借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

一般の財団債権

◆このページの記事一覧◆

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote

財団債権「破産手続開始による双務契約解約申入れ後の請求権」とは?

ブログネタ
借金返済&多重債務解消 に参加中!
Q.財団債権「破産手続開始による双務契約解約申入れ後の請求権」とは?

A.破産手続開始によって双務契約の解約申入れがあった場合の破産手続開始後契約終了までの間に生じた相手方の請求権のことをいう。



一般の財団債権とは・・・

財団債権とは,破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます。 財団債権のうちで破産法第148条第1項に規定されたものを,「一般の財団債権」といいます。

そして,破産手続開始によって双務契約の解約申入れがあった場合の破産手続開始後契約終了までの間に生じた相手方の請求権は,同項第8号によって,財団債権となるとされています。


【破産法第148条第1項】
次に掲げる請求権は,財団債権とする。
八 破産手続の開始によって双務契約の解約の申入れ(第53条第1項又は第2項の規定による賃貸借契約の解除を含む。)があった場合において破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権


破産手続開始による双務契約の解約の申入れ又は解除とは・・・

雇用契約関係において,使用者が破産手続開始決定を受けた場合,労働者あるいは破産管財人は雇用契約の解約を申し入れることができます(民法第631条)。

また,賃貸借契約関係においても,賃貸人又は賃借人が破産手続開始決定を受けた場合,破産管財人は賃貸借契約を解除することができます(破産法第53条第1項。

ただし,賃貸人の破産において,賃借人が賃借権について対抗要件を具備している場合には,解除できないとされています。)。

相手方が破産管財人に対して債務の履行を選択するのか,解除を選択するのかを早く決めてくれと催告し,一定の期間がすぎても回答がなかったときには,解除したものとみなされます(破産法第53条第2項。)。

このように雇用契約や賃貸借契約は,破産手続開始によって解約の申入れや解除がなされることがあります。




破産手続開始後その契約の終了に至るまでの間に生じた請求権とは・・・

しかし,雇用や賃貸借は,解約又は解除したらすぐ終了,というわけにはいきません。 雇用であれば,解約申入れから一定期間は契約が継続させなければならないとされていますし,賃貸借契約も同様です。

そうすると,破産手続開始によって解約又は解除した後も,しばらく契約関係が継続することになります。 この場合,当然,破産財団は相手方から給付を受けることになります。

雇用であれば,相手方である労働者から労働という給付を受けることになります。

賃貸借であれば,相手方が賃貸人であれば賃貸目的物を利用させてもらうという給付を,相手方が賃借人であれば賃料という給付を受けることになるわけです。

この相手方からの給付は,破産財団に組み入れられていくことになります。 つまり,配当の原資となる財産が増加していくわけです。 それにもかかわらず,相手方に対する給付だけは支払わないというのは不公平です。

そこで,破産手続開始から契約が完全に終了してお互いの給付が発生しなくなるまでの間に生じた相手方の請求権は,財団債権となるとされているのです。





【関連書籍】






・・・交通事故被害でお悩みの方や交通事故に関する法律問題に興味をお持ちの方は,姉妹ブログ「交通事故裁判の取扱説明書」をご覧下さい。




財団債権「双方未履行双務契約の相手方が有する請求権」とは?

ブログネタ
東京地方裁判所 に参加中!
Q.財団債権「双方未履行双務契約の相手方が有する請求権」とは?

A.双方未履行双務契約について破産管財人が債務の履行を選択した場合における,相手方の有する請求権のことをいう。



一般の財団債権とは・・・

財団債権とは,破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます。 財団債権のうちで破産法第148条第1項に規定されたものを,「一般の財団債権」といいます。

双方未履行双務契約について破産管財人債務の履行を選択した場合,相手方の有する請求権は,同項第6号によって,財団債権となるとされています。


【破産法第148条第1項】
次に掲げる請求権は,財団債権とする。
七 第53条第1項の規定により破産管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権



破産法第53条第1項の規定とは・・・


【破産法第53条第1項】
双務契約について破産者及びその相手方が破産手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは,破産管財人は,契約の解除をし,又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。


双務契約とは,契約の当事者が相互に対価としての意義を有する債務を負担する契約の類型のことをいいます。

例えば,売買契約の場合には,買主は代金支払義務を負い,売主は目的物の引渡義務を負うので,相互に対価としての意義を有する債務を負担しているといえますから,双務契約です。

