借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

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同時廃止・異時廃止とは?

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Q.同時廃止・異時廃止とは?

A.同時廃止(同時破産手続廃止)とは,破産手続開始の時点において破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときに,破産手続開始の決定と同時に,破産手続廃止の決定をすることをいう。 異時廃止(異時破産手続廃止)とは,破産手続開始決定後において破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときに,破産手続廃止の決定をすることをいう。



同時廃止・・・

【破産法 第216条】
1 裁判所は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産手続開始の決定と同時に,破産手続廃止の決定をしなければならない。


破産手続開始の時点で,すでに破産手続費用を支払うだけの破産財団の形成が不可能であることが判明した場合には,破産手続をすすめることができません。

この場合には,破産手続開始決定と同時に,破産手続が廃止されます。


これを,同時破産手続廃止,略して同時廃止といいます。 破産手続開始と同時に破産手続が廃止されるので,「同時」「廃止」というわけです。



異時廃止・・・

【破産法 第217条】
1 裁判所は,破産手続開始の決定があった後,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産管財人の申立てにより又は職権で,破産手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては,裁判所は,債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。


異時破産手続廃止とは,破産手続開始の時点では破産手続費用を支払うだけの破産財団が形成できると思われたものの,破産手続をすすめていくうちに,破産手続費用を支払うだけの財産が無いことが判明したという場合に,破産手続を廃止させることをいいます。


破産手続開始決定とは異なる時期に破産手続廃止決定がなされることから,「異時」「廃止」といわれます。 財団不足による廃止,事後廃止などと呼ばれることもあります。


破産手続が管財手続で進められた場合には,この異時廃止によって終了するということが大半です。



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管財事件では強制執行等はどのように取り扱われるのか?

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Q.管財事件では強制執行等はどのように取り扱われるのか?

A.破産手続開始決定によって,破産債権・財団債権に基づいて破産財団に対してなされた強制執行・仮差押え・仮処分は,新たに行うことができなくなり,また,破産手続開始前にすでになされていたものは破産財団に対して効力を失う。



管財事件における取扱い・・・


【破産法 第42条】
1 破産手続開始の決定があった場合には,破産財団に属する財産に対する強制執行,仮差押え,仮処分,一般の先取特権の実行又は企業担保権の実行で,破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは,することができない。
2 前項に規定する場合には,同項に規定する強制執行,仮差押え,仮処分,一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続で,破産財団に属する財産に対して既にされているものは,破産財団に対してはその効力を失う。ただし,同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については,破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。
3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については,民事執行法第63条及び第129条(これらの規定を同法 その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は,適用しない。
4 第2項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は,財団債権とする。
5 第2項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては,破産管財人を被告とする。
6 破産手続開始の決定があったときは,破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第196条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第249条第1項及び第2項において同じ。)の申立てはすることができず,破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続はその効力を失う。




破産手続開始後の新たな強制執行等・・・

上記条文第1項のとおり,破産手続の開始によって,それ以降,新たに,破産債権財団債権に基づいて,破産財団に属する財産に対する強制執行や保全処分をすることができなくなります



破産手続開始時にすでになされている強制執行等・・・

破産手続開始時においてすでに,破産債権・財団債権に基づいて破産財団に属する財産に対して強制執行や保全処分がなされている場合,その強制執行等は破産財団に対して効力を失います。

破産財団に対して効力を失うというのは,意味が分かりにくいかもしれません。

これは,要するに,無効となるわけではないけれども,破産手続が開始された後は,破産財団に対してだけは強制執行や保全処分の効力がなくなるということです。

したがって,破産管財人は,破産財団所属の財産に対して強制執行等がされていたとしても,それを無視してその財産を換価処分することができます。

また,破産手続開始前に強制執行がなされ,破産手続開始後にその強制執行に基づいて配当や取立てが行われた場合には,破産管財人は,その配当等によって得た財産を破産財団に戻すように請求することができます。

ただし,このような措置をとるかどうかは破産管財人の判断によります。 破産管財人は,すでになされている強制執行等を使った方が便利だと考えた場合には,強制執行等を続行することもできるとされています。




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少額管財にはどんな類型があるのか?

Q.少額管財にはどんな類型があるのか?

A.資産調査型,免責調査型,偏頗弁済型等がある。



少額管財・・・

破産手続は大別すると,原則である管財手続と例外である同時廃止手続とがあります。

東京地裁などでは,個人の自己破産における管財手続について,予納金の金額を大幅に減額した少額管財という運用がなされています。

同時廃止となるのは,破産者に破産手続費用を支払うだけの資産が無いことが明らかで,かつ,免責不許可事由が無いことが明らかな場合です。

ということは,逆に言えば,少額管財となるのは,破産者に破産手続費用を支払うだけの資産が無いことが明らかであるとは言えない場合,又は,免責不許可事由が無いことが明らかであるとは言えない場合であると言えます。



資産調査型・・・

資産が無いことが明らかであるとは言えないとは,つまり,資産がある場合だけでなく,資産があるかも知れない場合もの含まれるということになります。

資産がある場合には,その資産について換価処分できるのかどうか,できるのであれば換価処分することになります。

資産があるかも知れないという場合には,資産があるのかどうかを調査し,あれば換価処分できるかどうかを調査して,できるのであれば換価処分をすることになります。

このように資産に関して調査の必要があるために少額管財になる場合のことを「資産調査型」と呼んでいます。



偏頗弁済型・・・

資産があるかも知れないという場合には,単に隠れた財産や紛失した財産があるという場合だけでなく,否認権行使によって財産を取り戻せるかも知れないという可能性がある場合も含まれます。

この場合には,否認権行使が可能であるかどうかを調査し,可能であれば否認権行使をして財産を取り戻し,さらにそれを換価処分することになります。

特に問題となる否認の類型が偏頗弁済の事案であることから,偏頗弁済の調査のために少額管財となる場合のことを「偏頗弁済型」の少額管財と言うことがあります。

もちろん偏頗弁済以外の否認権行使の場合も少額管財となります。 いずれにしろ資産調査型の一種です。



免責調査型・・・

免責不許可事由が無いことが明らかであるとは言えない場合とは,免責不許可事由がある場合だけでなく,免責不許可事由があるかも知れないという場合も含まれます。

免責不許可事由があるかも知れないという場合には,まず本当に免責不許可事由があるのかどうか調査する必要があります。

免責不許可事由がある場合や上記の調査によって明らかになった場合は,裁量免責を与えてよいかどうかについての調査が行われます。

このように免責に関する調査のために少額管財となる場合のことを「免責調査型」と呼んでいます。



その他の類型・・・

その他,給料が差し押さえられており,早急にこの差押えを解除させるために少額管財を選択すると言う場合があります。

また,東京地裁の場合には,個人事業者の場合には原則としてか少額管財が選択されます。 事業資産の調査が必要となるからです。

もっとも,いずれの場合も同時廃止となることはあり得ます。




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