借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

◆このページの記事一覧◆

  • ブログ記事移転のお知らせ
  • 偏頗行為否認の第1類型とは?
  • 偏頗行為否認とは?
  • 債務整理・過払い金返還請求専門サイト開設のお知らせ
  • 詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?
  • 詐害的債務消滅行為の否認とは?
  • 引き直し計算代行サービスのご案内
  • 相当対価を得てした財産の処分行為の否認における隠匿等の処分をする意思とは?

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ブログ記事移転のお知らせ

いつも「自己破産と破産法の取扱説明書」をご覧いただきありがとうございます。

当ブログ記事は,今後,順次「債務整理・過払い金ネット相談室」に移転させていただくことになりましたので,お知らせいたします。

お手数ですが,自己破産や破産法について詳しく知りたいという方がいらっしゃいましたら,上記「債務整理・過払い金ネット相談室」をご覧ください。よろしくお願いいたします。

偏頗行為否認の第1類型とは?

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Q.偏頗行為否認の第1類型とは?

A.破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした偏頗行為を否認することをいう。


偏頗行為否認の第1類型とは

【破産法 第162条】
1 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は,破産手続開始後,破産財団のために否認することができる。
一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。ただし,債権者が,その行為の当時,次のイ又はロに掲げる区分に応じ,それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合
    支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合
    破産手続開始の申立てがあったこと。

偏頗行為否認とは,既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為については,破産者の詐害意思に関わら債権者平等を害する債権者にとって有害なものとされ,否認の対象とされます。これが偏頗行為否認です。

偏頗行為否認のうち上記破産法第162条第1項第1号に規定されているものは,「破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした」偏頗行為を否認するというものです。

便宜上,この類型を偏頗行為否認の第1類型と呼ぶことにします。


偏頗行為否認の第1類型の要件

偏頗行為否認の第1類型は,さらに2つの類型に分かれます。

まず,支払不能後に偏頗行為をした場合には,受益者が,債務者が支払不能であったこと又は支払の停止があったことを知っている場合のみ偏頗行為否認をすることができます。

したがって,要件は,以下のとおりです。

  • 支払不能後の偏頗行為(ただし,支払停止行為があったときは,その後は支払不能となったと推定されるので,反対の証拠がない限り,支払停止後の偏頗行為が対象となる。)
  • 受益者が,偏頗行為の際に,債務者が支払不能であったこと又は支払の停止があったことを知っていたこと(ただし,第2項により悪意が推定される場合は,反対の証拠がない限り,受益者が悪意であったということになる。)

次に,破産手続開始の申立て後に偏頗行為をした場合には,受益者が破産手続開始の申立てがあったことを知っていた場合のみ偏頗行為否認をすることができます。

したがって,その要件は,以下のとおりです。

  • 破産手続開始の申立て後の偏頗行為
  • 受益者が,偏頗行為の際に,債務者が破産手続開始の申立てをしたことを知っていたこと(ただし,第2項により悪意が推定される場合は,反対の証拠がない限り,受益者が悪意であったということになる。)

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偏頗行為否認とは?

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Q.偏頗行為否認とは?

A.既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為(偏頗行為)を否認すること。


偏頗行為否認とは

【破産法 第162条】
1 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は,破産手続開始後,破産財団のために否認することができる。
一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。ただし,債権者が,その行為の当時,次のイ又はロに掲げる区分に応じ,それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
 イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合
    支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
 ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合
    破産手続開始の申立てがあったこと。
ニ 破産者の義務に属せず,又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって,支払不能になる前30日以内にされたもの。ただし,債権者がその行為の当時他の破産債権者を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項第1号の規定の適用については,次に掲げる場合には,債権者は,同号に掲げる行為の当時,同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ,それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては,支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
一 債権者が前条第2項各号に掲げる者のいずれかである場合
ニ 前項第1号に掲げる行為が破産者の義務に属せず,又はその方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものである場合
3 第1項各号の規定の適用については、支払の停止(破産手続開始の申立て前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。

