借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

破産手続

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破産犯罪「特定債権者に対する担保供与等の罪」とは?

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Q.特定債権者に対する担保供与等の罪とは?

A.破産手続開始の前後を問わず,債権者を害する目的で,特定債権者に対する債務について担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをすることをいう。


特定債権者に対する担保供与等の罪・・・

【破産法 第266条】
債務者(相続財産の破産にあっては相続人,相続財産の管理人又は遺言執行者を,信託財産の破産にあっては受託者等を含む。以下この条において同じ。)が,破産手続開始の前後を問わず,特定の債権者に対する債務について,他の債権者を害する目的で,担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし,破産手続開始の決定が確定したときは,五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。

詐欺破産罪と同じく,実質的侵害罪と呼ばれる類型に属する破産犯罪が,上記条文に規定されている犯罪です。 特定債権者に対する担保供与等の罪と呼ばれています。

債権者を平等に扱うことを目的とする破産手続において,特定の債権者のみを特別扱いにすることは許されない行為です。 特定の債権者だけに担保を設けるという行為は,その特別扱いの最たるものといえます。

そのため,特定の債権者だけに担保を供与する行為は,破産手続においても特に債権者平等を害する悪質な行為として,破産犯罪となるとされています。


特定の債権者に対する担保供与等の罪の構成要件・・・

特定の債権者に対する担保供与等の罪の構成要件は,以下のとおりです。

  • 債務者の行為であること
  • 特定の債権者に対する債務に担保供与又は債務消滅に関する行為をしたこと
  • 上記担保供与等が債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものであること
  • 上記行為をするに際し,債権者を害する目的があったこと
  • 破産手続開始決定が確定したこと(客観的処罰条件)

特定債権者に対する担保供与等の罪の刑罰・・・

特定債権者に対する担保供与等の罪を犯した場合,5年以下の懲役,500万円以下の罰金,又はその両方の刑罰を科されます。



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破産犯罪とは?

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Q.破産犯罪とは?

A.破産法に規定されている破産手続・免責手続に関する犯罪類型のことをいう。


破産犯罪・・・

破産法には,犯罪に関する規定もあります。 もちろん,破産手続免責手続に関係する犯罪の規定です。 このような犯罪類型のことを「破産犯罪」と呼びます。

破産手続は,基本的に,私法上の関係,もっと具体的に言うとお金の関係を規律するものです。 したがって,不正な行為をした者に対しては,免責不許可としたり損害賠償を支払わせたりというような私法的な制裁をもって対処するのが基本的なスタンスであるはずです。

しかし,免責不許可としたり損害賠償責任を負わせるだけでは十分とはいえないような,極めて悪質性の高い不正行為が行われることもあり得ます。

また,私法上の対処だけでは,そのような悪質性の高い不正行為を抑止する威嚇力として弱いということもあります。

そこで,破産手続を悪用して不当な利益を得ようとする行為をあらかじめ抑制するための威嚇として,破産犯罪という犯罪類型が設けられているのです。


破産犯罪の類型・・・

破産犯罪には,以下の3つの類型があります。

第1類型は,破産債権者の財産的利益を侵害する行為を罰する破産犯罪類型です。 実質的侵害罪と呼ばれています。 第1類型には,詐欺破産罪,特定債権者に対する担保供与罪があります。

第2類型は,破産手続の適正な進行を侵害する行為を罰する破産犯罪類型です。 手続的侵害罪と呼ばれています。 第2類型には,破産管財人の特別背任罪,破産者の説明・検査拒絶罪,重要財産開示拒絶罪,業務・財産の状況に関する物件の隠匿等罪,破産管財人の職務妨害罪等があります。

最後の第3類型は,破産者の経済的更生を侵害する行為を罰する犯罪類型です。 第3類型とは,面会強要罪などがあります。



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破産すると一方のみ未履行の契約はどうなるのか?

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Q.破産すると一方のみ未履行の契約はどうなるのか?

