分で見る勇気が無いのだから

 僕は未だ監獄に居る様な気分なのだ

 鍵は彼女が持って居るのだから

 

 急にバスの中が騒がしくなった

 嗚呼!僕には信じられない

 数知れぬ黄色のリボンが樫の古木にぶら下がって見える』

 

何処かで聞いたような話だな、と思われただろう。そう、山田洋次監督、高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおりが出演し、夕張炭鉱が舞台と成った『幸せの黄色いハンカチ』である。此の歌を知って居た倍賞千恵子が「男はつらいよ」の撮影中に口ずさんだのを山田監督が聞き付け、ピート・ハミルの了承を得て映画化したそうだ。

 

寅さん映画も良いが、小生には山田洋次のこの映画が一番気に入っている。リボンをハンカチにしたのも好い。運動会の万国旗の様に、旗竿に巡らしたロープに黄色のハンカチが鮮やかに満開だった。青空に黄色が映えた。黄色は結構目立つ色だ。

『今でも変わらず愛して居る』と言うことを知らせるのに黄色いハンカチが使われたのは、言葉で言うより鮮やかでは無いか?ピート・ハミルの計算は其処に在った。

 

今年3月21日のブログに「黄色いハンカチ」という題で人の善意に就いて書いた。その一部を此処に再録する。

人に同情し、手を差し伸べることで自分も束の間の仕合せを感じるでは無いか!唯其処に躊躇する気持ちが湧くことが有り、気持ちはあっても行動に出ないことが幾らも有る(中略)。本当に困って居るのだろうか、と言う点も手が出ない原因だ(中略)。困って居る人、助けが欲しい人にとっても同様な躊躇が生じている。他人に頼ってはいけない、他人様も忙しい筈だ、声を上げるのが恥ずかしい、他人に迷惑を掛けることに成る、と言った理由でだ。

 

其処で、お互いの躊躇い、尻込みを無くせばことは進展する筈だ。ではどうするか?困って居る人、助けが必要な人が先ず声を上げることだ。声を上げ難いなら、何らかのシグナルを発することなら抵抗も少ない。シグナルを見たなら、「どうなさいましたか?」と声も掛け易くなる。

 

其処で考えたのが、もし盲人なら誰でも外出時に持って居る白い杖に、助けが必要な時、第三者に伝える信号旗を装着すると言う方法だ。人混みの中でその杖を上に掲げると発信シグナルが周囲の人に見える。同時に或る種の音を発信する。つまり視覚と聴覚とに訴えれば更に有効だ。夜目にも見える光なら尚更だ。音にしても、生理的、心理的に効果のある独特の音を考案する人も居るそうだから力を貸して貰おう。其れに気付いた人が、声を掛けて手助けをして遣れば良い訳だ。」(続く)

 

(ネット上を漫然と散策して居たところ、偶然「黄色いハンカチ運動」と言うのが既に在る事を知った。推進本部に早速連絡を取り、これからもこの運動が広まる様に小生も「お披露目屋」としてブログで応援すると約束した。3月21日のブログ「黄色いハンカチ」と、5月26日「視覚障碍者と横断歩道」とを見て頂けると嬉しい)