上記条文は,「偏頗行為否認」を定めた規定です。偏頗行為とは,特定の債権者のみに対して担保の供与や債務の消滅行為をすることをいいます。

破産手続においては債権者の平等が強く要請されますから,一部の債権者にだけ利益を与えるような行為は債権者平等を害する行為として許されません。

そこで,偏頗行為は,否認権行使の対象とされるのです。


偏頗行為否認の類型

この偏頗行為否認には,2つの類型があります。

1つは,破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした偏頗行為の否認であり,もう1つは,支払不能になる前30日以内にされた非義務的偏頗行為の否認です。


「既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為」とは

偏頗行為否認は,第1類型及び第2類型ともに,既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為を対象としています。

既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為とは,上記の偏頗行為に該当する行為のことです。

担保の供与の代表的な例は,抵当権の設定,債務の消滅の代表的な例は,弁済です。これらの行為が「既存の債務についてされた」場合,偏頗行為否認の対象となります。

「既存の債務」とは,存在している債務という意味です。つまり,「既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為」とは,すでに借金を負っている人が,その借金について担保を供与したり,返済をしてしまう行為を意味します。

逆に,新たな借入れをして,それについて担保を供与することは「既存の債務についてされた」とはいえないので,偏頗行為否認の対象とならないということになります。


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詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?

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Q.詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?

A.詐害的債務消滅行為をしたこと,並びに,詐害行為否認の第1類型及び第2類型の要件を満たすことが必要となる。


詐害的債務消滅行為の否認の要件

【破産法 第160条】
2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは,前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは,破産手続開始後,その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り,破産財団のために否認することができる。

詐害的債務消滅行為の否認の要件としては,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大である債務消滅行為(詐害的債務消滅行為)がなければなりません。

加えて,前項各号に掲げる要件,すなわち,詐害行為否認の第1類型及び第2類型の要件が必要となります。


詐害的債務消滅行為とは

詐害的債務消滅行為とは,「破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるもの」のことをいいます。

例えば,AさんはBさんから100万円借りていました。そして,BさんはAさんに対し,150万円を返済しました。その結果,100万円の借金は消滅しました。

この事例の場合,「消滅した債務」はBさんからの借金であり,その「額」は100万円です。それに対し,「債権者の受けた給付」とはAさんがBさんに支払った返済金であり,その「価額」は150万円です。「当該行為」とは,借金を返済するという行為です。

そうすると,Bさんの受けた返済150万円と,返済行為によって消滅した100万円の借金を比較すると,返済が借金より過大です。

つまり,債権者の受けた給付の価額が,借金返済という行為によって消滅した債務よりも過大であるということです。

したがって,このAさんの行為は,詐害的債務消滅行為であるということになります。


詐害行為否認の要件を満たすこと

これは,詐害的債務消滅行為のうち,破産法第160条第1項第1号と第2号の要件に該当する場合に限り,債務消滅行為が否認の対象となるという意味です。

第1項の場合(つまり,詐害行為否認の第1類型と第2類型の場合)には,「詐害行為」から債務消滅行為は除かれていました。それは,通常借金の返済などをしても,偏頗行為否認の対象となるのが原則だからです。

しかし,その中でも特に詐害性のあるものについては,偏頗行為否認とは違う要件で否認の対象としようというのがこの条文なのです。

そして,詐害性があるかどうかの要件として,第1項に該当する場合という条件が加えられています。要するに,第1類型の要件と第2類型の要件を満たしていることが,第3類型の要件となるということです。


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詐害的債務消滅行為の否認とは?

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Q.詐害的債務消滅行為の否認とは?