A.破産者のみが義務を履行していない場合,その義務の履行を求める債権は破産債権となり,相手方の義務履行によって取得した財産は破産財団に所属する。 相手方のみが義務を履行していない場合は,破産管財人が相手方に対して義務の履行を求める。 



一方のみ未履行の契約とは・・・

片務契約とは,当事者の一方のみが出捐義務を負う契約のことをいい,双務契約とは,当事者の双方が出捐義務を負う契約のことをいいます。

一方のみ未履行の契約とは,双務契約の当事者の一方だけが義務をまだ履行していない段階で,当事者のいずれかについて破産手続が開始された場合のことをいいます。

片務契約の場合は,もともと当事者の一方しか義務を負っていないので,取扱いとしては上記の一方のみ未履行の契約と同様に取り扱われることになります。




一方のみ未履行の契約の整理・・・

例えば,AさんとBさんとの間で,AさんがBさんに対して代金100万円で自動車を売るという売買契約を締結したとします。

この事例で,買主であるBさんが,代金を全額支払ったものの自動車の引渡しを受ける前に,破産したとします。

つまり,破産者の方は義務を履行したが,その相手方が義務を履行していない場合です。

この場合,Bさんの破産管財人がAさんに対して自動車を破産財団に引き渡すように請求することになります。

自動車は引き渡したものの代金を受け取る前にAさんが破産したという場合でも同様です。 Aさんの破産管財人が,Bさんに対して代金を支払うよう請求することになります。

問題となるのは,自動車は引き渡したものの代金支払が未了の間にBさんが破産した場合,または,代金は支払ったものの自動車の引渡し未了の間にAさんが破産した場合,です。

まず,自動車は引き渡したものの代金支払が未了の間にBさんが破産した場合ですが,この場合,自動車はすでにBさんの所有となっていますから,自動車は破産財団に組み入れられ,換価処分後配当されることになります。

では,まだ支払っていない代金債権はどうなるのかというと,これは破産債権となります。 つまり,配当でしか支払ってもらえなくなるわけです。

Bさんは自動車を手に入れる一方(と言っても,換価処分されるのですが・・・),Aさんは代金全額を受け取ることはできなくなるのですから,一見すると不公平なようにも思えますが,破産手続の性格上,やむを得ないという他ありません。

代金は支払ったものの自動車の引渡し未了の間にAさんが破産した場合ですが,この場合も,受領した代金は現金等として破産財団に組み入れられ,BさんのAさんに対する自動車引渡請求権は破産債権となります。





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破産すると契約関係はどうなるのか?

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Q.破産すると契約関係はどうなるのか?

A.破産手続開始時において,一方のみ未履行の契約である場合には,通常どおり処理される。 双方未履行双務契約の場合には,原則として,破産管財人が契約を解除するか,あるいは破産者の債務を履行した上で相手方に反対給付の履行を請求するかどうかを選択することができる。



破産手続開始前に契約上の義務がすべて履行されている場合・・・

破産者が破産手続開始前に誰かと契約を締結していたということは,当然,よくあることです。

破産手続はあくまで債権債務を処理するための手続ですから,契約を締結していたからといって,それが当然に解消されてしまうということはありません。

したがって,破産者が破産手続開始前に誰かとの間で契約を締結していたとしても,その契約に基づく義務がすべて破産手続開始前に履行されてしまっていれば,契約関係を整理する必要はありません。

しかし,破産手続が開始されたときに契約に基づく義務が残っているという場合には,破産手続開始時に債権又は債務があるということになりますから,契約関係を整理する必要があります。




未履行契約・・・

上記のとおり,契約関係で問題となるのは,履行がなされていない義務がある契約です。 これを未履行契約といいます。 もっとも,未履行契約と一口に言っても,いろいろな場合があります。

契約には,片務契約と双務契約とがあります。 片務契約とは当事者の一方のみが出捐義務を負う契約であり,双務契約とは当事者の双方が出捐義務を負う契約のことをいいます。

片務契約の場合には当事者の一方のみが義務を負うので,この場合の未履行契約とは,当事者の一方が義務を履行しなかった場合しかないということになります。

他方,双務契約の場合には当事者双方が義務を負いますから,この場合の未履行契約には,片方だけが義務を履行していない場合と双方が義務を履行していない場合とがあるということになります。

当事者双方が義務を履行していない契約のことを双方未履行契約といいます。

一方のみ未履行契約の場合には,通常どおりに処理されます。 すなわち,破産者が義務を履行していない場合にはその債権は破産債権又は財団債権となります。

すでに相手方が債務を履行済みであれば,取戻権等の要件を満たさない限り,反対給付は破産財団に組み入れられます。

双方未履行契約の場合には,原則として,破産管財人が契約を解除するか,あるいは破産者の債務を履行した上で相手方に反対給付の履行を請求するかどうかを選択することができるとされています。





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破産・免責手続は強制執行等にどのような影響を及ぼすのか?

