Q.少額管財にはどんな類型があるのか?

A.資産調査型,免責調査型,偏頗弁済型等がある。



少額管財・・・

破産手続は大別すると,原則である管財手続と例外である同時廃止手続とがあります。

東京地裁などでは,個人の自己破産における管財手続について,予納金の金額を大幅に減額した少額管財という運用がなされています。

同時廃止となるのは,破産者に破産手続費用を支払うだけの資産が無いことが明らかで,かつ,免責不許可事由が無いことが明らかな場合です。

ということは,逆に言えば,少額管財となるのは,破産者に破産手続費用を支払うだけの資産が無いことが明らかであるとは言えない場合,又は,免責不許可事由が無いことが明らかであるとは言えない場合であると言えます。



資産調査型・・・

資産が無いことが明らかであるとは言えないとは,つまり,資産がある場合だけでなく,資産があるかも知れない場合もの含まれるということになります。

資産がある場合には,その資産について換価処分できるのかどうか,できるのであれば換価処分することになります。

資産があるかも知れないという場合には,資産があるのかどうかを調査し,あれば換価処分できるかどうかを調査して,できるのであれば換価処分をすることになります。

このように資産に関して調査の必要があるために少額管財になる場合のことを「資産調査型」と呼んでいます。



偏頗弁済型・・・

資産があるかも知れないという場合には,単に隠れた財産や紛失した財産があるという場合だけでなく,否認権行使によって財産を取り戻せるかも知れないという可能性がある場合も含まれます。

この場合には,否認権行使が可能であるかどうかを調査し,可能であれば否認権行使をして財産を取り戻し,さらにそれを換価処分することになります。

特に問題となる否認の類型が偏頗弁済の事案であることから,偏頗弁済の調査のために少額管財となる場合のことを「偏頗弁済型」の少額管財と言うことがあります。

もちろん偏頗弁済以外の否認権行使の場合も少額管財となります。 いずれにしろ資産調査型の一種です。



免責調査型・・・

免責不許可事由が無いことが明らかであるとは言えない場合とは,免責不許可事由がある場合だけでなく,免責不許可事由があるかも知れないという場合も含まれます。

免責不許可事由があるかも知れないという場合には,まず本当に免責不許可事由があるのかどうか調査する必要があります。

免責不許可事由がある場合や上記の調査によって明らかになった場合は,裁量免責を与えてよいかどうかについての調査が行われます。

このように免責に関する調査のために少額管財となる場合のことを「免責調査型」と呼んでいます。



その他の類型・・・

その他,給料が差し押さえられており,早急にこの差押えを解除させるために少額管財を選択すると言う場合があります。

また,東京地裁の場合には,個人事業者の場合には原則としてか少額管財が選択されます。 事業資産の調査が必要となるからです。

もっとも,いずれの場合も同時廃止となることはあり得ます。




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