A.破産者の債務消滅行為のうちで詐害行為否認の要件を満たすものについて,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大である部分を否認すること。


詐害的債務消滅行為の否認とは

【破産法 第160条】
2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは,前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは,破産手続開始後,その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り,破産財団のために否認することができる。

詐害行為否認の第3類型とも言えるのものが,この「詐害的債務消滅行為の否認」です。

これは,詐害行為否認の第1類型及び第2類型では対象とされなかった「債務の消滅に関する行為」を,特別に詐害行為否認の対象とするものです。


詐害的債務消滅行為の否認の要件

詐害的債務消滅行為の否認には,以下の要件が必要となります。

  • 詐害的な債務消滅行為をしたこと
  • 第1項各号の要件に該当すること

詐害的債務消滅行為に否認の効果

詐害的債務消滅行為の否認が認められたとしても,詐害的債務消滅行為の全部を否認できるというわけではありません。

詐害的債務消滅行為の否認が可能な範囲は,詐害的債務消滅行為によって消滅した債務の額に相当する部分だけです。

例えば,破産者Aさんの150万円の詐害的債務消滅行為によって,債権者Bさんの債務が100万円消滅したとしたならば,否認できるのは,100万円部分だけであるということです。


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引き直し計算代行サービスのご案内

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引き直し計算代行サービス

自己破産も含めて債務整理共通のデメリットとして,信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録されるというものがあります。ブラックリストに登録されると,一定の期間,新規の借入れやクレジットカード等の利用ができなくなります。

他方,形式上は借金が残っていたとしても,引き直し計算の結果,過払いとなっていた場合には,ブラックリストに登録されることはありません

つまり,ブラックリストに登録されるかどうかは,引き直し計算をしてみて,借金の残高が残っているか,過払いとなっているか,を確認してみてはじめて分かるということです。

そのため,これまでも,債務整理を始める前(弁護士が受任通知を債権者に送付する前)に引き直し計算をして,ブラックリストに登録されるのかどうかをあらかじめ確認しておきたいというニーズがありました。

そこで,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所では,上記ニーズにお応えするため,貸金業者から開示された取引履歴をお持ちいただいた場合に引き直し計算を行う,引き直し計算代行サービス(1通につき1050円)を始めました。


引き直し計算代行サービスの利用条件

引き直し計算代行サービスのご利用は,以下の場合に可能となります。

  • 債務整理・過払い金返還請求のご依頼を前提とされている方
  • ご自身で貸金業者から取引履歴をお取り寄せいただける方
  • 当事務所までご来訪いただける方
  • ブラックリストに登録されると不利益を受けるという合理的理由のある方(単に借金ができなくなるからというだけの理由は含まれません。具体的な理由が必要となります。)
  • 複数の業者からの借入れがあるが,特定の業者についてのみ引き直し代行を依頼するという場合には,当該ご依頼の業者以外について債務整理を行わなくても返済に支障がないと認められる方のみ

お気軽にお問い合わせください。
→ 詳しくは引き直し計算代行サービスのご案内をご覧ください。


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相当対価を得てした財産の処分行為の否認における隠匿等の処分をする意思とは?

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Q.相当対価を得てした財産の処分行為の否認における詐害意思とは?

A.破産者が,処分行為によって得た相当な対価について,隠匿等の処分をしようとする意図を持っていることをいう。


相当対価を得てした財産の処分行為の否認の要件

【破産法 第161条】
1 破産者が,その有する財産を処分する行為をした場合において,その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは,その行為は,次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り,破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
二 破産者が,当該行為の当時,対価として取得した金銭その他の財産について,隠匿等の処分をする意思を有していたこと。

相当対価を得てした財産の処分行為の否認の要件として,その行為をした当時,破産者が,それによって受け取った相当の対価について隠匿等の処分をする意思を有していたことが必要とされています。

詐害行為否認では詐害意思が要件として必要とされていますが,この隠匿等の処分をする意思は,その詐害意思の特殊類型というべき要件です。


隠匿等の処分をする意思

詐害行為否認における詐害意思は,自分が危機時期にあるにもかかわらず,責任財産を減少させるような行為をしていることを認識していること意味します。

隠匿等の処分をする意思とは,責任財産を減少させる行為という抽象的なものではなくて,もっと具体的に,隠匿等の処分という具体的な行為をしようとしている意思のことをいいます。


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