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Q.破産・免責手続は強制執行等にどのような影響を及ぼすのか?

A.管財事件の場合,破産手続開始決定によって,破産債権・財団債権に基づいて破産財団に対してなされた強制執行・仮差押え・仮処分は,新たに行うことができなくなり,また,破産手続開始前にすでになされていたものは破産財団に対して効力を失う。 同時廃止事件の場合には,免責許可の申立てによって,破産債権・財団債権に基づいて破産財団に対してなされた強制執行・仮差押え・仮処分は,新たに行うことができなくなり,また,免責許可の申立て前にすでになされていたものは中止する。



破産手続開始と執行・保全・・・

例えば,ある債権の回収のために訴訟を起こし,勝訴の判決をもらったとします。 もっとも,勝訴判決をもらっただけでは債権の回収はできません。 債務者が支払ってくれない限りは絵に描いた餅にすぎません。

しかし,これではあまりに裁判が無意味になってしまいます。 そこで,判決の内容を実行する強制力を持った手続が必要となってきます。

それが民事執行手続です。 そして,この民事執行手続の代表的な執行の方法が,「強制執行」です。 具体的には「差押え」などがこれに含まれます。
 
また,強制執行等ができるとしても,債務者が訴訟の最中に財産を隠したりしてしまうと,強制執行ができなくなってしまうおそれがあります。

そこで,あらかじめ財産隠し等ができないように,裁判が終わるまでは財産を動かせないようにしておく措置が必要となってきます。

それが民事保全手続です。 そして,この民事保全手続の代表的な保全の方法が,「仮差押え」や「仮処分」です。 こういう保全の方法のことを「保全処分」と呼びます。

この強制執行や保全処分は,特定の債権者が自分の債権の回収のために行うものですから,その特定の債権者のためだけになされるものです。

しかし,破産手続ではすべての債権者を公平に扱う必要がありますから,個々の強制執行や保全処分を安易に認めることはできません。

そこで,強制執行や保全処分については,一定の歯止めが必要となってきます。




どのように扱われるか・・・

強制執行や保全処分が破産手続上どのように扱われるかについては,管財事件の場合と同時廃止事件の場合とで異なります。

【破産法 第42条】
1 破産手続開始の決定があった場合には,破産財団に属する財産に対する強制執行,仮差押え,仮処分,一般の先取特権の実行又は企業担保権の実行で,破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは,することができない。
2 前項に規定する場合には,同項に規定する強制執行,仮差押え,仮処分,一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続で,破産財団に属する財産に対して既にされているものは,破産財団に対してはその効力を失う。ただし,同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については,破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。
3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については,民事執行法第63条及び第129条(これらの規定を同法 その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は,適用しない。
4 第2項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は,財団債権とする。
5 第2項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては,破産管財人を被告とする。
6 破産手続開始の決定があったときは,破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第196条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第249条第1項及び第2項において同じ。)の申立てはすることができず,破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続はその効力を失う。


