昨年は天皇の譲位に依り平成から令和へと、静穏な内に時代が変わり、静かな正月を迎えた。然し正月早々気に為る事件が二つも在った。其れはトランプ大統領に依ってイラン革命防衛隊の司令官が殺害されたことと、日産元会長で保釈中のゴーン氏がまんまと国外逃亡を図った事件である。

 

唯でさえ不穏な中東情勢が、此処へ来て一気に戦争に発展しかねない状況に成った。

報道でご承知の様に、トランプ大統領はイラクのバクダッドでイランの革命防衛隊ソレイマーニー司令官を無人機で爆撃し殺害した。これはイラクが自国内で、他国(米)が是又他国イランの軍事司令官に対し武力行使を行うことに許可を与えて居ない以上、アメリカは斯の攻撃を正当化することは出来ない筈である。

 

イラン革命(1979年)はハーメネイー(ホメイニ)師が、脱イスラムでアメリカの傀儡政権と言われたパフラヴィー皇帝の専制に対し、イスラム化への回帰を図って起こした革命であり、革命防衛隊と言う様に、革命の趣旨を守り、維持して行く為の軍隊で、中でもソレイマーニー司令官が率いるクドゥス(ゴドス)隊は、イスラム教を守る為海外の軍事組織に支援と訓練を行う特殊部隊であった。

 

處でトランプ大統領はソレイマーニー司令官殺害の理由として、彼がテロリストであり、米外交官や軍人に対しての攻撃を画策して居るとの疑いで殺害したと述べて居るが、アメリカはイラクのフセイン大統領にも「大量破壊兵器」保有の疑いだけで戦争を仕掛け、殺害している。この時も結果的に「大量破壊兵器」は一切見つかっては居らず、言い掛かりだったことが判明して居る。

斯の時は2001年の同時多発テロへの報復の意味が在ったと見られる。然し是もフセインが仕込んだテロとの証拠は無い。

 

アメリカが自国の権益の為、他国へ難癖を付けて介入することは様々在った。其れを可能にする為に90ヵ国以上に米軍は基地を保有して居る。日本が5万5千人以上と断トツであることは言う迄も無い。だから、何時如何なる難癖を付けられるか分からない日本政府は、アメリカの言うことには逆らえないのである。

今回もイラク国内の米軍基地から飛び立った無人機が、イラク国内の空港近くでイランの兵士を殺害して居る。

と言うことは、在日の或る外国人がアメリカにとって危険だと言う理屈から、羽田付近で米軍機に依って銃撃されることと変わりは無い。その場合、日本の主権は何処に在るのか?

 

今回もアメリカは自国民に対する危険を回避したに過ぎないと主張し、此の事でイランが報復することは許されず、報復が行われれば、アメリカは更に52ヶ所の軍事施設や文化施設を破壊すると脅した。

「戦争を未然に防いだだけで、戦争を始めようとした措置ではない」と言うが、52ヶ所と言うのは、米大使館占領事件で人質として拘束された米国人の人数を示して居る。詰まり報復作戦であったことは明らかだ。

広島・長崎への原爆投下も、100万人の若きアメリカ兵士の命を救うために遣ったと嘯いて居る。当時沖縄防衛戦を最後に、日本軍はアメリカ軍に抵抗出来る戦力を持って居ないことを承知での発言で在った。アメリカは未だに「無理が通れば道理引っ込む」の理不尽さが丸見えである。

 

人質事件とは1979年、先に述べたイラン革命で逃亡したパフラヴィー元皇帝家族が各国を亡命した挙句アメリカに助けを求めて入国、カーター大統領が是を受け入れたことにイラン新政府が抗議、テヘラン米国大使館には学生の反米デモが集まった。学生達は大使館建物内に侵入し、外交官等52名を人質に、元皇帝の身柄引き渡しを要求した事を指す。

 

アメリカは他国に報復をしても構わないが、他国のアメリカへの報復は許さないと言って居るのと如何違うのだろうか?確かに戦力の点でアメリカに対抗出来る国は無い。イランだって報復戦争が出来ないことは自覚して居る。アメリカだから脅しが利くのであって、他国では戦争に持ち込むことは出来ない。自国民に多大な犠牲が出て終わりだからだ。

つい最近は、中国との間の貿易不均衡を解消する手段として、関税を大幅に上げ、双方で関税引き上げ合戦を遣った。経済大国と為った中国だから出来たことで、我が国だったら平身低頭し、お情けを受けるしかないのではないか?

弱腰に成らざるを得ない日本だが、アメリカが呼び掛けたホルムズ海峡有志連合に加わらなかったことは評価したい。日本独自の海自派遣で辻褄を合わせた。蓋を開けて見れば、アメリカに従ったのはイギリス、オーストラリア等僅か7カ国らしい。有志連合とは国連の枠組みを離れ、アメリカ主導で各地の紛争に対処仕様と言うもので、その魂胆に懐疑の目が芽生えて居るからだ。ホルムズ海峡の海賊船対策とは表向きの話で、要はイラク包囲網をアメリカ主導で築き上げたいのだ。日本がイラクの石油、ホルムズ海峡での安全な航行で友好国イラクと事を構える訳には行かないとの賢明な処置である。

 

話は代わるが、ゴーン氏の国外逃亡も見縊られた話である。あれほどの有名人が、顔を見られ、パスポートで確認されながら入国審査を掻い潜ったとは信じられない。荷物検査が杜撰だったのは偶々だったのかも知れないが、入国審査には裏が在りそうだ。裏とは金だろう。
「金さえあれば人間何でも出来るだろう。でもそう言う人は人間では無い」と言った趣旨の話をレバノンの市民がインタビューに答えて言って居た。

 

いずこの国でも庶民の気持ちは正直である。その発言は人間の真実を伝える。小生はそう信じて居る。

新しい年を迎え、今年も卑怯を恥とする心根を広げる為にブログを書き続けようと思う。