そして,破産手続開始の時点で共にまだその履行を完了していないものを「双方未履行双務契約」といいます。

売買の例で言えば,破産手続開始の時点で,いまだ買主は代金を支払っておらず,売主も目的物を引き渡していないという場合が,双方未履行という状態です。

破産法上,破産管財人は,双方未履行契約について,破産者の債務を履行して契約の相手方に債務の履行をするように請求するか,あるいは,契約を解除するかのいずれかを選択することができるとされています(破産法第53条第1項)。




債務履行を選択した場合の相手方の請求権とは・・・

上記のとおり,破産管財人は,双方未履行双務契約について債務の履行か契約の解除を選択できます。

そして,破産管財人が債務の履行を選択した場合,相手方は,当然,その債務を履行するように請求することができるようになります。

破産管財人が債務の履行を選択するということは,破産管財人は相手方に対して反対債務を履行するように請求できるようにもなるということです。

仮に,相手方の破産管財人に対する債務の履行請求権が財団債権とならないとした場合,この履行請求権は,破産手続開始後のものなので破産債権にもなりません。

そうすると,相手方は,破産財団から配当を受けることすらできなくなります。 結局,相手方は自分だけ支払を強制されるのに自分は何も得ることができないという非常に不公平な結果が生じてしまうのです。

そこで,公平の見地から,双方未履行双務契約について破産管財人が債務の履行を選択した場合には,相手方の履行請求権は,財団債権となるとされているのです。

なお,破産管財人が解除を選択した場合,それによって生じた相手方の損害賠償請求権は破産債権となるとされています(破産法第54条第1項,第97条第8号)。





【関連書籍】






・・・離婚でお悩みの方や離婚に関する法律問題に興味をお持ちの方は,姉妹ブログ「離婚問題の取扱説明書」をご覧下さい。




財団債権「委任終了後の緊急行為により破産手続開始後に生じた請求権」とは?

ブログネタ
くらしの法律 に参加中!
Q.財団債権「委任終了後の緊急行為により破産手続開始後に生じた請求権」とは?

A.委任の終了又は代理権の消滅の後,急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権のことをいう。



一般の財団債権とは・・・

財団債権とは,破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます。 財団債権のうちで破産法第148条第1項に規定されたものを,「一般の財団債権」といいます。

委任契約終了又は代理権消滅後の緊急行為によって破産手続開始後に破産財団に対して発生した請求権は,同項第6号によって,財団債権となるとされています。

【破産法 第148条】
1 次に掲げる請求権は,財団債権とする。
六 委任の終了又は代理権の消滅の後,急迫の事情があるためにした行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権



委任終了又は代理権消滅後の緊急行為とは・・・


【民法 第653条】
委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一 委任者又は受任者の死亡
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

【民法 第654条】
委任が終了した場合において,急迫の事情があるときは,受任者又はその相続人若しくは法定代理人は,委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで,必要な処分をしなければならない。


委任契約は,委任者又は受任者のどちらかが破産手続開始決定を受けた場合には終了します(民法第653条第2号)。

委任契約に基づいて受任者に与えられた代理権も,委任契約の終了ととも消滅すると考えられています。

しかし,委任契約が終了した途端,受任者が途中で委任事務をすべてやめてしまうと,第三者や委任者,あるいは委任者の相続人が大きな不利益を受けるという場合があります。

そこで,委任契約が終了した場合であっても,どうしても急いで処理しておかなければ委任者等に不利益が生じてしまうような「急迫の事情がある」という場合には,受任者は,その急迫の事情がなくなるように応急措置をとることができるとされています。

無論,こういう緊急行為をした場合,有償の委任契約であったときは緊急行為分の報酬も請求できるとされています。




緊急行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権とは・・・

上記のことを破産手続に置き換えて考えると,まず,委任者か受任者のどちらかが破産手続開始決定を受けたことにより,委任契約は終了となります。

しかし,破産手続が開始した途端に,受任者が事務処理をやめてしまうと,破産者が損害を被り,ひいては破産財団が減少してしまうような急迫の事情があるという場合があります。

こういう場合,受任者は,上記民法第654条に基づいて応急措置をとることができます。

そして,受任者が応急措置を採った場合,従前の委任契約が有償であったときは,前記のとおり,受任者は応急措置分の報酬を請求する権利を取得します。

受任者の応急措置によって破産財団の減少が防げたのですから,これは破産債権者全員の利益になることです。

したがって,その措置分の報酬を先に支払ってあげることにしたとしても,破産債権者を害するものとはいえません。

そのため,委任終了又は代理権消滅後の緊急行為によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権は,財団債権となるとされているのです。





【関連書籍】






・・・相続でお悩みの方や相続に関する法律問題に興味をお持ちの方は,姉妹ブログ相続問題の取扱説明書」をご覧下さい。



財団債権「破産手続開始後の事務管理・不当利得に基づく請求権」とは?