管財事件の場合,まず破産手続開始によって,それ以降,新たに強制執行や保全処分をすることができなくなります。

また,破産手続開始時にすでになされている強制執行や保全処分は,破産財団に対して効力を失うことになります。


【破産法 第249条】
1 免責許可の申立てがあり,かつ,第216条第1項の規定による破産手続廃止の決定,第217条第1項の規定による破産手続廃止の決定の確定又は第220条第1項の規定による破産手続終結の決定があったときは,当該申立てについての裁判が確定するまでの間は,破産者の財産に対する破産債権に基づく強制執行,仮差押え若しくは仮処分若しくは破産債権を被担保債権とする一般の先取特権の実行若しくは留置権(商法又は会社法 の規定によるものを除く。)による競売(以下この条において「破産債権に基づく強制執行等」という。),破産債権に基づく財産開示手続の申立て又は破産者の財産に対する破産債権に基づく国税滞納処分はすることができず,破産債権に基づく強制執行等の手続で破産者の財産に対して既にされているもの及び破産者について既にされている破産債権に基づく財産開示手続は中止する。
2 免責許可の決定が確定したときは,前項の規定により中止した破産債権に基づく強制執行等の手続及び破産債権に基づく財産開示手続は,その効力を失う。
3 第1項の場合において,次の各号に掲げる破産債権については,それぞれ当該各号に定める決定が確定した日の翌日から2月を経過する日までの間は,時効は,完成しない。
一 第253条第1項各号に掲げる請求権  免責許可の申立てについての決定
ニ 前号に掲げる請求権以外の破産債権  免責許可の申立てを却下した決定又は免責不許可の決定


同時廃止事件の場合には,免責許可の申立てによって,それ以降,新たに強制執行や保全処分をすることができなくなります。

また,免責許可の申立て時にすでになされている強制執行や保全処分は,中止されることになります。




破産手続開始の時点ですでに執行が完了していた場合・・・

上記の各場合と異なり,破産手続が開始した時点で,すでに執行が完了,つまり配当や取立ての手続も含めて全部の執行手続が終了してしまっていた場合は,さすがに効力なしとすることまではできません。

したがって,この完了した執行手続は一応有効ということになります。

もっとも,一定の条件を満たす場合,破産管財人は,完了した執行について否認権を行使することができることがあります。 これを「執行行為の否認」といいます。





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財団債権「裁判上の費用及び破産財団管理等の費用の請求権」とは?

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Q.財団債権「裁判上の費用及び破産財団管理等の費用の請求権」とは?

A.裁判上の費用の請求権とは,破産手続を遂行するために裁判所が行う行為に関連して発生する一切の費用のうち,破産債権者の共同の利益のために支出されたものの請求権のことをいう。 破産財団管理等の費用の請求権とは,破産財団の管理,換価及び配当に関して支出された費用の請求権のことをいう。



一般の財団債権とは・・・


財団債権とは,破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます。 財団債権のうちで破産法第148条第1項に規定されたものを,「一般の財団債権」といいます。



破産法第148条第1項第1号の財団債権とは・・・


【破産法第148条第1項】
次に掲げる請求権は,財団債権とする。
一 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権


この裁判上の費用とは,破産手続を遂行するために裁判所が行う行為に関連して発生する一切の費用をいうとされています。

例えば,保全処分や破産手続開始決定の公告費用,債権者集会の開催費用などです。

もっとも,「破産債権者の共同の利益のためにする」ものでなければなりません。 そのため,各破産債権者が手続に参加するために要した個々の費用などは財団債権とはなりません。



法第148条第1項第2号の財団債権とは・・・


【破産法第148条第1項】
次に掲げる請求権は,財団債権とする。
ニ 破産財団の管理,換価及び配当に関する費用の請求権


これは,主として破産管財人の報酬の請求権です。 また,保全管理人が選任されていれば,保全管理人の報酬請求権も同様です。

もちろん,その他にも,財産目録等の作成費用や配当の公告費用なども,この財団債権に含まれます。 



一般の財団債権の優劣関係とは・・・

【破産法第152条】
1 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は,法令に定める優先権にかかわらず,債権額の割合により弁済する。ただし,財団債権を被担保債権とする留置権,特別の先取特権,質権又は抵当権の効力を妨げない。
2 前項の規定にかかわらず,同項本文に規定する場合における第148条第1項第1号及び第2号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって,同条第4項に規定するものを含む。)は,他の財団債権に先立って,弁済する。


財団債権は,配当を待つことなく破産財団から随時弁済を受けることができる債権ですから,配当によってのみ満足を受けることができる破産債権よりも優越するものです。

もっとも,財団債権相互間にも優劣関係があります。

第1号及び第2号の財団債権は,破産手続を進めていく上で不可欠の費用の請求権です。

したがって,これらがまず第一に弁済されることにしないと,破産手続を遂行していくための費用を支払ってくれる人がいなくなってしまいます。

また,本来ならば,これらの費用は,破産債権者が共同で負担すべきものですから,最大の優先性を与えたとしても不公平とはいえません。

そのため,上記の破産法第148条第1項第1号の財団債権と2号の財団債権は,他の一般の財団債権及び特別の財団債権に優先して弁済されることになっているのです。




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破産債権「破産手続参加の費用の請求権」とは?

