今朝のNHKニュースでアメリカの現状を報道して居たのを見て背筋が寒く成った。住む家が無く、路上で金銭をせびる人が大勢居るらしい。一人の青年が、1%の人間に99%の人々の富が奪われて居ると訴えて居た。幾ら一生懸命働いても、車の中で暮らすしか無いと途方に暮れる若者。幼子を抱え、職も無くテント村生活から抜け出せない母子などだ。経済大国を自負するアメリカの内情はこうなのだ。彼等は健康保険には入れない。家族が病気に為ったらお終いだ。
子供を学校に通わせる余裕がない。と言うことは彼等が将来仕事に就くことが成らず、貧乏人はその境遇から今後何世代にも亘って抜け出せない。之を貧乏の連鎖と言う。

 

トランプ大統領が日本との貿易交渉で肉や農産物の関税引き下げに拠ってアメリカの農民に福音を齎した、と言って居た。勿論国内の選挙目当ての発言だ。其処で、アメリカの農業従事者が人口に占める割合を計算してみた所0.14%に過ぎない。然し、人口3億1千万人の内、労働力人口は1億6千万人と成って居て、其れだと0.27%に成る。詰まり福音が齎されたのは40万人そこそこの内の更に数%に過ぎない。

 

アメリカは貧富の差が激しいとは常に言われて来たことだが、この差は更に開くことはあっても、縮むことは無い。報道では、「社会主義が善いとは言えないかも知れないが、その方向へ向かうしか当座の解決策はない」と言う意見が増えた様に見受けられた。

 

「アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪を引く」とは株式市場で言われることだが、貧富の差と言う点では明らかに米国に追従している。

現に日本でも多くの若者は低賃金で働かされている。我々の若い時分はもっと低賃金だったが、生活費も安かった。今は生活費が高騰した。

何故なら、今人並の生活を送ろうとすれば、以前は無かったに等しい通信費、高価な家財道具、車と其の維持費、交通費、教育費、光熱費が軒並み増えたことがある。消費税も以前は無かった。

低所得者は収入の殆ど全てを消費に回して居る。と言うことは、所得税、住民税、厚生年金、国民年金、健康保険、介護保険を差し引かれた上に、10%の消費税である。其れで居て、年金所得年齢はどんどん引き上げられ、医療費窓口払いはじわじわ上がる。詰まり社会の発展で便利には成ったが、その便利を買う金額に収入が追っついて居ないのだ。

 

企業はアメリカを倣って、年俸制度に移行し、パートと言う時間給との二面性に為るだろう。年俸制度は即ち契約である。企業が一方的に提示する金額に承服出来なければ契約出来ない。社員が査定は加点制にして欲しくても、企業は減点制を採る。個人の功績は、有ったとしても企業は組織の力でそう為るべくして成ったと判断する。個人に与えた地位に拠って上がるべくして上がったと言って憚らない。個人の功績を多少認めても、精々一時的なボーナスで反映するに過ぎない。一旦年俸制度を採り入れた企業は、社員の労働時間と労働の質と量を当然の如く増やして来る。配置転換、転勤も査定を足枷に有無を言わせないだろう。

 

今や企業内福祉とも言うべき、住宅補助、通勤補助、保養所などの厚生施設、祝い金などを廃止、または縮小の傾向が強い。厚生年金の半額企業負担を渋る企業が増える。

今自分は一流の企業に居ると思って居ても安心は決して出来ない。リストラ、下請けへの派遣・出向は、若く、働き盛りをも襲って来る。現にマンションのローンを抱え、路頭に迷う人が居る。

 

病気や怪我に見舞われたら、其れこそ路上生活者も他人事では無く為って来る。

人手不足が巷では言われて居るし、現実にはサービス業、運輸・建設・土木・農業など様々な分野で後継者が居なくて廃業、破産が排出している。だが、此れ迄高度な頭脳を必要とした営業や事務、管理の分野ですら、AIが人に取って代る時代が其処迄来ている。皆さんも銀行が支店を減らし、統合に向かって居ると言う情報に接して居られるだろう。是迄人が目を通して計算して居た伝票処理もコンピューターに任せられる様に成ったそうである。

 

次の時代は、エネルギー・食料・地球温暖化対策以外に、最早これ以上に必要な産業は無くなるかも知れない。他に人間が知恵を絞らねばならないことは、国同士、民族同士の抗争を、新たに武力を使わないで如何に無くすか、だろう。

 

其れにしても、貧富の差だけは無くす工夫を人類は考え出さねばならない。貧富の差が世界中に浸透して居る資本主義の根幹に関わるだけに、難しい。間も無く渋沢栄一氏が一万円札の顔になるそうだが、同時に彼の姿勢、彼の思想も世の中に蔓延して行って欲しいと願うものである。