私事で恐縮だが、ブログを1週間近く休んだのには理由がある。東京に住む娘に眞逆の子供が恵まれ、上京して居たのだ。80に成っての4人目の孫である。歳から言うと曾孫でも可笑しくない所だが、高齢出産と言うこともあって、爺としてはそうと分ってから心配で居ても立っても居られなかった。今は医学が進んで居ることを頼りに、母体に支障が無い様細心の用心を重ねて来た。

 

お産が近付くと、病院からいざと成ったらどう行動するか、何処に連絡するか、病院には如何行くか、持ち物等懇切丁寧なプリントが貰える。其れを冷蔵庫の扉に貼って置くだけでも妊婦には気が休まる。初産の人なら猶更である。

今は大方が核家族で、周りに手伝って貰える両親、義理の父母が居ないことが多い。兄弟と言っても、一人っ子の多い現代では頼れる者が居ないことが多い。娘の場合は都内なので未だ安心だが、辺鄙な処だと予め手段と段取りとを考えて置かないといけない。娘は妹の住む近所にアパートを借りた。爺婆も小淵沢から駆け付けたと言う次第。

 

病院は8階建ての中堅の規模で、産婦人科は昔から有る。実は子供達三人ともその病院で生まれて居て、勝手知ったると言える。勿論その当時とは違って、建物は新築で、何倍も立派だった。

我が国での出産に対しての安全性に関しては母子共に世界一のレベルにある。世の中には病院も無く、産婆も居ない中で妊婦が一人で産み、処置をし、為に死に至るケースが在る処も未だに在ると聞く。衛生知識も、周りの理解や手助けも得られないことも原因に在る。

 

その点我々は恵まれて居るのだが、その分出費も多い。病院に拠って差が在るし、個室か大部屋かでも違い、分娩の方法でも違いが出る。正常分娩の場合の平均値は40~50万円と言う処だ。其れと言うのも、出産は病気では無いと言う考え方から、健康保険が適用されないからだ。

 

出産に関しては他にも妊婦検査が毎月有り(臨月では週1回)、計14回程に成り、その費用は510万円する。勿論それ以外にも母子双方の衣類や、出産準備にはベビー・ベッドや紙おむつ、ミルクなど食費、病院通いの交通費なども用意して置かねばならない。

 

費用だけではない。凡そ哺乳動物の中で人間が一番未熟で生まれる。従って、産まれてからの育児はふた親に大きな負担と為って被さって来る。金銭、精神、肉体全ての負担に堪えなければ成らないのが出産である。勿論、病気に罹らない様衛生面での注意も怠れないし、防ぎようの無い病気への対応に神経を擦り減らすことに成る。高齢出産に付きものの異常分娩の心配も尽きない。

 

其れだけ大変なのだが、その見返りは有る。血を分けた子供の可愛さは親に生きる活力を与えて呉れる。人生の最大目標とも言えるのだ。是は何事にも代えられない。「子は鎹」と言って、夫婦の緊密さを増して呉れる。其ればかりか、兄弟同士、爺婆へも愛を注ぐ対象となる。社会に取っても無味乾燥な言い方をすれば、生産、消費、奉仕で貢献して呉れる。

 

昨今は人口減少から出産が奨励される様に為った。小生は人口抑制こそ、是からの地球の存続の鍵と為ると思って居るのだが・・・・。

政府・経済界はやれ人手不足で経済発展に支障が出ると言うが、小生は人余りの方がむしろ弊害が大きいと考える。過疎化を問題にする人も居るが、都市集中化の方が余程問題では無いか?

 

労働力が頼りにされたのは過去の話で、今や殆どの作業が機械化されている。頭脳労働と言われた事務作業もコンピューターがする様に為ったでは無いか?

経済界、貿易など凡ゆる面で過当競争が有り、投機や株、ギャンブルから詐欺迄加熱する一方なのは、人類に不幸を齎らすだけであることに気付かねばならない。其れも此れも人口増加が原因ではないか?自由主義、自由競争容認が成せる業で在る。

 

然し、子を産み、祖先の繁栄を望むのは人類の本能であり、極めて自然なことで、肝心なのは「過ぎたるは及ばざるがごとし」なのだ。其れが競争社会の世の中で、個人に子を産み、育てる余裕が無くなって居るのが実情だ。

国民の大多数が貧困状態で、子供を作るゆとりがないと思って居る。昔も貧乏な中で子供を沢山作ったではないか、と言う人も居よう。然し、当時は避妊の知識が無く、且つ子供は一家の働き手と目されて居たからに過ぎない。現代は人一人の労力で生活が出来る社会では無い。

 

生活費だけで汲々の個人に、出産育児には社会の援助が必要と為って居る。2,3人の子供を持てるのを目標としても、今の様に結婚もしない、子供も欲しくないと言う世相では、其れでも平均すればふた親で子一人位に落ち着くのじゃないかな。

 

健康保険は利かないが、「出産育児一時金」が有って、一律42万円が支給される。是には保険組合と病院との直接遣り取りで払われる場合と、妊婦側が申請書の作成、提出を行う方法が有り、いずれも事前に病院に話をして合意して貰う必要が在るそうだ。後は一旦妊婦側が病院に費用を全額支払い、後に保険組合から受け取る方法とが在る。いずれの場合も42万円を超える分は自己負担となり、逆にそれ以下で済めば、その差額は妊婦に戻って来る。

 

妊婦検診費用に就いては、各自治体ごとに対応して居るので、問い合わせることになる。

 

又、母親が出産後も同じ勤務先で働く場合には「出産手当」、「育児休業給付金」も支給される。前者は健康保険に1年以上の加入が条件で、給与の3分の2を産前産後に98日間分支給される。

後者は雇用保険に加入し、育児休業開始前の2年間の内、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上あることが条件で、育児休業開始から180日までが賃金の67%、それ以降は50%が支給される。

 

出産を諦めたり、躊躇う前に、こうした知識を持つ必要がある。其れが幸せな家庭に結び付く筈だ。