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Q.破産手続参加の費用の請求権は破産債権となるのか?

A.破産法第97条第7号により,破産手続参加の費用の請求権は(劣後的)破産債権として扱われる。



破産債権とは・・・

破産手続に参加して破産財団から配当を受けることができる債権を,破産債権といいます。

この破産債権とは,「
破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって,財団債権に該当しないもの」であるとされています(破産法第2条第5項)。

もっとも,上記の破産債権の定義に当てはまらない債権であっても,政策的な理由から破産債権とされる債権があります。

破産手続に参加するための費用の請求権は,破産手続開始後の請求権ですが,破産法第97条第6号によって,破産債権とされています。

【破産法第97条】
次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は,破産債権に含まれるものとする。
七 破産手続参加の費用の請求権




破産手続参加の費用の請求権とは・・・

破産手続に参加するための費用とは,例えば,債権届の作成費用や債権者集会出席費用などがこれに当たります。

破産手続開始の申立てのための費用は財団債権に当たるので,ここでいう破産手続参加の費用には当たりません。

破産手続参加の費用の請求権は破産手続開始後の請求権ですから,本来であれば破産債権には当たらないはずです。

しかし,破産手続をするに当たって必ず発生する費用ですから,これを出費した債権者に対しては破産手続において配当する必要がありますし,破産者に対しては免責の対象としてあげる必要もあります。 そこで,政策的に破産債権とされています。

もっとも,この費用によって本来の破産債権の配当が減少することになるようなことは望ましくないため,劣後的破産債権とされています。




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破産債権とは?

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Q.破産債権とは?

A.破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第97条各号に掲げる債権を含む。)であって,財団債権に該当しないものをいう。



破産債権とは・・・

【破産法 第2条】
5 この法律において「破産債権」とは,破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第97条各号に掲げる債権を含む。)であって,財団債権に該当しないものをいう。


破産手続によって破産財団から配当を受けることができるのは,破産債権を有する債権者,すなわち破産債権者です。

つまり,破産債権とは,破産財団から配当を受けることができる権利であるということができます。

他方,破産債権は,原則として,破産手続開始以降は,破産財団からの配当以外の方法で債権回収を図ることができなくなります。

つまり,勝手に取立てをしてはいけなくなるのです。 そういう意味では,義務的な側面もあるといえます。



破産債権の要件・・・

この破産債権の要件は,以下のとおりです。
 
 ・ 財産上の請求権であること

 ・ 破産者に対するものであること

 ・ 強制的実現を求めることができるものであること

 ・ 破産手続開始前の原因に基づいて生じたものであること

 ・ 財団債権に該当しないものであること



第97条各号に掲げる債権とは・・・

【破産法第97条】
次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は,破産債権に含まれるものとする。
? 破産手続開始後の利息の請求権
? 破産手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権
? 破産手続開始後の延滞税,利子税又は延滞金の請求権
? 国税徴収法 (昭和34年法律第147号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって,破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの
? 加算税(国税通則法 (昭和37年法律第66号)第2条第4号 に規定する過少申告加算税,無申告加算税,不納付加算税及び重加算税をいう。)又は加算金(地方税法 (昭和25年法律第226号)第1条第1項第14号 に規定する過少申告加算金,不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権
? 罰金,科料,刑事訴訟費用,追徴金又は過料の請求権(以下「罰金等の請求権」という。)
? 破産手続参加の費用の請求権
? 第54条第1項(第58条第3項において準用する場合を含む。)に規定する相手方の損害賠償の請求権
? 第57条に規定する債権
? 第59条第1項の規定による請求権であって、相手方の有するもの
? 第60条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)に規定する債権
? 第168条第2項第2号又は第3号に定める権利


上記の要件を満たすものが破産債権となりますが,一部,上記の要件を満たさない債権であっても破産債権とされるものがあります。 それが第97条各号に掲げる債権です。

上記の請求権は,財団債権となるものを除いて,破産債権として扱われることになります。



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