ブログネタ
情報提供 に参加中!
Q.財団債権「破産手続開始後の事務管理・不当利得に基づく請求権」とは?

A.事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権のことをいう。



一般の財団債権とは・・・

財団債権とは,破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます。 財団債権のうちで破産法第148条第1項に規定されたものを,「一般の財団債権」といいます。

そして,事務管理や
不当利得によって破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権は,同項第5号によって,財団債権となるとされています。

【破産法第148条第1項】
次に掲げる請求権は,財団債権とする。
五 事務管理又は不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権



事務管理により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権とは・・・

事務管理とは,義務なく他人の財産を管理してあげることをいいます。 事務管理をした場合,その管理に使った費用を請求することができます。

第5号の場合で言えば,破産手続開始後に,義務なく破産財団所属の財産を管理してあげたということになります。

誰かが破産財団を義務なく事務管理してくれた場合,そのことによって破産財団の価値が減少することが妨げられることになるのですから,破産債権者にとってはむしろありがたい話です。

したがって,こういう好意の管理によって発生した費用は優先的に弁済したとしても,破産債権者を害することにはなりません。

そのため,破産手続開始後に破産財団に対して生じた事務管理に基づく費用償還請求権等は,財団債権となるとされています。



不当利得により破産手続開始後に破産財団に対して生じた請求権とは・・・

破産財団中に本来破産者が得るべきでない財産が組み込まれてしまっているということはあり得ます。

その利得が第三者の損失によって生じたものであるという場合,その損失を受けた人は破産財団に対して不当利得返還請求権を取得することになります。

この場合,破産財団に不当な利得が生じている以上,破産債権者にも不当な利得が生じているのと同じことですから,この不当利得返還請求権も優先的に返還してあげるのが公平です。

そのため,不当利得によって破産手続開始後に破産財団に対して発生した不当利得返還請求権は,財団債権となるとされているのです。





【関連書籍】






・・・民法に興味をお持ちの方は,姉妹ブログ「民法の取扱説明書」をご覧下さい。




財団債権「破産管財人の行為によって生じた請求権」とは?

ブログネタ
くらしの法律 に参加中!
Q.財団債権「破産管財人の行為によって生じた請求権」とは?

A.破産財団に関し破産管財人がした法律行為又は不法行為等によって生じた請求権のことをいう。



一般の財団債権とは・・・

財団債権とは,破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます。 財団債権のうちで破産法第148条第1項に規定されたものを,「一般の財団債権」といいます。

そして,破産財団に関して破産管財人がした行為によって生じた請求権は,同項第4号によって,財団債権となるとされています。

【破産法第148条第1項】
次に掲げる請求権は,財団債権とする。
四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権



破産財団に関して破産管財人がした行為によって生じた請求権とは・・・

破産管財人は,破産財団を少しでも増殖させるためさまざまな活動を行います。 その一環として,破産財団所属の財産を売却したり,賃貸借契約を解除したりなどの契約締結を行うこともあります。

その場合,契約内容によっては,第三者が反対に何らかの請求権を取得するようなこともあり得ます。

破産財団増殖のための行為に付随して発生した債権ですから,これに対しては優先的に弁済してもいいということにしても破産債権者を害するものとはいえません。

また,場合によっては,破産管財人が不法行為を行って第三者に損害を与えてしまうということも,まったくないとは言えません。

破産管財人の行為は,破産債権者のために行われる行為ですから,破産債権者にその損害賠償の責任を転嫁することになってもやむを得ません(もちろん,破産債権者に損害賠償請求できるという意味ではありません。)。

そこで,破産管財人が第三者と契約などをした結果,その第三者が取得した請求権や,破産管財人が第三者に対して不法行為をした結果,その第三者が取得した損害賠償請求権などは,財団債権となるとされています。
 




【関連書籍】






・・・裁判員制度などの法律実務に興味をお持ちの方は,姉妹ブログ「法律と法曹の取扱説明書」をご覧下さい。



プロフィール

シンマイ01

ソーシャル プロフィール
記事検索
メールマガジン

メルマガ購読・解除


 

Networkedblogs
QRコード
QRコード
タグクラウド
  • ライブドアブログ