借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

管財手続

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破産手続が開始されると給料等の差押えは止まるのか?

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Q.破産手続が開始されると給料等の差押えは止まるのか?

A1.管財事件の場合,給料差押えは破産財団に対して効力を失うため,破産管財人はこれを無視して自由に差し押さえられた給料債権を換価処分することができる。 東京地裁では,破産管財人が東京地裁民事9部(民事執行センター)に執行取消しの上申書を提出すれば,裁判所の職権によって給料の差押えが取り消される。

A2.同時廃止事件の場合,免責許可の申立てをすると,給料差押えは中止される。 東京地裁では,中止するためには,破産者自身が同時廃止決定後に上記民事9部に強制執行停止の上申をする必要がある。



給料の差押え・・・

借金が返せなくなり滞納が続くと,債権者が,債務者の給料等を差し押さえるという手段をとってくることがあります。  給料の差押えは,民事執行法に基づく強制執行として行われます。

どのくらい差し押さえられるかというと,
給料の4分の1が差し押さえられることになります(なお,給料が44万円以上である場合には,4分の1ではなく,33万円を超える部分全部が差押可能となります。)。

もっとも,4分の1でも生活には相当な打撃を受けるおそれがあります。 そのため,この給料差押えは,債務者の人にとって重大な問題であるといえます。




管財事件の場合・・・

管財事件の場合,破産手続が開始された後は,もはや給料の差押えをすることはできなくなります。

破産手続開始時にすでに給料の差押えがなされている場合は,その給料の差押えは
破産財団に対して効力を失うので,破産管財人はこれを無視して給料の差押え部分を自由に処分することができるようになります。

東京地裁では,給料が差し押さえられている場合,破産管財人が東京地裁民事9部(民事執行センター)に執行取消しの上申書を提出すれば,裁判所の職権によって給料の差押えが取り消されるという運用になっています。

したがって,少なくとも,
破産手続開始決定後に働いた分の給料は,ちゃんと債務者のところへ入ってくるということになります。



同時廃止事件の場合・・・

同時廃止事件の場合,免責許可の申立てをすれば,それ以降は給料の差押えをすることができなくなります。

なお,
自己破産の場合,破産手続開始の申立てと免責許可の申立ては一緒になされるのが通常です。

では,免責許可の申立時にすでになされている給料差押えはどうなるのかというと,残念ながら当然には,差押えは取り消されません。
同時廃止の場合,免責許可申立時にすでになされている強制執行は中止されるだけですので,給料の差押えは,免責許可申立ての後も免責許可決定が確定するまでは続行されます。

ただし,中止された場合,差し押さえられている部分は債権者に支払われることはなく,給料を支払う会社等が自ら保管しておくか,あるいは供託することになり,免責許可決定が確定した後に,債務者に返還されることになります。

なお,当然に中止されるわけではなく,同時廃止の決定がなされた後,破産者自身で東京地裁民事第9部に強制執行停止の上申書を提出しなければならないので,注意が必要です。





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管財事件では強制執行等はどのように取り扱われるのか?

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Q.管財事件では強制執行等はどのように取り扱われるのか?

A.破産手続開始決定によって,破産債権・財団債権に基づいて破産財団に対してなされた強制執行・仮差押え・仮処分は,新たに行うことができなくなり,また,破産手続開始前にすでになされていたものは破産財団に対して効力を失う。



管財事件における取扱い・・・


【破産法 第42条】
1 破産手続開始の決定があった場合には,破産財団に属する財産に対する強制執行,仮差押え,仮処分,一般の先取特権の実行又は企業担保権の実行で,破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは,することができない。
2 前項に規定する場合には,同項に規定する強制執行,仮差押え,仮処分,一般の先取特権の実行及び企業担保権の実行の手続で,破産財団に属する財産に対して既にされているものは,破産財団に対してはその効力を失う。ただし,同項に規定する強制執行又は一般の先取特権の実行(以下この条において「強制執行又は先取特権の実行」という。)の手続については,破産管財人において破産財団のためにその手続を続行することを妨げない。
3 前項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続については,民事執行法第63条及び第129条(これらの規定を同法 その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は,適用しない。
4 第2項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行の手続に関する破産者に対する費用請求権は,財団債権とする。
5 第2項ただし書の規定により続行された強制執行又は先取特権の実行に対する第三者異議の訴えについては,破産管財人を被告とする。
6 破産手続開始の決定があったときは,破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続(民事執行法第196条に規定する財産開示手続をいう。以下この項並びに第249条第1項及び第2項において同じ。)の申立てはすることができず,破産債権又は財団債権に基づく財産開示手続はその効力を失う。




破産手続開始後の新たな強制執行等・・・

上記条文第1項のとおり,破産手続の開始によって,それ以降,新たに,破産債権財団債権に基づいて,破産財団に属する財産に対する強制執行や保全処分をすることができなくなります



破産手続開始時にすでになされている強制執行等・・・

破産手続開始時においてすでに,破産債権・財団債権に基づいて破産財団に属する財産に対して強制執行や保全処分がなされている場合,その強制執行等は破産財団に対して効力を失います。

破産財団に対して効力を失うというのは,意味が分かりにくいかもしれません。

これは,要するに,無効となるわけではないけれども,破産手続が開始された後は,破産財団に対してだけは強制執行や保全処分の効力がなくなるということです。

したがって,破産管財人は,破産財団所属の財産に対して強制執行等がされていたとしても,それを無視してその財産を換価処分することができます。

また,破産手続開始前に強制執行がなされ,破産手続開始後にその強制執行に基づいて配当や取立てが行われた場合には,破産管財人は,その配当等によって得た財産を破産財団に戻すように請求することができます。

ただし,このような措置をとるかどうかは破産管財人の判断によります。 破産管財人は,すでになされている強制執行等を使った方が便利だと考えた場合には,強制執行等を続行することもできるとされています。




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